【同行避難】愛犬と災害に備えよう!

 

いつ・なにがあるか……予測出来ればいいのだけど、地震・災害はいつ起こるか予測することはできません。
東日本大震災も、突然私達を襲いました。

今回は311での自分の経験や、その後のセミナーで学んだ事、個人的に必要だと思ったものを私の視点からお伝えしていこうと思います。

 

同行避難ってなんだろう

 

同行避難……
ペットと暮らす方ならだれもが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
読んで字のごとく、同行避難とは災害発生時にペットを連れて避難することを言います。

避難所で実際にペットと人とが共に暮らすことを”同伴避難”といい、同行避難とは意味がやや異なります。

 

311・奥村さんの場合

 

311発生時、私は同行避難を困難と考え、屋内は荒れていたので亡き愛犬Mackと当時1歳7か月の娘と共に車中泊の準備をしていました。
そこへ「犬も連れてきてる人居ますよ!」と声をかけていただき、”同行避難”することが出来ました。

避難所へ行くと、あまりに大きな揺れだったので避難所が大混乱していました。しばらくすると、ペット連れは一か所に集まってくださいとのアナウンスがあり、移動。
その晩は共に身を寄せ夜を越すことが出来ました。
幸いにも翌日、義父母が迎えに来てくれ、義実家に避難したので、翌日からの避難所の様子は後々知ったのですが、あの寒さの中、犬は玄関にてクレートに入れられ、共に居ることが出来なくなったという事でした。

もうすでに当時Mackはシニア期に突入していたし、とても寒がりな子だったので、迎えに来てくれた義父母には今もとても感謝しています。
もしも翌日も避難所に居て、共に居られない事実に直面した時、私はどうしただろう……やっぱり車中泊したかもしれません。

 

愛犬のための備え

 

愛犬の”非常持ち出し袋”……作ってますか?
自分の事は二の次にしてでも、愛犬の持ち出し袋を作ってあげてください。
明日は何があるか分かりません。地震・水害・大規模火災。自分には降りかからないと思ったら大間違いです。

先日も大きな地震があったので、我が家では愛犬の持ち出し袋の中のフードを新しい物に変えました。
その時に写真を撮ったので、参考にして頂ければと思います。

 

 

非常持ち出し袋の中身

 

 

上の写真では水が入っていませんが、Shake用の非常持ち出し袋は娘でも持っていけるようにしてあるので、我が家では人間用の方に一緒に入っています。ご自身で持ち出す場合はペット用のお水を入れてください。
※ペット用水も水道水も無い場合、愛犬には軟水を飲ませてください。

災害時、自身の経験でドッグフードは1週間は新しく入手することはできませんでした。
なのでいつも食べているドッグフードを約一週間分入れておいてあげてください。

 

ドッグフードはこのように、スーパーなどでよく見るポリ袋に一日の量を計って入れ、一度縛ります。
5.8KgのShakeの場合、一枚のポリ袋に三回分のフードが入ります。
傘用の袋を使えば、一枚で更に多い日数分のフードが入るでしょう。

避難所に同行避難しても、同伴避難ができるかはわかりませんが、もしも同伴避難が出来た場合は周りへの配慮が必要となります。
上の写真のオムツ・マナーベルトは排泄で不快感を与えないため。
そして愛犬用着衣は防寒もありますが、抜け毛防止です。

その他にも、無駄吠えの躾やクレートに大人しく入っていられるようにする躾はとっても大切になってくるでしょう。

 

 

愛犬手帳を書きましょう

 

 

愛犬手帳は、犬籍登録の際・イベント・防災訓練などで配っていることがありますね。
勿論、ご自分のお好きなノートで作っても構いませんが、なるべく健康な子でも書くようにしましょう。

 

 

手帳の書き方

 

 

我が家の健康手帳は無料配布されたものですが、中身はカスタムしています。
これは最初の1ページ目。
左側には迷子に万が一なってしまった時も使える、Shakeの全体の写真を貼っています。
特徴欄にはShakeの身体的特徴・性格・持病・マイクロチップの有無を書き込んであります。

右側は本当は手帳の目次なのですが、家族全員が写った写真・家族全員の名前と年齢を書いて貼っています。
年齢は変わってくので、変わるごとに貼り替えます。

中のページにはフィラリア薬を飲ませた日やワクチン接種の日、通院の内容などを記入します。

 

鑑札・注射済み票を身につけさせよう

 

愛犬がいつ迷子になるか。
リードが無くても私のそばを離れない!という人もいるかもしれませんが、近くで大きな音があってビックリして・他のワンちゃんが向かってきたのに驚いてどこかへ逃げてしまったら?

