【犬の健康】気をつけよう、公園のお散歩

愛犬情報

犬種:ビーグル

病名・症状:吐き気・嘔吐

発症年齢:9歳

発症の経緯:散歩時~帰宅後に吐き気を催す

治療法:胃薬等

 

 

胃腸の不調?それとも…

 

我が家の末っ子みのすけは、今年10歳になります。

年の離れたおねえちゃんがふたりいたこと、今まで大きな病気もなく過ごしてこれたことなどから、まだまだ若いと思い込んでいましたが、実際は十分シニアの年齢。

みのすけは胃腸が弱く、ご飯の後に吐き気を催したり、食糞して吐いたりというのはよくあります。嘔吐やえずくといった行為は若い頃から見られ、病院で調べてもらいましたがどこも異常なし。早食い防止の器に変えたり、台の上に載せて食べさせるようにしたら治まったことから、胃腸が弱いのだろうという結論になりました。

1年前に今の病院に転院してから再度調べてもらいましたが、そこでも異常なし。心配はいらないだろうとのことで、胃壁を保護する薬を頓服としてもらっている他は特に治療はしていません。

今までは吐き気を催すのは室内だけで、たいてい早食いなど原因がある程度わかるものでした。

ところが、先日お散歩の最中に突然吐き気を催すということがありました。

最初は解体中の家の前を通りかかった時に突然咳をしてえずいたため、埃っぽかったのかなと思いましたが、翌日になり今度は公園で吐き気を催したんです。嘔吐はしませんでしたが、帰宅するまでの歩いている間も咳をしたりえずくという行為が続き、帰宅してからもなかなか治まりませんでした。

その後も公園でクン活している時に、突然えずくことが数回ありました。

 

 

吐き気の原因

 

みのすけのお散歩は、たいてい自宅から一番近い公園に行きます。その公園の外周は一段高くなっていて、数メートルごとに大きな木が植わっています。みのすけの排泄は基本室内のトイレですが、お散歩に行くとマーキングしたがるため、できるだけ他の方の迷惑にならないよう公園の周りに植わっている木のところでだけ数回マーキングをさせてもらうようにしています。

木の間には雑草が生えていて、みのすけは草が生い茂っているところに行こうとします。いかにもノミやマダニがいそうな雰囲気なので、できるだけ草むらは避けるようにしていますが、すべての草むらを避けることは難しい状態です。

今年は5月でも初夏のような日が続き、公園でも雑草が一気に増えました。あまりの雑草の量に、お散歩コースを変えようかと思っていた矢先、雑草がきれいに刈り取られていました。

以前ご高齢の方たちが、ゴミ袋を持って落ち葉を掃除されているのを見かけたことがあったので、おそらくご近所の有志の方々が掃除してくださったのだと思います。

キレイになったのでこれで安心だ、と思っていたら、クン活していたみのすけがまた吐き気を催しました。さすがにおかしいと思い、もしかしたら公園に何かあるのか、とよく観察して見たところ、この時期なのに刈り取られた後の少しだけ残った草が枯れてました。

 

そこでやっと、除草剤が撒かれているかもしれない、ということに気付きました。

 

 

除草剤の影響

 

みのすけの散歩は、たいてい夜に行きます。夜だと公園で遊ぶちびっこもいないので、遠慮せずにお散歩できるからなんですが、暗いと目があまり見えないので、草が枯れていることに全然気づきませんでした。

帰宅後すぐに除草剤の影響についてググってみました。

除草剤中毒は、犬が除草剤が散布された植物を舐めたり、除草剤が散布された地面を歩いて足の裏や体についた除草剤を舐めたりすることで発生する可能性があるそうです。

 

除草剤の影響で起こる症状

  • 下痢
  • ふらつき
  • 嘔吐
  • 血尿、血便
  • 食欲不振
  • 脱水症状
  • 呼吸困難
  • 沈鬱
  • 痙攣

 

みのすけは草の匂いを嗅いだだけで吐き気を催しました。幸い少し匂いだだけで、すぐに引っ張って離れたことと、お散歩後は必ず足を洗って体を濡れタオルで拭くので大きな影響はなかったと思いますが、もし草を食べていたら…と考えると震えあがりました。

