【ドッグフード】愛犬の「食」を考える(2)~添加物とうまく付き合おう

わたしたちの体は、細胞でできています。細胞は水分やタンパク質などで構成されています。細胞をつくるのは口から入れる栄養素で、細胞の質~体の質といえます。

質の良い(丈夫な)体をつくるには、質の良い栄養素を摂ることと、バランスの良い食事を摂ることががとても大切です。

摂れたての野菜や魚など新鮮なものをずっと摂れるならいいのですが、実際非常に難しいです。

そこで、生ものを腐りにくくしたり、そのままではおいしくないものをおいしく感じるようにするために、「添加物」を使用して食品を加工しています。

添加物=体に悪いもの、と思いますが、添加物にもいろんな種類があります。今回は自分がドッグフードや犬用おやつを選ぶ時に気をつけていることをお伝えしたいと思います。

 

 

食品表示法について

 

冒頭でもお話しましたが、口から入れるもので体の質は大きく変わります。これは人間も愛犬も同じ。ペットブームと共にフードの質は格段に上がり、中には人間が食べても問題ないヒューマングレードと言われるフードもあります。ペットフードの質が上がったことで、10年前と比べて犬の寿命は飛躍的に伸びています。

しかし、質の良いドッグフードや犬用おやつがある一方で、人間が食べることが禁じられていて、人用としては決して使用できない添加物を使った安価なフードもあります。

 

食べ物は、「食品表示法」という法律で守られています。食品表示法とは、消費者が食品を安全に選択し摂取できるよう決められた法律で、名称・アレルゲン・保存方法・消費期限・原材料・添加物など、食品を加工する際に使用したものを表示しなければならない、というものです。


食品の表示は、これまで複数の法律に定めがあり、非常に複雑なものになっていました。このたび、食品衛生法、JAS法(旧:農林物の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)及び健康増進法の3法の食品の表示に係る規定を一元化し、事業者にも消費者にもわかりやすい制度を目指した「食品表示法」が平成27年4月1日から施行されました。

参考文献:食品表示法ができました! 東京都

 

ちなみにペット用フードは別に法律があります。それがペットフード安全法といわれるもので、管轄は環境庁になります。


愛がん動物用飼料(ペットフード)の製造等に関する規制を行うことにより、愛がん動物用飼料の安全性の確保を図り、もって愛がん動物(ペット)の健康を保護し、動物の愛護に寄与することを目的とする。

参考文献:ペットフード安全法の概要(環境庁)

 

昔と比較すると、ペットの位置づけはかなり向上していると思いますが、ペットフード=「飼料」なんですよね。これをみると、まだまだペット=家畜という感覚が強いと感じてしまいます。

 

 

食品表示と添加物

 

フードを選ぶ時、必ずチェックするものがあります。それはパッケージ裏面に書いてある「食品表示」です。

2009年6月に施行されたペットフード安全法は、ペットフードの製造に使用した添加物の記載が必要ですが、加工した肉などに含まれる添加物の表示は義務付けられていません。

言い方を変えれば、その商品の製造の段階で使った添加物しか表示しなくて良いということなので、加工肉を加工する過程でどれだけ添加物をつかっていても、それは一切表示しなくていいんです。

関連記事:【ドッグフード】愛犬の「食」を考える(1)~わたしのドッグフードの選び方

 

 

 

ペット用フードには、人用食品では使用が禁止されている添加物が使われていることがあります。

こちらは我が家の愛犬クリンが好んで食べる、ある大手メーカーの砂肝ジャーキーの表示です。

 

砂肝以外は添加物であることがわかります。

ソルビトールは甘味料として、グリセリンは保湿剤・軟化剤・保湿剤として、プロピレングリコールは保湿剤・乳化剤として、リン酸塩は結着剤・乳化・変色・沈澱・乾燥防止、味の調和、食感向上として、亜硝酸ナトリウムは発色剤として使用されています。

この中で毒性が強いといわれているのが、亜硫酸ナトリウムです。

亜硫酸ナトリウムは、「発色剤」です。発色剤とは、綺麗に発色させるための添加物です。では何のために綺麗に発色させているのでしょう?

 

答えは、商品を購入する「飼い主向け」なんです。犬にとって匂いは重要な情報ですが、色は犬にはあまり関係ありません。犬にとって必要な添加物ではなく、ただ人間が見て「おいしそう」に見えるために使われているんです。

このように、品質保持等の必要な添加物ではなく、犬にとって不必要な添加物はできるだけ避けた方がいいと考えます。

 

添加物すべてを否定してしまうと、市販されているフードやおやつなどから選択するのは非常に難しくなります。すべてを手作りフードでまかなうとなると、飼い主さんの負担はかなり大きくなります。必要な栄養素をすべて把握し、愛犬の体重に合わせて配合し…と考えただけで大変だとわかります。

愛犬に健康で長生きしてもらうためには、良いフードを選ぶことと、添加物とうまく付き合うことだと考えています。

そのためには添加物の危険性を知ること、それは本当に必要なものなのか、を考えることが重要だと思っています。

 

 

 

避けた方がいい添加物

 

高い発ガン性の添加物は、石油でできているものもあります。中には工業用機械に使う油が、ペット用食品の添加物として使われていることもあります。

最近のペット用食品は、無添加や添加物ゼロといったキャッチを売りにしている商品が増えています。これは以前の記事にも書きましたが、裏面の食品表示を確認し、肉類やミート・ミール系が使われていたら、やめた方が無難です。

 

添加物にも危険性が低いものから高いもの、また全く必要のないものもあります。ここでは、避けた方がいいといわれる、体に毒になってしまう添加物を紹介します。

 

亜硫酸ナトリウム(発色剤)

 

発色剤は、食品添加物の中でも急性毒性が非常に強く、肉や魚に含まれるアミンと結合すると、ニトロソアミンという発ガン性物質になる可能性が高いそうです。

少量をたまに摂るくらいならさほど問題はないと思いますが、摂り過ぎは病気の原因になることもあるので気をつけた方がいいです。

※現在は、人間用食品では使用を制限されているようです。

 

合成着色料

 

これは石油由来の「タール色素」といわれるもので、タバコの発ガン性物質のタールのことです。着色料は人が見ておいしそうな色にするために使われていて、これも犬には全く必要のない添加物です。

赤色〇号、黄色〇号、青色〇号などは、すべて合成着色料です。

 

ソルビン酸・ソルビン酸カリウム

 

これはよく使われている保存料ですが、ガンや免疫障害の原因になるともいわれています。亜硝酸ナトリウムと一緒にとると発ガン性のリスクが高まる疑いもあるといわれています。

保存料が入っていないと、日持ちしなくなります。しかし安価なおやつなどには、亜硫酸ナトリウムとソルビン酸どちらも添加されている場合があります。

 

 

質と値段

 

今回ご紹介したのはごく一部のもので、他にも毒性のあるといわれる添加物はたくさんあります。

こんなに危険性が高いのに、なぜ使われていのか。それは、原料の値段が安いからです。

無添加のジャーキーなども一時よりかなり安価になり、ホームセンターでもたまに見かけますが、圧倒的に安いのは有名ペットメーカーの肉類などを使ったおやつです。

本当は体に害の少ない、植物由来の酸化防止剤(ローズヒップなど)などを使っていると安心なのですが、ローズヒップという原料そのものが高い、成分を抽出したり精製するのに手間がかかる…このような理由から、原料の値段はグンと高くなってしまいます。

 

たまに食べるおやつに多少添加物が含まれているくらいなら、目くじらをたてる必要はないと思いますが、主食であるドッグフードは、ハイリスクな添加物が入っていないものを選ぶ方が、病気になるリスクが圧倒的に低いといえます。

一番安心できるのは手作りですが、犬に必要な栄養素を全て数値化し、それを食べ物に置き換えて量を算出し、それらをバランスよく配合して食べ切れる量にする…考えただけでものすごい手間と労力と時間がかかります。

そう思うと、やはりドッグフードはわたしたち飼い主にとって、とても便利なんですよね。

 

 

添加物とうまく付き合おう

 

体は毒を分解し、排泄物として体外に出すようにできています。

しかし毒性の高い添加物を毎日摂り続けると、毒素を分解・排出する肝臓や腎臓に負担がかかり、肝臓疾患や腎臓疾患になる可能性が高くなります。

おやつは毎日与えるわけではありませんが、主食となるドッグフードはできるだけ質の良いものを与える方が、シニア・ハイシニアになった時に変わってくると考えています。

病気になるのは、様々な要因があります。遺伝性は避けられませんし、シニアになれば様々な不具合が出ますす。どれだけ気をつけていても、絶対に病気にならないという保証はありません。食事だけが病気の原因ではないと思いますが、人間でも添加物まみれの食事をずっと続けていると病気になったりします。

 

我が家では食べるものはかなり気をつけていましたが、それでもクリンは14歳で胆泥症になりましたし、ニコは12歳で乳腺腫瘍の手術をしました。

 

口から入れるもので体の質は変わります。

毎日食べるフードを見直す、たったこれだけでも病気のリスクをかなり減らすことができると思っています。

あまり神経質になりすぎて、あれはダメこれもダメ…になると、食べるものがなくなってしまいます。うちのクリンも、食べムラが出ると、加工してあるおやつを食べたがりますし、食べムラが出た時のために亜硫酸ナトリウムや香料の入ったおやつを常備しています。

 

加工食品は、無添加のものより断然美味しいんですよね。なので用途に応じて使い分けるなど、バランスで考えるようにしています。
添加物も多少は仕方ない。その代わり、できるだけ害のないものを選ぶようにする。

食べムラのある時は、食べることを最優先し、添加物を使っていても嗜好性の高いものを使う。でも毎日食べるドッグフードは、極力添加物をを避け、害の少ないものを選ぶ。その時々の体調や状態により、うまく付き合っていこうと思っています。

 

体の質は食べるもので決まる。これはわたしたち人間も動物も、基本同じです。年齢と共に代謝は落ち、毒素や不要な老廃物がどんどん体内に蓄積されていき、それが病気の元になってしまうこともあります。わたしたち飼い主ができることの中でも、愛犬の食生活は健康に直結することです。

