【投薬にお悩みの飼い主さん必見】簡単!確実!薬の飲ませ方

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックスフンド

病名・症状:苦い薬をむりやり食べ物に隠して与えたことにより食べムラ・食い渋りになる

改善策:食べ物と薬を完全に分ける方法で確実に薬を飲ませる

 

 

食べムラ・食い渋り・食欲不振は投薬が原因かも

 

※この記事は、以前投稿した記事(ワンワンラボトップ画面にバナーがあります)をリライトして再投稿しています。

 

 

我が家の最愛の愛犬クリンは、昨年の3月に19歳1ヶ月でこの世を去りました。

大きな持病もなく、旅立つ直前までいつも通りに過ごしてくれたことは、飼い主としてとても嬉しいことであり、今でもこれからもずっと自慢の我が子です。

クリンはとても聞き分けがよくてとてもお利口な子でしたが、たった1つ最後まで頭を悩ませたことがありました。

 

それが、食べムラ・食い渋りです。

 

そしてそれは、飼い主の失敗から始まってしまいました。

そう、「投薬の失敗」がきっかけでした。

 

 

すべての飼い主さんに伝えたい!薬は分けて与えましょう

 

 

クリンが15歳の時、脚の不具合で痛み止めを飲ませたことがありました。当時は飼い主もまったく知識がなく、フードの上に薬を載せて食べさせようとしましたが、全然ご飯を食べてくれませんでした。

それまでは胆泥症で利胆剤と強胆剤の2種類の薬を毎日飲ませていましたが、いつもフードの上にちょこんと載せてやるとそのまま食べていてくれたので、いつも通りフードの上に載せたんですが、まったく食べてくれませんでした。

数日して痛みが治まったので痛み止めはなくなりましたが、その後子宮の不具合からCRP(炎症数値)が高くなった時に処方された抗生剤が非常に苦いもので、それに気づかずに好きな肉やおやつに隠して無理やり飲ませようとしたことから、強烈な食べムラ・食い渋りが始まってしまいました。

そうなんです、クリンに「食べるものには薬が隠されている」と思わせてしまったんです。

それから約4年、ほぼ毎日食べムラ・食い渋りに悩みました。

試したフードは50種類以上、冷蔵庫は開けたけど食べなかった缶詰やおやつでいっぱいになり、封を切ったドライフードがいくつもあるという状態でした。

その後転院し、そこで薬の飲ませ方を教えてもらい、完全に薬と食べる行為を分けるようにしたことで、何とか食べ物に対する不信感は払拭できましたが、昔のようにご飯を出してすぐに食べてくれるということはなくなり、食事の時間になると憂鬱で毎日食べるか食べないかで悩みまくりました。

 

愛犬の食べムラ・食い渋りで悩んでおられる飼い主さんで、毎日の投薬をフードにまぜて与えているという飼い主さんがおられたら…

薬は絶対に分けてください!!!

食べない悩みは深刻です。そして、それは投薬が原因の可能性が非常に高いです(涙)

シリンジとピルクラッシャーが必要になりますが、ネットだとシリンジは1本50円くらいで、ピルクラッシャーは1000円くらいで購入できます。

とても簡単で、確実に薬の飲ますことができる方法ですので、薬を飲んでくれないとお悩みの飼い主さんはぜひ一度試してみてくださいね。

“【投薬にお悩みの飼い主さん必見】簡単!確実!薬の飲ませ方” の続きを読む

老犬の食べムラ・食い渋り ~老犬が食べない悩みをお持ちの飼い主さんへ伝えたいこと

ワンワンラボにご訪問いただき、ありがとうございます。

今日はクリンの20歳の誕生日。

クリンは2019年3月に19歳1ヶ月で旅立ちましたので、残念ながら成人式を迎えることは叶いませんでした。

この記事を書いた当初は、クリンは18歳を迎えたばかりで、食べムラ・食い渋りに悩んでいる真っ最中でした。ありがたいことに、この記事はたくさんの方にお読みいただき、2年前の記事にもかかわらず、今でもコメントをいただいております。

クリンを見送ってから思うこと、気づいたことなどを追記して、クリンの20歳の誕生日にリライトして公開させていただくことにいたしました。

どうか、食べムラ・食い渋り・食欲不振で悩んでおられる飼い主さんに届きますように。

 

 

シニア犬の「食欲不振」は特別ではない

 

 

我が家の愛犬クリンの食べムラは、15歳の時から始まりました。

食べムラを経験し、いろんなことを知りました。

食べることは決して当たり前のことではないこと、フードと薬は分けた方がいいこと、実は食べムラや食い渋りは一番精神的に堪える、ということなどです。

同じ悩みを持つ飼い主さんはたくさんいらっしゃると思います。食べムラ・食い渋りに約4年間悩んだ飼い主のひとりとして、経験と感じたことなどを書いていきます。

 

クリンの食べムラが始まって一番最初に思ったことは、「このままどんどん弱って衰弱していくのではないか」ということでした。若い頃は、お腹の調子が悪くなると1~2日食事抜きで様子を見るということもありましたが、この頃は普通に食欲があったので、さほど気になることはありませんでした。

 

そして「あること(飼い主の失敗)」がきっかけで、「食べること」そのもの、食べ物に対しての不信感を持たせてしまいました。今まで喜んで食べていたものですら、口にしなくなってしまいました。

ネットで「シニア犬 食べムラ」で検索すると、「食べないのは末期症状…」「最期は食べなくなって…」など、かなりネガティブな表現のものが多く、読めば読むほど余計に不安になっていきました。少しでも希望を持ちたくて検索するのに、出てくる結果がマイナスのものばかりだと、ただでさえ弱っている心がどんどん追い込まれてしまうんですよね。

歳を取ると、体調も常に万全ではありません。寝不足だったり、前日に胃の調子が悪いと、それだけで食べなくなることもあります。ですから、愛犬がシニアになって食欲が落ちることは、とても自然なことなのだとは思いますが、それでもやっぱりとても心配になります。

 

 

食べムラの原因を考えてみる

 

 

食べムラの原因として、元々食べることに執着がなかったり、単なるわがままであったりもしますが、何かしら「食べなくなった」きっかけがあったという場合もあります。いくつかの複数の問題が原因で食べない、ということもあると思います。

愛犬が食べないことは、飼い主にとってとても深刻です。食べないと体力の低下や体が冷えて代謝が低下することもありますので、少しでもいいから何か食べてほしいと願ってしまいます。

振り返ると、うちの場合は食欲不振の時には必ず原因がありました。

 

食べない時に考えられること

 

1.なんとなく食べたくない

2.胃腸の調子が芳しくない

3.噛む力が弱まって、または歯に問題があって食べにくいため食べない

4.体のどこかに痛みや不具合(病気)がある

5.食べることそのものへの不信感

 

1.なんとなく食べたくない

前日にたくさん食べた時などは、翌日なかなかご飯を食べないことがあります。シニアになると長時間寝ていることが多くなりますので、動く時間が少なくなり、胃腸の動きも悪くなっていることがあります。若い頃と違い、老犬になると消化にも時間がかかるため、お散歩などの適度な運動や気分転換は食欲を高めるきっかけになります。

また、鼻が利かなくなっていることも考えられます。犬にとって匂いはとても大切な情報。ところが年を重ねるごとに匂いもわからなくなっていきます。良い匂いにつられてキッチンに飛んでくるようであれば問題ないですが、無関心でいるようなら、もしかすると匂いがわからなくなっているのが原因のひとつかもしれません。

そしてこれはシニア犬あるあるですが、「単なるわがまま」ということも考えられます。人間同様、歳をとると犬もわがままになります。食べムラ・食い渋りが続いている時は、手を変え品を変えいろんなものを与えてしまいがちです。すると、「待っていたらもっといいものが出てくるかも」と、ドッグフードなどを食べなくなってしまうこともあります。

