年末のご挨拶

ワンワンラボにご訪問いただき、まことにありがとうございます。

2018年1月に始めたワンワンラボは、おかげさまで丸2年を迎えることができました。

大切な愛犬のことで悩んでおられる飼い主さんに、少しでもわたしたちの経験が役に立てばという思いでこのサイトを立ち上げました。

たった2人のライターと、SNSを通じて知り合ったワンコつながりの皆様のご協力で、ほぼ月1回の更新にも関わらずたくさんの方にご訪問いただき、コメントをいただけるようにまでなりました。

本当にありがとうございます。

 

 

ご挨拶:福井 惠子

 

 

奥村さんと共にサイトを立ち上げた当初は、老犬介護のこと、病気のこと、治療のこと、食べムラ・食い渋り・食欲不振の際の悩みや工夫など、実際に自分たちが悩んだり実践したことを書いておりました。

スタート当初は愛犬の闘病や老犬介護の真っ最中でしたが、2018年10月にニコを16歳3ヶ月で、その5ヶ月後の2019年3月にクリンを19歳1ヶ月でなくしました。

今は介護とは離れたところにいるため、当時のことを思い出しながら更新をしております。

このサイトを立ち上げた当初の目的通り、ひとりで悩んでおられる飼い主さんに参考にしていただければという思いで、更新は遅いながらも細く長く続けていきたいと思っております。

どうかこれからもよろしくお願いいたします。

 

また、もしご自身の経験談を掲載してもいいという飼い主さんがおられましたら、ぜひ問い合わせからご連絡くださいませ。

飼い主さんの数だけ経験があり、その経験がどこかでおひとりで悩んでおられる飼い主さんを助けることができるかもしれません。

文章が苦手だという方は、こちらで代筆させていただきます。よろしくお願いいたします。

 

 

 

ご挨拶:奥村 來未

私がワンワンラボを福井さんと一緒にやろうと思ったのは、私とMackの生活が誰かの役に立てばいいなという思いからでした。

立ち上げ当初は自分の経験は本当に誰かの役に立てるのか不安もありましたが、SNSでたくさんの方に共有していただいたり、コメントやメッセージをいただき、やってよかったと思えました。

獣医さんから連絡をいただき、老犬の十戒を動物病院に飾ってもいいかとメッセージをいただいた時は、すごく恐縮してしまいました。

でもMackと一緒に経験したことが、今困っている飼い主さんの力になれることを大変うれしく光栄に思いました。

Mackは2017年10月20日に亡くなってしまいましたので、現在は介護生活を送っていませんが、新しい我が子Shakeを2018年7月に迎え、一歳時の検診にてShakeには先天的な病があることが発覚しました。

まだ若いShakeなので現在は「予防」に重点を置いた生活ですが、Shakeと私の生活もまた、誰かのお役にたてたらと思います。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 

【ペットロス】愛情も後悔も思い出も全部一生もの

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックスフンド

旅立った年齢:クリン/19歳1ヶ月 ニコ/16歳3ヶ月

死因:クリン/老衰 ニコ/心停止からの肺水腫

 

 

ペットロスについて考えてみました

 

我が家には3頭の我が子同然の子たちがいました。

長女クリンは2000年2月1日生まれ、次女ニコは2002年7月2日生まれ。

昨年の10月にニコが旅立ち、それから5ヶ月後の今年3月にクリンが旅立ちました。

今日はニコの命日。ちょうど1周忌を迎え、改めて自分の気持ちに向き合ってみました。

 

 

いまだに見ることのできない記録

 

ニコは、昨年の5月に初めて虚脱を起こしました。突然倒れた時はとても驚き、すぐに病院に駆け込みました。

ニコは僧帽弁閉鎖不全症でした。病院ではかなりの末期状態で、いつどうなるかわからないといわれていました。

虚脱を起こしてから、薬の量が増え、携帯酸素を常備するようになりました。かかりつけの病院は隣の市にあり、山をひとつ超えていくため、通院には携帯酸素はかかせませんでした。