 

可愛い我が子に元気で長生きしてほしいのは、飼い主みんなの願いです。

 

よかったら、フードやおやつの裏面をチェックしてみてくださいね。

 

 

ライター:福井 惠子

 

関連記事:【ドッグフード】愛犬の「食」を考える(1)~わたしのドッグフードの選び方

 

 


【ドッグフード】愛犬の「食」を考える(1)~わたしのドッグフードの選び方

我が家の愛犬クリンは、14歳になるまで持病というものがありませんでした。また次女のニコも12歳で乳腺腫瘍がわかるまでは元気いっぱいでした。

「その歳まで大病していないなんて、いいね」「どんなことに気をつけていたの?」

そんな風に声をかけていただくことがあります。すごく特別なことをしているわけではないのですが、気をつけていたのは「食べるものを選ぶ」ということです。

とはいえ、すべて手作りで作っているとか、オリジナルで作ってもらっているとかそんな大げさな話ではなくて、自分の知る知識の中で、市販のドッグフードや犬用おやつの選ぶ基準を持っているだけなんです。

 

 

原材料表記は必ずチェック

 

前職で人間の体のしくみなどを勉強していて、そこでサプリメントや健康食品などの商品開発に少し関わることがありました。その際原料メーカーの方から、原材料や原材料表記などについて教えてもらいました。そこでそれまでほとんど知らなかったいろんなからくりがあるということがわかりました。

それ以来、ドッグフードやおやつなどを買う時には必ず「原材料表記」をチェックするようになりました。

 

この原材料ですが、知るととても恐ろしいものもあります。我が家でよく使っているドッグフードの原材料表記を参考にしてみます。

原材料は、多く含まれる順に記載されています。

このフードの場合、一番多く含まれているのが「子羊肉」、次いで「米」「玄米」となります。

このフードを選んだのは、食用肉が使われていること、原材料の中に毒となる添加物が含まれていなかったからです。ハイシニアでも食べやすい超小粒サイズだったのもありがたかったです。

健康の基本は「食べること」「出すこと」「運動すること」です。これに気を付けるだけで、体の状態はかなり変わると考えています。

 

我が家の長女クリンは15歳から強い食べムラがあり、食べてくれるドライフードがなかなかありませんでした。嗜好性の高いフードは大抵添加物が入っていて、それでもなかなか食べない状況だったので、無添加のプレミアムフードはまったくといっていいほど食べてくれませんでした。

お菓子等と一緒で、無添加の味付けの薄いものより、味のしっかりした強い香りのお菓子の方がおいしく感じます。クリンの場合もそうで、シニアになって匂いにも鈍感になっていたこともあり、好んで食べるのはいわゆるジャンクフード的なジャーキーなどで、一時ドライフードはほど食べませんでしたが、このフードは奇跡的に食べてくれましたので、とても安心したことを記憶しています。

 

 

原材料表記のルールを知ろう

 

「添加物は体に悪い」と言います。

できれば摂りたくない添加物ですが、全く使わないとなるとそれはそれで結構大変です。例えば保存料が入っていないと日持ちしませんし、酸化防止剤が入っていないとすぐに酸化してしまいます。

我が家のクリンは肝臓が弱く、何かあるとすぐに肝臓に影響が出てしまいます。食べムラが絶好調の時は、かなり偏った食生活で、その頃は「食べるものなら何でもいい」と思っていました。

実際クリンが好んで食べたのは、添加物たっぷりのジャーキーでした。

 

愛犬用のフードやおやつなどには、添加物が使われているものがたくさんあります。

ホームセンターやスーパーで売っているフードやおやつは添加物が入ったものが多いですが、これはおそらく価格の問題だと思います。ペットショップなどでは「こだわりのフード」や「プレミアムフード」などをコーナーを設けて置いているところも増えてきていますが、一般に売っているフードの2倍以上の値段のものがほとんどです。

 

ホームセンターにも「無添加」を謳っている商品はありますが、原料に加工食品が入っている場合、加工の際に使用した添加物は、「表記しなくていい」ということになっています。わたし調べですが、無添加とパッケージに記載してある商品も、裏面を見るとほとんど加工食品が入っていました。

 

 

加工食品とは?

 

では加工食品について少しお話します。

たとえば「肉類」。これは肉そのものではありません。臓器・副産物なども使用した加工食品です。そして発色剤や着色料や香料など、加工する際に様々な添加物が使われているといわれています。

上の画像は、無添加を大きく謳っているドッグフードです。裏面表記を見てみると、肉類(鶏胸肉・ささみ・砂肝)となっています。

胸肉とささみと砂肝がミックスされているから肉類、と思ってしまいますが、これらを加工する際に使用している添加物は表記しなくてよい、ということなんです。もし添加物を使用していない場合は、肉類という表記にせずに、鶏胸肉・ささみ・砂肝、という表記になります。ということは、肉類に添加物を使用している可能性が非常に高く、全くの無添加であるとはいえないんです。

 

〇〇ミール〇〇ミート〇〇〇〇類調味料なども同じで、これらはすべて加工品であるため、残念ながらどんな添加物が入っているのかわかりません。(上の画像にも油脂類、とあります)

安いペット用食品の中には、工業用の油などを使用していることもあるそうですが、これも加工した原料に入っている場合、表記しなくても良いとされています。

 

わたしたち人間が、添加物が多量に使われている食べ物を長期間食べ続けると想像してみてください。ファーストフードや加工肉、コンビニ弁当やカップラーメンを食べ続けたらどうなるでしょうか。

忙しい時など、手軽に摂れる食べ物はとても重宝しますし、添加物が入った食べ物は嗜好性が高いものが多く、とてもおいしいんです。正直わたしも大好きです。

でもそればかりを食べ続けると、栄養バランスが悪くなります。吹き出物ができたり、下痢になったり、病気になることもあります。

 

これをドッグフードに置き換えて考えてみます。

先述した肉類・ミート・ミール等、よくわからない添加物が使われているドッグフードを与えるということは、知らずに加工食品を食べ続けるということになります。

ちなみに、人間用で使用禁止されている添加物が約300種類あるのに対し、ペットフードで使用禁止されているのは10数種類だといわれています。

使用禁止になるのは、発がん性などの強い健康被害の恐れがあるからです。

すべての添加物が悪いということではありませんが、健康被害の恐れがある強い毒性の添加物を避ける、また不必要な添加物は排除するだけでも、その後は大きく変わると考えています。

 

 

どんなドッグフードがいいの?

 

ドッグフードで一番安全なのは、「ヒューマングレード」のフードです。ヒューマングレードとは、人間が食べることのできる品質が保証されているものです。これは、裏面の注意書きを見るとすぐにわかります。

 

「これはペット用フードです」

「子供の手の届くところに置かないでください」

「子供がペットに与える時は必ず保護者監視の元で与えてください」

「ペット以外に絶対に与えないでください」

 

表現がどんどん強くなっています。表現が強い=人間が食べてはいけないものが多く入っている、というこで、人間に使用してはいけない添加物が使われているということがいえます。

注意書きにこのような表記がないものは、ヒューマングレードであるといえます。実際に犬用で販売されている商品の中にも、全くこれらの注意書きが入っていないものもあります。できるだけ品質の高いものを選ぶ、また表現が弱いものを選ぶ方がより安全性は高いといえます。

 

 

毎日食べるドッグフードは、できるだけ良いものを選ぶ方が先々病気になりにくい、と考えています。

我が家の愛犬は、ドッグフードはできるだけ安全性の高いものを選ぶようにしていました。クリンを我が家に迎えた頃は、プレミアムフードといわれるドッグフードは2~3種類しかありませんでしたが、その中で選んで食べさせていました。

 

とはいえ、我が家でも体に良いものばかりを与えていたわけではありません。

クリンの食べムラで毒性の強い添加物の入ったジャーキーしか食べなかった時のことです。丸2日そのジャーキーしか口にしないことがあったんですが、様子がおかしかったので病院に行ったところ、血液検査で肝数値が1000オーバーとなっていました。

今でもそのジャーキーは好きなようで、食いつきの悪い時などはお世話になることがありますが、そればかり食べるとどうなるかわかっているので、できるだけ使わなくて済むように気をつけています。

 

今ではたくさんの種類のプレミアムフードが出ています。ネット通販などが主流ですが、先述したように最近ではペットショップなどでも取り扱いが増えてきました。

もしフード選びに悩んでいるという飼い主さんがおられたら、一度ペットショップのドッグフードコーナーで、裏面の原材料表示を確認してみてください。肉類・ミート・ミール、~粉・調味料などの加工食品は、実に多くのフードで使われているということがわかります。

そして、表記順もぜひご確認ください。「肉類」が一番に書いてあるドッグフードは、極力避けた方がいいと思います。

 

 

日々の食生活で体の質は変わる

 

わたしたち人間は、食べるもので体を作っています。食べ物の質で体の質は変わります。それは犬もまったく同じです。

毎日家で作ったご飯を食べている人と、コンビニ弁当やファーストフード・お菓子ばかりを食べている人とでは、体の質は大きく変わります。ヒューマングレードのドッグフードを主食とする犬と、添加物が含まれるドッグフードを主食とする犬とでは、歳を重ねるにつれ体の質は大きく変わると考えています。

 

ドッグフードを選ぶ基準は人それぞれですが、多少値が張ったとしても、良いドッグフードを与えていると医療費はかなり軽減できると思います。少なくとも我が家の場合はそうでした。

プレミアムフードといわれるフードは、1㎏ 2000円~くらいの金額で、一般的なドッグフードはキロあたり数百円くらいのものもあります。これを食肉で考えてみてください。

プレミアムフードでも100g 200円です。一般的なフードだと、100g 数十円ということになります。肉の含有量は100%ではありませんし、加工する費用も入っているとしたら、どんな肉を使っているのか想像できると思います。

 