公園をきれいにしてくださっていることはとてもありがたいですし、お散歩できる場所が近くにあるのは嬉しいことです。

誰もが心地よいと思える公共の場所をきれいに保つ、ということはとても難しいです。そこを使う全員が、きれいに使うことは当たり前ですが、草木などは手入れをしないと伸び放題になります。特に雑草を抜くのは人の手を使いますから、とても労力がいりますし、除草剤を使用するのは仕方のないことです。実際この公園で除草剤を散布しているかどうかはわかりませんが、みのすけの吐き気や枯れている草を見る限り、散布されている可能性が高いと思います。

我が家には庭がないので、雑草の手入れなどをすることがなく、除草剤という存在自体に縁がありませんでした。知らないって本当に恐ろしいなと思いましたし、今回の一件で、お散歩中も気をつけないといけないと改めて感じました。

先日病院で健康診断を受け、除草剤の件を伝えて検査してもらいましたが、特に大きな問題はなかったのでホッとしました。

 

 

世の中の方全員犬や猫が好きではありません。中には怖い思いをして苦手になった方もいるでしょう。Twitterでは、近所の公園に毒団子が撒かれていて被害にあった、という投稿を見かけることもあります。

実際、うちの近くの公園では、近所の方が公園内で猫を飼っておられるようで、フードの器がベンチに置きっぱなしになっています。またノーリードのワンコを公園内で散歩させている方もおられ、みのすけを連れていった時にすごい勢いで吠えながら威嚇されたこともあります。いまだに犬の糞がそのままになっていたり、個人宅の壁などにおしっこをさせている方も見かけます。

こういう飼い主さんがいる限り、犬猫が嫌いな方の憎悪は弱い犬猫に向くこともあるでしょう。許しがたいことではありますが、我慢の限界を超えてしまった時に、毒団子を撒くというような悲しい結末を迎えてしまうこともあるのかもしれません。

また公園の除草剤のように、大切な愛犬の健康に害を及ぼす危険性の高い毒が身近なところにある可能性もあります。今回の公園での出来事は、除草剤と決まったわけではありませんが、多少なりとも体に悪影響があったと思えることが実際に起こってしまいました。

 

わたしのように、知らず知らずのうちに大切な愛犬を危険な目に合わせていることもあります。公園などにお散歩に行かれる飼い主さんは、どうかお気をつけくださいね。

 

 

ライター:福井 惠子

 

 

【犬の誤飲】誤飲したかも!?その時、飼い主はどうする?

愛犬情報

犬種:ビーグル

病名・症状:誤飲

発症年齢:8歳

発症の経緯:サランラップを誤飲(疑惑)

治療法:自宅で対処

 

少し気をつけるだけで防げる「愛犬の誤飲」

 

昨年、我が家で誤飲騒動がありました。我が家の末っ子、ビーグル犬みのすけです。

ほんの少し目を離したすきに、テーブルの上に置いてあったはずのおにぎりを包んでいたラップがなくなっていて、いろんな人を巻き込んでの大騒動になりました。

ふとした不注意で起こってしまった誤飲騒動と、そこでわたしが実際に感じたことを書いてみようと思います。

 

 

誤飲騒動のあらまし

 

それは、夜中の4時に起こりました。いつも遅い時間に作業することが多く、小腹が空くとお菓子を食べたりするのですが、この日は余ったご飯でおにぎりを作っていたので、それをつまみながら作業をしていました。

テーブルの上に食べ終わったおにぎりのラップを置き、そのまま作業をしているうちにおにぎりを食べたことなど忘れてしまい、飲み物を入れるためキッチンに立ちました。そのままキッチンであれこれしていて、ふとラップのことを思い出しました。

「そういえばさっきのラップ、まだ捨ててなかったから捨てないと」とテーブルに取りにいくと…

ラ、ラップがない…!

ここから、吉本新喜劇ばりのドタバタが始まるのでした。

 

 

自宅でできる応急処置って?