そして、3回目の虚脱の時に心停止を起こしました。

携帯酸素を約1分ほどあて続けたら、蘇生してくれました。すぐに病院に行き、心電図とエコー確認してもらいました。状態は決してよくはないこと、そしてまた同じように心停止するかもしれないといわれました。蘇生後は少しだるそうにしていましたが、食欲はありましたし、いつも通り普通に過ごしていてくれました。

先生から、いつどうなるかわからないから覚悟はしておくようにといわれていました。わかってはいましたが、ニコの様子を見ていると、このままもしかしたら元気に過ごしてくれるのではないか、17歳の誕生日を迎えることができるのではないか、と思っていました。

京都市では、15歳になると長寿犬認定書をいただくことができます。ニコが15歳になったのは2017年でしたが、表彰対象となる誕生日が6月末までだったため、7月生まれのニコの表彰は2018年度になりました。表彰式典は9月23日。心のどこかで、長寿犬認定式までは何とか頑張ってほしい、と思っていました。

そして式典当日を無事迎えることができました。うちは多頭飼いで誰かひとりとお出かけするのは通院のみだったのですが、この日はニコとふたりで出かけると決めていました。ニコとふたりだけの外出。いつもの病院に向かう景色と違うからか、ニコもなんだか楽しそうに見えました。

駐車場に車を止め、会場までお散歩しながら歩いていましたが、ニコは途中で立ち止まり歩かなくなることがありました。あまり無理をさせるのもよくないとわかっていましたが、病院からは心臓が悪くても適度な運動は必要といわれていたこともあり、立ち止まったら少し休憩しながら、抱っこしたりまた歩いたり、ゆっくりと会場に向かいました。

認定書をいただき会場を一回りして、小一時間ほどで帰宅。帰宅してからもニコは元気いっぱいで、みんなで仲良くお昼寝をしたりしていました。

ちょうどこの日の夜はバイトで、出発する時間が近づいてきたため出かける準備をしている時、ニコが突然倒れました。

二度目の心停止でした。初めての虚脱から確か5~6回目だったと思います。

すぐに酸素をあてましたが、このまま蘇生してもいいのだろうか、もしかして苦しめることにはならないか、という迷いがわたしの心にありました。

酸素をあてて1分くらいで、またニコは蘇生してくれました。

ところが、2回の心停止により、ニコの心臓は大きなダメージを受けてしまいました。

そしてこの心停止から10日後、ニコは旅立ちました。

 

延命治療はしないと決めていたのに、二度も蘇生してしまったこと。結果それが原因で苦しい時間を長引かせてしまったこと。心臓病に罹患させてしまったこと。病気に早くに気付いてやれなかったこと。転院しなかったこと。手術を受けた病院をきちんと選んでやれなかったこと。

二度目の心臓発作でそのまま旅立たせてあげたら、ニコは元気なまま苦しむこともなかったのに。ニコの病気に気付いてあげられなかったからこんなに苦しい思いをさせてしまったのに、最後の最期にまた苦しませてしまう選択をしてしまったのではないか。

 

ニコには今でも申し訳ない気持ちでいっぱいです。

ニコの最期の10日間は、かなり細かくメモを取っていましたが、いまだにそのメモを見ることができません。日々の状態を記録していたカレンダーすら見ることができないため、虚脱の回数も期間も確認できませんでした。

おそらくこの罪悪感と後悔は、一生消えることはないと思っています。

 

 

たとえ大往生でも悲しみは同じ

 

ニコが旅立ち、立ち直るまでかなり時間がかかりました。仕事の時などは普通にしていましたが、少し気を抜くとすぐに涙があふれてしまいました。夜になると布団をかぶって号泣。毎日そんなことを繰り返していましたが、ニコの旅立ちと同時期にクリンの老化が進んだこともあり、お世話に追われることで少し救われました。

クリンはありがたいことに、老衰により旅立ってくれました。改めてクリンの最期の数ヶ月を振り返ると、「もうそろそろだよ」と飼い主に合図をくれていたように思います。クリンには成人式を迎えてもらう気満々でしたが、クリンの体の変化を目の当たりにして、成人式を迎えてほしいと思いながらも、どこかでその日が来る覚悟をしていました。