こんな時は、匂いの強いトッピングが有効です。多少の添加物もよしとして、かなり匂いが強い缶詰をトッピングしたり、ふりかけをレンジで温めて匂いを強くしたりすると食べてくれることもあります。

わがままかも、と思う場合は、少し様子を見るのもひとつです。病気や体調不良がない場合はドッグフードを下げてしまうのもひとつ。ただし、ハイシニアの場合は、好きなものをおいしく食べてもらうというのもありだと思っています。お腹を壊さないなら、人間用の牛乳もおススメです。クリンの晩年はテラカニスという缶詰と人間用の牛乳にとても助けられました。

 

2.胃腸の調子が芳しくない

歳と共に代謝が落ち、内臓の働きが悪くなります。消化の悪いものを食べたり、なかなか消化できない場合などは食欲が減退する原因になります。クリンは夜中にご飯を食べたがることが多く、ご飯を欲しがるのが嬉しくてついつい食べさせてしまうと、翌日はなかなかご飯を食べなかったということがありました。

胃腸の調子が悪い時は便の状態がいつもと違ったり、腸がキュルキュル鳴ったりします。そんな時は食欲が出るまでそっとしておきます。そんな時、牛乳はとても役立ちます。牛乳は犬に与えてはダメという意見もありますが、お腹を壊さなければ問題ないですし、牛乳だけで数ヶ月生きた犬もいると獣医さんに聞きました。牛乳は栄養もあるし液体で飲みやすいので、なんとなく食欲がない、という時にはとても助かります。ワンコは甘い味をおいしいと感じるそうなので、体に優しい砂糖やはちみつなどを混ぜて甘味をつけてあげると、より飲んでくれるかもしれません。

お腹の音が数日治まらなくて食欲がない場合は、胃腸炎・膵炎など、病気の可能性があります。数日続く場合は病院に行くことをおすすめします。こじらせてしまうと長引いてしまい、命を脅かす危険性があります。シニア犬の場合、こじらせると本当にやっかいなので、様子がおかしいと思ったら診察を受けることを強くおすすめします。

 

3.食べにくいから食べない

今まではパクパク食べていたフードも、歯の状態が悪くなったり、顎の力が弱まったりすることで、噛めなくなってしまったり、食べにくくなっていることが考えられます。

うちの場合、咥えたおやつをポロっと落としたり、それまで大好きだったキャベツの芯などを食べなくなったことで、顎の力がなくなったとわかりました。それ以来、食べやすい形状に小さくカットしたり、フードを砕いてやることで食べるようになりました。あまり大きな粒だと誤飲の危険もありますので、年齢と共にフードの大きさを変えてあげることをおすすめします。

犬って案外繊細で、「うまく食べられない」と食べなくなってしまうことがありますので、もし思い当たることがあれば、試してみてくださいね。

 

4.体のどこかに痛みがある

振り返ると、クリンが食べなかった原因は体の不具合が一番の原因だったと思います。食べムラ・食い渋りになったきっかけは投薬でしたが、食べない時には体のどこかに痛みがありました。

クリンの場合は子宮の鈍痛と歯の痛みでした。子宮摘出をしたのは18歳になる前でしたから、それまで約3年間も痛みがあったのだと思うと、もっと早く転院すればよかったと今でも思います。

術後摘出した子宮を見せてもらいましたが、片方が通常の2倍くらいに腫れあがっていました。ずっと気持ち悪いような痛いような状態だったから、食欲も出なかったんだと思うと言われたときは、気づいてあげられなかったことをものすごく悔みましたし、今でも後悔の念は消えません。

参考記事:避妊手術について考える ~老犬の子宮蓄膿症の治療について

 

体のどこかに痛みがある時は、何らかのサインがあります。食べムラ・食い渋りもそのサインのひとつです。

もしかしたら、なんとなく具合が悪いという感じで、検査では出てこないかもしれませんが、食欲不振が続くようでしたら、獣医さんに相談されることをおすすめします。

食べないことに以下のような症状が出始めたら、症状が悪化していたり、炎症数値が跳ね上がっていることも考えれ羅れます。

寝てばかりいる/失禁/軟便/腸から音がする/吐く/うずくまるなど

ワンコは我慢することが多いそうで、痛がったりするのはよほどの状態であることが多いそうです。特に老犬の場合は、たった1日処置が遅れただけで重篤な状態になることもあります。

ワンコは10歳を超えると体のあちこちに不具合が出始めることが多いそうです。どんな病気でも、早期発見できれば早く治療することができますし、心臓や腎臓などの再生しない臓器も、投薬により寿命を大きく伸ばすことができます。悪いところがないようでも、数ヶ月ごとの定期健診を受けておくと不具合に素早く対処できます。

 

5.食べることへの不信感

これは今でもずっと後悔していることで、クリンに申し訳ない気持ちでいっぱいです。

クリンの食べムラのきっかけは「投薬」です。

14歳で胆泥症と診断され、以来毎日の投薬が始まりましたが、普通にご飯の上に薬を置いて一緒に食べさせていたため、問題なく薬を飲むことができていました。ところが15歳の時の足の炎症がきっかけでご飯を食べなくなってしまいました。その時に処方された「抗生剤」が非常に苦い薬で、それを無理やり飲ませようとしたことがきっかけで食べ物に対する不信感を持たせてしまいました。

それまで大好きだったお肉やささみ、ジャーキーなどにくるんで薬を飲ませようとしましたが、結局ばれてしまって口から吐き出してしまいました。そんなことを繰り返しているうちに、痛みがあって食べなかっただけなのに、食べ物自体に不信感をもってしまい、食べること自体を嫌がるようになってしまいました。

これは飼い主として最大の失敗であり、今でもクリンに申し訳ない気持ちでいっぱいです。正直、この失敗がなかったら、食べることが大好きなままであったら、もしかしたら成人式を迎えることができたのではないかとさえ思います。

 

 

食べムラを怖がらないで

 

 

クリンが15歳の時から始まった食べムラ・食い渋りは旅立つ日までほぼ毎日続きました。

体の痛みや不具合が取れた時は食欲も改善しましたし、お腹が空くとすごい勢いで食べてくれることもありましたが、すぐに食べないことが癖になってしまったように思います。

一度食べムラや食い渋りになってしまうと、何とか食べてほしいと「好きなおやつ」や「好物のお肉」など、犬にとってのごちそうを用意したり、毎回フードを変えてしまったり、新しい缶詰を次から次へと開けてしまったりすることで、どんどんわがままになってしまいました。当時冷蔵庫の中はクリンの食べなかったものでいっぱいになることもありました。

愛犬が食べないことって、飼い主の精神的なダメージが本当に大きいんですよね。このまま食べなかったらどうしようと落ち込み、実際わたしはノイローゼになってしまいました。毎日眠れずにいろいろ考えては泣いてみたり、ネットで検索しては落ち込んだり、今考えると本当におかしくなっていたと思います。

でも、どれだけ食べなくても、お腹が減ると必ず何かを口にします。病気が原因の食欲不振でない限り、食べムラはいつか治まります。クリンは食べない日もありましたし、痩せてしまったこともありましたが、それでも19歳を迎えることができました。

 

特に老犬は、食べるスイッチが入りにくいという場合もあります。若い頃より運動量が減り、代謝が落ち、なかなかお腹が空かないということもあります。そんな時は「もっと食べたい」「お腹が減った」というスイッチを入れてあげるのも手です。スイッチは、大好物のおやつや、人間の食べるもので甘いものも結構有効です。