 

実は過去に一度だけ誤飲騒動がありました。

それは我が家の次女ニコが、気に入ったおもちゃを咥えて離さず、捕まえて口から出そうとした時に、無理やり飲み込んでしまったんです。その時はすぐに病院に走り、事なきを得ました。

いつも気をつけているのに、まさか自分がやらかしてしまうとは、と心臓バクバクでした。しかし先ほどのラップをどうしたのかをいくら考えても、ほんの少し前のことなのに思い出せない。ゴミ箱を見ると、たくさんの使用済みのラップが捨ててあり、おにぎりを包んでいたラップを捨てたという確証が持てません。というより、捨てた記憶が全くなかった、といった方が正しいかもしれません。

次に、飲み込むとしたら誰なのかを考えました。そこそこ大きなラップだったので、体の小さなニコは一瞬では飲み込めないはず。そうなると、考えられるのはビーグル犬みのすけしかいません。

みのすけを見ると、まさにその時舌なめずりをしていたんです。ああ、もう絶対みのすけに違いない。わたしはそう確信しました。

 

朝方の4時は救急の時間外。とにかくどうにかしなければ、と思い急いでパソコンで「犬 誤飲」とググってみました。

「オキシドールを飲ませる」

「塩水は体に負担がかかるからNG」

少し前までは塩水を飲ませるのが普通でしたが、今はオキシドールが主流のようでした。

 

吐かせる前提として、誤飲してから約1時間以内が効果がある目安とされ、それ以上時間が経つと、誤飲物が胃を通過してしまうため、もし誤飲していたとしても、吐かせることが出来なくなります。

☆3%溶液のオキシドールを使う

☆犬の体重1kgあたり1~2ml飲ませる

☆異物を吐くまで2~3回程度続ける

オキシドールを犬に飲ませることで、胃酸に反応して胃の中にブクブクと酸素ガスが大量に溜まり、それによって嘔吐が誘発されて胃の内容物を吐き出します。

出典:http://wando.xyz/archives/1039.html

 

 

オキシドールとマキロンって違うの?

 

調べてみて、オキシドールを飲ませ吐かせることはわかりました。ところが、家にはオキシドールがありません。

オキシドールはありませんが、マキロンならある、ということでまたまたググりました。

オキシドールの主成分は2.5~3.5%の「過酸化水素水」。
マキロンは「ベンゼトニウム塩化物」「アラントイン」、「クロルフェニラミンマレイン酸塩」で構成されています。

実はこの2つ、まったくの別物でした。


多くの生物種は過酸化水素分解酵素のカタラーゼを持つため、生体内での過酸化水素の寿命は極めて短い。 つまり、(傷の内面を含む)体内に過酸化水素が侵入すると速やかに酸素に分解される。

引用元: wikipedia 過酸化水素オキシドール

 

オキシドールは体の中にある成分と同じ過酸化水素水でできているため、体にあまり害がないのですが、マキロンは完全に毒だったんです。マキロンもオキシドールも同じ「消毒液」という認識だったのですが、間違っていたら大変なことになるところでした。

 

 

オキシドールを求めて

 

「今すぐオキシドールを手に入れなければ」

わたしの家の周りには、スーパーやドラッグストア、コンビニが乱立しています。自転車で5分圏内に24時間スーパーが2軒、コンビニが10軒以上、ドンキホーテも車で10分のところにあります。

まずは自転車で24時間スーパーへ行きましたが、オキシドールは置いてませんでした。そこからコンビニを3軒回りましたが、残念なが見つからず。

「このままではどんどん時間が経ってしまう…っ」

追い込まれたわたしは、自宅に戻り、頼みの綱のドンキへ行くことに。この時4時40分。ドンキにはあるだろうと何となく自信がありました。が、マキロンみたいなものしかなかったのです。

そして、どこの店でも共通していたことが1つあります。それは「オキシドールはありますか?」と尋ねているのに、「ああ、マキロンですね」と店員さんに言われてしまうことでした。

 

そうなんです、これ、実はわたしも思っていたことでした。オキシドール=消毒液=マキロン。それぞれの違いがよくわからなかったんです。

気が動転して焦っている時には、その違いを確かめずに買ってしまうこともあるかもしれないですよね、ああ怖い怖い。

ドンキを出て時計を見ると、すでに5時を少し過ぎていました。もはや心が折れそうになっていましたが、この近くに友人が住んでいることをふと思い出しました。友人の家にならあるかもしれない、とわたしはすぐにその場から電話。しかし友人の答えはNOでした。

東の空は白々と明けてきていました。誤飲疑惑から約1時間。とりあえず遅くまでやってるかもしれないドラッグストアに行ってみようと、移動を始めた時、先ほどの友人から電話が入りました。

「1軒だけ24時間やってる薬局がある」

その店は、その時わたしのいた場所から15分ほどのところにあります。すぐに針路変更してその店へ向かいました。そして、無事オキシドールを手に入れたのです。友人、グッジョブ!