いつも通りお散歩に行き、いつも以上にご飯を食べてくれ、旅立つ前日にはクリンからわたしのところに歩いてきてくれて、膝の上に顔を載せてくれたんです。視力も聴力もかなり衰えていたため、この頃にはほとんど自分から寄ってきてくれることがなかったのですが、間違って傍に来たのではなく、ちゃんとわたしの方に自分の意志で来てくれた感じだったんです。

それがあまりに可愛くて嬉しくて、思わず動画を撮ったくらいでした。

そして、クリンもまたわたしの夜のバイトの日に旅立ちました。

クリンはわたしの定位置で、まるで眠っているかのような穏やかなお顔で旅立っていました。わたしが帰宅した時にはすでに死後硬直している状態でした。

クリンは、きっとニコの時のわたしの姿を見ていたから、留守の間に旅立ったんだろうなと思えます。クリン自身、自力で歩けるギリギリ限界の状態でもあったので、歩けなくなる前に自分の意志で決めて旅立ったんだろうなとも思えます。

周りの方からは、とても温かい言葉をいただきました。クリンちゃんは親孝行だ、羨ましい、大往生だ、最高の犬生だったね、と。

温かい言葉にものすごく救われましたし、本当によかったと思えました。

でも失った悲しみは大きく、もっともっと一緒にいたかったと思いました。

いずれは必ずくるお別れ。ニコを失った悲しみとはまた違った、大切な家族がいなくなってしまったという喪失感が大きかったです。

 

楽しかったこと。驚いたこと。悩んだこと。特別なことだけでなく、なんてことない日常。

すべての思い出は、とても大切な宝ものになりました。

 

 

思い出は一生

 

我が家にはまだクリンとニコのお骨があります。この子たちは自分と同じお墓に入ろうと思っているんです。

うちの弟は住職をしていて、弟のお寺に母が建てたお墓があります。わたしはすでに嫁いでいる身なので、本来は主人のお墓に入るのが筋だと思いますが、子供もおらずわたしたちの代で終わるので、どうせなら大好きなおばあちゃんの眠るお墓にうちの子たちも一緒に眠りたいと思いました。

主人もそういうことにまったくこだわりがなく、うちのお墓に入ることに同意してもらったので、今度お墓参りに行った時にクリンとニコのお骨を埋めようと思っています。

それまではお骨はうちにいますが、今でも骨壺を抱っこしたり、話しかけたりしています。

不思議なもので、冷たい骨壺を抱っこしているのに、なんだか温かく感じます。クリンとニコがここにいる、という感覚はまったくありませんが、きっと見守ってくれているんだろうなと思えます。

 

うちには長男のみのすけがいます。現在10歳2ヶ月、おかげさまで持病もなく元気に過ごしてくれています。母のところには7歳の子ベリーがいます。母が元気なうちはいいですが、いつかはうちで引き取ることになると思います。

わたしはみのすけとベリーを見送った後は、よほどの事情がない限りはもう犬を迎えることはないと思います。

ワンコは大切な家族で、我が子同然。

これ以上 ❝大切な家族を失う悲しみ❞ にわたしの心が耐えられないのではないかと感じています。

 

愛が深ければ深いほど、失った悲しみは大きすぎてなくならないんだと思います。それだけ愛おしい存在と出会えたことを嬉しく思いますし、たくさんの後悔や罪悪感があるのも仕方ないことで、失った悲しみも深くて当たり前だと感じます。

いつの日か、クリンとニコと必ず再会すると信じています。そして、いつかくるその再会の時を楽しみにしたいと思います。

 

 

ペットロスって、きっと一生続くと思っています。

だって、それだけ大切で大きな存在だったんですから。

 

 

ライター:福井 惠子

 

 

ペットロスとの付き合い方

 

 