カステラ、バームクーヘン、バニラアイスクリーム、加糖ヨーグルトなど、お腹が減っている時はものすごく食いつきます。これは奥の手としておすすめです。

クリンの場合は、先にカステラだけを与え、食いついてきたらフードの上にカステラを小さくちぎったものをトッピングして食べさせたりします。これを我が家では「呼び水」と呼んでいます。

トッピングだけ先に食べてしまい、フードだけ残ると食べなくなることもありますので、食べている最中にトッピングを横から追加したり牛乳を入れたりして、そのまま止まらず食べ続けるようにしています。

 

 

愛犬に食べムラや食い渋りが出た時に大切なこと

 

 

今、愛犬の食べムラで悩んでいる飼い主さんへ。

クリンの食べムラ・食い渋りに約4年向き合い、もし持病や体調不良などがないのであれば、あまり深刻に悩まないでください。1日2日食べなくても、お腹が減ったら必ず食べてくれます。我が家のわがままシニア犬は、15歳から3年食べたり食べなかったりを繰り返していますが、今でも元気に過ごしていますから。

 

何よりも愛犬にとって一番ダメージが大きいのは、飼い主さんの悲しい顔や、食べないことを叱られることです。

犬って飼い主の精神状態をよく理解しているんですよね。クリンが食べない時、イライラしたり怒ったりすると、元気がなくなったり余計に食べなくなったりしました。

でもご飯を食べた時に「すごいね~~!」と褒めると、食べるスピードがアップするんです。ああ、犬ってちゃんとわかってるんだな、とつくづく思いました。

 

犬にとっての一番の良薬は、飼い主さんの愛情であり、飼い主さんの笑顔です。

 

たとえ食べなくても、どうか怒らないであげてください。大丈夫大丈夫、お腹が減ったら食べようね!と笑顔で接してあげてください。

15歳から4年間、ずっと食べないことに悩んできましたが、19歳を元気に迎えることができました。そして旅立つ前日まで、いつも通り過ごすことができました。

多少食べなくても、たとえ食べない日があっても、どうかあまり深刻にならないでくださいね。

 

 

ライター:福井 惠子

 

 

【犬の投薬】薬嫌いの子でもこれなら簡単!薬の飲ませ方

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックスフンド

病名・症状:病院で処方された薬を嫌がって飲まない

発症年齢:15歳

発症の経緯:苦い薬を無理やり飲ませたこと

治療法:自宅で対処

 

 

薬を飲ませる苦労

 

 

我が家のクリンは、14歳の時に足の不具合が出て、その時に苦い痛み止めを処方されました。その薬が苦いことに全く気付かず、無理やり飲ませようとしたことから薬に対する最初の不信感を持たせてしまいました。

15歳になり、炎症数値が上がった時に薬を処方されましたが、この抗生剤がとても苦いものでした。当時通っていた病院では「好きな食べ物に隠して薬とわからないようにして飲ませるといい」とアドバイスされたので、苦い苦い薬を当時好きだった食べ物に隠して無理やり飲ませようとしたことで、一切の薬を嫌がるようになってしまいました。

若い頃は食欲も普通にあり、ご飯の上に薬をトッピングしたらすんなり食べてくれていました。でもそれは、当たり前のことではなかったんです。

 

 

 

【失敗その1】食べ物に薬を仕込む

 

 

薬のことは過去に何度か記事にしています。これは、まさか「食べないこと」「薬を飲まないこと」で自分がこんなに悩むとは夢にも思っていなかったからです。愛犬が若いうちはさほど問題でないことも、ハイシニアになるとご飯を食べないこと・薬を飲まないことは、深い悩みになってしまいます。

特に持病がある場合の投薬は体調にも大きく関わるため、毎回きちんと飲ませたいですよね。

でも、絶対に絶対に絶対に!好きな食べ物に仕込むことだけは避けてください!!

 

好きな食べ物に大嫌いな薬と仕込むのは、食べることそのものが嫌になるきっかけになります。

 

時間になったらご飯を喜んで食べてくれるのは、決して当たり前のことではありません。そして、愛犬がご飯を食べないことは、飼い主の精神に大きなダメージを与えます。

これはわたしだけでなく、多くのハイシニア犬の飼い主さんから同様の話を聞きましたし、皆さん一様に精神的にとてつもないダメージをくらったとおっしゃっています。

 

 

【失敗その2】薬の味を確かめなかった

 

わたしが今通っている病院は、基本無味の薬しか出されません。中には苦みのあるものもあるようですが、その場合は必ず苦みがあるということを教えてくださいます。

でもすべての病院がそうではありません。苦い薬であっても、苦みがあることを教えてもらえないことの方がもしかしたら多いのかもしれません。

犬にも味覚があります。特に甘みをおいしく感じるそうです。でも苦みがわからないということではありません。

そしてとても優れた嗅覚を持っています。一度「苦い」と感じた匂いは決して忘れません。

 

犬の知能は幼児と同じくらい、といわれています。ということは、小さな子供が嫌がることは、犬が嫌がることでもある、と考えればわかりやすいかもしれません。

病院が嫌いな子供は、病院で泣き叫びます。病院が嫌いな犬は、病院で鳴き叫びます。

薬も同じで、一度嫌な思いをしてしまうと、もう二度と普通に飲んでくれなくなってしまうこともあります。我が家はまさにこれでした。

 

ではなぜ薬が苦いと気づいたか…

それは、あまりにクリンが嫌がるので、何が嫌なのかわからず、試しに薬を舐めてみたんです。その薬は、舌がしびれるくらいの苦みがありました…

わたしの場合は、ドッグフードも味見しますので全く抵抗はありませんでした。(自分が味見できない・したくないようなものは、基本与えないようにしています)

 

薬を舐める方法はあまりおすすめできませんが、もし薬を嫌がる子の場合は、薬の味について獣医さんに聞いてみるといいと思います。

 

 

どうやって投薬を克服したのか

 

 

大袈裟なようですが、わたしにとって投薬の悩みは一大事でした。そのくらい悩みまくっていました。

フードのトッピングに匂いの強い缶詰を使い、その中に薬を仕込み、食べたら小躍り、食べなかったら落ち込みまくり…を繰り返していた時でした。

 

クリンはロングヘア―なので、足裏の毛が伸びるんです。以前はバリカンで普通に刈らせてくれていましたが、おそらく振動で関節などに痛みを感じるのか、薬を嫌がるようになった同時期くらいから、カットもさせてもらえなくなりました。

足裏の毛が伸びてしまうと滑りやすくなってしまうので、腰にも負担がかかります。なので、病院で爪切りをお願いする時に一緒に足裏もカットしてもらっていました。

昨年、通信でトリマー2級の資格を取ったんですが、カットの練習をしている時にふと、トリミングをしてもらっている時のことを思い出しました。高いところにリードをくくりつけて落ちないようにしていますよね。

それまでは床でカットをしていましたが、ある時ハーネスをつけてキッチン台の上に乗せ、キッチン上の収納の取っ手にリードをくくりつけてみたんです。すると、クリンはほとんど抵抗することなく、足裏の毛をカットさせてくれました。

 

 

そして、今の病院に移り、手術を受ける前、クリンが薬を飲めないという話をしていたので、看護士さんが「シリンジ」を使って薬を飲ませてくださったんです。

 

目の前でシリンジで薬をいとも簡単に飲ませる看護士さんを見て、「これだ!」と思いました。

犬は高いところが苦手です。そしてトリミングを受けたことのある子なら、高いところに載せられてリードで固定されることに慣れています。

わたしは帰宅して、さっそく病院でいただいたシリンジを出し、薬をすりつぶし、ぬるま湯で溶いてシリンジにセットしました。そしてリードをつけたクリンをキッチン台に乗せ、リードを取っ手にくくりつけました。

そして、口の横の犬歯と奥歯の間の「歯のないところ」にシリンジの先を入れて、薬を少しずつ流し込んだら………

 

ほとんど抵抗せず、飲んでくれました!!!!

