【老犬の介護】大型犬を家族に迎える覚悟(2)~大型犬を介護すること

愛犬情報

犬種:ボルゾイ

病名・症状:褥瘡(床ずれ)、後肢不全、寝たきり

発症年齢:14歳、15歳

発症の経緯:老化

治療法:自宅ケア

 

 

辛く苦しい床ずれ

 

14歳の後半になると、完全に後肢が機能しなくなり、自力で立ち上がることが困難となりました。そしてとうとう床ずれを発症し、人間の補助なしでは全く歩けなくなりました。アスファルトでの散歩は、歩行補助に使用していたバスタオルで常時完全に吊るす状態になりました。しかしその体の重さをずっと支えることは難しく、腕がつらくて重くて地面に擦ってしまい流血してしまうことも。ここでアスファルトでの散歩は諦め、芝生の庭にしか出さなくなりました。

 

しかし、この段階ではまだ前肢は筋肉隆々で力強かったです。床ずれは横になった時に一番出っ張っている後肢の腰付近と、前肢の肩付近にできやすく、部分的にはげてきたら要注意です。

毛がはげてきた段階で、タオルをドーナツ状にして患部が床に擦れないよう保護するなど、配慮が必要だと感じました。保護する際固定できるようドーナツ状のタオルを患部の周りにあててテーピングするなどの工夫も必要です。

 

床ずれができる頃には、完全介護体制になりました。ボルゾイに合うおむつがなかったため、寝たまま糞尿を漏らすしかありませんでした。人間の介護用の使い捨てベッドシーツを敷いて対応しましたが、メープルは動けないストレスで、動く前肢で地面を蹴ってぐるぐると回転するので、シーツはすぐにボロボロになり、床ずれ保護のタオルも外れてしまい、どんどん床ずれが広がってしまいました。前肢だけで大きな体を動かそうとするので、指先は爪ごと擦れて血だらけ。毎日のように漏らしたうんちを体中にネリネリしていました。

 

【画像】ぐるぐる回った際に家具で鼻を何度も強打しできた傷

 

体中うんちまみれになった寝たきりのメープルを、一人で風呂で洗うこともできないため、お湯を汲んできて脱臭機2台を全開にし、少しずつ汚れた体を洗っていました。下痢の時は綺麗に掃除した瞬間にまた漏らしてしまい、再度掃除というのを数日間、深夜に4~5回繰り返したこともあります。汚れたトイレシートなどのごみの量もかなり増えました。このあたりで、人間の負担が精神的にも一気に重くなりました。

 

この頃は絶対に下痢をさせないこと、そして前肢が何とか動くうちは、男性なら担いででも外に出して排泄させる方がいいです。前肢は立つことができたので、片手でタオルを使用して腹部を持ち上げ、もう一方の手で腹部を刺激して排泄をさせていました。でも女性の場合は片手で腹部を持ち上げ、片手で排泄を促すというのは体力的に厳しいと思います。自分の力で立てない大きな犬を片手で制御するのは非常に困難でした。

 

 

精神的ストレスとの闘い

【画像】室内での洗浄仕上げの様子

 

メープルの寝床は、6畳1間を使用していました。人間用のほどよい反発のマットレスを2枚並べて敷き、マットレスが濡れないよう1畳タイプの大きい使い捨ての介護用防水シートを敷いていました。しかし防水シートは紙製で前足でひっかいてボロボロにしてしまうため、保護用にその上に薄めのじゅうたんやシーツを敷いていました。

 

おむつか使えないため、すぐに汚れてしまい毎日大量の洗濯物が出ました。メープルは床ずれの痛みか、寝たまま用を足すのが苦しいのか、または何かしら不快なのか、昼夜問わず鳴きわめくようになっていました。夜中に水を不定期に飲ませ、おしっこや下痢便を漏らすと床ずれ部分に当てている綿から患部に入り込んでしまうため、化膿しないよう念入りに患部の消毒をしていました。

 

ほとんど眠れない日々が延々と続き、疲労もピークに達していました。この頃は冷静になるよう、過去の楽しかった日々を振り返り、メープルに恩返ししたい、お別れするよりは今のままでいい、と考えるようにしていました。

 

ほどなくしてメープルは15歳を迎えました。メープルは昼夜問わず鳴きわめくため、考えられる不快な要因を取り除きましたが、それでも鳴くことをやめませんでした。

 

【画像】筋肉まで見えていた床ずれ

 

皮膚に大きな穴が開き、筋肉組織が完全に見えていて正直気持ち悪いし、メープルも痛くて鳴き叫ぶ。メープルが可哀想で可哀想で心が折れそうになるが、それでも介護は待ってくれません。心を鬼にして傷口に入った糞を取り除いたり消毒したりと介護をしている時、本当に本当に辛かった。「安楽死」という言葉がちらついた。介護をする前の自分では信じられない言葉でした。

 

 

カウントダウン

 

メープルは相変わらず前肢でくるくる回り、うんちネリネリが続いていました。鳴き止まない声と糞尿処理。近所迷惑になっていないかと気になり、病院の勧めもあり、夜は睡眠導入剤を与え始めました。寝る時間の増加に比例し、とうとう前肢も弱ってしまい動かなくなりました。

 

前肢が動かなくなり床ずれはそれ以上広がることはありませんでしたが、完全に動けなくなったため、一気に体力が低下しました。

 

この時点で、お別れのカウントダウンが始まったように思います。この状態は3ヶ月ほど続きました。やはりターニングポイントは床擦れだったのではと思います。どんなことをしてでも回避していればもう少し…と悔いが残ります。

 

ある日突然、水を飲んでも食道で止まってしまい、呼吸に合わせてうがいをしたような音が響きました。これは内臓の衰えの症状で、水を飲み込めなくなったということ。食欲がなくなると、目は虚ろで窪みだし、呼吸は苦しそうに全身でするようになりました。「メープル」と名前を呼んでも、目が合わなくなりました。

 

 

 

その2日後だった。

 

メープルは、お星様になった。

 

 

超大型犬を家族に迎えること

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

関連記事:【犬の介護】大型犬を家族に迎える覚悟(1)~介助が始まるまで

 

 

Twitter:サラメー★動物とマリノス

 

 

ライター:サラメー★

 

※この記事は、サラメー★さんのツイートを元に、サラメー★さん監修の元編集したものです。

 

 

 

【老犬の介護】大型犬を家族に迎える覚悟(1)~介助が始まるまで

愛犬情報

犬種:ボルゾイ

病名・症状:眼振、後肢不具合、ナックリング

発症年齢:8歳(眼振)、11歳(後肢不具合)、13歳(ナックリング)

発症の経緯:老化

治療法:自宅ケア

 


 

我が家に超大型犬ボルゾイのメープルが来たのは、2002年。

2018年、15歳でお星様になるまで、私達の大切な大切な家族でした。

 

犬を飼うことは簡単にできます。小型犬は女性でも片手で抱っこできますし、年老いて介護が必要になった時、精神的に苦しいことは同じだと思いますが、大型犬の場合は、肉体的・体力的にも非常に大変になります。人間と同じくらいの大きさ・重さの犬は、男手がないと動かすことも容易ではありません。私が出張などで不在の際は、妻が大苦戦し腰を痛めましたし、犬の床擦れもひどくなってしまいました。

 

若き日は若き日で大変なことはたくさんありますが、そこは可愛いので何とかなります。問題は要介護になってから。半端な気持ちでは絶対に無理です。

 

ここに、私達の大切な家族であったメープルの介護記録を記しました。私達が経験したことをそのままお伝えします。

 

今、超大型犬を家族に迎え入れる検討をされている方へ。

獣医療が進歩し、犬も長生きになり、晩年は人間と同じように介護が必要になります。

ボルゾイオーナーではなくなった今、実際に自分が経験した苦労や問題点を少しずつ思い出した都度、お伝えしていこうと思います。ボルゾイならではの苦労もありました。

 

「超大型犬を介護すること」とはどんなことなのか、それを知った上で家族として迎えるか検討してください。最期まで家族でいてあげる強い気持ちと環境があるかどうか、どうか慎重に考えてください。

 

 

楽しかった成犬時代

【画像】メープル3ヶ月の頃

 

1歳の時に肺気胸で瀕死になり、私達家族も早い別れを覚悟しました。何とか持ち直してくれてからは、肺の強化をやや意識し、イタズラ防止のため運動で疲れさせて寝かせたり、部屋の温度はメープルに合わせ夏でも人間が毛布にくるまっていたくらい、とても可愛がりました。

 

超大型犬であるボルゾイの平均寿命は8歳前後。メープルはピーク時体高86㎝、体重47㎏とボルゾイの中でも最大級の大きな子でした。共に過ごせる期間を精一杯楽しもうと、ドライブやイベントに行ったり、旅行に行ったり都心に繰り出したり、可能な限り家族として同伴させ、「今」を楽しみました。

 

散歩は私が早朝に出勤前にメープルが疲れ果てるまで土手で爆走を繰り返させ、夕方は妻が犬の集会に顔を出し遊ばせ、夜は寝る前の散歩。嵐でも必ず外で走らせました。

食事は1日2回、安いドッグフード主体でしたが留守番時は勝手に冷蔵庫を漁って人間の物も食べていました。ですので、フードへのこだわりもほとんどありませんでした。良く食べ良く動き良く寝るの若き日。

 

メープルが8歳の時、不定期に眼振が出るようになり、10日ほどで治まることが年に2回ほどありました。眼振がある時は、首を傾げた状態になり歩行や食事が困難になりました。原因はおそらく脳の老化。家族2人がかりでメープルを支えながら庭に出し、腹部を刺激しトイレをさせていました。

 

超大型犬は、1人ではなかなか介護が難しく、何とかメープルの足腰を支えて介護することもありましたが、この時は「介護靴」の存在も知らず、今思えばこのタイミングから履かせて慣れさせておけばよかったと思いました。

 

少しずつ不具合が出始めているものの、メープルは私達と共に過ごしてくれました。

 

 

できないことが増えていく

 

11歳くらいの時、散歩をしていると、まれに腰が抜けたように一瞬後肢側が沈むような状態になり、それ以降少しずつその頻度が増えていきました。そして、今までは軽々と飛び乗っていたワンボックスカーの後部貨物部に飛び乗ることができなくなりました。