高いドッグフードは抵抗がある、といわれる方もおられますが、コンビニでお弁当を買っても500円くらいします。外食したら1000円はかかります。ドッグフードは小型犬の場合だと1ヶ月 5000円程度、1日に換算すると200円弱で病気になりにくくなると思えば、病院で1回の診察で5000円払うことを思えば、決して高くはないと考えています。

値段がすべてではありませんが、人間の食べるものを選ぶ時と同じ感覚で見てみてください。ある程度値段が高くても、食べるもので体の質が決まるとなれば、絶対に高い買い物にはなりませんし、医療費や体の不具合を鑑みても、トータルで考えれば結果安くつくと考えています。

高いドッグフードを食べていたら絶対に病気にならない、ということではありません。もちろん運動も必要ですし、シニア期に入ったら健康診断を受けて不具合をいち早く見つけることも大切です。ただ自分の経験上、良いフードを選んでいる方が病気になりにくい、と感じています。

 

愛犬が若くて元気なうちはトラブルも起こりにくいですが、シニア期になると、途端に様々な不具合が出始めます。できれば若いうちから良いものを与える方が、後々の結果は大きく変わると思っています。

 

ドッグフードも、今はたくさんのメーカーからいろんなものが出ています。犬種や体質、持病や体調によっても選べるので、うちの子にあったフードを選んであげてくださいね。

 

次回は、添加物についてもう少しお話させていただきます。

 

【ドッグフード】愛犬の「食」を考える(2)につづく

 

 

ライター:福井 惠子

 

 

 

 


クローン人形~私のペットロスとの付き合い方~

波のあるペットロスに不安定に

 

 

去年10月に18歳で愛犬Mackを亡くし、亡くした当日から眠れない・食べられなくなり、火葬した日から皆が寝静まった後に何もない空間に向かって名前を呼んだり、寒いからコタツの中に居るかもしれない!と布団をめくって探したり、無駄だとわかっていながらお化けでもいいから見たい!と探し続けました。

ですがそれも2週間ほど。
しっかり最後も看取れたし、老衰だったし、寂しいけど悲しむ別れじゃないんだと、なるべく笑顔で過ごすようにしました。

亡くして1か月~49日までは、いつもそばにMackが居ると思い、足元にMackが居る様子を想像しては、話しかけたり微笑んだりしていました。

しかしーー
49日の夜、夫と空に向かって「バイバイ」と手を振った瞬間から、また少しづつペットロスが戻ってきました。
悲しくなくても寂しいものは寂しいのです。
一人になった時、皆が寝た後、一人でコッソリ泣きました。
遺骨を抱え、蓋をあけ、頭蓋骨を撫でながら話しかけたり、足音が聞こえないかなと耳を澄ましてみたり……

そんな時、ふと見つけたサイトの記事に目が釘付けになりました。

 

知ってはいたけど、興味がなかったクローン人形

 

 

愛犬そっくりの人形を作ることが出来るということは数年前から知ってはいたものの、高額なことや、「似てなかったら嫌だな」という気持ちから”作ってみたい”と思うまでに至ったことはありませんでした。

しかし、日々Mackの姿をふと探してしまったり、いつもいる場所に姿が無いこと。
そして、Mackといつも一緒に寝ていたので、一人で眠ることが出来なくなってきてしまったこともあり、「クローン人形って実際どれぐらいの再現度なんだろう」と思いインターネットで検索してみることにしたのです。

そこで引っかかったのはとある個人のブログ記事。
cuddle clones(カドルクローン)という海外のサイトに愛犬そっくりの人形を注文してみた。という記事に辿り着きました。
そのブログには、細かい注文の仕方や届いたクローン人形の写真が載っていたのですが、その再現度を見てビックリ!
その記事を読み終わった後は気が付くと写真フォルダを開き、注文に必要なMackの写真を選んでいました。

私が選んだ写真の年代は12歳~13歳頃の写真。
若い頃の愛犬の写真なのか、初老期か、晩年期かを考えた結果、”老犬としての愛らしさを持ちつつ、元気”である、初老期の写真を送ることにしたのです。

 

 

 

届いた時は「微妙」 ところが日に日に……

 

 

 

注文するキッカケになった個人ブログを見ながら翻訳サイトを使い、丸一日かけて注文。
サイトでは平均で5ヶ月ほど届くまでに必要とありましたが12月4日に注文し、1月23日に家に届きました。

家には私一人でしたが、待ち切れず開封。
ドキドキしながら箱から取り出しましたが、正直言って最初の印象としては「こんなものか」というものでした。
「世界中のダックスフンドの人形で一番似ている人形」……私は翌日、自身のブログでそう表現し紹介しました。

カドルクローンはおおよその体重から人形の大きさが決まるので、身体の大きさや顔の大きさ、また耳の大きさなど、毎日側で見ていた私にとっては「違う」という感情が大きかったのです。
それでも耳や背中の複雑な配色など、送った写真のみの情報からの再現度としてはかなり高度で感動しました。

娘も夫も、帰宅してMackのクローン人形を見たとき、目をまん丸くしてウルウルさせながらアチコチ観察していました。

 

 

君の名は?

 

 

このクローン人形は、「Mack」+「クローン人形」で、”マックローン”と呼ぶことにしました。
初日からマックローンと一緒に眠ったり、毎週金曜日にある娘のスイミングスクールの送り迎えにも、かつて晩年のMackとそうしていたように車で一緒に出掛けました。

こうして記事を書いている今も、私の傍らにはマックローン。
ふと手を休める度に、ふとマックローンの頭を撫でる私。
何をしている時も私の傍らに……。

ーーそれは、かつての私たちの姿そのものです。

 

 

 

旅行も同行?!

 

不思議なもので、日々そばに置き、かつてMackにしていたようにマックローンに振る舞っていると、中身のない無機質なはずだった人形の表情が次第にMackに近づいていく、似ていくような感覚に囚われたのです。
その変化の様子は、他人に写真を見せても感じるようでした。

そうなると、人形と解っていても更に愛情が増してしまい、もっと話し掛けたり、撫でるようになりました。

挙句の果てにはなんと家族旅行にまで連れて行ったのです。

 

 

これがその時の写真なのですが、心なしかMackは雪が大嫌いだったので、マックローンも表情が硬いように感じます。
ホテルの部屋にも連れていきましたが、まるで本当にMackと旅行に来ているようで、家族全員が初めから終わりまで楽しく旅行することができました。

 

 

興味が湧きましたか?

 

さて、もしかしたらクローン人形に興味を持ってくれた方もいるかもしれません。
検索するとかなり詳しく説明してくれているブログ記事もありますが、こちらでも軽く方法を説明させてください。

まずはこちらが私が利用したcuddleclones(カドルクローン社)のサイトです。

こちらを日本語翻訳表示し閲覧すると、「はじめよう」という所があるのでクリック。
すると正面・背中・尻尾など様々な写真を要求されるのでページ上にアップロードしていきます。
同時に写真に説明をそえることが出来るので、翻訳ソフトを使いながら情報を補足していきます。

ちなみに私は住所を入力するにあたってこちらのサイトを利用しました。

 

費用

私は人形だけの注文でしたので、制作料と送料を合わせて$303(当時)でした。
ところが注文する前にメールアドレスなどを登録する必要があるのですが、登録した時に10%OFFクーポンが届いていたようで、私がそれに気づいたのは注文した後だったので、これから注文される方は情報入力前にメールボックスを確認することを忘れないようにしてくださいね。

私、かなりガッカリしました(笑)

郵便屋さんがクローン人形を届けてくれますが、受け取るときに税関料がかかりますので(私が注文した当時は2000円程でした)千円札を数枚用意してお待ちくださいね。

 

私の今の気持ちは

 

波のあるペットロスに振り回され不安定になっていた私の気持ちですが、今現在も勿論寂しい気持ちはあるものの、マックローンが来てからはペットロスはかなり改善されたと感じます。
ペットロスの大きな波に包まれてしまった時、マックローンを抱きしめながら話しかけたり泣いたりすることで、毎回深い所に落ちる前に気持ちが元に戻るようになりました。

また、抱いて寝ていると、夜中にふと目が覚めたとき視界にマックローンがいると、まるでMackが私の腕の中にいるようで、それまでは目が覚めてしまうともう一度眠ることが出来ないことが多かったのですが、またそのまま安心して再び眠りにつくことが出来るようになりました。

値段は少ししますが、数あるクローン人形制作業者の中でもカドルクローン社は比較的安く制作することが出来るのでお勧めです。

 

私と同じように、最愛の家族を失い深いペットロスの海に沈んでしまっている方がいらっしゃったら、クローン人形を作ってもらうことも候補に入れてみてくださいね。

愛犬の姿が、たとえ人形であっても視界にあるという状況は、大きな安心感を生んでくれますよ。

 

 

ライター:奥村 來未

 

 

【犬の十戒】老犬の飼い主がつくった「老犬の十戒」

わたしはアメブロを通じ、ライターの奥村さんと知り合いました。

奥村さん家には、我が家の愛犬クリンよりも1歳年上のMackくんがいました。Mackくんと奥村さんは、幾度も襲ってくる恐ろしい病魔と闘い、わたしがブログの読者になった時は、ちょうどMackくんが前庭疾患を患い、ほどなくして膵炎を発症し、奇跡的に復活した後に歩行困難になった頃だったと記憶しています。

 

膵炎で入院している時に座ることも立つこともできなくなり、無事退院した頃には完全寝たきりになってしまったMackくん。そんなMackくんに約1年間ずっと付き添い、昨年の10月に18歳4ヶ月で見送られました。

 

 

Mackくんとの絆

 

犬の十戒

 

奥村さんは、小学生の頃にMackくんを家族に迎え、弟としてMackくんを可愛がっていました。

一時家庭の事情により、Mackくんと離れて暮らしていたそうですが、結婚し妊娠中に里帰りをした時にMackくんを迎えにいき、それからずっと一緒に過ごしていたそうです。

Mackくんと共に過ごすようになり、ほどなくして奥村さんは母になりました。赤ちゃんだった娘さんはどんどん成長し、それまではMackくんが娘さんのことを見守っていたのが、立場は逆転していったそうです。