私は以前、ワンワンラボで「ペットロスは治さなくてもいい」という記事を書きました。

周りにはまだペットロスなの?早く治して元気出して!なんて言われがちなペットロスだけど、ペットロスは悪いことでは無いのだから、治さなくてもいいんだよ。
という内容のものです。

 

しかしペットロスはとても深く苦しいものです。
前回も締めくくりに、SNSをうまく使ったり、話を聞いてくれる人に愛犬の話をすることで、ペットロスとうまく付き合っていって欲しいと書きました。
今回はその辛いペットロスと、具体的にどう付き合っていけば良いのか……について書いていこうと思います。

 

 

心のバケツ

 

 

 

人は、心の中に様々なバケツがあるーー私は子供の頃そんな想像をしていました。

愛情のバケツ・楽しさのバケツ・悲しみのバケツ。
愛情のバケツは溢れると「溺愛」という形になり、楽しさのバケツは溢れると「調子に乗りすぎ」
そして悲しみのバケツは溢れると「無気力や憂鬱」という形になって現れます。

 

私はペットロスの心の状態は、この”悲しみのバケツが溢れやすくなっている状態”と考えています。
ペットロスとうまく付き合うためには、悲しみのバケツを溢れさせるのを避けなくてはいけません。

 

 

悲しみのバケツを溢れさせないために

 

ペットロスになった人の悲しみのバケツには、常に雨が降り注いでいます。
それは霧雨であったり、豪雨であったりと様々ですが、何もしていなくても常に水が溜まっていく状態です。
実際にバケツの水が溢れないようにするためには、ひっくり返せばいいですが、心の中のバケツはそう簡単にひっくり返すことはできません。

少しずつ柄杓で掬いだしていくように、以前書いたようにSNSを使ったり、人に話したり。
「ちょっと辛くなってきたな」と思ったら涙という形でバケツの中身を減らしていくのが一番シンプルですが非常に効果的です。

 

 

愛犬に心配をかけさせてしまう?

 

 

「あんまり泣いていると、あの子に心配をかけちゃう」という言葉をよく目に・耳にします。
確かに私たちの愛犬は泣いているあなたを見て、心配に思うかもしれません。

 

ですが、私たちの愛犬は、馬鹿ではありません。
飼い主の事なんて、なんでもお見通しです。
泣きたいのを我慢していたって、そんなのわかってしまうから、どっちにしろ心配な気持ちは変わりません。

だから、泣きたくなったら我慢せず泣けばいいのです。
私も愛犬Mackを亡くして、10月20日で一年が経ちました。
だけど今も「Mackぅぅぅ~会いたいよぉぉぉ~!!!」と叫びながら泣くことが頻繁にあるんですよ。

 

 

さあ、泣いて。

 

 

一番避けたいのは悲しみのバケツが溢れてしまう事。
長く続く豪雨もありますが、その都度涙を流してください。

 

実は私も一周忌の少し前から、一周忌を過ぎた今も豪雨続き。
ちょっと気を抜くと溢れそうになってしまうので、若干憂鬱な気持ちで居ます。
家族に泣いているところを見られたくないので、お風呂に入っている時はシャワーを浴びながら大泣きしたり、皆が寝静まってからコッソリ枕を濡らしたり。
夫も娘も居ない時は愛犬Shakeを抱きながら涙を流したりと、ほぼ毎日泣いています。

涙を我慢してはいけません。
ペットロスは我慢すれば我慢しただけ辛くなるものです。

 

楽しく穏やかな日々を過ごしたこと。
たくさんの幸せを貰っていたこと。
思い出して泣いてください。

そして最後は楽しい思い出で締めくくり、笑顔で泣くのを終わること。
そうすれば私たちの愛犬は、心配しても最後に安心してくれます。

 

ほら……
あなたを見て笑う、愛犬の顔が見えるでしょう?