ここで介護用品を本格的にそろえるつもりでしたが、ボルゾイの深い胸元とクビレ、長い足に合う介護用品は皆無でした。

超大型犬サイズのサポート用品は、胸から腹部を包んで持ち上げようとしても、胸元は届かず、届いたとしても腹部がスカスカになりました。お尻だけ包んで持ち上げるタイプのものは、今度は体が薄いため、腹部を上げる動作をすると股の付け根に食い込み、1点集中で負荷がかかり内出血してしまいました。

 

結局、バスタオルをお腹に巻いて、肩手で吊るしながら散歩することになりました。おかげで私たちの腕の筋肉は散歩後は毎回限界状態でムキムキになりました。このような状態でもまだ後肢が少しでも動くので外に連れ出すことは何とかなっていました。

 

一方のメープルは、どんどん筋力が弱まり、立ち上がるのも勢いをつけてでないと難しくなってきました。幸い食欲はあったので、運動量が減ってしまった分、肥満防止のため1日1回の食事とおやつ(豚耳など)となりました。

 

そして13歳くらいで、後肢にナックリングが出始め、足首が伸びた状態で地面に擦れるため指先から出血することがありました。ここで特大サイズの介護靴を買いました。しかし靴を履かせるタイミングが遅く、すでに足首の曲がりが甘くなってから履かせたため、ただでさえ不慣れで嫌がるのに、靴の型に力が負けてしまい、常時足首が伸びた状態になり、逆に危険を伴うことになりました。靴を履いていても爪先部分を引きずりながら歩くため、靴にすぐに穴が開いてしまい、消耗品として出費もかさみました。

 

この介護靴も、超大型犬でもピレネー犬などを想定しているのか、足が細く甲の長いボルゾイの足には全く合わず、横幅がスカスカ。また靴上部の固定バンドが関節まで届かずすぐ脱げてしまうこともありました。

もしボルゾイの飼い主さんがおられたら、健康な早いうちに合う靴を探すか、オリジナル品を制作するか、いずれにしても靴に慣れさせておく方がいいと強く思います。

 

 

体の不具合と介助

【画像】メープル14~15歳の頃

 

とうとう靴をフィットさせることができないままメープルは14歳を迎えました。

バスタオルで体を支えての散歩は相変わらず続けていましたが、長時間、足が浮くくらい持ち上げ続けることは困難で、メープルの指先は流血してしまいました。テーピングでカバーしようとしても、すぐにボロボロになってしまいました。

メープルの体力が弱まっていくと、長時間の散歩はどう尽力しても困難になりました。その頃は自力で起き上がるのも時間がかかり、前肢で上半身を起こし、後肢は引きずるようにして立ち上がっていました。

水を飲む際には脚が震えだし、この時点でかなり高額でありましたが、歩行補助機をオーダーメイドで製作しましたが、歩行補助機自体がメープルのサイズですので重いこと、足腰が弱り切ったメープルを一人で補助機ににセッティングすることは難しいこと、興奮すると必ず眼振が現れたため危険と判断。結局歩行補助機は使わずにボランティア団体に寄贈しました。

【画像】ほとんど使わなかった歩行補助機

 

◎歩行中にナックリングが出始めたら、また指先から出血していたら、歩行補助機を使用することをおすすめします。

◎自力で立ち上がれる最後の段階で、床ずれ防止策を真剣に考えた方がいいです。

 

床ずれは何より痛みがひどく、自分で動くことのできない愛犬を苦しめてしまいます。また、飼い主も床ずれがあると介護の難易度が高まります。床ずれを発症すると、人間も犬も精神的にも体力的にもとても大変になります。薬代も半端ではありません。

※床ずれについては(2)で詳しく記述します

 

この頃のメープルは、前足にはまだ力があったため立ち上がることができました。ただ、少しでも自力で動けることで、不在時などにひとりで移動して玄関の段差に転げ落ちてしまい、帰宅すると逆さまの状態で糞尿まみれになっていたこともありました。正直この頃が一番気疲れしました。

 

 

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ライター:サラメー★

 

※この記事は、サラメー★さんのツイートを元に、サラメー★さん監修の元編集したものです。

 

避妊手術について考える ~老犬の子宮蓄膿症の治療について

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックスフンド

病名・症状:子宮蓄膿症

発症年齢:15歳

発症の経緯:ヒートの症状 食欲不振 陰部の腫れ エコー検査で子宮内に液体が映った

治療法:ホルモン注射(内科治療)⇒手術

 

 

避妊手術を受けなかった理由

 

我が家は雌2頭とも、不具合が出るまで手術を受けていませんでした。

手術を受けなかった理由は、一番は体にメスを入れることに抵抗があったからです。卵巣はホルモンを作りだし分泌する役割のある臓器。女の子にとってホルモンはとても大切なのに、病気にならないようにという理由で若いうちに取ってしまうことに抵抗がありました。

結果次女ニコは12歳で乳腺腫瘍が見つかり、その時に子宮と卵巣も取りました。クリンは15歳で子宮水腫になり、17歳9ヶ月で手術をすることになりました。

2頭とも、子宮に不具合があったため、避妊手術の適応にはならず、費用は十数万円かかりました。

 

一方、雄1頭は、1歳を迎える前に去勢手術をしました。理由は、いくつかあります。ひとつは、女の子たちの避妊手術をしていなかったこと。そしてもうひとつは、女の子よりもリスクが低いと考えたからです。

 

今振り返ってみて、我が家の3頭の去勢避妊手術について後悔しているかと聞かれると、うちはこれでよかったと思っています。

もしこれから新しく愛犬を迎えるとした場合、その子が女の子なら、おそらく今の2頭と同じように不具合が出たら手術をすると思います。ただクリンのように、かなりの高齢になってからだとリスクは高くなってしまうので、不具合が出なかったとしたら、おそらく15歳くらいまでにするのではないかと思います。

もし男の子の場合、1頭だけ飼うならもしかしたら手術は先送りにするかもしれません。ただ男の子は権勢症候群など毎日の生活に支障を来たしてしまうようなこともあるので、性格によっては早いうちにしてしまうかもしれません。

 

避妊手術の場合、抜糸まで約2週間かかるのに対し、去勢手術の場合はエリザベスカラーさえつけませんでした。去勢手術の方が簡単でオペ時間も短いです。

男の子も女の子も手術するということに変わりはありませんが、できるだけリスクの少ない方を選択すると思います。

 

でもこれは、あくまでもわたし個人の意見で、どんな選択でも飼い主さんが愛犬のことを思い決断されたことは、一番の選択だと思います。早く手術することでのメリットもあればデメリットもありますし、不具合が出てからの手術もメリットデメリットがあります。

今回は、高齢で子宮の不具合が出てしまった場合、避妊手術をしなかった「デメリット」についてお話をさせていただきます。

 

 

ハイシニア犬の子宮水腫の治療について

 

我が家の長女クリンの子宮の不具合が見つかったのは15歳の時。12歳を超えてからは年に一度くらいのヒートが、半年に一度ペースになり、食欲不振がさらに悪化した時に、病院の検査で発覚しました。エコーで確認すると、子宮内に血液ではない液体がありましたが、血液検査の結果と、陰部から膿が出ていなかったため、この時は子宮の中に水がたまる「子宮水腫」という診断でした。

子宮蓄膿症は、重篤化すると死亡するリスクも非常に高い病気です。避妊手術をすれば蓄膿症に罹患することもなく、また発症しても取ってしまえばすぐに完治するのですが、クリンの年齢的にも手術はリスクが高いということで、内科治療をすることになりました。これが後から大事になってしまうことになるのですが、この時はこれが最良の選択だと思っていました。

 

クリンの場合、何かあるとすぐに食欲に影響します。子宮水腫を発症した時も、食べムラから発覚しました。

当時通っていた病院の先生は、大学病院で長く研究をされていて外科治療の経験も豊富とのことでした。親切で飼い主がわかるように説明してくださる先生で、その時は絶大な信頼を寄せていました。

高齢で麻酔のリスクが高いということで、積極的治療ではなく、内科的治療をしようということになり、「アリジン」という黄体ホルモンを後退させる注射で様子を見ようと提案してくださいました。アリジンは大きな副作用もなく、老犬でも安心な治療法であるということでしたので、その治療法を選択することにしました。

 

 

犬の子宮蓄膿症

 

【原因】

発情後の黄体期(免疫力が低下します)に細菌が子宮内に、進入し増殖しておこります。卵巣のホルモン分泌バランスが悪いとおきやすい。今まで、しばらく生理がなかったのにしばらくぶりできた後は要注意です。原因菌は大腸菌、ブドウ球菌、サルモネラなど様々です。

 

【症状】

はじめは無症状。病態が悪化するにつれ元気、食欲の減退、吐き気などが現れる。陰部より膿がでてくる場合もあるが、まったくでない場合もあり。出ない方がより深刻。多量の膿がたまった場合腹部が膨らむこともあり。
多くの症例で多飲多尿がみられる。子宮が破れて、腹腔に細菌が漏れ出た場合、腹膜炎をおこし、短時間で死亡します。

出典:アイリスペットどっとコム


 

アリジンは1回目の接種の24時間後に2回目を接種します。(3回の場合もあります)

費用は1回の接種で約1万円。2回だと2万円になります。

初めて注射してもらった時、食欲も徐々に戻り、目に見えて効果を感じることができました。その後もヒートのような症状が出たり、食欲不振に陥ったりすると病院で検査を受け、エコーで子宮内に水があったり腫れが見られたらアリジンを注射する、ということが約2年続き、年2~3回くらいのペースで注射をしていました。

 

 

その後の経過

 

初回~2回目くらいは目に見えて効果を感じたアリジンですが、徐々にあまり変化を感じなくなりました。クリンは15歳8ヶ月の時に膵炎の疑いで入院したのですが、炎症数値が下がっても食欲が戻りませんでした。その時も少し陰部が腫れていたのでアリジン注射をしてもらいましたが、まったく食欲は戻りませんでした。約2週間の入院で、入院中はほぼ強制給餌で過ごし、先生からは「このまま食欲が戻らないと死んでしまうかもしれない」と宣告されるほどひどい食べムラが続きました。