成長していく娘さんと、年老いていくMackくん。できることがどんどん増えていく娘さんと、少しずつ少しずつ体に変化が出てくるMackくん。Mackくんが小さなパピーの頃からずっと一緒に過ごしていた奥村さんは、とても切なかったそうです。

 

みんな平等に歳をとり、平等に老いていく。当たり前のことですが、奥村さんは、家庭の事情とはいえ、一時Mackくんと離れていた時期があったため、Mackくんの体に不具合が出ると、自分のせいかもしれない、と自分自身を責めたそうです。

 

 

不眠不休の介護生活

 

犬の十戒

 

少しずつ少しずつ、Mackくんの体を蝕む病。

前庭疾患を発症してからのMackくんは、それまで自由に動けたはずの体が不自由になり、とても辛そうだったそうです。そして、辛そうなMackくんを見ている奥村さんは、どうすることもできない自分を責めたそうです。

当時のブログには、何もできない自分を責め、不自由な体で排泄さえも自分でできなくなってしまったMackくんを受け入れることに必死な奥村さんの心の叫びが書かれていました。

認知症のような症状も出始め、夜鳴きをするようになってしまったため、ご近所に迷惑にならないよう、夜もほとんど不眠でドライブに連れ出したり、抱っこしてなだめてみたり…

小さな子供がいながら、夜は眠れない生活をずっと続けている中、それでもなんとかMackくんが気持ちよく快適に過ごせるようにと様々な工夫をされていました。

まだ20代の奥村さんが、子育てと介護を両立している姿に、こちらまで心が締め付けられるような思いでした。

 

 

愛犬と共に病と闘う飼い主の心の声

 

犬の十戒

 

寝不足で疲労困憊の中、それでも介護は休めません。ワンワンと鳴き続けるMackさんを前に、泣いてしまうこともあったそうです。そんな中、娘さんとの会話の中で、「犬の十戒」のことを、今のMackくんの気持ちになって考えたそうです。

 

その時にできたのが、「老犬の十戒」です。

 

犬の十戒は、作者不明です。今ではいろんなサイトなどで紹介されていて、たくさんの方がご存知だと思います。

奥村さんは、介護が必要になった愛犬を前に、自分自身が日頃感じている「介護する側の辛さ」ではなく、本当は今まで通り自分の足で歩きたいであろう、自分の力で排泄したいであろうMackくんの気持ちになり、そこで改めてMackくんの辛さを実感したそうです。

 

我が家にも老犬がいます。老犬は、今まで当たり前にできていたことが、気づいた時にはできなくなっていたりします。

正直、我が子同然の愛犬が年老いていく姿はとても辛いですし、現実逃避したくなることもあります。でも、介護は待ってくれません。だから、この「老犬の十戒」をブログに書かれていたのを読んだ時、心が締め付けられるようでした。

 

老犬の介護をしている飼い主さん、また愛犬の病気と共に闘っている飼い主さんに、ぜひ知っていただきたいと思い、紹介させていただきました。

 

辛いのは、介護しているわたしたちよりも、きっと介護されている愛犬の方なのかもしれません。

 

奥村來未さんのブログ記事:老犬の十戒

 

 

 

ライター:福井 惠子

 

 

【多頭飼い】我が家が円満に過ごせるコツ

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックスフンド2頭、ビーグル1頭

飼い主の悩み:多頭飼い

年齢:18歳・15歳・8歳(2018年3月現在)

 

 

 

我が家が2頭目を迎えた理由

 

うちにはミニチュアダックスフンドのクリンを筆頭に、3頭の犬がいます。みんなとても仲良しで、寒い時期は犬団子(みんな団子のように固まっていること)になって寝ています。

 

2頭目のニコを迎えたのはクリンが2歳半の頃でした。

当時フルタイムで仕事をしていて長時間お留守番をさせることが多く、クリンが寂しくないよう2頭目を迎えるか考えていた時にニコと出会い、我が家の多頭飼いが始まりました。

最近多頭飼いで悩んでおられる方がとても多くおられる、という話を知人から伺ったので、我が家の多頭飼いについてお話させていただくことにしました。

 

 

【2頭目を迎える前】まずは相性からチェック

 

我が家の次女ニコと出会ったのは、クリンのフードを買いにいったペットショップでした。そこは1階がフードや雑貨、2階が生体を販売していて、いつもなら1階で終わるのですが、その日はたまたま2階まで足を延ばしました。

ちょうどど真ん中にアクリルケースが置いてあり、そこにいたのがニコでした。まだ来たばかりというその子を見た瞬間、なぜか目が離せなくなり、生まれて初めて店員さんに「抱っこさせてください」とお願いしました。

抱いてしまうと、もうダメですよね(笑)

とりあえずクリンとの相性を確認してから、ということですぐに帰宅し、クリンと共にショップに向かいました。

そしてご対面。クリンもニコも、特に何も変わらない感じで、鼻先であいさつをしてからは普通でした。相性はまずまずな感じだったので、その日にニコはうちの子になりました。

ニコがうちに来てすぐは、サークルの中に入れてクリンに観察させました。もちろんクリンは外で自由に動き回れます。そして、外に出したらクリンがさっそく小さなニコの上に乗っかりました。それは、クリンが「自分の方が上だ」とニコに教えてるんですよね。だから静かに見守り、ニコが嫌がるようなら、ニコを怒りました。わたしは絶対にクリンの味方で、クリンがやりたいようにさせていました。

当時わたしはフルタイムで働いていて、平日はふたりでお留守番することになります。なのでニコはサークルに入れたまま、クリンだけフリーにして部屋の中で自由に過ごせるようにしていました。

ところがお留守番初日、帰宅するとニコは高さ1m近くあるサークルから出ていました。びっくりしましたが、クリンもさほど嫌がってなかったのと、ふたりが寄り添って寝ていたので、その日からニコをフリーにするようになりました。

 

3頭目のみのすけを迎えた時も同じです。みのすけはペットショップで売れ残っていた子で、ほとんど衝動的に迎え入れることになりましたが、もしクリンとニコとの相性が合わなかったら見送っていました。迎え入れる前に、自宅からクリンとニコを連れてきて対面させ、お互い特に問題がないようだったので、そのまま一緒に家に帰りました。

クリンもニコも小型犬で雌、みのすけは中型犬の雄だったので、最初は少し心配でしたが、我が家に来た当日からおねえちゃんたちの洗礼を受けていました。

みのすけが我が家に来たのは5ヶ月になる少し前だったので、体はおねえちゃんたちよりも大きかったですが、みのすけはおねえちゃんに逆らうことはありません。それは8年経った今でも変わらないです。

我が家の一員になった当時のみのすけはとてもやんちゃで、我が家も結構破壊されましたが、暴れるみのすけを怒るとクリンが間に入ってわたしを止めるんですよね。クリンなりにみのすけを守っていたのだと思います。順位付けがしっかりできていると、犬同士の関係もとても良好になります。

 

ショップにいる仔犬はとても人懐っこくて、小さい体で一生懸命しっぽを振っている姿を見ると、「きっとこの子は人懐っこいから大丈夫」と思いがちですが、それは対人間であり、犬同士の相性はまた別だと考えています。

犬は家族ですが、決して人間ではありません。

わたしたち人間の社会のルールがあるように、犬の社会にもルールがあります。

これから10数年一緒に暮らすのに、もし相性が合わない子同士だと、喧嘩が絶えなかったり、犬だけでお留守番させることはとても難しくなります。

最初に会った時点で唸ったり吠えたりする場合は、相性が悪いのかもしれません。新しい子を迎え入れる前に、必ず相性を見ておくほうが、あとあと安心であると考えます。

 

 

新しい子を迎える時に気をつけたいこと

 

多頭飼いで失敗している複数の方にお話を伺った際、共通していわれていたことがあります。

 

それは、「新しく来た子に家族の注目が集まる」ということです。

 

パピーはとても可愛いです。よたよたと走る姿、純真無垢なその姿・しぐさのひとつひとつがとても愛らしく、どうしても新しく来た子に注目が集まってしまうと思います。特に家族に子供さんがいると、子犬の取り合いになる、なんて話も耳にしました。

でも、実はこれが多頭飼いが失敗してしまうこと原因のひとつなんです。

先住犬は、家族が増えたことを喜んでいるとは限りません。むしろ、戸惑ったり怒ったりする子が圧倒的に多いと思います。

 

人間の子供で考えるとわかりやすいと思います。

それまで一人っ子だったのが、突然兄弟ができて家族みんなが赤ちゃんに気をとられてしまうと、きっと面白くないと思います。中にはものわかりの良い子もいると思いますが、もし上の子が「寂しい」と思うようなことがあれば、きっと下の子にはあまり良い感情を持てないと思います。

犬は人間社会に順応するようにしつけをしているため、つい人間と同じように考えてしまいがちですが、動物としての習性がなくなったわけではありません。犬は順位付けをして、家族の中で順位を決めます。自分より上位であるリーダーには決して逆らいませんが、自分より下位だと思ったら、その人のいうことは絶対に聞きません。気に入らないと噛むこともあります。

それは犬が生まれつき持っている習性であり、人と共生するためにリーダーを決めてしつけをする必要があります。

 

話を元に戻すと、新しく来た仔犬にばかり気をとられてしまい、先住犬が自分の方が上だと新しい子に教えることを、いじめていると捉えて先住犬を怒ったりすると、犬社会の中で仔犬を先住犬より優位に立たせてしまいます。

こうなると、仲良くするのはとても難しいことになります。

先住犬が新しい子を受け入れることは難しくなり、新しい子は自分の方が優位に立ったと勘違いし、もしかすると先住犬を制圧しようとするかもしれません。そうなると先住犬に居場所がなくなってしまう場合もあります。

 

男の子同士の場合、たとえ飼い主さんが順位付けをしていても、喧嘩が絶えなくなることもあります。その場合は去勢したり、居場所を分ける等の工夫が必要になるかもしれません。