 

 

ライター:奥村 來未

 

 

愛犬のために閃いた!『盆提灯』

愛犬情報

名前:ハニー

犬種:Mダックスフンド(レッド)

性別:女の子

生年月日:2001年10月10日〜2018年4月18日

 

 

愛犬のために

 

4歳半の時にヘルニアで下半身不随になった愛犬ハニーを介護する生活を続けていましたが、2018年4月18日に16歳6か月で亡くなってしまいました。
不自由な体になってもめげずに一生懸命に強くかっこよく生き抜いたハニー。
ママは毎日ハニーに会いたくて、抱きしめたくて寂しいけれど、ハニーが喜んでくれると思い、いつもハニーの祭壇は可愛く綺麗に飾っています。

 

ハニーが亡くなり新盆を迎えるにあたって、盆提灯を探したものの、どれも意外と高価なものばかりだったので、「自分で作ってみようかな?」と思いました。
材料も百円均一で揃えられるかもしれないとお店に行くと、良さそうな材料をすべてそろえることが出来て嬉しさ大爆発!
すぐに帰宅して作業に取り掛かり、とっても簡単に、とっても可愛く作ることが出来ました。

 

 

材料と費用

 

材料はすべて百円均一で揃えることが出来ます!

 

キャンドル型のLEDライト2個(2個入り)

小さめのグラスを2個

和紙で出来た折り紙

飾り用のシール

 

1000円あれば、余裕でお釣りがかえってきます。

 

 

作り方

 

作り方と言ってもとってもシンプルなのですが……。

●グラスに両面テープを貼り和紙を貼り付けます。
●その周りをキラキラのシールや家にあったラインストーンを貼って飾り付ける。
●グラスの中にLEDライトを置いて出来上がり。

 

 

たったこれだけです!
ただ、折り紙の和紙の幅が足りずグラス全てを覆えないのが難点ですが、裏側にしてしまえばわかりません。

部屋を暗くして、LEDライトを点けると、優しい光でとってもきれいなんですよ。

 

 

 

真似してくれる人も!

 

可愛くできたので、Twitterに作った盆提灯の写真を載せたのですが、なんと写真を見たフォロワーさんが真似をして作ってくれたんです!

 

 

同じような材料を使っても、みんなそれぞれで可愛くて、面白いですよね。
上の写真はパールを使い、下の写真はグラスに直接シールを貼ってから和紙を巻いているようです。

 

 

お盆じゃなくても

 

 

ちゃんとしたものと比べると、お粗末なものかもしれません。
でも愛犬を想いながら自分で好きなように作ることのできる世界で一つだけの盆提灯は特別なものになりました。

もう、お盆は終わってしまったけれど、この盆提灯はお盆だけではなく、ハロウィンやクリスマスに合わせて作り変えて楽しむこともできるので、デザインを変えて祭壇に飾るのも楽しいと思います。

 

お線香をあげる時だけではなく、「一年中祭壇が賑やかで、いつも眺めたくなる」
――そんな祭壇にしていきたいと思っています。

 

 

ライター:ハニーママ

 

 

ペットロスは治さなくてもいい

 

愛犬を亡くし、深い深いペットロスの穴の底へ落ちてしまったあなたに、まわりの人がかける言葉。
相手に悪意はないとわかっていても、その一つ一つが深く刺さってしまいますよね。

私もそうでした。いっそ、何にも言葉をかけてくれないほうがいい!と思うほど、相手の言葉がさらに深い穴へおとします。

そんなあなたへ、私から処方箋を。
私と同じように、大切な愛犬を亡くした方にこそ、読んでいただきたいです。

 

 

私が愛犬Mackを亡くした時

 

 

小学校6年の時から姉弟のように育った愛犬Mack。
結婚してから私と共に夫に嫁入りし、今度は娘の成長を見守りながら老いていきました。
亡くなるまでの約一年間、介護生活を送った結果に老衰で私に抱かれて旅立ちました。

心の支えだったMackが、生活の中に大きく食い込んでいたMackの存在が、突然消えてなくなってしまい、私は眠ることも食べることも約1週間出来なくなってしまいました。

落ち込む私に周りがかけた言葉は、「元気出して」が一番多かったと思います。
おそらく相手の方たちは一生懸命考え、励まそうとやっと出した一言が「元気出して」だったのだと思います。
全く悪意のない、私の事を思っての言葉です。
ですが、その時の私には「元気出して」も辛かったのです。
その時の私の気持ちは『Mackが居ないのに元気なんか出せるわけないじゃん!』でした。