元気はあるものの食べないという日が続いたため、炎症数値が一旦落ち着いたタイミングで退院し、帰宅したらご飯を食べるようになりましたが、その後もヒートのような症状と陰部の腫れは続き、食欲不振との闘いは続きました。

 

食べムラは続いていましたが、何とか元気に16歳の誕生日を迎えることができました。

陰部が腫れることはたびたびありましたが、原因はわからずでした。病院では抗生剤を注射してもらったり、点滴を受けたり、アリジンを注射してもらっていましたが、症状や状態が大きく改善することはありませんでした。

クリンは胆泥症と、16歳の後半くらいから心臓に雑音が出始めたので、肝臓と心臓の薬はずっと飲んでいました。退院後は大きく体調を崩すこともなく、クリンは17歳になりました。

原因がはっきりしないまま続く食べムラ、状態は変わらないのにかかる医療費。クリンは元気そうではありましたし、年齢を考えた時に維持できていることはとてもありがたいことでしたが、「いつ急変するかわからない」という漠然とした不安はずっとぬぐえないままでした。

クリンが17歳を迎えた頃から、ずっとセカンドオピニオンについて考えていました。このままだとクリンは良くならないのではないか、とずっとどこかで思っていたんです。でもそれまでお世話になっているし、救ってもらったから、となかなか決断できずにいました。

 

セカンドオピニオンについての関連記事

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【セカンドオピニオン】わたしが転院した理由(2)

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転院先での診断

 

このままではダメだと思い、セカンドオピニオンを受けることにしたのは昨年の10月。強い食べムラが出て病院でアリジンと抗生剤を打ってもらった直後でした。

セカンドオピニオンを受けた病院で、まず最初にいわれたことが、

「なぜ発症した15歳の時にすぐに切らなかったの?」でした。

子宮の病気は、高齢であればあるほど拗らせやすく、完治することはほとんどないそうです。そして、気づいた時にすぐに手術をしてしまうのが一番リスクが低いといわれました。

確かにその通り、と思いました。もし15歳ですぐに手術していれば、こんなに長引かせずに済んだかもしれない。こんなに苦しい思いをさせなくてすんだかもしれない。こんなに悩まずにすんだかもしれない。

 

手術のリスクは何歳であってもありますが、悪性腫瘍など、すぐに切らないと命に関わるような大きな病気の場合と違い、慢性化して投薬で何とか逃げられるような病気の場合は、どうしても先延ばしにしてしまうことが多いと思います。

わたしもそうでしたし、もし病院を変わっていなければ、今も手術をしていないと思います。

 

これは選ぶ病院にもかかわることだと思いますが、老犬にとって子宮蓄膿症はとても怖い病気です。

冒頭でもお話しましたが、病院によっては最初のヒートが来る前に手術を勧めるところもありますし、もう少し大きくなってから手術した方がいいという獣医さんもおられると聞きます。

それぞれの考え方があるので、どれがいいと断言することはできませんが、うちの場合はもしかしたら避妊手術をしていなかったから元気に過ごせたのかもしれない、と思っています。ただ、ある一定の年齢になったら、子宮の不具合は命に関わる病気になってしまう恐れもあるため、何か不具合がでたらすぐに手術をした方がいいと考えます。

 

 

術後から現在まで

 

手術は無事成功しました。シニア犬の場合、術後の経過も怖いといわれていましたが、手術が終わって帰宅してすぐに元気に歩き回る姿を見て、とても嬉しかったです。食欲はなかなか戻りませんでしたが、術後初めて食べ物を口にした時はうれし泣きでした。

クリンの場合は子宮だけでなく、歯にも不具合があったんですが、無事18歳の誕生日を迎えることができました。

最近は少しお腹の調子を崩したりしていますが、転院する前と比べると、不具合がなくなったんだろうなと思えるほど元気に過ごしています。

 

犬は痛みに強い、とよく聞きます。その痛みに強い犬が痛がるというのは、かなりの痛いがあるのだと思います。クリンは子宮にずっと痛みがあったようで、転院先で触診してもらって初めてわかりました。

避妊手術を受けるタイミングはそれぞれ。かかりつけの病院にもよると思います。

ただ、手術を受けていなくて10歳を超えたら、具体的に考えた方がいいと思います。あとになればなるほどリスクは高まりますし、ただの避妊手術だと数万円ですが、病気を発症してしまうと手術代は数十万円に跳ね上がります。

そして年齢が高いほど、術後のケアも長引き、医療費はかなりの金額になってしまいます。

 

もしまだ避妊手術をしていないシニア犬の飼い主さんがおられたら、14歳を超えたらたとえ不具合がなくても定期的に獣医さんに診てもらうことをおすすめします。子宮蓄膿症は早期発見できれば、怖い病気ではありません。でも、あっという間に重篤化することもある病気でもあります。特にハイシニアの場合は、抵抗力の低下によりあっという間に悪くなってしまうこともあります。

 

 

 

ライター:福井 惠子

 

【避妊・去勢】どちらが正解?

 

私の愛犬は未去勢でした

 

愛犬の避妊・去勢について、悩んだことは無いですか?
私は愛犬Mackと暮らし始めた頃、まだ小学六年生だったので全く考えたことが無いのですが、大人になるにつれて何度も去勢について悩んでいました。

入籍してから、私がMackの保護者になったのですが、その時Mackは10歳。
Mackと暮らし始めたとき「6歳から老犬」と飼育本に記載してあり、平均寿命も12~14歳ほどと記載してあった記憶が強く、10歳での全身麻酔は恐ろしくて、知識が増えた頃には正真正銘立派な老犬。

結局亡くなるまで去勢させることはありませんでした。

 

今思えば10歳の頃のMackなら全然去勢可能であったと思うし、その後に何度も前立腺肥大になり血尿が出たりしたので、Mackが15,6歳になる頃には「やればよかった」と思っていました。

 

 

何故決断できなかったのか

 

先に少し触れたように、10歳はかなりの高齢であると思っていたことと、Mackは15歳くらいまで特別大きな病気をしたことが無かったので手術の経験もなく、私の祖父が全身麻酔での手術ののち、完全覚醒できずボケていってしまったのを幼い頃に見ていたのもあり、全身麻酔に大きな恐怖感を持っていたのでした。
勿論獣医にも何度か相談したことはありますが、Mackは停留睾丸であったこともあり「リスクが全くないというわけではない」という言葉に、踏ん切りがつかなかったのです。

 

停留睾丸

 

 

停留睾丸(潜在精巣とも言う)とは、子犬の頃お腹の辺りにある睾丸が成長と共に股の間に降りてくるはずが、両方・または片方しか降りきていない状態の事。生後六か月ごろに気づくことが多い。
(Mackは片方しか降りてきていなかった。)

 

 

メリット・デメリットを考察してみる

 

避妊・去勢をした場合の一番わかりやすいメリットはやはり病気のリスクが減るという事でしょう。
女の子の場合は子宮の病気が。男の子の場合は前立腺や睾丸の病気を予防することが出来ます。

そして、やはり女の子の場合はヒートが無くなります。望まない妊娠を防ぐこともできます。
ヒート中はお店やドッグランに連れていけない、病院の待合室で待つのは好ましくないなどの不便があります。
男の子がヒートの臭いを嗅ぎつけて興奮してしまうからです。
未去勢のMackも、目が見えなくなってからもヒートの臭いを見つけるとグングン進み、ヒート中の子の家の前まで行ってしまうこともありました。

男の子は去勢をしたらヒートの子に過激に反応することもなくなり、その子によりますがマーキングも減るでしょう。

メリットを考察してみると、男の子よりも女の子のほうが多いように感じますね。

 

ではデメリットは?
繁殖が不可能になり、太りやすくなる。
手術自体に耐えられない・手術に伴う不調を起こす場合がある。
性格が大きく変わることがある。

こんなところでしょうか。
メリット・デメリットを考えると、メリットの方が多いようですね。

 

 

「どちらが正しい」は無い

 

 

結局、どちらが正しいかというのは決まっているわけではありません。
愛犬のことを決めるのは飼い主さんですから、他の方が自分の意見を押し付けるのも私は違うと思います。

ただ、避妊去勢をすると特定の病気のリスクが無くなるのは事実。
子宮の病気といって一番浮かびやすい子宮蓄膿症は死亡することもある病で、それは避妊することで避けることが出来ます。

本には「避妊・去勢をした犬は寿命が一年伸びる」と書いてあることもありますが、Mackは18歳まで頑張ってくれました。
去勢していたら19歳まで生きることができたかもしれないけど、同じ結果かもしれません。

 

ただ、「したほうが良かった」と後で少しでも思う可能性があるのなら、したほうがいいと思います。
私はこれから犬を迎える時は避妊・去勢は受けさせるつもりでいます。
なぜかというと、高齢になって前立腺肥大を何度も繰り返した結果、去勢が二度できるほどの費用がかかったことと、去勢しておけば前立腺肥大で何度も嫌な思いをさせる必要が無かったと思うからです。

2,3万ほどで愛犬の老後の安心を買えるのなら、個人的には安いのかなと感じます。
ですが、先程も言ったように正解はないし、飼い主さんが決めることで、他人が口を出すことでは無いです。

愛犬の性格や様子を加味しながら、その子にとって一番の答えを出してあげられたらそれでいいのかなと感じます。

 

 

ライター:奥村 來未

 

 

【ドッグフード】愛犬の「食」を考える(2)~添加物とうまく付き合おう

わたしたちの体は、細胞でできています。細胞は水分やタンパク質などで構成されています。細胞をつくるのは口から入れる栄養素で、細胞の質~体の質といえます。

質の良い(丈夫な)体をつくるには、質の良い栄養素を摂ることと、バランスの良い食事を摂ることががとても大切です。

摂れたての野菜や魚など新鮮なものをずっと摂れるならいいのですが、実際非常に難しいです。

そこで、生ものを腐りにくくしたり、そのままではおいしくないものをおいしく感じるようにするために、「添加物」を使用して食品を加工しています。

添加物=体に悪いもの、と思いますが、添加物にもいろんな種類があります。今回は自分がドッグフードや犬用おやつを選ぶ時に気をつけていることをお伝えしたいと思います。

 

 