保護活動をされている知人に話を聞く機会があり、多頭飼いで失敗して持ち込みをされる子も結構いるとのことでした。特に大型犬の場合、喧嘩したら大事になりますし、家の中もぐちゃぐちゃになってしまいます。

その方は、しつけに関して自信があるか、または飼育する場所を分けられる場所のある家でない限り、多頭飼いはやめた方が無難だとお話されていました。もし相性が合わなかったら、険悪な関係が10年以上続いてしまいますので、家族はとても大変になりますもんね。

 

 

我が家で徹底した順位付けの方法

 

犬にも感情があります。それまで家族の中心だったのに、家族の注目が新しい子ばかりになると、楽しいはずはありません。

我が家では、ずっと長女のクリンが最優先です。何をするのも絶対にクリンから。その順番が変わることはありません。

抱っこも、ご飯も、頭をなでるのも、話しかけるのも、お散歩も、おもちゃも、何もかも最初はクリンからにしています。他の子が横取りしようとするとたとえパピーの頃であっても、その子を怒っていました。そしてクリンが飽きてから次の子に遊ばせるようにしていました。すると、他の子たちは「この中ではクリンが一番である」ということを理解し、クリンが食べていても横取りすることはなくなりましたし、クリンを抱っこしていても、怒ったりすることはありません。それは今も変わりません。

 

友人が多頭飼いを始める時に、2頭が仲良く過ごせるコツはないのかと相談されたので、「絶対に先住犬を優先すること」と話しました。友人は家族にもそれを伝え、徹底して先住犬を優先したそうです。それまでひとりっ子だった先住犬はすっかりおねえちゃんになり、妹の面倒を見るしっかり者になったそうです。

 

もし新しい子を家族に迎えられたら、何をするにも必ず先住犬を優先させてください。

名前を呼ぶ順番、ご飯を出す順番、おやつをあげる順番、おもちゃを与える順番、抱っこをする順番、リードをつける順番など、どんな小さなことでも、よほど特別な事情がない限り、必ず先住犬を優先することが犬同士の関係をうまく作れると考えます。

 


 

 

もし多頭飼いがうまくいっていないと悩んでおられる方がおられたら、またワンコ同士の相性が悪いという場合は、思い当たることがないかぜひ考えてみてください。

犬の間で順位付けが確定していたら、関係を修復するのは時間がかかるかもしれません。中型犬以上の大きな子で手に負えない場合は、きちんとしたしつけを再度し直すことになるかもしれません。

犬はとても純粋で、まっすぐな愛情をわたしたち人間に惜しみなくくれる生き物です。たとえ捨てられても、それでも一途に飼い主さんを待っている動物です。

 

どうか最後まで諦めず、愛犬と向き合ってあげてくださいね。

 

 

 

ライター:福井 惠子

 

 

 

 


【犬の投薬】薬嫌いの子でもこれなら簡単!薬の飲ませ方

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックスフンド

病名・症状:病院で処方された薬を嫌がって飲まない

発症年齢:15歳

発症の経緯:苦い薬を無理やり飲ませたこと

治療法:自宅で対処

 

 

薬を飲ませる苦労

 

 

我が家のクリンは、14歳の時に足の不具合が出て、その時に苦い痛み止めを処方されました。その薬が苦いことに全く気付かず、無理やり飲ませようとしたことから薬に対する最初の不信感を持たせてしまいました。

15歳になり、炎症数値が上がった時に薬を処方されましたが、この抗生剤がとても苦いものでした。当時通っていた病院では「好きな食べ物に隠して薬とわからないようにして飲ませるといい」とアドバイスされたので、苦い苦い薬を当時好きだった食べ物に隠して無理やり飲ませようとしたことで、一切の薬を嫌がるようになってしまいました。

若い頃は食欲も普通にあり、ご飯の上に薬をトッピングしたらすんなり食べてくれていました。でもそれは、当たり前のことではなかったんです。

 

 

 

【失敗その1】食べ物に薬を仕込む

 

 

薬のことは過去に何度か記事にしています。これは、まさか「食べないこと」「薬を飲まないこと」で自分がこんなに悩むとは夢にも思っていなかったからです。愛犬が若いうちはさほど問題でないことも、ハイシニアになるとご飯を食べないこと・薬を飲まないことは、深い悩みになってしまいます。

特に持病がある場合の投薬は体調にも大きく関わるため、毎回きちんと飲ませたいですよね。

でも、絶対に絶対に絶対に!好きな食べ物に仕込むことだけは避けてください!!

 

好きな食べ物に大嫌いな薬と仕込むのは、食べることそのものが嫌になるきっかけになります。

 

時間になったらご飯を喜んで食べてくれるのは、決して当たり前のことではありません。そして、愛犬がご飯を食べないことは、飼い主の精神に大きなダメージを与えます。

これはわたしだけでなく、多くのハイシニア犬の飼い主さんから同様の話を聞きましたし、皆さん一様に精神的にとてつもないダメージをくらったとおっしゃっています。

 

 

【失敗その2】薬の味を確かめなかった

 

わたしが今通っている病院は、基本無味の薬しか出されません。中には苦みのあるものもあるようですが、その場合は必ず苦みがあるということを教えてくださいます。

でもすべての病院がそうではありません。苦い薬であっても、苦みがあることを教えてもらえないことの方がもしかしたら多いのかもしれません。

犬にも味覚があります。特に甘みをおいしく感じるそうです。でも苦みがわからないということではありません。

そしてとても優れた嗅覚を持っています。一度「苦い」と感じた匂いは決して忘れません。

 

犬の知能は幼児と同じくらい、といわれています。ということは、小さな子供が嫌がることは、犬が嫌がることでもある、と考えればわかりやすいかもしれません。

病院が嫌いな子供は、病院で泣き叫びます。病院が嫌いな犬は、病院で鳴き叫びます。

薬も同じで、一度嫌な思いをしてしまうと、もう二度と普通に飲んでくれなくなってしまうこともあります。我が家はまさにこれでした。

 

ではなぜ薬が苦いと気づいたか…

それは、あまりにクリンが嫌がるので、何が嫌なのかわからず、試しに薬を舐めてみたんです。その薬は、舌がしびれるくらいの苦みがありました…

わたしの場合は、ドッグフードも味見しますので全く抵抗はありませんでした。(自分が味見できない・したくないようなものは、基本与えないようにしています)

 

薬を舐める方法はあまりおすすめできませんが、もし薬を嫌がる子の場合は、薬の味について獣医さんに聞いてみるといいと思います。

 

 

どうやって投薬を克服したのか

 

 

大袈裟なようですが、わたしにとって投薬の悩みは一大事でした。そのくらい悩みまくっていました。

フードのトッピングに匂いの強い缶詰を使い、その中に薬を仕込み、食べたら小躍り、食べなかったら落ち込みまくり…を繰り返していた時でした。

 

クリンはロングヘア―なので、足裏の毛が伸びるんです。以前はバリカンで普通に刈らせてくれていましたが、おそらく振動で関節などに痛みを感じるのか、薬を嫌がるようになった同時期くらいから、カットもさせてもらえなくなりました。

足裏の毛が伸びてしまうと滑りやすくなってしまうので、腰にも負担がかかります。なので、病院で爪切りをお願いする時に一緒に足裏もカットしてもらっていました。

昨年、通信でトリマー2級の資格を取ったんですが、カットの練習をしている時にふと、トリミングをしてもらっている時のことを思い出しました。高いところにリードをくくりつけて落ちないようにしていますよね。

それまでは床でカットをしていましたが、ある時ハーネスをつけてキッチン台の上に乗せ、キッチン上の収納の取っ手にリードをくくりつけてみたんです。すると、クリンはほとんど抵抗することなく、足裏の毛をカットさせてくれました。

 

 

そして、今の病院に移り、手術を受ける前、クリンが薬を飲めないという話をしていたので、看護士さんが「シリンジ」を使って薬を飲ませてくださったんです。

 

目の前でシリンジで薬をいとも簡単に飲ませる看護士さんを見て、「これだ!」と思いました。

犬は高いところが苦手です。そしてトリミングを受けたことのある子なら、高いところに載せられてリードで固定されることに慣れています。

わたしは帰宅して、さっそく病院でいただいたシリンジを出し、薬をすりつぶし、ぬるま湯で溶いてシリンジにセットしました。そしてリードをつけたクリンをキッチン台に乗せ、リードを取っ手にくくりつけました。

そして、口の横の犬歯と奥歯の間の「歯のないところ」にシリンジの先を入れて、薬を少しずつ流し込んだら………

 

ほとんど抵抗せず、飲んでくれました!!!!

 

最初は多少嫌がりましたが、自分のお腹をクリンのお尻に当ててそれ以上後ろに行けないようにし、右手にシリンジ、左手はクリンの顎を持ち、顎を少し上げた状態で少しずつ少しずつ薬を飲ませました。

それまで薬を処方されることがストレスでしたが、この方法で飲ませることができるようになり、とても楽になりました。

もし今、愛犬が薬を飲んでくれないと悩んでいる方がおられたら、この方法は本当におススメです!