 

また、困った言葉が「大往生だったね」です。
Mackは18歳5か月前まで生きてくれました。大往生です。
それはわかっているのですが、私の気持ちとしては『それでももう少し一緒に居たかった』です。
同じ「大往生だったね」でも、後ろに「でももう少し生きてほしかったね」と言ってもらえたら嬉しかったのかもしれませんね。

 

 

 

ペットロスは「いいこと」

 

私の母も、夫の母も、「いつまでも落ち込んでいてはダメ。飼った時に死別があるのは当たり前と解ってたでしょう。それに娘もいるんだから。」と言います。
彼女たちの言うこともわかります。
だけどペットロスでいることはそんなにもいけないことなのでしょうか?

私は一生ペットロスでいたっていいと思います。
だって、ペットロスの深さの分だけ、あの子を大切に思い愛していたということじゃないですか?
これを書いている今現在、Mackを亡くして8か月が経ちましたが、今もペットロスですし、これを泣きながら書いています。

だけど悲しくなるたび思うのです。
「私はMackのことこんなにも愛してるんだ。」って。

 

ペットロスは付き合うもの

 

 

そんなペットロスは、無くす・治すものではなく、うまく付き合っていくものだと思います。
私は今、このMackを想い寂しくなる気持ちを大切にしています。
他人にはたまに「まだペットロスなの?」と言われます。
でも、他人は他人。わからない人にわかってもらおうとなんて思っていません。

私はこの気持ちとずっと付き合いながら、死ぬまでMackへの気持ちを忘れずにいるつもりです。

 

 

うまく付き合うにはどうしたらいいか

 

では、どうしたらペットロスとうまく付き合えるかですが。
まずはTwitter・インスタグラム・ブログ・Facebookなどのアカウントを持っていたら、そこに愛犬の写真を載せたり、思い出を綴ってみてください。
同じ境遇の人と繋がれたら尚いいと思います。

また普段の生活のなかでも、家族や親密な友人と愛犬の話をしてください。
私はほぼ毎日夫と、「Mackのこんなところ、面白いよね!可愛いよね!」と話しています。
Mackの話をした後はMackに会いたい気持ちになり寂しくなります。
ですがその気持ちが来ると、「Mackの事をこんなに愛している」と感じます。

 

ですからペットロスを抱えている人が近くに居るという人は、なるべく話を沢山聞いてあげてください。
「共有・共感」してくれることが、ペットロスの大きな支えになります。

 

最後に、ペットロスのあなたへ

 

「ペットロスを早く治さないと」と仰っている方に出会ったことがあります。
だけど、治さなくていいんです。ペットロスの深さはあの子への愛の深さ。
うまく付き合っていってくださいね。

ペットロスでいるあなたは、とっても愛情深い人です。
同じように、ペットロスの海に浮かぶあなたへ。

 

 

ライター:奥村 來未

 

 

【ペットロス】だいじょうぶだよ!(絵ブログ)

作:奥村 來未

 


 

 

身体が重いよ…

なんだかご飯も、お水も、欲しくないんだ。
ああ、疲れた…
どうしたの?姉ちゃん、泣いてるの?
だいじょうぶだよ、僕がいるよ

ありがとう?大好き?よく頑張ったね?
そう…?僕えらい…?
そうでしょう。うふふ。
姉ちゃん、僕眠い…姉ちゃんの腕の中、安心するなあ。
ああ、眠い、すごく眠い。
もう僕寝るよ…おやすみ…姉ちゃん…。

姉ちゃん泣いてたなあ。
どうしたんだろう。
姉ちゃんは泣き虫だからなあ、何かあったのかな。
だいじょうぶだよ、僕がついてるから。

……あれ?
僕寝てたんじゃないっけ?
あ、あれ?なんだろうこの感じ?
んん??