食品表示法について

 

冒頭でもお話しましたが、口から入れるもので体の質は大きく変わります。これは人間も愛犬も同じ。ペットブームと共にフードの質は格段に上がり、中には人間が食べても問題ないヒューマングレードと言われるフードもあります。ペットフードの質が上がったことで、10年前と比べて犬の寿命は飛躍的に伸びています。

しかし、質の良いドッグフードや犬用おやつがある一方で、人間が食べることが禁じられていて、人用としては決して使用できない添加物を使った安価なフードもあります。

 

食べ物は、「食品表示法」という法律で守られています。食品表示法とは、消費者が食品を安全に選択し摂取できるよう決められた法律で、名称・アレルゲン・保存方法・消費期限・原材料・添加物など、食品を加工する際に使用したものを表示しなければならない、というものです。


食品の表示は、これまで複数の法律に定めがあり、非常に複雑なものになっていました。このたび、食品衛生法、JAS法(旧:農林物の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)及び健康増進法の3法の食品の表示に係る規定を一元化し、事業者にも消費者にもわかりやすい制度を目指した「食品表示法」が平成27年4月1日から施行されました。

参考文献:食品表示法ができました! 東京都

 

ちなみにペット用フードは別に法律があります。それがペットフード安全法といわれるもので、管轄は環境庁になります。


愛がん動物用飼料(ペットフード)の製造等に関する規制を行うことにより、愛がん動物用飼料の安全性の確保を図り、もって愛がん動物(ペット)の健康を保護し、動物の愛護に寄与することを目的とする。

参考文献:ペットフード安全法の概要(環境庁)

 

昔と比較すると、ペットの位置づけはかなり向上していると思いますが、ペットフード=「飼料」なんですよね。これをみると、まだまだペット=家畜という感覚が強いと感じてしまいます。

 

 

食品表示と添加物

 

フードを選ぶ時、必ずチェックするものがあります。それはパッケージ裏面に書いてある「食品表示」です。

2009年6月に施行されたペットフード安全法は、ペットフードの製造に使用した添加物の記載が必要ですが、加工した肉などに含まれる添加物の表示は義務付けられていません。

言い方を変えれば、その商品の製造の段階で使った添加物しか表示しなくて良いということなので、加工肉を加工する過程でどれだけ添加物をつかっていても、それは一切表示しなくていいんです。

関連記事:【ドッグフード】愛犬の「食」を考える(1)~わたしのドッグフードの選び方

 

 

 

ペット用フードには、人用食品では使用が禁止されている添加物が使われていることがあります。

こちらは我が家の愛犬クリンが好んで食べる、ある大手メーカーの砂肝ジャーキーの表示です。

 

砂肝以外は添加物であることがわかります。

ソルビトールは甘味料として、グリセリンは保湿剤・軟化剤・保湿剤として、プロピレングリコールは保湿剤・乳化剤として、リン酸塩は結着剤・乳化・変色・沈澱・乾燥防止、味の調和、食感向上として、亜硝酸ナトリウムは発色剤として使用されています。

この中で毒性が強いといわれているのが、亜硫酸ナトリウムです。

亜硫酸ナトリウムは、「発色剤」です。発色剤とは、綺麗に発色させるための添加物です。では何のために綺麗に発色させているのでしょう?

 

答えは、商品を購入する「飼い主向け」なんです。犬にとって匂いは重要な情報ですが、色は犬にはあまり関係ありません。犬にとって必要な添加物ではなく、ただ人間が見て「おいしそう」に見えるために使われているんです。

このように、品質保持等の必要な添加物ではなく、犬にとって不必要な添加物はできるだけ避けた方がいいと考えます。

 

添加物すべてを否定してしまうと、市販されているフードやおやつなどから選択するのは非常に難しくなります。すべてを手作りフードでまかなうとなると、飼い主さんの負担はかなり大きくなります。必要な栄養素をすべて把握し、愛犬の体重に合わせて配合し…と考えただけで大変だとわかります。

愛犬に健康で長生きしてもらうためには、良いフードを選ぶことと、添加物とうまく付き合うことだと考えています。

そのためには添加物の危険性を知ること、それは本当に必要なものなのか、を考えることが重要だと思っています。

 

 

 

避けた方がいい添加物

 

高い発ガン性の添加物は、石油でできているものもあります。中には工業用機械に使う油が、ペット用食品の添加物として使われていることもあります。

最近のペット用食品は、無添加や添加物ゼロといったキャッチを売りにしている商品が増えています。これは以前の記事にも書きましたが、裏面の食品表示を確認し、肉類やミート・ミール系が使われていたら、やめた方が無難です。

 

添加物にも危険性が低いものから高いもの、また全く必要のないものもあります。ここでは、避けた方がいいといわれる、体に毒になってしまう添加物を紹介します。

 

亜硫酸ナトリウム(発色剤)

 

発色剤は、食品添加物の中でも急性毒性が非常に強く、肉や魚に含まれるアミンと結合すると、ニトロソアミンという発ガン性物質になる可能性が高いそうです。

少量をたまに摂るくらいならさほど問題はないと思いますが、摂り過ぎは病気の原因になることもあるので気をつけた方がいいです。

※現在は、人間用食品では使用を制限されているようです。

 

合成着色料

 

これは石油由来の「タール色素」といわれるもので、タバコの発ガン性物質のタールのことです。着色料は人が見ておいしそうな色にするために使われていて、これも犬には全く必要のない添加物です。

赤色〇号、黄色〇号、青色〇号などは、すべて合成着色料です。

 

ソルビン酸・ソルビン酸カリウム

 

これはよく使われている保存料ですが、ガンや免疫障害の原因になるともいわれています。亜硝酸ナトリウムと一緒にとると発ガン性のリスクが高まる疑いもあるといわれています。

保存料が入っていないと、日持ちしなくなります。しかし安価なおやつなどには、亜硫酸ナトリウムとソルビン酸どちらも添加されている場合があります。

 

 

質と値段

 

今回ご紹介したのはごく一部のもので、他にも毒性のあるといわれる添加物はたくさんあります。

こんなに危険性が高いのに、なぜ使われていのか。それは、原料の値段が安いからです。

無添加のジャーキーなども一時よりかなり安価になり、ホームセンターでもたまに見かけますが、圧倒的に安いのは有名ペットメーカーの肉類などを使ったおやつです。

本当は体に害の少ない、植物由来の酸化防止剤(ローズヒップなど)などを使っていると安心なのですが、ローズヒップという原料そのものが高い、成分を抽出したり精製するのに手間がかかる…このような理由から、原料の値段はグンと高くなってしまいます。

 

たまに食べるおやつに多少添加物が含まれているくらいなら、目くじらをたてる必要はないと思いますが、主食であるドッグフードは、ハイリスクな添加物が入っていないものを選ぶ方が、病気になるリスクが圧倒的に低いといえます。

一番安心できるのは手作りですが、犬に必要な栄養素を全て数値化し、それを食べ物に置き換えて量を算出し、それらをバランスよく配合して食べ切れる量にする…考えただけでものすごい手間と労力と時間がかかります。

そう思うと、やはりドッグフードはわたしたち飼い主にとって、とても便利なんですよね。

 

 

添加物とうまく付き合おう

 

体は毒を分解し、排泄物として体外に出すようにできています。

しかし毒性の高い添加物を毎日摂り続けると、毒素を分解・排出する肝臓や腎臓に負担がかかり、肝臓疾患や腎臓疾患になる可能性が高くなります。

おやつは毎日与えるわけではありませんが、主食となるドッグフードはできるだけ質の良いものを与える方が、シニア・ハイシニアになった時に変わってくると考えています。

病気になるのは、様々な要因があります。遺伝性は避けられませんし、シニアになれば様々な不具合が出ますす。どれだけ気をつけていても、絶対に病気にならないという保証はありません。食事だけが病気の原因ではないと思いますが、人間でも添加物まみれの食事をずっと続けていると病気になったりします。

 

我が家では食べるものはかなり気をつけていましたが、それでもクリンは14歳で胆泥症になりましたし、ニコは12歳で乳腺腫瘍の手術をしました。

 

口から入れるもので体の質は変わります。

毎日食べるフードを見直す、たったこれだけでも病気のリスクをかなり減らすことができると思っています。

あまり神経質になりすぎて、あれはダメこれもダメ…になると、食べるものがなくなってしまいます。うちのクリンも、食べムラが出ると、加工してあるおやつを食べたがりますし、食べムラが出た時のために亜硫酸ナトリウムや香料の入ったおやつを常備しています。

 

加工食品は、無添加のものより断然美味しいんですよね。なので用途に応じて使い分けるなど、バランスで考えるようにしています。
添加物も多少は仕方ない。その代わり、できるだけ害のないものを選ぶようにする。

食べムラのある時は、食べることを最優先し、添加物を使っていても嗜好性の高いものを使う。でも毎日食べるドッグフードは、極力添加物をを避け、害の少ないものを選ぶ。その時々の体調や状態により、うまく付き合っていこうと思っています。

 

体の質は食べるもので決まる。これはわたしたち人間も動物も、基本同じです。年齢と共に代謝は落ち、毒素や不要な老廃物がどんどん体内に蓄積されていき、それが病気の元になってしまうこともあります。わたしたち飼い主ができることの中でも、愛犬の食生活は健康に直結することです。

 

可愛い我が子に元気で長生きしてほしいのは、飼い主みんなの願いです。

 

よかったら、フードやおやつの裏面をチェックしてみてくださいね。

 

 

ライター:福井 惠子

 

関連記事:【ドッグフード】愛犬の「食」を考える(1)~わたしのドッグフードの選び方

 

 


【ドッグフード】愛犬の「食」を考える(1)~わたしのドッグフードの選び方

我が家の愛犬クリンは、14歳になるまで持病というものがありませんでした。また次女のニコも12歳で乳腺腫瘍がわかるまでは元気いっぱいでした。

「その歳まで大病していないなんて、いいね」「どんなことに気をつけていたの?」

そんな風に声をかけていただくことがあります。すごく特別なことをしているわけではないのですが、気をつけていたのは「食べるものを選ぶ」ということです。

とはいえ、すべて手作りで作っているとか、オリジナルで作ってもらっているとかそんな大げさな話ではなくて、自分の知る知識の中で、市販のドッグフードや犬用おやつの選ぶ基準を持っているだけなんです。