 

 

【図解】薬の飲ませ方とポイント

 

【準備するもの】

★シリンジ(小型犬の場合なら5mlのシリンジ) ※ネットで「シリンジ 5ml」で検索すると出てきます

★薬(錠剤は事前にすりつぶしておきましょう)

★薬をすりつぶすための乳鉢や錠剤クラッシャー ※錠剤クラッシャーは1000円弱でネットで買えます

 


 

①薬をティースプーン1杯弱(約4㏄)のぬるま湯でよく溶かします。苦みのある場合や、薬に抵抗のある子の場合は、少量の砂糖を混ぜると口に入った時に甘みがあるので抵抗を最小限にすることができます。溶かした薬をシリンジで吸います。空気が入った場合は、口を上にして本体部分を爪でたたくと薬液が下に落ちますので、空気を抜いてください。

 


 

②ハーネスとリードをつけた愛犬をキッチン台の上に載せます。リードはキッチン上の収納扉の取っ手などにくくりつけます。

【POINT1】犬は家ではわがままを通そうとする場合があります。床の場合だと逃げ場があり、嫌がって暴れることもあります。慣れるまでは、できるだけ作業のしやすい高さで、リードをくくりつけるところがあるキッチン台がおすすめです。

【POINT2】リードはピンと張った状態にすることも大切です。緩んでいると、暴れて下に落ちてしまう恐れもありますので、キッチンの上に載せたら、目を離さないようにしてください。

 


 

③マズル横のくちびるをめくり、犬歯と奥歯の間の歯のない部分を確認します。

【POINT】歯のない部分は、シリンジの先を差し込みやすく、もし噛もうとしても歯がない部分なので噛むことができません。

 


 

④シリンジの先を犬歯と奥歯の間に入れ、少しずつ薬液を流し込みます。もしむせてしまったら一旦手をとめて、落ち着いたらまた少量ずつ入れていきます。一気に入れるとむせてしまうので、少し入れて手を止め、ごくんと飲み込んだらまた次、という感じで入れていきます。

【POINT1】リードを固定しても動いてしまう子の場合は、飼い主さんは犬の若干後ろ側に立ち、飼い主さんのお腹を犬のお尻の部分に当たるようにすると、落ち着いてくれます。もし全然嫌がらないようであれば、前側からマズルをめくってシリンジを差し込んでも飲んでくれます。

【POINT2】犬の顎を少し持ち上げると、薬液がこぼれにくいです。うちの場合は、犬の後ろ側に立ち、お尻にお腹をつけ、左手は犬の顎、右手はシリンジを持っています。

 


 

本当は写真を撮りたかったのですが、1人でやっているのでなかなか撮れなかったため、イラストで紹介しました。ちなみにあだ名は画伯です。デッサン狂ってるのはどうかスルーでお願いします(笑)

 

 

 

ライター:福井 惠子

 

 

【椎間板ヘルニア】ミニチュアダックスに多い、「椎間板ヘルニア」

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックス

病名・症状:椎間板ヘルニア

発症年齢:7、8歳

発症の経緯:散歩中突然鳴いて立てなくなった

治療法:痛み止め注射、レーザー

 

 

前兆がなく、突然の発症

 

我が家には私達姉妹が子供の頃から共に暮らし、弟として可愛がっていた愛犬ダックがいました。
ダックが7歳か8歳の頃でしょうか、父がいつものようにダックと散歩をしていたら、ダックが突然「ギャンッ」と大きな声で鳴き、そのままその場にへたり込み立つことが出来なくなりました。
ダックは小刻みにプルプルと震え、大きな瞳をウルウルとさせて父を見上げていたそうです。

父は驚き、すぐに帰宅し動物病院に駆け込みました。

結果は椎間板ヘルニア。
それは、今まで私たちが考えたこともない病だったのです。

 

 

 

内科的治療を受け、回復

 

 

それからは通院での治療をすることになりました。
当時私達は今ほど多くの知識を持っていなかったし、インターネットにも疎かったために情報収集する術がなく、かかりつけの先生の言うことに、何の疑問を持つこともなく言われるがままの治療を受けました。

ただ、手術だけは避けたいという気持ちは家族全員が一致で感じていました。
私達姉妹は当時東京に暮らしており、広島の両親とは離れて暮らしていたので、ただただ祈るばかりでした。

 

病院では痛み止めの注射と、レーザーのようなものを数回受け、歩けるまでに回復しました。

治ってからだいぶ経ってインターネットで調べると、五段階あるステージのうち三段階目のステージだったことを知り、当時あれ以上悪くなることが無かったことを感謝しました。

 

 

椎間板ヘルニアのステージ

LV1:神経に異常はないが、背骨に痛みがあり、触られるのを嫌がる。

Lv2:後脚の麻痺があるが、よろけながらも歩行はできる。

LV3:後脚の麻痺があり、後足を動かすことが出来ても脱力があり歩行できない。

LV4:後脚が完全に麻痺し、皮膚を強めにつねっても反応が無い。自力で排泄できず失禁する。

LV5:後脚が完全に麻痺し、皮膚をつねっても、骨に刺激を与えても反応が無い。痛みを全く感じなくなる。

 

 

予防でやっていたこと

 

ヘルニアは治りましたが、先生には散歩はしばらく最低限にしてほしいと言われたので、ダックは散歩が大好きだったのですが、排泄を外でしかできなかったため朝と夕方に排泄をかねて10分ほど散歩をするだけになりました。
階段や坂道は極力抱っこしていましたが、歩きたがるので行きは歩かせて帰りは抱っこして帰ってくるようにしていました。

ダックは当時8.6kgと、肥満ではないもののガタイが良かったので重くてすぐに腕が痺れたものでした。

歩くのはダメでも、自然のサラダバー(雑草食べ)を楽しんで貰ったりとなるべく外に居させてあげようとしていたのを覚えています。

 

そのほか、夜は一緒に寝ていたのですが、それまではベッドで一緒に寝ていたのを、段差のない敷布団に変更したりしました。

 

 

飼い主さんに伝えたい事

 

ダックは、私たちにとって初めてのワンコで、私も家族もとても無知でした。
階段や坂道も普通に歩かせていたし、家では高さのあるベッドで一緒に寝ていたために、ダックは夜中に目が覚めた時に一人でジャンプして乗り降りしていました。
抱っこも、お尻は支えていたものの縦に抱いていました。

そのすべてを今は後悔しています。

もっと犬のことについて、ミニチュアダックスのことについて勉強をしていたら、日常的に予防してあげることが出来ていれば、ダックはヘルニアの辛さを知らずに済んだかもしれません。

先天的なこともあるし、気を付けていてもなることもあるかもしれません。
……だけど、可能な限り原因となりうる事を予防してあげられたらよかったなと思います。

 

今はダックは亡くなり、新しく弟犬として、同じミニチュアダックスの「そら」を迎えましたが、ダックとのことを教訓にして、横抱き抱っこ・階段や坂道を登らせない・後脚を鍛えるためのバランスボールレッスン・滑りにくいマットを敷くなど、沢山の予防をしています。

 

皆さんの愛犬がなるべく長く最後まで自分の足で歩けますように、少しでも参考になればうれしいです。

 

 

 

ライター:加藤姉妹

 

 

膿皮症~長く根気のいる戦い~

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックス

病名・症状:膿皮症

発症年齢:16歳

治療法:塗り薬

 

 

実は怖い?!皮膚疾患、膿皮症。

 

 

犬を飼っていて、「いつか病気を経験するかもしれない」とは思っていても、いつなるのか・どんなものなのかなんて想像するのは難しいもので、いざその時が来ると名前も聞いたことのないようなものであったり、全く想像のしていなかったものだったりしますよね。

愛犬Mackも、今回お話する病である膿皮症を経験するまで、椎間板ヘルニアは二度経験したものの、ほとんど病院にお世話になることはない、病気知らずなワンちゃんだったので、今のように「調子が良ければ通院は月一」なんて状況になるなんて、想像もしていなかったのです。

膿皮症は皮膚の病気ですが実はとっても怖い病気なので、今回Mackの当時の写真とともにお話していきたいと思います。

 

ちょっと辛いお写真もありますが、参考までにお付き合いいただけると嬉しいです。

 

 

気付いた時にはもう遅い

 

病気の発覚前日、寝る前におしっこをさせている時に「あれ?すこし背中の毛がバサバサしてる?」と思ったのがはじめの違和感でした。

寝癖のような感じで、首の付け根の少し下のあたりだけ毛が逆立っています。
その時は皮膚の疾患だとは思わなかったので、上から撫でるだけで、毛をかき分けて確認することはしなかったのです。

翌朝に昨日のバサバサしていたところを見ると、ヒトコブラクダのように盛り上がっていました。
つまんでみると、ブヨブヨしています。
なんだ?おかしいな?なんてつまんでいると、ピュッっと膿が飛び出してきたのです。

上の画像がその時の物です。
画像の真中付近とその少し向こうに二か所、膿が染み出ているのがわかって頂けますでしょうか?

まさか膿が出てくるとは思っても居なかったので、すぐに病院へ行くことにしました。
しかしその日はかかりつけの定休日。

やむなく近くの動物病院へ駆け込みました。

これはその病院で処置を受けた後の様子です。
(赤く見えるのが患部で、白く見えるのは膿皮症の白い粉の塗り薬です。)
毛に覆われているとわからなかったけど、患部はこんなにも大きかったのです。

診断結果は膿皮症。
膿皮症とは、皮膚上で菌が異常繁殖し、化膿して膿を排出してしまった状態なのだそうです。

 

 

 

膿皮症(のうひしょう)のステージと予兆

 

膿皮症にはステージが3段階あります。

1.表面性膿皮症(表皮の最上部にある角質層に発生した膿皮症)

2.表在性膿皮症(毛包とそれに連なる表皮に発生した膿皮症)

3.深在性膿皮症(毛包全体、真皮、皮下組織に発生した膿皮症)

 

Mackの膿皮症は、初診では二番目に重い表在性と診察されましたが、翌日あらためて行ったかかりつけでは、最も重いステージ3:深在性であると診断されました。

この写真は翌日、かかりつけでの処置を受けた後の様子です。
患部がさらに広がっています。

悲しいことに、ここから暫くトビヒのようにして、頬、肘、顎と、あちこちに発症していきます。

 

膿皮症になると上の写真のように、まるで筆のようにして毛が抜けるようになります。
皮膚に毛がくっついたまま剥落してしまうので、このような抜け方をするようなのです。

こんな毛がもしもお部屋で見つかったら、赤信号。
愛犬の毛をあちこちくまなくかき分けて、見てあげる必要があります。

Mackの場合特に気にする様子がなかったのですが、膿皮症は発症するまでは激しいかゆみが伴う事があるようなので、しきりにどこかを痒がる時もくまなく見てあげるといいとおもいます。

 

中期~快方に向かうまでと、予防法

 

これは膿皮症中期の頃の写真です。

瘡蓋(かさぶた)を剥がし、サランラップを巻いて皮膚の再生を促します。
清潔を保つために膿がたまればふき取り、一日に二度アルコール消毒をして、その都度サランラップを新しくする生活がしばらく続きました。

