【ペットロス】愛情も後悔も思い出も全部一生もの

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックスフンド

旅立った年齢:クリン/19歳1ヶ月 ニコ/16歳3ヶ月

死因:クリン/老衰 ニコ/心停止からの肺水腫

 

 

ペットロスについて考えてみました

 

我が家には3頭の我が子同然の子たちがいました。

長女クリンは2000年2月1日生まれ、次女ニコは2002年7月2日生まれ。

昨年の10月にニコが旅立ち、それから5ヶ月後の今年3月にクリンが旅立ちました。

今日はニコの命日。ちょうど1周忌を迎え、改めて自分の気持ちに向き合ってみました。

 

 

いまだに見ることのできない記録

 

ニコは、昨年の5月に初めて虚脱を起こしました。突然倒れた時はとても驚き、すぐに病院に駆け込みました。

ニコは僧帽弁閉鎖不全症でした。病院ではかなりの末期状態で、いつどうなるかわからないといわれていました。

虚脱を起こしてから、薬の量が増え、携帯酸素を常備するようになりました。かかりつけの病院は隣の市にあり、山をひとつ超えていくため、通院には携帯酸素はかかせませんでした。

そして、3回目の虚脱の時に心停止を起こしました。

携帯酸素を約1分ほどあて続けたら、蘇生してくれました。すぐに病院に行き、心電図とエコー確認してもらいました。状態は決してよくはないこと、そしてまた同じように心停止するかもしれないといわれました。蘇生後は少しだるそうにしていましたが、食欲はありましたし、いつも通り普通に過ごしていてくれました。

先生から、いつどうなるかわからないから覚悟はしておくようにといわれていました。わかってはいましたが、ニコの様子を見ていると、このままもしかしたら元気に過ごしてくれるのではないか、17歳の誕生日を迎えることができるのではないか、と思っていました。

京都市では、15歳になると長寿犬認定書をいただくことができます。ニコが15歳になったのは2017年でしたが、表彰対象となる誕生日が6月末までだったため、7月生まれのニコの表彰は2018年度になりました。表彰式典は9月23日。心のどこかで、長寿犬認定式までは何とか頑張ってほしい、と思っていました。

そして式典当日を無事迎えることができました。うちは多頭飼いで誰かひとりとお出かけするのは通院のみだったのですが、この日はニコとふたりで出かけると決めていました。ニコとふたりだけの外出。いつもの病院に向かう景色と違うからか、ニコもなんだか楽しそうに見えました。

駐車場に車を止め、会場までお散歩しながら歩いていましたが、ニコは途中で立ち止まり歩かなくなることがありました。あまり無理をさせるのもよくないとわかっていましたが、病院からは心臓が悪くても適度な運動は必要といわれていたこともあり、立ち止まったら少し休憩しながら、抱っこしたりまた歩いたり、ゆっくりと会場に向かいました。

認定書をいただき会場を一回りして、小一時間ほどで帰宅。帰宅してからもニコは元気いっぱいで、みんなで仲良くお昼寝をしたりしていました。

ちょうどこの日の夜はバイトで、出発する時間が近づいてきたため出かける準備をしている時、ニコが突然倒れました。

二度目の心停止でした。初めての虚脱から確か5~6回目だったと思います。

すぐに酸素をあてましたが、このまま蘇生してもいいのだろうか、もしかして苦しめることにはならないか、という迷いがわたしの心にありました。

酸素をあてて1分くらいで、またニコは蘇生してくれました。

ところが、2回の心停止により、ニコの心臓は大きなダメージを受けてしまいました。

そしてこの心停止から10日後、ニコは旅立ちました。

 

延命治療はしないと決めていたのに、二度も蘇生してしまったこと。結果それが原因で苦しい時間を長引かせてしまったこと。心臓病に罹患させてしまったこと。病気に早くに気付いてやれなかったこと。転院しなかったこと。手術を受けた病院をきちんと選んでやれなかったこと。

二度目の心臓発作でそのまま旅立たせてあげたら、ニコは元気なまま苦しむこともなかったのに。ニコの病気に気付いてあげられなかったからこんなに苦しい思いをさせてしまったのに、最後の最期にまた苦しませてしまう選択をしてしまったのではないか。

 

ニコには今でも申し訳ない気持ちでいっぱいです。

ニコの最期の10日間は、かなり細かくメモを取っていましたが、いまだにそのメモを見ることができません。日々の状態を記録していたカレンダーすら見ることができないため、虚脱の回数も期間も確認できませんでした。

おそらくこの罪悪感と後悔は、一生消えることはないと思っています。

 

 

たとえ大往生でも悲しみは同じ

 