 

 

原材料表記は必ずチェック

 

前職で人間の体のしくみなどを勉強していて、そこでサプリメントや健康食品などの商品開発に少し関わることがありました。その際原料メーカーの方から、原材料や原材料表記などについて教えてもらいました。そこでそれまでほとんど知らなかったいろんなからくりがあるということがわかりました。

それ以来、ドッグフードやおやつなどを買う時には必ず「原材料表記」をチェックするようになりました。

 

この原材料ですが、知るととても恐ろしいものもあります。我が家でよく使っているドッグフードの原材料表記を参考にしてみます。

原材料は、多く含まれる順に記載されています。

このフードの場合、一番多く含まれているのが「子羊肉」、次いで「米」「玄米」となります。

このフードを選んだのは、食用肉が使われていること、原材料の中に毒となる添加物が含まれていなかったからです。ハイシニアでも食べやすい超小粒サイズだったのもありがたかったです。

健康の基本は「食べること」「出すこと」「運動すること」です。これに気を付けるだけで、体の状態はかなり変わると考えています。

 

我が家の長女クリンは15歳から強い食べムラがあり、食べてくれるドライフードがなかなかありませんでした。嗜好性の高いフードは大抵添加物が入っていて、それでもなかなか食べない状況だったので、無添加のプレミアムフードはまったくといっていいほど食べてくれませんでした。

お菓子等と一緒で、無添加の味付けの薄いものより、味のしっかりした強い香りのお菓子の方がおいしく感じます。クリンの場合もそうで、シニアになって匂いにも鈍感になっていたこともあり、好んで食べるのはいわゆるジャンクフード的なジャーキーなどで、一時ドライフードはほど食べませんでしたが、このフードは奇跡的に食べてくれましたので、とても安心したことを記憶しています。

 

 

原材料表記のルールを知ろう

 

「添加物は体に悪い」と言います。

できれば摂りたくない添加物ですが、全く使わないとなるとそれはそれで結構大変です。例えば保存料が入っていないと日持ちしませんし、酸化防止剤が入っていないとすぐに酸化してしまいます。

我が家のクリンは肝臓が弱く、何かあるとすぐに肝臓に影響が出てしまいます。食べムラが絶好調の時は、かなり偏った食生活で、その頃は「食べるものなら何でもいい」と思っていました。

実際クリンが好んで食べたのは、添加物たっぷりのジャーキーでした。

 

愛犬用のフードやおやつなどには、添加物が使われているものがたくさんあります。

ホームセンターやスーパーで売っているフードやおやつは添加物が入ったものが多いですが、これはおそらく価格の問題だと思います。ペットショップなどでは「こだわりのフード」や「プレミアムフード」などをコーナーを設けて置いているところも増えてきていますが、一般に売っているフードの2倍以上の値段のものがほとんどです。

 

ホームセンターにも「無添加」を謳っている商品はありますが、原料に加工食品が入っている場合、加工の際に使用した添加物は、「表記しなくていい」ということになっています。わたし調べですが、無添加とパッケージに記載してある商品も、裏面を見るとほとんど加工食品が入っていました。

 

 

加工食品とは?

 

では加工食品について少しお話します。

たとえば「肉類」。これは肉そのものではありません。臓器・副産物なども使用した加工食品です。そして発色剤や着色料や香料など、加工する際に様々な添加物が使われているといわれています。

上の画像は、無添加を大きく謳っているドッグフードです。裏面表記を見てみると、肉類(鶏胸肉・ささみ・砂肝)となっています。

胸肉とささみと砂肝がミックスされているから肉類、と思ってしまいますが、これらを加工する際に使用している添加物は表記しなくてよい、ということなんです。もし添加物を使用していない場合は、肉類という表記にせずに、鶏胸肉・ささみ・砂肝、という表記になります。ということは、肉類に添加物を使用している可能性が非常に高く、全くの無添加であるとはいえないんです。

 

〇〇ミール〇〇ミート〇〇〇〇類調味料なども同じで、これらはすべて加工品であるため、残念ながらどんな添加物が入っているのかわかりません。(上の画像にも油脂類、とあります)

安いペット用食品の中には、工業用の油などを使用していることもあるそうですが、これも加工した原料に入っている場合、表記しなくても良いとされています。

 

わたしたち人間が、添加物が多量に使われている食べ物を長期間食べ続けると想像してみてください。ファーストフードや加工肉、コンビニ弁当やカップラーメンを食べ続けたらどうなるでしょうか。

忙しい時など、手軽に摂れる食べ物はとても重宝しますし、添加物が入った食べ物は嗜好性が高いものが多く、とてもおいしいんです。正直わたしも大好きです。

でもそればかりを食べ続けると、栄養バランスが悪くなります。吹き出物ができたり、下痢になったり、病気になることもあります。

 

これをドッグフードに置き換えて考えてみます。

先述した肉類・ミート・ミール等、よくわからない添加物が使われているドッグフードを与えるということは、知らずに加工食品を食べ続けるということになります。

ちなみに、人間用で使用禁止されている添加物が約300種類あるのに対し、ペットフードで使用禁止されているのは10数種類だといわれています。

使用禁止になるのは、発がん性などの強い健康被害の恐れがあるからです。

すべての添加物が悪いということではありませんが、健康被害の恐れがある強い毒性の添加物を避ける、また不必要な添加物は排除するだけでも、その後は大きく変わると考えています。

 

 

どんなドッグフードがいいの?

 

ドッグフードで一番安全なのは、「ヒューマングレード」のフードです。ヒューマングレードとは、人間が食べることのできる品質が保証されているものです。これは、裏面の注意書きを見るとすぐにわかります。

 

「これはペット用フードです」

「子供の手の届くところに置かないでください」

「子供がペットに与える時は必ず保護者監視の元で与えてください」

「ペット以外に絶対に与えないでください」

 

表現がどんどん強くなっています。表現が強い=人間が食べてはいけないものが多く入っている、というこで、人間に使用してはいけない添加物が使われているということがいえます。

注意書きにこのような表記がないものは、ヒューマングレードであるといえます。実際に犬用で販売されている商品の中にも、全くこれらの注意書きが入っていないものもあります。できるだけ品質の高いものを選ぶ、また表現が弱いものを選ぶ方がより安全性は高いといえます。

 

 

毎日食べるドッグフードは、できるだけ良いものを選ぶ方が先々病気になりにくい、と考えています。

我が家の愛犬は、ドッグフードはできるだけ安全性の高いものを選ぶようにしていました。クリンを我が家に迎えた頃は、プレミアムフードといわれるドッグフードは2~3種類しかありませんでしたが、その中で選んで食べさせていました。

 

とはいえ、我が家でも体に良いものばかりを与えていたわけではありません。

クリンの食べムラで毒性の強い添加物の入ったジャーキーしか食べなかった時のことです。丸2日そのジャーキーしか口にしないことがあったんですが、様子がおかしかったので病院に行ったところ、血液検査で肝数値が1000オーバーとなっていました。

今でもそのジャーキーは好きなようで、食いつきの悪い時などはお世話になることがありますが、そればかり食べるとどうなるかわかっているので、できるだけ使わなくて済むように気をつけています。

 

今ではたくさんの種類のプレミアムフードが出ています。ネット通販などが主流ですが、先述したように最近ではペットショップなどでも取り扱いが増えてきました。

もしフード選びに悩んでいるという飼い主さんがおられたら、一度ペットショップのドッグフードコーナーで、裏面の原材料表示を確認してみてください。肉類・ミート・ミール、~粉・調味料などの加工食品は、実に多くのフードで使われているということがわかります。

そして、表記順もぜひご確認ください。「肉類」が一番に書いてあるドッグフードは、極力避けた方がいいと思います。

 

 

日々の食生活で体の質は変わる

 

わたしたち人間は、食べるもので体を作っています。食べ物の質で体の質は変わります。それは犬もまったく同じです。

毎日家で作ったご飯を食べている人と、コンビニ弁当やファーストフード・お菓子ばかりを食べている人とでは、体の質は大きく変わります。ヒューマングレードのドッグフードを主食とする犬と、添加物が含まれるドッグフードを主食とする犬とでは、歳を重ねるにつれ体の質は大きく変わると考えています。

 

ドッグフードを選ぶ基準は人それぞれですが、多少値が張ったとしても、良いドッグフードを与えていると医療費はかなり軽減できると思います。少なくとも我が家の場合はそうでした。

プレミアムフードといわれるフードは、1㎏ 2000円~くらいの金額で、一般的なドッグフードはキロあたり数百円くらいのものもあります。これを食肉で考えてみてください。

プレミアムフードでも100g 200円です。一般的なフードだと、100g 数十円ということになります。肉の含有量は100%ではありませんし、加工する費用も入っているとしたら、どんな肉を使っているのか想像できると思います。

 

高いドッグフードは抵抗がある、といわれる方もおられますが、コンビニでお弁当を買っても500円くらいします。外食したら1000円はかかります。ドッグフードは小型犬の場合だと1ヶ月 5000円程度、1日に換算すると200円弱で病気になりにくくなると思えば、病院で1回の診察で5000円払うことを思えば、決して高くはないと考えています。

値段がすべてではありませんが、人間の食べるものを選ぶ時と同じ感覚で見てみてください。ある程度値段が高くても、食べるもので体の質が決まるとなれば、絶対に高い買い物にはなりませんし、医療費や体の不具合を鑑みても、トータルで考えれば結果安くつくと考えています。

高いドッグフードを食べていたら絶対に病気にならない、ということではありません。もちろん運動も必要ですし、シニア期に入ったら健康診断を受けて不具合をいち早く見つけることも大切です。ただ自分の経験上、良いフードを選んでいる方が病気になりにくい、と感じています。

 

愛犬が若くて元気なうちはトラブルも起こりにくいですが、シニア期になると、途端に様々な不具合が出始めます。できれば若いうちから良いものを与える方が、後々の結果は大きく変わると思っています。

 

ドッグフードも、今はたくさんのメーカーからいろんなものが出ています。犬種や体質、持病や体調によっても選べるので、うちの子にあったフードを選んであげてくださいね。

 