状態が改善をし始めると、徐々に皮膚が黒くなってきます。
でも、まだグジュグジュしていたり、血が止まらないような患部もあります。

この写真は快方に向かってサランラップが取れた頃の様子です。
それでもまだまだ、完治の時期は見えてきません。

まだあちこちに小さな新しい患部ができるので、見つける度にクリーム状の薬を塗っていました。

 

その後Mackの膿皮症が治るまでには、なんと6月の発症から5か月ほどかかりました。

Mackが当時16歳と高齢だったこともあるとは思いますが、梅雨から夏のジメジメで、どんどん患部が広がってしまい、なかなか収まってくれなかったのです。

これは18歳になってからの写真です。
完治と先生に言われてから、いつまでたっても膿皮症だった場所に完全に毛が生え戻ることはありませんでした。

膿皮症は6月から10月くらいの今の時期が発症しやすい時期です。
Mackの発症も、2015年6月18日でした。

膿皮症になる原因としては、抵抗力の衰えや皮膚と毛の間に湿気がたまることで菌が繁殖してしまうことなどがあります。
梅雨の時期、雨の中から散歩に帰って来た時・お風呂に入った時など、しっかりと毛の中まで乾かしてあげることで予防することができます。

また、ヒバ水を使う事でも予防することが出来ます。
ヒバの木から抽出された”ひば油”を水4:エタノール1で割った液体にお好みの量入れることで完成します。
私は3,4滴入れて使用していましたが、ヒノキのような香りで殺菌・防虫の効果があり、Mackだけではなく娘や自分自身も愛用していました。

他にも、薬用シャンプーで洗い、薬浴をするなどの予防方法があります。

膿皮症は一度なると何度も繰り返しやすい上に、完治までに時間と根気を要する皮膚疾患です。
Mackも小さな疾患を、完治と言われてからもあちこち作っていましたが、ひば油とアイプクリーム(通販で購入可能)で対応し、大きくなる前に治していました。

それは、Mackが2017年10月に亡くなるまで続いていました。

愛犬も飼い主も長く苦しい戦いを始めないためにも、日頃から毛をかき分けて赤みがないか?ブツブツしてないか?よく見てあげると、スキンシップも出来て一石二鳥ですね。

 

 

ライター:奥村 來未

 

 

【シニア犬(老犬)の食べムラ】我が家の秘密兵器

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックスフンド

病名・症状:食べムラ・食い渋り・食欲不振

発症年齢:15歳

発症の経緯:投薬の失敗・子宮の不具合(痛み)・歯石による食欲不振

治療法:飼い主の工夫

 

 

飼い主を悩ませる「食べムラ」

 

我が家の愛犬クリンは、15歳の時の体の不具合と投薬により、強烈な食欲不振に陥りました。

きっかけは足の痛みでしたが、その時の投薬(超苦い痛み止めと超苦い抗生剤)を食べ物(好物)に隠して与えようとしたことが原因で、食べ物に不信感を持ってしまいました。

飼い主の失敗により、「食べること=苦いものを無理やり口に入れられる」とインプットされてしまったことで、口さえ触らせてくれなくなってしまいました。

ご飯を食べないことは、重篤な病の宣告をされるのとはまた種類が違うのですが、シニアになってご飯を食べない=このまま衰弱してしまう、という風に考えてしまい、めちゃくちゃ精神的に堪えます。

我が家の場合は少しずつ信頼関係を作り直すところから始め、ご飯と薬を完全に分けて与えるようになり、今では食べることへの不信感は払拭できましたが、食べムラだけは残ってしまいました。

クリンが食べるかどうかは、ご飯の時間になってみないとわかりません。以前は起きてすぐにご飯を食べてくれましたが、今はクリンがご飯を食べるまでの時間を想定し、用事がある場合はでかける3時間前には起きないといけなくなりました。

 

飼い主の生活にも大きく影響してしまう食べムラですが、数年付き合ううちにこちらにも知恵がつき、様々な小道具を使って比較的すんなり食べてくれるようになりました。

今回は、我が家で使用している、食い渋る時に使っている小道具とトッピングを紹介させていただきます。

 

 

食欲をそそる「匂い」

 

クリンはおかあさんに丈夫に産んでもらったようで、昨年末の手術の時に歯石ケアをしてもらった時、抜歯は1本だけで済みました。その他の歯はぐらつきもなく問題ないとのことで、今でもドライフードを食べてくれています。(手術の記事はこちら

 

手作りフードがいいという話も聞きますが、うちの場合は食べてくれないということと、栄養バランスを考えるのが大変なので、食べてくれるうちはドライフードを使おうと思っています。ただ噛む力は弱くなっているので、超小粒サイズのドライフードを与えています。

元々ドライだけでは食いつきは悪かったので食べムラ以前からトッピングはしていましたが、今はドライフードだけでは絶対に食べません。なのでトッピングは必須なんです。

 

14歳までは市販の缶詰をフードにかけて、上に薬をおいても食べてくれていたんですが、ここ数ヶ月は市販の缶詰やレトルトパウチなどは全く食べなくなってしまいました。

なので、最近は手作り系(鶏肉・牛肉・豚肉等)のボイルやソテーにしたものをトッピングに使ったり、ジャーキー系のものをトッピングに使用しています。

 

ジャーキーはうまみが凝縮しているようで食いつきはとてもいいです。

最近はふりかけ系も充実していていろんな種類の商品があり、以前は使っていましたが、開封したてはものすごく強い香りでも日数が経つにつれどんどん香りが弱くなり、食いつきも悪くなっていくんですよね。

食欲を刺激するのに一番効果的なのは「匂い」。なので匂いが強くなる方法を色々考えてみました。

 

 

うちで使っているトッピングと秘密兵器①

 

これが今一番ホットなジャーキーです。鴨肉のジャーキーで、鶏肉よりも匂いが強く、開けた瞬間めっちゃ食いついてきました。これは鴨ささみ肉がカットしてあるタイプです。あまりに食いつくのでつい大人買いしてしまいました(笑)

 

 

 

こちらは砂肝ジャーキーです。これは砂肝がそのまま乾かしてあり、かなりハードタイプになります。

 

これらをトッピングに使用していますが、このままだと固いし大きいしでどちらも食べることはできません。大きなものも固いものも、食べようとはしますが、ポロっと落としてしまうんですよね。一度落としてしまうと、食べられなかったことにショックを受けるのか、それから食べてくれなくなってしまうこともあります。これは性格もあると思いますが、クリンにとっては「今までと同じように生活している」ということが大切なことのようなので、「できないこと」を増やさないようにするために、こちらで工夫してできることは先回りしてするようにしています。

 

 

そこで、1つ目の秘密兵器の登場です。

 

ニッパーです。ホムセンなどで100円くらいで売っているものです。ニッパーは固いものを簡単に切れるので、砂肝などはこれで小さくカットして食べさせています。

最初からカットしてあるものを買わないのは、ものが大きい方がカットしてあるものよりも匂いが強いように思うからです。いつも食べる直前にパチパチとカットして、フードの上にふりかけています。

カットすると、切り口は新鮮なので結構匂いが強くなります。なのでこれもかなり有効な方法です。

 

 

我が家の現在最強の秘密兵器

 

ずっとニッパーを使っていましたが、これでもやっぱり食い渋りが出てしまうことがありました。

そこで、匂い立たせるための方法を考えてみたんです。焼く・煮る・あぶる……そう、熱を加えれば匂いは強くなるぞ!という結論に達しました。

 

そして、我が家の最強の秘密兵器ができました。

 

 

それは、おろし金です。

これでジャーキーをすりおろすと、封を開けて多少時間が経っていても、すりおろす際の熱で瞬時に匂い立たせることができるんです。

ちなみに、最初は100均のプラスティックのおろしを使っていましたが、あまりに固いため、とんがっている部分が折れてフードの中に混ざってしまったんです。

すぐに見つけることができたので事なきを得ましたが、間違って食べてしまうと大変なことになるかもしれません。なので、強度のあるステンレスのおろし金を探して購入しました。

これは固い砂肝ジャーキーでも楽々すりおろすことができます。ありがとう、おろし金。

 

おろし金ですると、とても細かいふりかけになります。匂いは強いですが、もう少しジャーキーっぽさを出すことと、ザラっとした食感を混ぜることでドライフードを違和感なく食べてくれるように、ハサミでジャーキーをカットしてフードの上にふりかけるようにしています。フードだけになってしまうと残してしまうこともあるので、食べている途中でトッピングを追加して、フードを残さないように工夫しています。

 

 

【参考】簡単自家製ふりかけを使った食べさせ方

 

 

 

これが実際にすりおろし&カットしたジャーキーです。

うちの場合、最初からフードの上にかけても食べてくれません(涙)

長年の食べムラでどうも癖がついてしまったようで、すんなり食べてくれることはほとんどないため、まずはトッピング選びから。数種類あるトッピングを、ローテ―ションでくるくる回すようにしています。

鴨肉ジャーキーの場合は、まず小さな一口大にカットしたものを食べるか確認し、食べてくれたらふりかけを作ります。

ふりかけだけをまずは食べさせて、食べてる間に別のお皿に出したフードの上にジャーキーをシャカシャカとふりかけ、それをスプーンで少しずつ横から足していきます。

コツは、最初に入れるフードはトッピングたっぷりにすること。これでうやむやになるようで、結構フードをすんなり食べてくれるようになりました。

フードを食べたら、あとは残ったフードを追加していくだけで、普通に完食してくれるようになりました♪

 


 

かかりつけの獣医さんによると、ハイシニアの食べムラや食い渋りは当たり前に起こるそうです。人間も歳をとると食の嗜好が偏ってしまうことがありますが、それと全く同じだそうで、今までおいしいと感じていたものもおいしく感じなくなったり、嗅覚が衰えてくることでより匂いの強いものを好む傾向が出る場合もあるそうです。

誰でもいつかは歳をとります。歳をとるとわがままになってしまうのは人間も犬も同じ。なので、自分が付き合える範囲であれば、食べたいものを食べたい時に食べてもらうのが一番かなぁと考えています。以前は食べないといちいち落ち込んだりしていましたが、3年も付き合ってると耐性がつき、今は1食くらい抜いてもいいか、くらいに思っています。

ただ体重が減っている時やあまり体調が優れないような時などは、体力を維持するためにシリンジで与えるようにしています。シリンジを有効活用することで、わたしの生活もかなり楽になりました。

ちなみに薬もシリンジで与えています。シリンジを使った投薬と給餌方法はまたあらためて紹介させていただきますね。

 

食べムラで困っている方はとても多いようで、よく耳にします。どうか少しでも参考になりますように。

 

 

ライター:福井 惠子

 

 

【犬の留守番】共働きで犬を迎える覚悟

愛犬を迎えることって?