「絶対」なんてことはありません。
必ずリードを付け、鑑札と注射済み票をつけましょう。

 

 

我が家では鑑札・注射済み票・迷子札は簡単に付け替えられるようにしています。
ですから胴輪でも、首輪でも簡単に付け替えられます。
この鑑札・注射済み票入れはお恥ずかしながら自作ですが、通販でも革製のしっかりしたカッコイイものや、可愛いものなど色んな種類のものがあるのでお勧めです。

地震大国といわれる日本ですが、人生80年あれば、ほぼ必ず一度は地震以外にも多くの災害に見舞われるでしょう。
「自分には関係ない」と思わずに、せめてペットや子供たちの備えはしてあげて欲しいというのが、実際に311で避難した私の考えです。

手帳や袋の中身など、少しでも参考になったのなら幸いに思います。

 

 

ライター:奥村 來未

 

 

 

 

【シニア犬】7歳を過ぎたら定期的な健康診断を

愛犬情報

犬種:ビーグル

病名・症状:なし

発症年齢:8歳

発症の経緯:加齢

治療法:なし

 

 

7歳過ぎたらシニア犬

 

我が家の愛犬みのすけは2009年生まれ。今年の8月に10歳になります。昨年10月と今年3月に続けざまにおねえちゃんたちがお空に旅立ち、ひとりっ子になって3ヶ月経ちました。

今まではおねえちゃんたちに手をとられていたので、若くて元気なみのすけにあまり手をかけてやることはできませんでしたが、みのすけだけになって改めて歳をとったなぁと感じます。

命は永遠ではありません。今は元気でも、いつ何があるかわからないからこそ、備えておくことが重要だと考えています。

今回は、病気の早期発見のために実践している「健康診断」について書きたいと思います。

 

 

健康診断①:血液検査

 

みのすけは1歳になる前に去勢手術を受けました。それから病院でお世話になるのは、フィラリア検査とワクチン接種の年2回くらい。あとは爪切り・肛門しぼりと、よく吐くということがあったので、数回検査をしてもらったことと、一度救急病院にお世話になったことがあります。突然頭をブルブルしだして、ずっと振っているような状態が続いたため、慌てて夜間救急に駆け込みましたが、外耳炎(常在菌であるマラセチアが増えてしまったことによる炎症)で点耳薬で治りました。

9歳になる今まで大きな病気をすることもなくこれたことはとてもありがたいと思います。元気とはいえ、いつどんな不具合が出るかわかりませんので、5歳を超えた頃からフィラリア検査で採血してもらったついでに、血液検査をお願いしていました。

 

血液検査にはいくつか種類があります。

CBCは一般検査といわれ、これは赤血球・白血球・血小板について調べる検査です。画像の「血液検査」がこれに当たります。白血球が高いと体のどこかで炎症が起こっていたり、ガンなどの腫瘍がどこかにある可能性が高いことがわかります。一方赤血球の数が増加していると脱水症状が出ていることがわかったりします。

血液生化学検査は、臓器の状態がわかる検査です。主に腎臓・肝臓・膵臓などの状態がわかります。画像の「血清検査」の部分です。

クリンの晩年は、多い時は毎日血液検査をしていたのでどの数値が問題かは結構詳しくなりましたが、体のどこかで異変がある場合、どの臓器が問題なのかがこの検査でわかります。

費用は病院によってまちまちですが、CBCだけだと3~4千円くらいで、CBC+生化学検査だと6~7千円でした。検査項目が増えるほど値段は高くなります。

血液検査で異常数値があれば、エコーやレントゲン、場合によってはCTやMRI、細胞診などの検査をすることになります。血液検査はたいてい具合が悪くなって病院に行った時にしてもらいますが、飼い主からの申し出でしていただくことができますので、フィラリア検査のついでに生化学検査を受けておかれるのはとてもおススメです。