次回は、添加物についてもう少しお話させていただきます。

 

【ドッグフード】愛犬の「食」を考える(2)につづく

 

 

ライター:福井 惠子

 

 

 

 


クローン人形~私のペットロスとの付き合い方~

波のあるペットロスに不安定に

 

 

去年10月に18歳で愛犬Mackを亡くし、亡くした当日から眠れない・食べられなくなり、火葬した日から皆が寝静まった後に何もない空間に向かって名前を呼んだり、寒いからコタツの中に居るかもしれない!と布団をめくって探したり、無駄だとわかっていながらお化けでもいいから見たい!と探し続けました。

ですがそれも2週間ほど。
しっかり最後も看取れたし、老衰だったし、寂しいけど悲しむ別れじゃないんだと、なるべく笑顔で過ごすようにしました。

亡くして1か月~49日までは、いつもそばにMackが居ると思い、足元にMackが居る様子を想像しては、話しかけたり微笑んだりしていました。

しかしーー
49日の夜、夫と空に向かって「バイバイ」と手を振った瞬間から、また少しづつペットロスが戻ってきました。
悲しくなくても寂しいものは寂しいのです。
一人になった時、皆が寝た後、一人でコッソリ泣きました。
遺骨を抱え、蓋をあけ、頭蓋骨を撫でながら話しかけたり、足音が聞こえないかなと耳を澄ましてみたり……

そんな時、ふと見つけたサイトの記事に目が釘付けになりました。

 

知ってはいたけど、興味がなかったクローン人形

 

 

愛犬そっくりの人形を作ることが出来るということは数年前から知ってはいたものの、高額なことや、「似てなかったら嫌だな」という気持ちから”作ってみたい”と思うまでに至ったことはありませんでした。

しかし、日々Mackの姿をふと探してしまったり、いつもいる場所に姿が無いこと。
そして、Mackといつも一緒に寝ていたので、一人で眠ることが出来なくなってきてしまったこともあり、「クローン人形って実際どれぐらいの再現度なんだろう」と思いインターネットで検索してみることにしたのです。

そこで引っかかったのはとある個人のブログ記事。
cuddle clones(カドルクローン)という海外のサイトに愛犬そっくりの人形を注文してみた。という記事に辿り着きました。
そのブログには、細かい注文の仕方や届いたクローン人形の写真が載っていたのですが、その再現度を見てビックリ!
その記事を読み終わった後は気が付くと写真フォルダを開き、注文に必要なMackの写真を選んでいました。

私が選んだ写真の年代は12歳~13歳頃の写真。
若い頃の愛犬の写真なのか、初老期か、晩年期かを考えた結果、”老犬としての愛らしさを持ちつつ、元気”である、初老期の写真を送ることにしたのです。

 

 

 

届いた時は「微妙」 ところが日に日に……

 

 

 

注文するキッカケになった個人ブログを見ながら翻訳サイトを使い、丸一日かけて注文。
サイトでは平均で5ヶ月ほど届くまでに必要とありましたが12月4日に注文し、1月23日に家に届きました。

家には私一人でしたが、待ち切れず開封。
ドキドキしながら箱から取り出しましたが、正直言って最初の印象としては「こんなものか」というものでした。
「世界中のダックスフンドの人形で一番似ている人形」……私は翌日、自身のブログでそう表現し紹介しました。

カドルクローンはおおよその体重から人形の大きさが決まるので、身体の大きさや顔の大きさ、また耳の大きさなど、毎日側で見ていた私にとっては「違う」という感情が大きかったのです。
それでも耳や背中の複雑な配色など、送った写真のみの情報からの再現度としてはかなり高度で感動しました。

娘も夫も、帰宅してMackのクローン人形を見たとき、目をまん丸くしてウルウルさせながらアチコチ観察していました。

 

 

君の名は?

 

 

このクローン人形は、「Mack」+「クローン人形」で、”マックローン”と呼ぶことにしました。
初日からマックローンと一緒に眠ったり、毎週金曜日にある娘のスイミングスクールの送り迎えにも、かつて晩年のMackとそうしていたように車で一緒に出掛けました。

こうして記事を書いている今も、私の傍らにはマックローン。
ふと手を休める度に、ふとマックローンの頭を撫でる私。
何をしている時も私の傍らに……。

ーーそれは、かつての私たちの姿そのものです。

 

 

 

旅行も同行?!

 

不思議なもので、日々そばに置き、かつてMackにしていたようにマックローンに振る舞っていると、中身のない無機質なはずだった人形の表情が次第にMackに近づいていく、似ていくような感覚に囚われたのです。
その変化の様子は、他人に写真を見せても感じるようでした。

そうなると、人形と解っていても更に愛情が増してしまい、もっと話し掛けたり、撫でるようになりました。

挙句の果てにはなんと家族旅行にまで連れて行ったのです。

 

 

これがその時の写真なのですが、心なしかMackは雪が大嫌いだったので、マックローンも表情が硬いように感じます。
ホテルの部屋にも連れていきましたが、まるで本当にMackと旅行に来ているようで、家族全員が初めから終わりまで楽しく旅行することができました。

 

 

興味が湧きましたか?

 

さて、もしかしたらクローン人形に興味を持ってくれた方もいるかもしれません。
検索するとかなり詳しく説明してくれているブログ記事もありますが、こちらでも軽く方法を説明させてください。

まずはこちらが私が利用したcuddleclones(カドルクローン社)のサイトです。

こちらを日本語翻訳表示し閲覧すると、「はじめよう」という所があるのでクリック。
すると正面・背中・尻尾など様々な写真を要求されるのでページ上にアップロードしていきます。
同時に写真に説明をそえることが出来るので、翻訳ソフトを使いながら情報を補足していきます。

ちなみに私は住所を入力するにあたってこちらのサイトを利用しました。

 

費用

私は人形だけの注文でしたので、制作料と送料を合わせて$303(当時)でした。
ところが注文する前にメールアドレスなどを登録する必要があるのですが、登録した時に10%OFFクーポンが届いていたようで、私がそれに気づいたのは注文した後だったので、これから注文される方は情報入力前にメールボックスを確認することを忘れないようにしてくださいね。

私、かなりガッカリしました(笑)

郵便屋さんがクローン人形を届けてくれますが、受け取るときに税関料がかかりますので(私が注文した当時は2000円程でした)千円札を数枚用意してお待ちくださいね。

 

私の今の気持ちは

 

波のあるペットロスに振り回され不安定になっていた私の気持ちですが、今現在も勿論寂しい気持ちはあるものの、マックローンが来てからはペットロスはかなり改善されたと感じます。
ペットロスの大きな波に包まれてしまった時、マックローンを抱きしめながら話しかけたり泣いたりすることで、毎回深い所に落ちる前に気持ちが元に戻るようになりました。

また、抱いて寝ていると、夜中にふと目が覚めたとき視界にマックローンがいると、まるでMackが私の腕の中にいるようで、それまでは目が覚めてしまうともう一度眠ることが出来ないことが多かったのですが、またそのまま安心して再び眠りにつくことが出来るようになりました。

値段は少ししますが、数あるクローン人形制作業者の中でもカドルクローン社は比較的安く制作することが出来るのでお勧めです。

 

私と同じように、最愛の家族を失い深いペットロスの海に沈んでしまっている方がいらっしゃったら、クローン人形を作ってもらうことも候補に入れてみてくださいね。

愛犬の姿が、たとえ人形であっても視界にあるという状況は、大きな安心感を生んでくれますよ。

 

 

ライター:奥村 來未

 

 

【犬の十戒】老犬の飼い主がつくった「老犬の十戒」

わたしはアメブロを通じ、ライターの奥村さんと知り合いました。

奥村さん家には、我が家の愛犬クリンよりも1歳年上のMackくんがいました。Mackくんと奥村さんは、幾度も襲ってくる恐ろしい病魔と闘い、わたしがブログの読者になった時は、ちょうどMackくんが前庭疾患を患い、ほどなくして膵炎を発症し、奇跡的に復活した後に歩行困難になった頃だったと記憶しています。

 

膵炎で入院している時に座ることも立つこともできなくなり、無事退院した頃には完全寝たきりになってしまったMackくん。そんなMackくんに約1年間ずっと付き添い、昨年の10月に18歳4ヶ月で見送られました。

 

 

Mackくんとの絆

 

犬の十戒

 

奥村さんは、小学生の頃にMackくんを家族に迎え、弟としてMackくんを可愛がっていました。

一時家庭の事情により、Mackくんと離れて暮らしていたそうですが、結婚し妊娠中に里帰りをした時にMackくんを迎えにいき、それからずっと一緒に過ごしていたそうです。

Mackくんと共に過ごすようになり、ほどなくして奥村さんは母になりました。赤ちゃんだった娘さんはどんどん成長し、それまではMackくんが娘さんのことを見守っていたのが、立場は逆転していったそうです。

成長していく娘さんと、年老いていくMackくん。できることがどんどん増えていく娘さんと、少しずつ少しずつ体に変化が出てくるMackくん。Mackくんが小さなパピーの頃からずっと一緒に過ごしていた奥村さんは、とても切なかったそうです。

 

みんな平等に歳をとり、平等に老いていく。当たり前のことですが、奥村さんは、家庭の事情とはいえ、一時Mackくんと離れていた時期があったため、Mackくんの体に不具合が出ると、自分のせいかもしれない、と自分自身を責めたそうです。

 

 

不眠不休の介護生活

 

犬の十戒

 

少しずつ少しずつ、Mackくんの体を蝕む病。

前庭疾患を発症してからのMackくんは、それまで自由に動けたはずの体が不自由になり、とても辛そうだったそうです。そして、辛そうなMackくんを見ている奥村さんは、どうすることもできない自分を責めたそうです。

当時のブログには、何もできない自分を責め、不自由な体で排泄さえも自分でできなくなってしまったMackくんを受け入れることに必死な奥村さんの心の叫びが書かれていました。

認知症のような症状も出始め、夜鳴きをするようになってしまったため、ご近所に迷惑にならないよう、夜もほとんど不眠でドライブに連れ出したり、抱っこしてなだめてみたり…