ん?身体が軽いなあ?
お腹も辛くないし、気持ち悪いのも無いぞ?
あれ!僕目が見える!立てる!
なんで?何でだ?!
……………………………

うわぁーい!
なんかすごいぞお!走れるぞお!
どこも痛くない、辛くない!
景色もよく見える!楽しいなあ!
全然疲れないぞ!こんなに早く走れるぞお!
わぁーい!!
……ん?
誰か泣いてる?誰だろう?
あれ?これ、姉ちゃんの声だ!
どうしたの!姉ちゃん!大丈夫?!

ねえ姉ちゃん!何で泣いてるの?!

僕ここにいるよ!ねえ!
だいじょうぶだよ、僕いるって!
ほら見てよ!僕こんなに走れるんだよ?!
目だって見えるよ!ねえ!ねえ!
姉ちゃん!姉ちゃん!
お願いだよ姉ちゃん!笑ってよ!

姉ちゃん…どうして笑ってくれないの?
僕…僕……
うわぁぁん!!

わおおーん!わおおおーーん!
…姉ちゃん…僕の大好きな姉ちゃん…
笑ってくれないよお…
あれ…また…身体が重いよ…辛いよ…
姉ちゃん…姉ちゃん…
僕また、どうしたんだろう…
姉ちゃんが悲しいと、僕も悲しくて…
身体がどんどん重くなっていくよ…
どれくらいこうしていたんだっけ
ずっと身体が重い…僕の声も姉ちゃんに届かない…
だいじょうぶだよって、姉ちゃんにペロペロしてあげたいのに、動けないよお…
………………………?!
あれ?
最初の頃程じゃないけど、身体が軽くなってきた
目も少し見えるぞ?
あっ…
姉ちゃんとパパ兄ちゃんが、僕の写真の前で、僕のお話して笑ってる!
なになに?何のお話?!
あはは!なつかしいね!そうだね!そうだね!
あれ!姉ちゃんが笑うと身体がまた、どんどん軽くなってきたよ!
目もよく見えるようになってきた!
ふふっ、やっぱり僕、姉ちゃんが笑ってるの大好きだなあ!
幸せだなあ!
僕の話をしながら笑ってくれてるこの空気、とっても心地がいいなあ
姉ちゃんに抱っこされてるときみたいに落ち着くな♪
「また生まれ変わって戻っておいで」
ん?姉ちゃん何?戻ってこい?
だいじょうぶだよ!
僕、昔も今も…これからも!ずっと姉ちゃんのそばにいるよ!
あれ?
僕なんか、行かないといけないみたい?
なんだろう?姉ちゃん、ちょっと待ってて!
すぐ戻ってくるね!
だいじょうぶだよ!
僕、ちゃんと戻ってくるから!

わあ!僕こんな高いところまできたんだ!

なんだろう?ここは不思議なニオイがするなあ?
なんだか懐かしいニオイもする気がするなあ?
しっかし綺麗なところだなあ!
なんだか今まで見たことがない景色だあ!
あ!!!
お父さん!お母さん!
そうでしょう、ねえ!
うわあ!嬉しいな!ひさしぶりだね!
二人で何してたの?!
え!僕を待ってたの?!
そっか、僕が最後だったんだ!
え?僕?
あのねえ、姉ちゃんと、毎日楽しく暮らしてたよ!姉ちゃんねえ、すごく泣き虫なの!
だから僕が、いつも「だいじょうぶだよ!」ってしてあげるの!
え?何?どこにいくの?
何?うまれかわり?なにそれえ?
お父さんとお母さんは、また夫婦になれるように神様にお願いしたんだ!
神様はどこにいるの?僕も、姉ちゃんのところにはやく戻らないとなんだ!
戻れるように、お願いしてくる!
お父さん、お母さん、少しだけ待ってて!
おまたせ!
ちゃんと、お願いしてきたよ!
あの光の中に入るの?
じゃあ、お父さんお母さん、一緒に、せーの!っていこう!
せーの!
姉ちゃんっ…
だいじょうぶだよ
僕、ちゃんと、姉ちゃんのところに戻るからね
もう少し待っていてね
おわり