 

最初は多少嫌がりましたが、自分のお腹をクリンのお尻に当ててそれ以上後ろに行けないようにし、右手にシリンジ、左手はクリンの顎を持ち、顎を少し上げた状態で少しずつ少しずつ薬を飲ませました。

それまで薬を処方されることがストレスでしたが、この方法で飲ませることができるようになり、とても楽になりました。

もし今、愛犬が薬を飲んでくれないと悩んでいる方がおられたら、この方法は本当におススメです!

 

 

【図解】薬の飲ませ方とポイント

 

【準備するもの】

★シリンジ(小型犬の場合なら5mlのシリンジ) ※ネットで「シリンジ 5ml」で検索すると出てきます

★薬(錠剤は事前にすりつぶしておきましょう)

★薬をすりつぶすための乳鉢や錠剤クラッシャー ※錠剤クラッシャーは1000円弱でネットで買えます

 


 

①薬をティースプーン1杯弱(約4㏄)のぬるま湯でよく溶かします。苦みのある場合や、薬に抵抗のある子の場合は、少量の砂糖を混ぜると口に入った時に甘みがあるので抵抗を最小限にすることができます。溶かした薬をシリンジで吸います。空気が入った場合は、口を上にして本体部分を爪でたたくと薬液が下に落ちますので、空気を抜いてください。

 


 

②ハーネスとリードをつけた愛犬をキッチン台の上に載せます。リードはキッチン上の収納扉の取っ手などにくくりつけます。

【POINT1】犬は家ではわがままを通そうとする場合があります。床の場合だと逃げ場があり、嫌がって暴れることもあります。慣れるまでは、できるだけ作業のしやすい高さで、リードをくくりつけるところがあるキッチン台がおすすめです。

【POINT2】リードはピンと張った状態にすることも大切です。緩んでいると、暴れて下に落ちてしまう恐れもありますので、キッチンの上に載せたら、目を離さないようにしてください。

 


 

③マズル横のくちびるをめくり、犬歯と奥歯の間の歯のない部分を確認します。

【POINT】歯のない部分は、シリンジの先を差し込みやすく、もし噛もうとしても歯がない部分なので噛むことができません。

 


 

④シリンジの先を犬歯と奥歯の間に入れ、少しずつ薬液を流し込みます。もしむせてしまったら一旦手をとめて、落ち着いたらまた少量ずつ入れていきます。一気に入れるとむせてしまうので、少し入れて手を止め、ごくんと飲み込んだらまた次、という感じで入れていきます。

【POINT1】リードを固定しても動いてしまう子の場合は、飼い主さんは犬の若干後ろ側に立ち、飼い主さんのお腹を犬のお尻の部分に当たるようにすると、落ち着いてくれます。もし全然嫌がらないようであれば、前側からマズルをめくってシリンジを差し込んでも飲んでくれます。

【POINT2】犬の顎を少し持ち上げると、薬液がこぼれにくいです。うちの場合は、犬の後ろ側に立ち、お尻にお腹をつけ、左手は犬の顎、右手はシリンジを持っています。

 


 

本当は写真を撮りたかったのですが、1人でやっているのでなかなか撮れなかったため、イラストで紹介しました。ちなみにあだ名は画伯です。デッサン狂ってるのはどうかスルーでお願いします(笑)

 

 

 

ライター:福井 惠子

 

 

【犬のセカンドピニオン】わたしが転院した理由(3)

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックスフンド

病名・症状:胆泥症/子宮蓄膿症

発症年齢:14歳/15歳

発症の経緯:ヒート症状から食欲不振 陰部の腫れ

治療法:投薬治療(2年間)→17歳9ヶ月で手術

 

関連記事:

【セカンドオピニオン】わたしが転院した理由(1)

【セカンドオピニオン】わたしが転院した理由(2)

 

 

驚きの診断内容

【セカンドピニオン】わたしが転院した理由(3)

 

初めて訪れたその病院は、今まで行ったことのないような雰囲気でした。

待合とつながった診察室。間仕切りのない診察台がいくつも並び、複数人のドクターと忙しそうに走り回るたくさんのスタッフの方たち。その中で、ひときわ大きな声で指示を出されていたのが院長先生でした。

初診で見ていただいた先生に、抗生剤投与しても8ヶ月CRPが下がらないこと、心臓の薬を飲んでいること、胆泥症であること、子宮水腫の治療をしていること、胆管肝炎と診断されたこと、わたしは歯が悪いのではないかと思っていること、2年以上食べムラに悩んでいることなどをお伝えし、持参した前の病院の検査結果などをお渡ししました。

まずはきちんと診断した方がいいということで、CT(無麻酔)とレントゲン、血液検査・心電図・血圧・エコーでの検査をすることになりました。

血液採取してCTとレントゲンを撮った後、院長先生が来てくださり、先生から状態の説明をしていただいた後、ちょっと触らせてとクリンの体を触られました。

「この子、子宮に痛みがあるよ。だからご飯食べないんじゃない?」

なんと1分もかからず、食べムラの原因を究明してくださいました。そして検査の結果、子宮はすぐに取った方がいいといわれました。

心電図の結果、不整脈があることがわかりました。そして中度の水頭症であることもわかりました。胆泥症は軽度でこのまま投薬でいいとのこと、そして重度のヘルニアであることがわかりました。

前の病院に行った3日後だったのですが、その時に2週間効く抗生剤を注射してもらっていたため、CRPは高いけどクリンの負担になるから2週間経ってからでないと何もできないといわれました。

痛みがあること、アリジンでの治療が2年続いていることなどから、もしかしたら子宮が癒着しているかもしれないこと、エコーで診た限り少し腫れがあるようなので、これ以上アリジンでの治療は効果が期待できないかもしれないこと、歯の状態がかなり悪いため、炎症は歯の可能性もあること、きちんと治療したいなら手術しかないことなどの説明を受けました。年齢的にももう猶予はないため、決断するなら早い方がいいといわれました。

そして、ものすごく分厚い本を持ってきてくださいました。それは獣医さん用の薬の辞典のようなもので、今まで使っていた薬をひとつひとつ説明してくださいました。

 

 

炎症の原因と術前の準備

【セカンドピニオン】わたしが転院した理由(3)

 

抗生剤には種類があり、どういった炎症に効くか、どの臓器に負担がかかるのか、薬の種類により効果がない炎症があるため、どこで炎症が起こっているかを把握して薬を選ばないと、効果はないのに臓器に負担だけがかかる、ということを教えてもらいました。クリンが受けていた2週間タイプの抗生剤は、歯には効かないタイプの抗生剤とのことで、8ヶ月間も下がらないところをみると、炎症は歯で起こっている可能性が高い、といわれました。

それまで原因のわからなかった炎症の原因に見当がついたことと、食べムラの原因がわかったことで、わたしの決心は固まりました。この先生にクリンの命を預けよう、そう心に決めました。

手術を受けることを伝えると、まずは2週間の薬が切れるのを待つこと、不整脈があるため、寝ている時に不整脈が乱発していると麻酔のリスクが高まるため、24時間心電図で事前に調べておくこと、そしてもしもの時の場合の処置ができるかどうか、血液の流れをよくする薬を投与し、状態を確認しましょうといわれました。

 

心電図の結果、不整脈はあるものの、大きな問題はないということでした。血の検査も問題なし。あとは手術の日を待つばかりとなりました。

「15歳で子宮水腫がわかった時すぐに手術をしておけば、クリンはこんなにしんどい思いをしなかったのかもしれない。」

この時に、選ぶ病院でここまで差があるということを痛感しました。

前の病院も決して悪いところではありませんでした。わたしの友人も何人か紹介しましたが、転院して命を救われた子もいました。もしかしたら、14歳でセカンドオピニオンを受けた時に「手術を受けるのが怖い」という入口だったから、手術をしないという前提になってしまったのかもしれませんし、手術に自信があるからこそ、できるだけリスクを避けてギリギリまで待つという方針になったのかもしれません。