我が家にはトイプードルの女の子が1頭います。名前はプリンといいます。

家族はわたしと主人の2人暮らし。共にフルタイムで仕事をしています。

プリンは日中留守にする我が家で、ひとりでちゃんとお留守番をしてくれています。

留守が多い我が家でなぜ犬を迎えたのか。もしかしたら、愛犬に長時間お留守番させることを「虐待」と言われる方がいらっしゃるかもしれません。わたし自身、長時間のお留守番をさせていることに最初はとても抵抗がありましたし、罪悪感も感じていました。

でもプリンを迎え入れて本当によかったと心から思いますし、プリンも毎日楽しく過ごしてくれています。

我が家と同じように、お一人暮らしやフルタイムでお仕事をされていて、愛犬を迎え入れることを悩んでいる方、また愛犬に長時間お留守番をさせている方や、お留守番をさせることに罪悪感を感じている方がおられたら、ひとつの参考として我が家の話を聞いていただけたらと思います。

 

 

愛犬を迎え入れるまで

わたしは犬が好きで、結婚してからずっと飼いたいと思っていました。

でも我が家は共働きのため、日中は留守にします。長時間留守番させるのに犬を飼うなんて無責任なのではないか…そう思い、ずっと我慢していました。

でも諦めきれず、ペットショップに行っては小さな仔犬を見たり、ネットで仔犬情報を見たりしていました。(当時は保護犬のことをあまり知らなかったため、犬を飼うのはペットショップかブリーダーだと思っていました。)

 

我が家には子供がいません。

30代後半で大きな病気が見つかり、治療しないと不妊治療ができないといわれて、1年間治療に専念しました。病気が治ってから不妊治療を始め、6年ほど治療を続けましたがうまくいかず、状況的にも年齢的にも妊娠は難しいといわれました。

 

正直、わたしの心はボロボロになっていました。

周りの人たちの言葉にも敏感になり、「子供は?」という何気ない日常会話の中での一言にさえ傷ついていました。

ちょうどこの頃、主人が遠方に1ヶ月間単身赴任することになりました。年齢的にリミットのない中、辛い治療を何年も続けていたのに、たった1ヶ月のことではありますが、それまでの治療が台無しになってしまうと思ってしまったんです。

出張先から電話をかけてきた主人と話している時、それまで張りつめていた糸が切れ、大泣きしてしまいました。

その時に初めて、主人はわたしの心の状態に気付いてくれました。そして「もう子供は諦めて犬を飼おう。」そう言ってくれました。

 

 

運命の出会い

 

主人が出張から帰ってきてから、さっそく近くのブリーダーをされているペットショップに足を運びました。ちょうど生まれたばかりのトイプードルが5頭いるとのことで、見せていただきました。

その中で、兄弟にもみくちゃにされて踏まれていた1頭の仔犬がいました。胸元に白い模様の入ったその子は、売り物にならないかもしれないということでした。ほかの兄弟たちに踏まれても怒ることなく、ただただじっと耐えている子。

出口のない不妊治療で心がボロボロになっていたわたしは、売り物にならないかもしれないその仔犬がまるで自分のように感じ、この子をうちへ迎えよう、と心に決めました。

11月末に我が家へ迎え入れることになり、それまでに名前を決めておいてくださいといわれました。

ちょうど年末にかかる時期ということもあり、バタバタと忙しい毎日を過ごし名前がなかなか決められずにいた中、我が家のプリンターがつぶれてしまいました。年賀状の印刷をしなければならず、急いで家電ショップに買いに行きましたが、欲しいプリンターは売り切れ。仕方なくお取り寄せで注文したのですが、プリンターの受取日が偶然にもプリンをお迎えに行く日と同日になってしまいました。

そしていよいよプリンを迎えに行く当日になり、主人が「そろそろ取りにいかないと」と言った時、「プリンターを取りにいくの?」というところを「プリンを取りにいくの?」と言い間違えてしまいました。

プリン?プリンター?と大笑いした時に、主人が「もう名前はプリンでいいやん」と言いました。

我が家の愛娘プリンの名前の由来は、スイーツのプリンではなく、プリンターのプリンです(笑)

 

 

留守番させることへの罪悪感と葛藤

 

プリンが我が家の一員になり、それまで鬱々と悩んでいたのがうそのように、毎日大騒ぎであっという間に時間が過ぎていきました。初めて迎えた愛犬に、わたしも主人も夢中になりました。プリンは愛らしくて可愛くて、まるで自分がお腹を痛めて産んだような感覚になるくらい愛おしい存在になりました。

でもここで大きな問題に直面しました。それが「お留守番」です。

犬を迎え入れる前に散々考えていたことではありましたが、プリンを迎えた時は勢いもあったので、実際にうちの子になってからとても悩みました。毎日ネットで調べたり、犬の本を購入して読み漁ったり…

プリンをひとりで長時間留守番させることに、大きな罪悪感を感じていました。

でも仕事を辞めることはできません。犬を飼うということは、お金もかかります。プリンと主人と一緒に楽しく生活をしていくためには、仕事を続けることは必要なことでした。

当時は犬を飼っている友達も周りにいなかったため、相談相手もいませんでした。そんな時、プリンのものを買いに近くのペットショップに行った時に、大きなトイプードルを連れた方がおられ、あまりに大きかったので声をかけて少しお話したんです。その方も夫婦2人暮らしで犬を飼っているとのことで、どのようにお留守番させておられるのかも聞いてみました。

その方は、子供部屋にしようと思っていた部屋があるので、そこをお留守番の部屋としているとのことでした。結構長い時間お留守番をさせているから、「帰宅すると部屋はむちゃくちゃになっているので、帰ったらまずは掃除からなんです」といわれてるのを聞きながら、皆さんいろんな工夫をされているのだと思いました。

「ひとりでゆっくりリラックスして過ごせる場所を自分なりに作ってみよう」

そう思い、自分なりに調べて、プリンが過ごす部屋を決めました。冷暖房完備でできるだけ静かな場所で、ベッドとトイレが設置できる大きめのサークルを購入しました。部屋で自由に過ごせるようにしようかとも思いましたが、犬はサークルなど落ち着ける場所があった方がいいと書いてあったのと、誤飲なども怖かったので、サークルを設置することにしたんです。

わたしが仕事に出る時は、エアコンフル稼働で居心地の良い居住空間を作り、さみしくないようにコングなどいろんなおもちゃを準備し、少しずつひとりの時間をつくるようにしました。

最初は30分、お利口にできていたら褒めて、次に1時間、3時間…と少しずつ少しずつ時間を延ばしていきました。

プリンにわたしの気持ちが通じたのか、静かにお留守番ができるようになりました。

 

 

生活のリズムをつくること

 

このように、少しずつ少しずつ時間をかけてひとりでいることに慣れてもらい、プリンはとてもお利口にお留守番ができるようになりました。サークルの中にいると安心するようで、わたしが仕事で出かけた後はぐっすり眠っているようです。そしてわたしが帰宅すると、とても嬉しそうにしっぽを振って出迎えてくれます。

プリンにお留守番させる日は、必ず1日1回30分以上のお散歩に行くこと。もし天候不良で行けない場合は、たっぷりと愛情をかけて遊んであげること。自分の体調が悪い時でも、これだけはするようにしています。

犬との生活は、いろんなことが起こります。プリンは体が弱く、小さな頃からいろんな病気にかかったりしていますし、毎日悩んだり困ったりすることもあります。

でもそれ以上に、たくさんの幸せとたくさんの愛情をくれる、とても大きな存在です。

 

お留守番をさせることについては、正直今でも罪悪感を感じることはあります。わたしはとても心配症で、本当はずっと一緒にいてあげたいと思ってるんですよね。でも思っていた以上に医療費がかかるため、今のところは仕事は続けていこうと思っています。

でもプリンが病気などの時はお休みをいただき、一緒に過ごすようにしています。これから先、プリンが歳をとったら仕事をやめようと思っています。

 


わたしがお留守番について書こうと思ったのは、自分自身が犬を飼うことについてとても悩んだからです。もしかしたらわたしと同じような悩みをお持ちの方もいらっしゃるかもしれないし、お1人暮らしで犬を家族として迎えたい、と悩んでおられる方もいらっしゃるかもしれません。

わたしと同じように、犬を飼うことで毎日の生活が豊かになり、「自分自身が救われる」という方もおられるかもしれません。

 

もし今、仕事をしていてずっと一緒に過ごせないからと犬を迎えることで悩んでいる方がおられたら…

もちろん理想はずっと一緒に過ごすことだと思いますが、きっとそれぞれの生活スタイルが出来上がってくると思います。案ずるより産むがやすしといいますが、うちもそうでしたが、何とかなるもんですよ。

ただし、ペット禁止のマンションなどの場合は、ペット可に引越してからにしてくださいね。もしばれてしまうと手放すことになりますから。

犬はとても愛情深く、惜しみなくたくさんの愛情をわたしたちにくれます。離れている時間があっても、お休みの日や一緒に過ごせる時間はたっぷり愛情をかけてあげることで、しっかりと絆をつくることができると感じています。

 

プリンを家族に迎えて、本当によかったです。

 

 

ブログ:京都アニマルコミュニケーション桜梅桃李~愛犬プリン~

 

ライター:HIROMI