小さな子供がいながら、夜は眠れない生活をずっと続けている中、それでもなんとかMackくんが気持ちよく快適に過ごせるようにと様々な工夫をされていました。

まだ20代の奥村さんが、子育てと介護を両立している姿に、こちらまで心が締め付けられるような思いでした。

 

 

愛犬と共に病と闘う飼い主の心の声

 

犬の十戒

 

寝不足で疲労困憊の中、それでも介護は休めません。ワンワンと鳴き続けるMackさんを前に、泣いてしまうこともあったそうです。そんな中、娘さんとの会話の中で、「犬の十戒」のことを、今のMackくんの気持ちになって考えたそうです。

 

その時にできたのが、「老犬の十戒」です。

 

犬の十戒は、作者不明です。今ではいろんなサイトなどで紹介されていて、たくさんの方がご存知だと思います。

奥村さんは、介護が必要になった愛犬を前に、自分自身が日頃感じている「介護する側の辛さ」ではなく、本当は今まで通り自分の足で歩きたいであろう、自分の力で排泄したいであろうMackくんの気持ちになり、そこで改めてMackくんの辛さを実感したそうです。

 

我が家にも老犬がいます。老犬は、今まで当たり前にできていたことが、気づいた時にはできなくなっていたりします。

正直、我が子同然の愛犬が年老いていく姿はとても辛いですし、現実逃避したくなることもあります。でも、介護は待ってくれません。だから、この「老犬の十戒」をブログに書かれていたのを読んだ時、心が締め付けられるようでした。

 

老犬の介護をしている飼い主さん、また愛犬の病気と共に闘っている飼い主さんに、ぜひ知っていただきたいと思い、紹介させていただきました。

 

辛いのは、介護しているわたしたちよりも、きっと介護されている愛犬の方なのかもしれません。

 

奥村來未さんのブログ記事:老犬の十戒

 

 

 

ライター:福井 惠子

 

 

【多頭飼い】我が家が円満に過ごせるコツ

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックスフンド2頭、ビーグル1頭

飼い主の悩み:多頭飼い

年齢:18歳・15歳・8歳(2018年3月現在)

 

 

 

我が家が2頭目を迎えた理由

 

うちにはミニチュアダックスフンドのクリンを筆頭に、3頭の犬がいます。みんなとても仲良しで、寒い時期は犬団子(みんな団子のように固まっていること)になって寝ています。

 

2頭目のニコを迎えたのはクリンが2歳半の頃でした。

当時フルタイムで仕事をしていて長時間お留守番をさせることが多く、クリンが寂しくないよう2頭目を迎えるか考えていた時にニコと出会い、我が家の多頭飼いが始まりました。

最近多頭飼いで悩んでおられる方がとても多くおられる、という話を知人から伺ったので、我が家の多頭飼いについてお話させていただくことにしました。

 

 

【2頭目を迎える前】まずは相性からチェック

 

我が家の次女ニコと出会ったのは、クリンのフードを買いにいったペットショップでした。そこは1階がフードや雑貨、2階が生体を販売していて、いつもなら1階で終わるのですが、その日はたまたま2階まで足を延ばしました。

ちょうどど真ん中にアクリルケースが置いてあり、そこにいたのがニコでした。まだ来たばかりというその子を見た瞬間、なぜか目が離せなくなり、生まれて初めて店員さんに「抱っこさせてください」とお願いしました。

抱いてしまうと、もうダメですよね(笑)

とりあえずクリンとの相性を確認してから、ということですぐに帰宅し、クリンと共にショップに向かいました。

そしてご対面。クリンもニコも、特に何も変わらない感じで、鼻先であいさつをしてからは普通でした。相性はまずまずな感じだったので、その日にニコはうちの子になりました。

ニコがうちに来てすぐは、サークルの中に入れてクリンに観察させました。もちろんクリンは外で自由に動き回れます。そして、外に出したらクリンがさっそく小さなニコの上に乗っかりました。それは、クリンが「自分の方が上だ」とニコに教えてるんですよね。だから静かに見守り、ニコが嫌がるようなら、ニコを怒りました。わたしは絶対にクリンの味方で、クリンがやりたいようにさせていました。

当時わたしはフルタイムで働いていて、平日はふたりでお留守番することになります。なのでニコはサークルに入れたまま、クリンだけフリーにして部屋の中で自由に過ごせるようにしていました。

ところがお留守番初日、帰宅するとニコは高さ1m近くあるサークルから出ていました。びっくりしましたが、クリンもさほど嫌がってなかったのと、ふたりが寄り添って寝ていたので、その日からニコをフリーにするようになりました。

 

3頭目のみのすけを迎えた時も同じです。みのすけはペットショップで売れ残っていた子で、ほとんど衝動的に迎え入れることになりましたが、もしクリンとニコとの相性が合わなかったら見送っていました。迎え入れる前に、自宅からクリンとニコを連れてきて対面させ、お互い特に問題がないようだったので、そのまま一緒に家に帰りました。

クリンもニコも小型犬で雌、みのすけは中型犬の雄だったので、最初は少し心配でしたが、我が家に来た当日からおねえちゃんたちの洗礼を受けていました。

みのすけが我が家に来たのは5ヶ月になる少し前だったので、体はおねえちゃんたちよりも大きかったですが、みのすけはおねえちゃんに逆らうことはありません。それは8年経った今でも変わらないです。

我が家の一員になった当時のみのすけはとてもやんちゃで、我が家も結構破壊されましたが、暴れるみのすけを怒るとクリンが間に入ってわたしを止めるんですよね。クリンなりにみのすけを守っていたのだと思います。順位付けがしっかりできていると、犬同士の関係もとても良好になります。

 

ショップにいる仔犬はとても人懐っこくて、小さい体で一生懸命しっぽを振っている姿を見ると、「きっとこの子は人懐っこいから大丈夫」と思いがちですが、それは対人間であり、犬同士の相性はまた別だと考えています。

犬は家族ですが、決して人間ではありません。

わたしたち人間の社会のルールがあるように、犬の社会にもルールがあります。

これから10数年一緒に暮らすのに、もし相性が合わない子同士だと、喧嘩が絶えなかったり、犬だけでお留守番させることはとても難しくなります。

最初に会った時点で唸ったり吠えたりする場合は、相性が悪いのかもしれません。新しい子を迎え入れる前に、必ず相性を見ておくほうが、あとあと安心であると考えます。

 

 

新しい子を迎える時に気をつけたいこと

 

多頭飼いで失敗している複数の方にお話を伺った際、共通していわれていたことがあります。

 

それは、「新しく来た子に家族の注目が集まる」ということです。

 

パピーはとても可愛いです。よたよたと走る姿、純真無垢なその姿・しぐさのひとつひとつがとても愛らしく、どうしても新しく来た子に注目が集まってしまうと思います。特に家族に子供さんがいると、子犬の取り合いになる、なんて話も耳にしました。

でも、実はこれが多頭飼いが失敗してしまうこと原因のひとつなんです。

先住犬は、家族が増えたことを喜んでいるとは限りません。むしろ、戸惑ったり怒ったりする子が圧倒的に多いと思います。

 

人間の子供で考えるとわかりやすいと思います。

それまで一人っ子だったのが、突然兄弟ができて家族みんなが赤ちゃんに気をとられてしまうと、きっと面白くないと思います。中にはものわかりの良い子もいると思いますが、もし上の子が「寂しい」と思うようなことがあれば、きっと下の子にはあまり良い感情を持てないと思います。

犬は人間社会に順応するようにしつけをしているため、つい人間と同じように考えてしまいがちですが、動物としての習性がなくなったわけではありません。犬は順位付けをして、家族の中で順位を決めます。自分より上位であるリーダーには決して逆らいませんが、自分より下位だと思ったら、その人のいうことは絶対に聞きません。気に入らないと噛むこともあります。

それは犬が生まれつき持っている習性であり、人と共生するためにリーダーを決めてしつけをする必要があります。

 

話を元に戻すと、新しく来た仔犬にばかり気をとられてしまい、先住犬が自分の方が上だと新しい子に教えることを、いじめていると捉えて先住犬を怒ったりすると、犬社会の中で仔犬を先住犬より優位に立たせてしまいます。

こうなると、仲良くするのはとても難しいことになります。

先住犬が新しい子を受け入れることは難しくなり、新しい子は自分の方が優位に立ったと勘違いし、もしかすると先住犬を制圧しようとするかもしれません。そうなると先住犬に居場所がなくなってしまう場合もあります。

 

男の子同士の場合、たとえ飼い主さんが順位付けをしていても、喧嘩が絶えなくなることもあります。その場合は去勢したり、居場所を分ける等の工夫が必要になるかもしれません。

保護活動をされている知人に話を聞く機会があり、多頭飼いで失敗して持ち込みをされる子も結構いるとのことでした。特に大型犬の場合、喧嘩したら大事になりますし、家の中もぐちゃぐちゃになってしまいます。

その方は、しつけに関して自信があるか、または飼育する場所を分けられる場所のある家でない限り、多頭飼いはやめた方が無難だとお話されていました。もし相性が合わなかったら、険悪な関係が10年以上続いてしまいますので、家族はとても大変になりますもんね。

 

 

我が家で徹底した順位付けの方法

 

犬にも感情があります。それまで家族の中心だったのに、家族の注目が新しい子ばかりになると、楽しいはずはありません。

我が家では、ずっと長女のクリンが最優先です。何をするのも絶対にクリンから。その順番が変わることはありません。

抱っこも、ご飯も、頭をなでるのも、話しかけるのも、お散歩も、おもちゃも、何もかも最初はクリンからにしています。他の子が横取りしようとするとたとえパピーの頃であっても、その子を怒っていました。そしてクリンが飽きてから次の子に遊ばせるようにしていました。すると、他の子たちは「この中ではクリンが一番である」ということを理解し、クリンが食べていても横取りすることはなくなりましたし、クリンを抱っこしていても、怒ったりすることはありません。それは今も変わりません。

 

友人が多頭飼いを始める時に、2頭が仲良く過ごせるコツはないのかと相談されたので、「絶対に先住犬を優先すること」と話しました。友人は家族にもそれを伝え、徹底して先住犬を優先したそうです。それまでひとりっ子だった先住犬はすっかりおねえちゃんになり、妹の面倒を見るしっかり者になったそうです。