みのすけも5歳の頃から毎年1回は血液検査をお願いしていました。元気食欲ありで全く問題なさそうでしたが、毎年の血液検査を受けておくだけで心から安心できました。

 

 

健康診断②:犬ドック

 

病院によっては、犬ドックをしておられるところがあります。昨年は、フィラリア検査の時に血液検査をお願いし、ワクチン接種の際にエコー検査をしてくださいましたが、今年は10歳になることもあり、ちゃんと検査をお願いしたいと思い、フィラリア検査で病院に行った時に合わせて健康診断をお願いしました。

ちなみにわたしの通っている病院では非常に安価で、3千円弱でエコー・心電図・血圧・尿検査をしてくださいます。今回はおしっこを持参しなかったので尿検査は見送りましたが、血液検査と合わせてしっかり診ていただくことができました。

そして今回の検査で、右心房に少し肥大が見られる、ということがわかりました。雑音はないのですが、聴診で少しこもった音がするといわれ、エコーで調べたところ、少しだけ肥大しているといわれました。

要経過観察で、2ヶ月後に心エコー検査をすることになりました。

 

今の病院は、とてもしっかりと検査をしてくださいます。過去他の病院で二度手術を経験しましたが、手術の日が決まって当日お預けして、終わったら引き取りにいく、というのが当たり前だと思っていました。

でも今の病院は、手術前に数回通い、血液検査と麻酔時に心停止になった際に投与する血管拡張剤が効くかどうかの検査、年齢によってはホルター心電図で手術に耐えうる心臓なのかまでしっかりと調べてもらえます。

正直お金はかかります。検査が増えれば増えるほど費用はかさみますし、治療費と薬代だけで月十数万円を支払うということも普通にありました。ネットで「愛犬にこのような症状がみられるが問題ないか」と相談されているのを見かけることがありました。言葉は悪いですが、「のんきにネットで聞いてないで、とっとと病院いって検査すればいいのに」と思いました。

飼い主さんの中には、犬にお金を使いたくないという方もおられます。たった数千円でも嫌なのでしょう。でもそういう人は犬や猫を飼わない方がいいのでは、と思っています。

ペットはお店で購入できるし、法律ではいまだに器物扱いです。でも物ではなく、命です。命を預かる以上、預かり主=飼い主には責任があると思っています。子供にお金がかかるように、犬や猫も同じくらいお金がかかります。無理する必要はないと思いますが、できる範囲でできることをした方が、後から後悔が少ないと考えています。

 

 

あとで後悔しないために

 

我が家には3頭の愛犬がいました。長女クリンは今年3月に老衰で旅立ちましたが、次女ニコは、重度の心臓疾患が原因で16歳3ヶ月で旅立ってしまいました。

ニコは心臓とアレルギー以外持病はなく、食欲も旺盛でとても元気な子でしたが、14歳で心臓疾患が見つかった時にはすでに中度まで進行していました。そして心臓病と診断されてからたった2年で旅立ってしまいました。

ニコはアレルギーがひどかったので、病院には定期的に通っていました。年1回の健康診断も受けていましたが、当時通っていた病院は、毎回聴診をしない先生だったため、症状が出てからの発見となってしまいました。もちろん早期で見つけられなかったのは先生のせいではなく、飼い主であるわたしの責任です。病院の選択が違っていれば、もっと早くに投薬治療を始められたかもしれないし、何よりももっと注意深くみていれば、体調の変化に気付けたのに、という後悔がとても大きいです。

寿命だから仕方ない、といわれるかもしれません。でも飼い主としては、やっぱり老衰で天寿を全うしてほしかった。

元気に天寿を全うしてもらうためには、異変に少しでも早く気づいてあげることしかないと思っています。

健康診断は、異変があるかないかを見極めるための方法です。シニアといわれる年齢になったら、異常が見られなくても毎年の検査を受けて、大切な愛犬の命を守ってあげてくださいね。

 

 

ライター:福井 惠子