ニコが旅立ち、立ち直るまでかなり時間がかかりました。仕事の時などは普通にしていましたが、少し気を抜くとすぐに涙があふれてしまいました。夜になると布団をかぶって号泣。毎日そんなことを繰り返していましたが、ニコの旅立ちと同時期にクリンの老化が進んだこともあり、お世話に追われることで少し救われました。

クリンはありがたいことに、老衰により旅立ってくれました。改めてクリンの最期の数ヶ月を振り返ると、「もうそろそろだよ」と飼い主に合図をくれていたように思います。クリンには成人式を迎えてもらう気満々でしたが、クリンの体の変化を目の当たりにして、成人式を迎えてほしいと思いながらも、どこかでその日が来る覚悟をしていました。

いつも通りお散歩に行き、いつも以上にご飯を食べてくれ、旅立つ前日にはクリンからわたしのところに歩いてきてくれて、膝の上に顔を載せてくれたんです。視力も聴力もかなり衰えていたため、この頃にはほとんど自分から寄ってきてくれることがなかったのですが、間違って傍に来たのではなく、ちゃんとわたしの方に自分の意志で来てくれた感じだったんです。

それがあまりに可愛くて嬉しくて、思わず動画を撮ったくらいでした。

そして、クリンもまたわたしの夜のバイトの日に旅立ちました。

クリンはわたしの定位置で、まるで眠っているかのような穏やかなお顔で旅立っていました。わたしが帰宅した時にはすでに死後硬直している状態でした。

クリンは、きっとニコの時のわたしの姿を見ていたから、留守の間に旅立ったんだろうなと思えます。クリン自身、自力で歩けるギリギリ限界の状態でもあったので、歩けなくなる前に自分の意志で決めて旅立ったんだろうなとも思えます。

周りの方からは、とても温かい言葉をいただきました。クリンちゃんは親孝行だ、羨ましい、大往生だ、最高の犬生だったね、と。

温かい言葉にものすごく救われましたし、本当によかったと思えました。

でも失った悲しみは大きく、もっともっと一緒にいたかったと思いました。

いずれは必ずくるお別れ。ニコを失った悲しみとはまた違った、大切な家族がいなくなってしまったという喪失感が大きかったです。

 

楽しかったこと。驚いたこと。悩んだこと。特別なことだけでなく、なんてことない日常。

すべての思い出は、とても大切な宝ものになりました。

 

 

思い出は一生

 

我が家にはまだクリンとニコのお骨があります。この子たちは自分と同じお墓に入ろうと思っているんです。

うちの弟は住職をしていて、弟のお寺に母が建てたお墓があります。わたしはすでに嫁いでいる身なので、本来は主人のお墓に入るのが筋だと思いますが、子供もおらずわたしたちの代で終わるので、どうせなら大好きなおばあちゃんの眠るお墓にうちの子たちも一緒に眠りたいと思いました。

主人もそういうことにまったくこだわりがなく、うちのお墓に入ることに同意してもらったので、今度お墓参りに行った時にクリンとニコのお骨を埋めようと思っています。

それまではお骨はうちにいますが、今でも骨壺を抱っこしたり、話しかけたりしています。

不思議なもので、冷たい骨壺を抱っこしているのに、なんだか温かく感じます。クリンとニコがここにいる、という感覚はまったくありませんが、きっと見守ってくれているんだろうなと思えます。

 

うちには長男のみのすけがいます。現在10歳2ヶ月、おかげさまで持病もなく元気に過ごしてくれています。母のところには7歳の子ベリーがいます。母が元気なうちはいいですが、いつかはうちで引き取ることになると思います。

わたしはみのすけとベリーを見送った後は、よほどの事情がない限りはもう犬を迎えることはないと思います。

ワンコは大切な家族で、我が子同然。

これ以上 ❝大切な家族を失う悲しみ❞ にわたしの心が耐えられないのではないかと感じています。

 

愛が深ければ深いほど、失った悲しみは大きすぎてなくならないんだと思います。それだけ愛おしい存在と出会えたことを嬉しく思いますし、たくさんの後悔や罪悪感があるのも仕方ないことで、失った悲しみも深くて当たり前だと感じます。

いつの日か、クリンとニコと必ず再会すると信じています。そして、いつかくるその再会の時を楽しみにしたいと思います。

 

 

ペットロスって、きっと一生続くと思っています。

だって、それだけ大切で大きな存在だったんですから。

 

 

ライター:福井 惠子

 

 

【ペットロス】だいじょうぶだよ!(絵ブログ)

作:奥村 來未

 


 

 

身体が重いよ…

なんだかご飯も、お水も、欲しくないんだ。
ああ、疲れた…
どうしたの?姉ちゃん、泣いてるの?
だいじょうぶだよ、僕がいるよ

ありがとう?大好き?よく頑張ったね?
そう…?僕えらい…?
そうでしょう。うふふ。
姉ちゃん、僕眠い…姉ちゃんの腕の中、安心するなあ。
ああ、眠い、すごく眠い。
もう僕寝るよ…おやすみ…姉ちゃん…。

姉ちゃん泣いてたなあ。
どうしたんだろう。
姉ちゃんは泣き虫だからなあ、何かあったのかな。
だいじょうぶだよ、僕がついてるから。

……あれ?
僕寝てたんじゃないっけ?
あ、あれ?なんだろうこの感じ?
んん??