 

まもなく18歳を迎える高齢の子に積極的治療を提案するのはかなりリスクが高いと思います。でもその病院では、15歳16歳で手術する子はたくさんいて、高齢での手術がはそう珍しいことではないとのことでした。クリンの胆泥症がわかった14歳の時、子宮の異常がわかった15歳の時、もしこの病院を知っていたらきっと治療法は違ったと思うと、心の底から後悔しました。

クリンは、最初に病院を訪れてから約3週間後の11月3日に手術を受けることになりました。年齢的にも急変に備え、他に手術が入っていない日でドクター2人体勢で手術をしてくださるとのことでした。

この日から、手術前日までは祈るような気持ちで過ごしていましたが、一方で転院してから食欲も旺盛になり、元気に過ごしているクリンを見て、「きっと大丈夫」そう思えました。

 

 

手術を受けてからの変化

【セカンドピニオン】わたしが転院した理由(3)

 

手術当日、抱っこされて手術室に向かうクリンを祈るような気持ちで送り出し、待つこと1時間。

先生からは「心臓の様子によって、歯の治療はできないかもしれない」と言われていましたが、無事歯石を取り、1本抜歯をしていただくことができました。

摘出した子宮も見せてもらいました。1ヶ所腫れている部分がありそこに痛みがあったのではないかということ、癒着はしていなかったこと、歯の状態は思ったほど悪くなかったけど歯石はかなりひどい状態でおそらく痛みもあったであろうこと、そして年齢的にも術後の急変も考えられる状況であるため、今日は終日病院で様子をみましょうといわれました。

 

クリンは麻酔の影響でぐったりしていましたが、1時間後には自力で起き上がりました。

【セカンドピニオン】わたしが転院した理由(3)

 

長い1日が終わり帰宅すると、足元はおぼつかないながらよたよたと歩いてくれて、クリンの生命力にとても感動しました。傷口が癒着してしまうためできるだけ動くようにといわれてたので、翌日からお散歩再開。傷口が突っ張るのか本調子ではないものの、クリンは走ろうとするくらい元気でした。食欲はなかなか戻りませんでしたが、術後4日目でやっとご飯を完食してくれました。術後初めてご飯を食べた時、「あれ?」という顔をしたんですよね。大きな歯石がべったりついていて、それが歯茎に食い込んで痛みがあったようだといわれていたので、きっといつもの痛みや引っかかりがないことに気付いたのだと思いました。歯石も食べムラの原因であったのだと思いました。

 

病院を変わってから、クリンに良い変化がありました。まずは食べムラ。それまでよりも明らかに食欲が戻りました。特に通院から帰宅した後はなぜか食欲が増していて、帰るなりガツガツと食べてくれることもありました。もしかしたら今の病院で痛みがあることを最初にわかってもらえて安心したのかもしれない。そう思いました。

実はクリンが下痢をしたので昨日も病院に行ったんですが、少し食べムラがあると伝えたところ、体を触ってすぐに❝ヘルニアの痛みが原因だと思うから、ヘルニアの注射と鍼治療をして痛みを取ったら食欲は戻ると思いますよ❞といわれ、治療を受けたところ、昨夜はしっかり食欲が戻りました。

 

犬は話ができませんので、飼い主は愛犬のしぐさや表情から推測するしかありません。前の病院はクリンにとって良い思い出がないのかもしれませんが、同じようなに嫌なことをされても痛い思いをしても、それでも震えたり嫌がったりすることはなくなりました。クリンはわたしに自分なりに伝えていてくれていたのだと思うと、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

 

 

飼い主だからこそできること

【セカンドピニオン】わたしが転院した理由(3)

 

手術を受け、クリンは今まで以上に元気になりました。今でも食べムラは多少ありますが、以前と比べるとかなりご飯を食べるまでの時間は短くなりました。体の悪いところをしっかりとわかってくださっていて、飼い主のわたしにもわかるように伝えてくださるので、本当に安心してお任せすることができます。

 

今の病院に移り、薬によって負担がかかる臓器が違うことや、症状に合わない薬を投与しても効果は全くないということを知りました。誤診で間違った治療を続けていても、症状は全く改善されず、ただ体に負担がかかるだけということも痛感しました。

そして、高齢であっても積極的治療ができるということを知りました。

 

わたしの友人は、愛犬の不具合である病院を訪れ、きちんと検査を受けないままに手術を受けました。そして開腹して何もできないまま閉じたそうです。手術を受ける前にはCTを撮るなど、病変をもっと詳しくみてからというのが一般的ですが、その病院ではエコーだけで手術に踏み切ったそうです。そして「うちでできることはない」と退院させられたそうです。

その病院はとても綺麗で、結構流行っているとのことでした。

 

今回の件で、わたしは知人からの口コミにとても救われました。もし情報がなければ、きっと病院を変わることはなかったと思いますし、今クリンと一緒に過ごせていなかったかもしれません。

 

ネットは情報が溢れています。口コミサイトもありますがほとんどは匿名で、中には自作自演のものもあると聞きます。リアルな情報かどうかも正直わかりません。そしてどの情報をチョイスするのかにより、結果は大きく変わってしまいますが、もちろんそれは自己責任。ネットは手軽ではありますが、発信されている情報がすべて正しいとはいえないんですよね。

だからこそ、愛犬家同士のリアルなつながりは大切だと考えています。

 

もし今、セカンドオピニオンを考えておられる飼い主さんがおられたら。

近所のドッグランに行って他の飼い主さんと動物病院の情報を交換したり、周りに犬を飼っている方がいない場合は、ネットで愛犬ブログをやっておられる飼い主さんを探し、コンタクトを取ってみるといいかもしれません。闘病を経験している飼い主さんは、情報の宝庫です。いろんなことを試されたり工夫されているので、お話を伺うだけでも参考になります。

なにより、愛犬家の皆さんはとても優しくて、とても親身になってくださいます。

 

どうかお一人で悩まないでください。必ず手を差し伸べてくれる優しい飼い主さんがおられますから。

 

 

ライター:福井 惠子

【犬のセカンドオピニオン】わたしが転院した理由(1)

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックスフンド

病名・症状:胆泥症/子宮蓄膿症

発症年齢:14歳/15歳

発症の経緯:ヒート症状から食欲不振 陰部の腫れ

治療法:投薬治療(2年間)→17歳9ヶ月で手術

 

 

動物病院を選ぶ基準って?