 

 

誤飲騒動、結末

 

急いで自宅に戻り、買ってきたオキシドールをみのすけに飲ませました。この時すでに6時前。誤飲騒動から、2時間が経過していました。誤飲したものを吐かせるには1時間以内が効果的と書いてありましたが、調べた中には2~3時間という記述もありましたので、ギリギリだなと思いつつ試すことに。オキシドールの飲ませ方については、「スポイトなどで口に入れる」とありましたが、わたしは牛乳に適量をまぜて与えることにしました。まずいものを無理やり口に入れると、今後薬を飲ませたりする際に拒否される恐れがあるからです。(嫌というほど経験済み)

牛乳に混ざったオキシドールを、とても嬉しそうに飲むみのすけ。心の中で(ごめん、ほんまごめん涙)と謝りつつ、無事完飲。ほどなくしてオエオエいいはじめ、胃の中のものを吐き出しました。

 

吐しゃ物を確認すると……、ラップがない。

もしかしてどこかに引っかかっているのかもしれない、ともう一度吐かせることにしました。再度オキシドール牛乳を飲ませたのです。そして、胃の中のものはほぼ吐き出したのですが、ラップはありませんでした。

 

どうやらわたしは、無意識のうちにラップを自分でゴミ箱に捨てていたようです………

日頃、うちの主人には「ラップだけは絶対にすぐにゴミ箱に捨てて!間違って飲み込んだらこわいから!」と口を酸っぱくして言っていました。それなのにこの日は、自分が食べ終わってから、すぐにゴミ箱に捨てなかったことに罪悪感を感じていたため、ラップを(すぐに)捨てていないことだけが鮮明に記憶に残っていたのだと思います。

ああ…ごめんよ、みのすけ。こんなおかあさんを許してちょうだい。

 

 

愛犬が誤飲したかもしれない時のために

 

「犬 誤飲」と検索してみて、自分が一番強く感じたのは、「オキシドール」と「オキシドール以外の消毒液」の違いがわかりにくい、ということでした。わたしだけかもしれませんが、そもそもオキシドールというものについての知識があまりにもなく、ただ「消毒液」だと思っていたからです。冷静な時ならこれほど混乱しないのだと思いますが、焦っている時にはその違いを検索するのがかなり大変だったのです。

 

今回の誤飲騒動で、学んだことをまとめました。

☆もしもの時のためにオキシドールは常備しておく

☆ラップなど軟らかいものの場合は1時間以内だと吐き出す確率が高い

〔※ただし尖ったものや内臓を傷つける可能性のある固いものの場合は獣医師に相談〕

☆誤飲したかもと思ったら、できれば獣医師にすぐに相談する

☆とにかく飲み込みそうなごみはすぐに捨てる!!!(猛省)

 

たった100円で買えるオキシドールで、これほど苦労することになるとは思ってもみませんでした。オキシドールは、どこにでも売っているというイメージでしたが、2009年施行の改正薬事法で「第三類医薬品」に分類されたため、薬剤師又は登録販売者が常駐する店舗のみでしか販売できなくなったそうです。コンビニやスーパーなどでは取扱できなくなっていたんですね。
昼間の誤飲ならすぐに動物病院に連絡するなどの対処ができますが、夜中だと病院は終わっているし、薬局やドラッグストアはほとんどやっていません。

場合によっては、手術になることもある誤飲。うちは、大事に至らず本当に良かったのですが、同じような経験をされた方はきっと多いだろうと思います。

猛省と共に、備えあれば憂いなしということで、オキシドールを用意しておくことをオススメします。