ん?身体が軽いなあ?
お腹も辛くないし、気持ち悪いのも無いぞ?
あれ!僕目が見える!立てる!
なんで?何でだ?!
……………………………

うわぁーい!
なんかすごいぞお!走れるぞお!
どこも痛くない、辛くない!
景色もよく見える!楽しいなあ!
全然疲れないぞ!こんなに早く走れるぞお!
わぁーい!!
……ん?
誰か泣いてる?誰だろう?
あれ?これ、姉ちゃんの声だ!
どうしたの!姉ちゃん!大丈夫?!

ねえ姉ちゃん!何で泣いてるの?!

僕ここにいるよ!ねえ!
だいじょうぶだよ、僕いるって!
ほら見てよ!僕こんなに走れるんだよ?!
目だって見えるよ!ねえ!ねえ!
姉ちゃん!姉ちゃん!
お願いだよ姉ちゃん!笑ってよ!

姉ちゃん…どうして笑ってくれないの?
僕…僕……
うわぁぁん!!

わおおーん!わおおおーーん!
…姉ちゃん…僕の大好きな姉ちゃん…
笑ってくれないよお…
あれ…また…身体が重いよ…辛いよ…
姉ちゃん…姉ちゃん…
僕また、どうしたんだろう…
姉ちゃんが悲しいと、僕も悲しくて…
身体がどんどん重くなっていくよ…
どれくらいこうしていたんだっけ
ずっと身体が重い…僕の声も姉ちゃんに届かない…
だいじょうぶだよって、姉ちゃんにペロペロしてあげたいのに、動けないよお…
………………………?!
あれ?
最初の頃程じゃないけど、身体が軽くなってきた
目も少し見えるぞ?
あっ…
姉ちゃんとパパ兄ちゃんが、僕の写真の前で、僕のお話して笑ってる!
なになに?何のお話?!
あはは!なつかしいね!そうだね!そうだね!
あれ!姉ちゃんが笑うと身体がまた、どんどん軽くなってきたよ!
目もよく見えるようになってきた!
ふふっ、やっぱり僕、姉ちゃんが笑ってるの大好きだなあ!
幸せだなあ!
僕の話をしながら笑ってくれてるこの空気、とっても心地がいいなあ
姉ちゃんに抱っこされてるときみたいに落ち着くな♪
「また生まれ変わって戻っておいで」
ん?姉ちゃん何?戻ってこい?
だいじょうぶだよ!
僕、昔も今も…これからも!ずっと姉ちゃんのそばにいるよ!
あれ?
僕なんか、行かないといけないみたい?
なんだろう?姉ちゃん、ちょっと待ってて!
すぐ戻ってくるね!
だいじょうぶだよ!
僕、ちゃんと戻ってくるから!

わあ!僕こんな高いところまできたんだ!

なんだろう?ここは不思議なニオイがするなあ?
なんだか懐かしいニオイもする気がするなあ?
しっかし綺麗なところだなあ!
なんだか今まで見たことがない景色だあ!
あ!!!
お父さん!お母さん!
そうでしょう、ねえ!
うわあ!嬉しいな!ひさしぶりだね!
二人で何してたの?!
え!僕を待ってたの?!
そっか、僕が最後だったんだ!
え?僕?
あのねえ、姉ちゃんと、毎日楽しく暮らしてたよ!姉ちゃんねえ、すごく泣き虫なの!
だから僕が、いつも「だいじょうぶだよ!」ってしてあげるの!
え?何?どこにいくの?
何?うまれかわり?なにそれえ?
お父さんとお母さんは、また夫婦になれるように神様にお願いしたんだ!
神様はどこにいるの?僕も、姉ちゃんのところにはやく戻らないとなんだ!
戻れるように、お願いしてくる!
お父さん、お母さん、少しだけ待ってて!
おまたせ!
ちゃんと、お願いしてきたよ!
あの光の中に入るの?
じゃあ、お父さんお母さん、一緒に、せーの!っていこう!
せーの!
姉ちゃんっ…
だいじょうぶだよ
僕、ちゃんと、姉ちゃんのところに戻るからね
もう少し待っていてね
おわり