 

我が家の長女クリンは、14歳の時に胆泥症と診断されました。病気を見つけていただいた病院では、手術を強く勧められましたが、その時に違和感を感じ、自らセカンドオピニオンを申し出、違う病院で投薬治療でもいけるといわれ転院しました。

その病院に1年ほど通った時に、今度は子宮の不具合が見つかりました。約2年間、子宮の治療も投薬で行っていましたが症状は改善されず、別の病院で診察を受けたところ、手術をした方がいいといわれ、転院して手術を受けました。

今回は転院の経緯と、飼い主として思ったことを書きたいと思います。

 

 

胆泥症発覚!その時の心境と感じたこと

 

我が家の愛犬クリンは、14歳になるまで病気もなく、動物病院には毎年のワクチン及び狂犬病接種とフィラリア予防のお薬をもらう以外にはほとんどお世話になることがありませんでした。

なので病院を選ぶ基準は、利便性が一番で、自宅から近くて駐車場があって、待合室が広くてそこそこキレイな病院を選んでいました。

13歳を過ぎたあたりから、フィラリア検査で血液を採取してもらった時に健康診断として血液検査を受けるようになりました。2014年の6月に、当時通っていた病院で血液検査を受けたところ、GPT(肝臓に異常がある時に基準とする数値)が高かったので、エコー検査とレントゲンをしてもらい、胆泥症であることがわかりました。

 

※胆泥症とは → 何らかの原因で胆汁が濃縮して変質し泥状になったもの(胆泥)が胆嚢に貯留した状態

 

クリンの胆泥症が発覚する数ヶ月前に、我が家の次女ニコの乳腺腫瘍が見つかりました。腫瘍は3つあり、避妊手術と合わせて手術をすることになりました。初めての手術でどのくらいの費用がかかるのか心配で確認しましたが、実際に請求されたのは最初に聞いていた額の3倍以上の金額でした。

事前に費用は変動すると聞いていましたが、高くてもこのくらい、といわれた額よりも2倍以上の金額だったため非常に驚きましたが、この時は無事手術が終わったことと、良性腫瘍でホッとしていたので、あまり深く考えていませんでした。

 

クリンの胆泥症がわかった時、担当医から「手術しないと助からないかもしれない」と聞き、目の前が真っ暗になりました。しかし、その先生は胆泥症の手術をした経験がないとのことで、院長に相談するといわれました。

 

そして提案されたのは、

「他の病院から手術のできる先生を呼んであげる」

「今の状態であれば、死んでしまうかもしれない。でも麻酔リスクもあり、年齢を考えると半々の確率で亡くなるかもしれない」

「でも手術しないと助からない」

ということでした。

 

初めての大きな病気ということだけでもショックなのに、いきなり「死」という言葉を突きつけられ、しかも半々の確率で死んでしまうかもしれない「手術」という治療しかできないということで、その場ですぐに決めることができませんでした。目の前のクリンはとても元気で、こんなに元気でピンピンしているのにわざわざリスクを冒す必要があるのか…

ニコの手術のこともありましたし、先生と話をしていても、「クリンの命を助けたい」というより「手術をさせたい」という印象を受けました。麻酔のリスクの話なんて、めちゃくちゃ雑な感じだったんですよね。半々で死んでしまうかもしれないのに。とにかく手術、手術しかないという感じだったので、正直「手術したらお金になるからじゃないのか」と思ってしまいました。

 

 

初めてのセカンドオピニオン~転院まで

 

 

手術以外の治療方法はあるのか、また手術のリスクについて別の先生の意見を聞きたいと思い、以前友人から教えてもらった病院にセカンドオピニオンに行きたい、と申し出ました。申し出るのはものすごく勇気がいりましたが、大切な我が子の命がかかっているためこちらも必死でした。

診断書を書いてもらい、セカンドオピニオンの病院で診察と検査をしてもらいました。その先生のお見立ては、「今とても元気だから、わざわざリスクの高い手術はしないで内科治療で様子を見て、状態が悪化した時に手術は考えればいいのでは」ということでした。

ただ、肝臓に何か影のようなものも見えるから、一度CTを撮った方がいいといわれ、CTの撮れる病院にてサードオピニオンを受けることになりました。

3つめの病院で血液検査とエコー検査してもらった結果、胆泥症はあるけどその他は問題ないので、CTを撮る必要はないといわれました。3つの病院で検査を受け、うち2つの病院から手術しなくても治す方法があるといわれ、とてもホッとしたことを覚えています。

そしてわたしは、迷わずセカンドオピニオンを受けた病院に転院することを決めました。

手術を勧められた病院で、手術を受ける意思はないことと、内科治療をしてくれる病院に転院することを伝えました。するとそこの院長に、びっくりするくらい感じの悪い態度を取られました。確かに転院するというのは病院にとってはいい話ではないですが、それまで長い間通っていたこともあり、とても残念な気持ちになりました。

 

 

胆泥症治療~子宮水腫発覚まで

 

転院してから胆泥症の投薬治療が始まりました。「ウルソ」と「ニチファーゲン」という薬が使われましたが、どちらも肝機能の改善のための薬で、大きな副作用はないとのことでした。14歳当時のクリンは、薬をフ―ドの上に乗せても普通に食べてくれていました。

そのまま投薬治療を続け、胆泥はあるものの初めてエコーで確認した時よりも改善されていってたので、このまま問題なく行けると思っていました。

ところが2015年5月に、突然前足を引きずりだし、その時にもらった痛み止めがきっかけで食べムラが始まりました。

※食べムラについての記事 シニア犬の食べムラ ~食べムラで悩んでいる飼い主さんへ伝えたいこと

 

足を引きずるのは3日ほどで治まりましたが、レントゲンで見る限り関節の状態はよくないといわれていたので、通院は続けていました。食べムラは多少ありましたが、それでも何かは口にしてくれていました。

ところが翌月になり、ヒートのような症状が出始め、クリンが全然食べなくなってしまったんです。それまでの食べムラや食い渋りよりもひどい状態で、匂いすら嗅ぐのを嫌がりました。これはどこかに不具合があるのかもしれないと思い、血液検査とエコー検査をしてもらった結果、子宮内に水が溜まっていることがわかりました。

 

この時クリンは15歳4ヶ月。主治医の先生からは、

「今の年齢と状態を考えると、このまま積極的治療はせずに投薬で逃げましょう。もし命にかかわる重篤な状態になったら、子宮と胆のうを同時に摘出する手術をすればいいから大丈夫です」といわれました。

主治医は有名な大学病院に長年勤務され、数多くの手術の経験がある先生だったので、「大丈夫」という言葉でとても安心し、先生の言う通りにしようと思いました。

子宮水腫の治療は、「アリジン」という注射で水腫が悪くならないようにする方法でした。まだあまりメジャーではないとのことで、ネットで調べても全然出てきませんでしたが、副作用があまりなくて効果は結構出るという話で、試してみることにしました。

1回目の注射の24時間後に2回目の注射を打つとのことで、初回は注射の後に食欲が戻りました。子宮内の炎症はあったようで、CRPが少し高かったので抗生剤を飲んだ方がいいといわれましたが、薬を嫌がることも十分ご存知だったので、2週間効くタイプの抗生剤を注射してもらいました。

 

とにかく一番困っていたのは「投薬」でした。それまではご飯の上に乗せてフードと一緒に薬を食べる方法しかとってなかったので、ご飯を食べないと薬も飲めないことになります。でも体に不具合が出ると薬を処方されます。薬が出ても、飲ませることができないので、八方ふさがりの状態でした。

 

薬を飲ませることがどうしてもできない、と先生に相談したところ、

「薬は必ず飲ませてください」

「好きな食べ物に薬を包んで食べさせてください」

「口を開けて舌の奥に薬を入れて口を閉じさせれば飲み込みます」

「甘いガムシロップに溶かして飲ませてください」

 

そこで好物に隠して食べさせたり、ガムシロップに薬を溶かして舐めさせようとしたり、とにかく言われたことはそのまま実行してみましたが、ものすごく苦い薬だったため、クリンは薬そのものが恐怖になりました。そして口すら触らせてくれなくなり、全く投薬ができなくなってしまいました。

 

 

食べムラと投薬

 

投薬の失敗から強い食べムラや食い渋りが出始め、精神的にかなり参っていたわたしは、すがる思いで主治医の先生に食べムラについて相談しました。

先生からは、食べなかったら病院に来て、といわれてたので、丸1日食べない時は翌日病院で点滴を受けていました。輸液の中に食欲増進作用のある薬(ステロイドの副作用を利用する方法)を少量入れてもらったり、別の薬をもらったりしました。

 