 

もし新しい子を家族に迎えられたら、何をするにも必ず先住犬を優先させてください。

名前を呼ぶ順番、ご飯を出す順番、おやつをあげる順番、おもちゃを与える順番、抱っこをする順番、リードをつける順番など、どんな小さなことでも、よほど特別な事情がない限り、必ず先住犬を優先することが犬同士の関係をうまく作れると考えます。

 


 

 

もし多頭飼いがうまくいっていないと悩んでおられる方がおられたら、またワンコ同士の相性が悪いという場合は、思い当たることがないかぜひ考えてみてください。

犬の間で順位付けが確定していたら、関係を修復するのは時間がかかるかもしれません。中型犬以上の大きな子で手に負えない場合は、きちんとしたしつけを再度し直すことになるかもしれません。

犬はとても純粋で、まっすぐな愛情をわたしたち人間に惜しみなくくれる生き物です。たとえ捨てられても、それでも一途に飼い主さんを待っている動物です。

 

どうか最後まで諦めず、愛犬と向き合ってあげてくださいね。

 

 

 

ライター:福井 惠子

 

 

 

 


【犬の投薬】薬嫌いの子でもこれなら簡単!薬の飲ませ方

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックスフンド

病名・症状:病院で処方された薬を嫌がって飲まない

発症年齢:15歳

発症の経緯:苦い薬を無理やり飲ませたこと

治療法:自宅で対処

 

 

薬を飲ませる苦労

 

 

我が家のクリンは、14歳の時に足の不具合が出て、その時に苦い痛み止めを処方されました。その薬が苦いことに全く気付かず、無理やり飲ませようとしたことから薬に対する最初の不信感を持たせてしまいました。

15歳になり、炎症数値が上がった時に薬を処方されましたが、この抗生剤がとても苦いものでした。当時通っていた病院では「好きな食べ物に隠して薬とわからないようにして飲ませるといい」とアドバイスされたので、苦い苦い薬を当時好きだった食べ物に隠して無理やり飲ませようとしたことで、一切の薬を嫌がるようになってしまいました。

若い頃は食欲も普通にあり、ご飯の上に薬をトッピングしたらすんなり食べてくれていました。でもそれは、当たり前のことではなかったんです。

 

 

 

【失敗その1】食べ物に薬を仕込む

 

 

薬のことは過去に何度か記事にしています。これは、まさか「食べないこと」「薬を飲まないこと」で自分がこんなに悩むとは夢にも思っていなかったからです。愛犬が若いうちはさほど問題でないことも、ハイシニアになるとご飯を食べないこと・薬を飲まないことは、深い悩みになってしまいます。

特に持病がある場合の投薬は体調にも大きく関わるため、毎回きちんと飲ませたいですよね。

でも、絶対に絶対に絶対に!好きな食べ物に仕込むことだけは避けてください!!

 

好きな食べ物に大嫌いな薬と仕込むのは、食べることそのものが嫌になるきっかけになります。

 

時間になったらご飯を喜んで食べてくれるのは、決して当たり前のことではありません。そして、愛犬がご飯を食べないことは、飼い主の精神に大きなダメージを与えます。

これはわたしだけでなく、多くのハイシニア犬の飼い主さんから同様の話を聞きましたし、皆さん一様に精神的にとてつもないダメージをくらったとおっしゃっています。

 

 

【失敗その2】薬の味を確かめなかった

 

わたしが今通っている病院は、基本無味の薬しか出されません。中には苦みのあるものもあるようですが、その場合は必ず苦みがあるということを教えてくださいます。

でもすべての病院がそうではありません。苦い薬であっても、苦みがあることを教えてもらえないことの方がもしかしたら多いのかもしれません。

犬にも味覚があります。特に甘みをおいしく感じるそうです。でも苦みがわからないということではありません。

そしてとても優れた嗅覚を持っています。一度「苦い」と感じた匂いは決して忘れません。

 

犬の知能は幼児と同じくらい、といわれています。ということは、小さな子供が嫌がることは、犬が嫌がることでもある、と考えればわかりやすいかもしれません。

病院が嫌いな子供は、病院で泣き叫びます。病院が嫌いな犬は、病院で鳴き叫びます。

薬も同じで、一度嫌な思いをしてしまうと、もう二度と普通に飲んでくれなくなってしまうこともあります。我が家はまさにこれでした。

 

ではなぜ薬が苦いと気づいたか…

それは、あまりにクリンが嫌がるので、何が嫌なのかわからず、試しに薬を舐めてみたんです。その薬は、舌がしびれるくらいの苦みがありました…

わたしの場合は、ドッグフードも味見しますので全く抵抗はありませんでした。(自分が味見できない・したくないようなものは、基本与えないようにしています)

 

薬を舐める方法はあまりおすすめできませんが、もし薬を嫌がる子の場合は、薬の味について獣医さんに聞いてみるといいと思います。

 

 

どうやって投薬を克服したのか

 

 

大袈裟なようですが、わたしにとって投薬の悩みは一大事でした。そのくらい悩みまくっていました。

フードのトッピングに匂いの強い缶詰を使い、その中に薬を仕込み、食べたら小躍り、食べなかったら落ち込みまくり…を繰り返していた時でした。

 

クリンはロングヘア―なので、足裏の毛が伸びるんです。以前はバリカンで普通に刈らせてくれていましたが、おそらく振動で関節などに痛みを感じるのか、薬を嫌がるようになった同時期くらいから、カットもさせてもらえなくなりました。

足裏の毛が伸びてしまうと滑りやすくなってしまうので、腰にも負担がかかります。なので、病院で爪切りをお願いする時に一緒に足裏もカットしてもらっていました。

昨年、通信でトリマー2級の資格を取ったんですが、カットの練習をしている時にふと、トリミングをしてもらっている時のことを思い出しました。高いところにリードをくくりつけて落ちないようにしていますよね。

それまでは床でカットをしていましたが、ある時ハーネスをつけてキッチン台の上に乗せ、キッチン上の収納の取っ手にリードをくくりつけてみたんです。すると、クリンはほとんど抵抗することなく、足裏の毛をカットさせてくれました。

 

 

そして、今の病院に移り、手術を受ける前、クリンが薬を飲めないという話をしていたので、看護士さんが「シリンジ」を使って薬を飲ませてくださったんです。

 

目の前でシリンジで薬をいとも簡単に飲ませる看護士さんを見て、「これだ!」と思いました。

犬は高いところが苦手です。そしてトリミングを受けたことのある子なら、高いところに載せられてリードで固定されることに慣れています。

わたしは帰宅して、さっそく病院でいただいたシリンジを出し、薬をすりつぶし、ぬるま湯で溶いてシリンジにセットしました。そしてリードをつけたクリンをキッチン台に乗せ、リードを取っ手にくくりつけました。

そして、口の横の犬歯と奥歯の間の「歯のないところ」にシリンジの先を入れて、薬を少しずつ流し込んだら………

 

ほとんど抵抗せず、飲んでくれました!!!!

 

最初は多少嫌がりましたが、自分のお腹をクリンのお尻に当ててそれ以上後ろに行けないようにし、右手にシリンジ、左手はクリンの顎を持ち、顎を少し上げた状態で少しずつ少しずつ薬を飲ませました。

それまで薬を処方されることがストレスでしたが、この方法で飲ませることができるようになり、とても楽になりました。

もし今、愛犬が薬を飲んでくれないと悩んでいる方がおられたら、この方法は本当におススメです!

 

 

【図解】薬の飲ませ方とポイント

 

【準備するもの】

★シリンジ(小型犬の場合なら5mlのシリンジ) ※ネットで「シリンジ 5ml」で検索すると出てきます

★薬(錠剤は事前にすりつぶしておきましょう)

★薬をすりつぶすための乳鉢や錠剤クラッシャー ※錠剤クラッシャーは1000円弱でネットで買えます

 


 

①薬をティースプーン1杯弱(約4㏄)のぬるま湯でよく溶かします。苦みのある場合や、薬に抵抗のある子の場合は、少量の砂糖を混ぜると口に入った時に甘みがあるので抵抗を最小限にすることができます。溶かした薬をシリンジで吸います。空気が入った場合は、口を上にして本体部分を爪でたたくと薬液が下に落ちますので、空気を抜いてください。

 


 

②ハーネスとリードをつけた愛犬をキッチン台の上に載せます。リードはキッチン上の収納扉の取っ手などにくくりつけます。

【POINT1】犬は家ではわがままを通そうとする場合があります。床の場合だと逃げ場があり、嫌がって暴れることもあります。慣れるまでは、できるだけ作業のしやすい高さで、リードをくくりつけるところがあるキッチン台がおすすめです。

【POINT2】リードはピンと張った状態にすることも大切です。緩んでいると、暴れて下に落ちてしまう恐れもありますので、キッチンの上に載せたら、目を離さないようにしてください。

 


 

③マズル横のくちびるをめくり、犬歯と奥歯の間の歯のない部分を確認します。

【POINT】歯のない部分は、シリンジの先を差し込みやすく、もし噛もうとしても歯がない部分なので噛むことができません。

 


 

④シリンジの先を犬歯と奥歯の間に入れ、少しずつ薬液を流し込みます。もしむせてしまったら一旦手をとめて、落ち着いたらまた少量ずつ入れていきます。一気に入れるとむせてしまうので、少し入れて手を止め、ごくんと飲み込んだらまた次、という感じで入れていきます。

【POINT1】リードを固定しても動いてしまう子の場合は、飼い主さんは犬の若干後ろ側に立ち、飼い主さんのお腹を犬のお尻の部分に当たるようにすると、落ち着いてくれます。もし全然嫌がらないようであれば、前側からマズルをめくってシリンジを差し込んでも飲んでくれます。

【POINT2】犬の顎を少し持ち上げると、薬液がこぼれにくいです。うちの場合は、犬の後ろ側に立ち、お尻にお腹をつけ、左手は犬の顎、右手はシリンジを持っています。

 


 

本当は写真を撮りたかったのですが、1人でやっているのでなかなか撮れなかったため、イラストで紹介しました。ちなみにあだ名は画伯です。デッサン狂ってるのはどうかスルーでお願いします(笑)

 

 

 

ライター:福井 惠子