その頃には「好物」はすっかりなくなってしまっている状態で、薬も苦みのあるものは一切ダメ。ウルソとニチファーゲンは無味だったので、匂いの強いトッピングで何とかごまかして食べさせたりしていましたが、薬を飲まない子に薬を飲ませるのって本当に大変なんですよね。病院では「薬を飲ませてください」しかいわれないし、どの方法も失敗しているから、どうしていいかわからない。もはや口すら触らせてくれないクリンを前に、泣いたりわめいたりしていました。

 

当時は精神的にかなり追い詰められた状態で、ご飯を食べなかったら弱ってしまうかもしれない、薬が飲めなかったら状態が悪化するかもしれない、どうしようどうしよう……と焦りと不安で押しつぶされそうでした。(※投薬と食べムラについては別記事にまとめます)

この時の経験が、サイトを始めるきっかけにもなりましたが、本当につらくて苦しくて、思い出しただけでも吐きそうなくらいしんどくなってきます。そのくらい参っていました。

 

不思議なもので、飼い主の精神状態が悪くなると、愛犬の調子も悪くなるんですよね。毎日、今日はご飯を食べるだろうか…ばかり考えていました。多い時では缶詰やジャーキー類、ふりかけや肉や魚など5~6種類くらいの食べ物を用意し、クリンの前に差し出しましたが、あれもこれもいらないといわれて、食べ物を放り投げたこともあります。冷蔵庫の中はクリンが食べなかったウェットフードや調理したものが入ったタッパーでいっぱいになっていました。ドライフードも、おそらく30~40種類試したと思いますが、なかなか食べてくれるものに当たらず、置き場所のないような状態でした。

 

そんなこんなでクリンの食べムラはひどくなり、徐々に体重が減ってきました。子宮水腫が発覚した時は3.6㎏あった体重が、10月半ばには3.3㎏になりました。そして全く食べなくなってしまったため病院に駆け込んだところ、炎症数値が1.2に上がっていました。エコー検査の結果、子宮の腫れはありませんでしたが、膵臓がエコーに写っていました。もしかしたら膵臓に炎症があるかも、とのことでしたが、この日の血液検査では数値としては出ておらず、抗生剤を点滴してもらい様子見といわれました。

翌日は何とか少しは食べたものの、その日の夜は全く食べなくなったため、翌朝に病院に行くとCRPは6.7に跳ね上がっていました。点滴をしてもらいましたが、その日の深夜にぐったりとして動かなくなり、うずくまるような体勢で尿を垂れ流しているような状態になりました。

夜が明けるのを待って朝一で病院に駆け込んだところ、CRPがさらに上がっていて、即入院となりました。

 

 

(2)に続く

 

ライター:福井 惠子

 

 

【犬の手作りおやつレシピ】ワンコの手作りおやつ ~レバーケーキの作り方

簡単!安全!食いつき最高♪

 

飼い主の失敗(薬を食べ物に仕込んだこと)から始まった、我が家の愛犬クリンの食べムラで悩んでいた時、ブロ友さんから「ドッグトレーナーさんが考案された、薬を飲ますのに最適な手作りおやつがあるよ!」と教えてもらったのがレバーケーキでした。

ネットで調べると、いろんな方が紹介されていて、しかも口をそろえて「食いつき抜群!」と書いてありました。

実際に作ってみましたが、めちゃくちゃ簡単で、ものすごく食いつきが良くて、レバーケーキを焼いていると我が家の3姉弟はキッチンでうろうろするくらいでした。

 

今回はレバーケーキのレシピをご紹介させていただきます。

 

 

準備するもの

 

 

鶏レバー    400g

小麦粉     200g

卵       1個

にんにく    ほんの少し(香りづけ用)

※グルテンフリーがよければ小麦粉の代わりに米粉でもOK

※鶏レバーの代わりに豚レバーでもOK

※この分量で薄めのホットケーキ4~5枚くらいです

 

フードプロセッサー・大きめのボウルもご準備ください。

 

 

作り方

 

①鶏レバーと卵、にんにくをフードプロセッサーにいれてよく混ぜ合わせます

※レバーが滑らかになるまでしっかり混ぜ合わせた方が、火が通りやすいです。

 

②①をボウルに移し、小麦粉を入れてよく混ぜます

※水気があまりないので生地は固めです。混ぜるのに結構力がいります。

 

③フライパンにクッキングシート(またはクッキングホイル)を敷き、油をひかずに薄めに生地を流し入れます

※生地が厚くなると、めちゃくちゃ火が通りにくいです。

※クッキングシートを敷かないと焦げつきやすくなります。

 

④蓋をして弱火で7~8分焼き、ひっくり返し、同じくらいの時間焼きます

※竹串や菜箸などを刺し、生地がつかなければ火が通っています。

 

⑤レバーケーキの完成!

 

薄めに焼き、細切りにすると食べやすくておススメです!

 

 

保存方法と注意事項

 

レバーは傷みやすく、長期保存に向きません。非常に食いつきはいいですが、時間が経つと匂いも風味も落ちてしまうので、少量ずつ作ることをお勧めします。もし余ってしまったら、1~2週間くらいなら冷凍でも大丈夫だとは思いますが、食べムラのある子の場合は香りがなくなると食いつきは悪くなってしまうのでご注意ください。

 

冷凍した場合は、レンジでチンすると香りが強くなりますが、水分が飛んでしまうので時間は短めがいいと思います。

 

我が家の場合は、レバー200g・小麦粉100gで作っていました。その分量で卵1個使うとかなり生地は柔らかくなりますが、さほど問題はなかったです。

 

にんにくは風味付けのために使用します。香りが強いと食いつきは良くなりますが、犬ににんにくはNGといわれているので、気になる方はにんにくを入れずに作ってください。

 

ものすごく匂いがきついため、作った後は部屋中にレバーの香りが広がります。そして焼いている間、犬がめっちゃ興奮します笑

換気はしっかりとすることをお勧めします。

 

洋服に飛んでしまうと非常に取れにくいため、汚れてもいい服で作ってくださいね。

 

 

薬を仕込むのにも、食べムラのある子のおやつにも!

 

このレバーケーキは有名なドッグトレーナーさん(お名前失念しました)が、「愛犬にストレスなく薬を飲ませる」ために考案されたそうです。ご飯大好きな子だと、フードの上に薬を置いて食べさせても問題ありませんが、我が家のように投薬に失敗してしまうとあとで大変困ることになります(涙)

生地が柔らかく、匂いも強いため、薬を隠しやすくばれにくく、お薬嫌いの子でも与えやすいように思います。また食べムラがある子の場合は、市販のおやつを与えるよりも安心して食べさせられます。

 

手作りフードは分量が非常に難しいですが、我が家の場合はレバーケーキの生地に青汁の粉末を適量入れて、野菜やミネラル補給できるようにし、フードの代わりに与えていたこともあります。

犬は野菜を消化しにくいといいますが、野菜に含まれるビタミン・ミネラルは犬の健康には不可欠の栄養素なので、うちの場合は結構青汁を使うことが多いです。余談ですがクリンにシリンジで薬を与える時、少量の青汁を混ぜていますが、今のところ特に問題もなく調子はいいようです。

 

「レバーケーキ」で検索するとたくさんのレシピが出てきます。アレルギーや好き嫌いのあるワンコもいると思いますが、基本の作り方さえわかればアレンジもしやすいレシピなので、うちの子にあったレバーケーキをぜひ作ってあげてみてくださいね(^^♪

 

 

ライター:福井 惠子

 

 

ハイシニア犬(老犬)の飼い主が思う、犬が病気になった時に大切な「3つのこと」

 

犬と暮らす人にとって、パートナーが病気になってしまうのは本当に悲しくて辛いことです。できることなら自分が変わってやりたい、と思う飼い主さんも多いのではないでしょうか。

愛犬は、10歳を超えた頃から、目に見えて体の衰えを感じたり、病院のお世話になることが増えてきます。そして歳を重ねるごとに病気になってしまうリスクは高まります。

わたしはSNSを通じて、たくさんの飼い主さんと知り合うことができました。その中には、愛犬と共に大変な病気と闘う飼い主さんもたくさんいらっしゃいました。

今回は、そんな愛犬の病気と闘う飼い主さんたちが共通して感じている《愛犬が病気になってしまった時大切だと思う3つのこと》を書こうと思います。

 

 

自分が信頼できるかかりつけ病院を見つけること

 

愛犬のための病院選びは、とても重要なことです。

わたしはこれまでに病院を数回変わっています。今通っている病院の先生はたくさんの経験をお持ちで、最新医療を取り入れておられるとても進んだ病院です。その前に通っていた病院は、大学病院で長年経験を積まれた外科治療に定評のある方でした。

しかし、それ以前に通っていた病院は、根本治療でなく症状を抑えるだけ(歯が腫れている時にステロイドで腫れを抑える等)の処置がメインでした。その頃はまだ愛犬も若く、命に関わるような病気でなかったので、不安になることはありませんでした。

4年前、当時14歳の愛犬クリンが胆泥症と診断された時、「手術しないと助からないかもしれない」といわれました。担当の先生はこの手術の経験がないため、「他の病院からわざわざ先生を呼んで、この子の手術をしてもらうから大丈夫。でも麻酔のリスクは半々なので命の保障はないし、麻酔に耐えられなかったら仕方がない」といわれたんです。

実はこの少し前に、我が家の次女、ニコの乳腺腫瘍の手術をしていました。その際に避妊手術も同時に受けたのですが、手術後に請求された手術費用は、当初聞いていた金額のおよそ3倍でした。理由は、子宮に水がたまっていて避妊手術ではなくなったから、というものでした。それならそうと費用についてもう少し詳しく話をしておいて欲しかったと、思っていた矢先の出来事でした。

手術をしないといけない。でも麻酔のリスクは半々なので、ダメだった時は仕方ない。自分はこの手術をしたことがないから、他の先生をあなたのためにわざわざ呼んであげるのだから、手術しましょう…と。

正直その時、ものすごく違和感を感じました。難しい手術で、麻酔で命を落とすかもしれない。それでも手術しないと助かりませんから、わざわざあなたのために先生を呼んであげるんだから、手術するしか手はないですよ。あなたのためにわざわざ他からこの手術ができる先生を呼んであげるんだから、という部分を強調した話だったんです。

 

愛犬が何かしらの病気であると宣告されると、多くの飼い主は大きなショックを受けます。だからこそ、どうすれば治るのか、またどんな治療法があるのかを聞き、その上で納得して選択したい。それなのにこの先生は、こちらの意向を考えず、とにかく手術を受けさせようとしているとしか思えなかったのです。

大事な我が子が病気の宣告をされ、しかも死ぬかもしれないといわれてるのに、他から先生を呼んで手術するから大丈夫という話をされても、ぜんぜんありがたくないし、手術以外に治療法はないのか、と思いました。

 

不信感を持ったわたしは、自らセカンドオピニオンを申し出て、他の病院で診てもらいました。そこでは、図解で今の状態を説明してくださり、治療法についてもいくつか提案してくださいました。

胆泥症を見つけてくださったのはとても感謝しています。でもやたらと手術を勧めてくるところに「助けたい手術」というよりも「商売としての手術」ではないのかと感じてしまったのは事実です。

 

獣医さん選びについては、多くのベテラン飼い主さんから同様の話を聞きました。飼い主と相談しながら治療方針を決めてくれる、質問や不安に思うことについてきちんと説明してくれる病院でないと、何よりも大切な愛犬の命を預けることはできないと考えています。

 

 

 

薬はご飯と分けて与える

 

愛犬が元気なうちは、ご飯もパクパク食べてくれるし、薬を処方されてもご飯の上に乗せてしまえば大抵普通に食べてくれます。ところが、これがずっと続くとは限りません。

薬の中にはとても苦いものもあります。最近はペットも人間と同じ薬を処方されることがありますが、その場合体重に合わせて錠剤をカットして与えたりします。苦い薬は甘いコーティングの糖衣錠タイプが主流ですが、カットされていると断面図は薬がむき出しになり、その部分を舐めてしまった時かなりの苦味を感じます。

薬=苦いことが一度インプットされてしまうと、薬を嫌がるだけでなく、薬が仕込んであるご飯そのものを嫌がってしまうことにもなりかねません。

これは我が家でもそうですが、多くのシニア犬の飼い主さんからも同様の話をいくつも伺いました。

投薬の際には、投薬専用のおやつ投薬補助食品等を使うことを強くお勧めします。たとえ食いしん坊の子であっても、年齢と共に食べムラや食い渋りが出ることがあります。ほんのささいなきっかけであっても、それで食べなくなってしまうと、それこそ投薬も一苦労になります。うちはこれで本当に苦労しましたし、今でも薬に対する不信感をぬぐうことはできません。

 

病気を治すために薬は必要なもの。でも薬を与えることより、薬を混ぜたせいでご飯を食べなくなってしまい、結果体力を失い、危険な状態になることの方が大問題なのです。薬で大きな失敗をしてしまった経験者として、薬とご飯を分けて与えることを強く強くお勧めします。

 

 

「笑顔」と「言葉」は最高の治療薬

 

わたしの知っているハイシニア犬の飼い主さんたちが口をそろえて言うこと、それは、飼い主の「笑顔」と「言葉」は、愛犬にとって何よりも大切だということです。

愛犬の病気を嘆いてずっと泣いていると、愛犬は飼い主さんのことが心配で不安になってしまいます。犬ってわたしたちが思う以上にいろんなことを感じ取っているものなんですよね。

愛犬にとって一番安心できるのは、飼い主さんの笑顔です。大好きな飼い主さんが笑顔でいるだけで、愛犬には生きる力がみなぎります。それほど笑顔には、とてつもない力があると実感しています。

 

そしてもうひとつ、とても大切なことがあります。
愛犬にたくさん「声」をかけてあげることです。

「大丈夫だよ」「心配ないからね」「ずっとそばにいるからね」

優しく触れながら声をかけると、愛犬はとても安心した表情になります。

飼い主は愛犬が病気になると、心配で夜も眠れなくなったり、元気のない姿を見て涙を流すことも多いと思います。犬は口がきけないため、どうしてほしいのか確認することもできません。痛いのかもしれない、辛いのかもしれない…そう思うと悲しくてやりきれない気持ちになってしまいます。

ですが、そんな時こそ、笑顔で優しく愛犬に語りかけてあげて、愛犬の不安を取り除いてあげることが大切だと思うのです。

 

犬は素直で賢くて、とても勘がいい生き物です。だから飼い主の気持ちはすぐにばれてしまうんですよね。焦ったり不安になったりイライラしたりすると、それはそのまま愛犬に影響してしまうことがあります。

わたしも愛犬クリンが食べムラでなかなか食べられない時、薬を飲んでくれないことで病状が悪化するのではないか、と気が気でなく、無理に食べさせようとしていました。その結果、クリンはご飯の時間そのものがストレスになってしまい、余計に食べなくなってしまったという経験があります。飼い主に気持ちの余裕がなくなってしまうと、愛犬に大きなストレスを与えることになりかねません。

 

もし愛犬が病気になってしまったら、わたしはこの3つのことを気をつけるようにしています。特に3つめはとても効果があります。クリンが元気のない時は、いつも耳元でこう囁いています。

 

「クリンは絶対に大丈夫。もっともっと元気になるし、ご飯もいっぱい食べられるよ。」