膿皮症~長く根気のいる戦い~

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックス

病名・症状:膿皮症

発症年齢:16歳

治療法:塗り薬

 

 

実は怖い?!皮膚疾患、膿皮症。

 

 

犬を飼っていて、「いつか病気を経験するかもしれない」とは思っていても、いつなるのか・どんなものなのかなんて想像するのは難しいもので、いざその時が来ると名前も聞いたことのないようなものであったり、全く想像のしていなかったものだったりしますよね。

愛犬Mackも、今回お話する病である膿皮症を経験するまで、椎間板ヘルニアは二度経験したものの、ほとんど病院にお世話になることはない、病気知らずなワンちゃんだったので、今のように「調子が良ければ通院は月一」なんて状況になるなんて、想像もしていなかったのです。

膿皮症は皮膚の病気ですが実はとっても怖い病気なので、今回Mackの当時の写真とともにお話していきたいと思います。

 

ちょっと辛いお写真もありますが、参考までにお付き合いいただけると嬉しいです。

 

 

気付いた時にはもう遅い

 

病気の発覚前日、寝る前におしっこをさせている時に「あれ?すこし背中の毛がバサバサしてる?」と思ったのがはじめの違和感でした。

寝癖のような感じで、首の付け根の少し下のあたりだけ毛が逆立っています。
その時は皮膚の疾患だとは思わなかったので、上から撫でるだけで、毛をかき分けて確認することはしなかったのです。

翌朝に昨日のバサバサしていたところを見ると、ヒトコブラクダのように盛り上がっていました。
つまんでみると、ブヨブヨしています。
なんだ?おかしいな?なんてつまんでいると、ピュッっと膿が飛び出してきたのです。

上の画像がその時の物です。
画像の真中付近とその少し向こうに二か所、膿が染み出ているのがわかって頂けますでしょうか?

まさか膿が出てくるとは思っても居なかったので、すぐに病院へ行くことにしました。
しかしその日はかかりつけの定休日。

やむなく近くの動物病院へ駆け込みました。

これはその病院で処置を受けた後の様子です。
(赤く見えるのが患部で、白く見えるのは膿皮症の白い粉の塗り薬です。)
毛に覆われているとわからなかったけど、患部はこんなにも大きかったのです。

診断結果は膿皮症。
膿皮症とは、皮膚上で菌が異常繁殖し、化膿して膿を排出してしまった状態なのだそうです。

 

 

 

膿皮症(のうひしょう)のステージと予兆

 

膿皮症にはステージが3段階あります。

1.表面性膿皮症(表皮の最上部にある角質層に発生した膿皮症)

2.表在性膿皮症(毛包とそれに連なる表皮に発生した膿皮症)

3.深在性膿皮症(毛包全体、真皮、皮下組織に発生した膿皮症)

 

Mackの膿皮症は、初診では二番目に重い表在性と診察されましたが、翌日あらためて行ったかかりつけでは、最も重いステージ3:深在性であると診断されました。

この写真は翌日、かかりつけでの処置を受けた後の様子です。
患部がさらに広がっています。

悲しいことに、ここから暫くトビヒのようにして、頬、肘、顎と、あちこちに発症していきます。

 

膿皮症になると上の写真のように、まるで筆のようにして毛が抜けるようになります。
皮膚に毛がくっついたまま剥落してしまうので、このような抜け方をするようなのです。

こんな毛がもしもお部屋で見つかったら、赤信号。
愛犬の毛をあちこちくまなくかき分けて、見てあげる必要があります。

Mackの場合特に気にする様子がなかったのですが、膿皮症は発症するまでは激しいかゆみが伴う事があるようなので、しきりにどこかを痒がる時もくまなく見てあげるといいとおもいます。

 

中期~快方に向かうまでと、予防法

 

これは膿皮症中期の頃の写真です。

瘡蓋(かさぶた)を剥がし、サランラップを巻いて皮膚の再生を促します。
清潔を保つために膿がたまればふき取り、一日に二度アルコール消毒をして、その都度サランラップを新しくする生活がしばらく続きました。

状態が改善をし始めると、徐々に皮膚が黒くなってきます。
でも、まだグジュグジュしていたり、血が止まらないような患部もあります。

この写真は快方に向かってサランラップが取れた頃の様子です。
それでもまだまだ、完治の時期は見えてきません。

まだあちこちに小さな新しい患部ができるので、見つける度にクリーム状の薬を塗っていました。

 

その後Mackの膿皮症が治るまでには、なんと6月の発症から5か月ほどかかりました。

Mackが当時16歳と高齢だったこともあるとは思いますが、梅雨から夏のジメジメで、どんどん患部が広がってしまい、なかなか収まってくれなかったのです。

これは18歳になってからの写真です。
完治と先生に言われてから、いつまでたっても膿皮症だった場所に完全に毛が生え戻ることはありませんでした。

膿皮症は6月から10月くらいの今の時期が発症しやすい時期です。
Mackの発症も、2015年6月18日でした。

膿皮症になる原因としては、抵抗力の衰えや皮膚と毛の間に湿気がたまることで菌が繁殖してしまうことなどがあります。
梅雨の時期、雨の中から散歩に帰って来た時・お風呂に入った時など、しっかりと毛の中まで乾かしてあげることで予防することができます。

また、ヒバ水を使う事でも予防することが出来ます。
ヒバの木から抽出された”ひば油”を水4:エタノール1で割った液体にお好みの量入れることで完成します。
私は3,4滴入れて使用していましたが、ヒノキのような香りで殺菌・防虫の効果があり、Mackだけではなく娘や自分自身も愛用していました。

他にも、薬用シャンプーで洗い、薬浴をするなどの予防方法があります。

膿皮症は一度なると何度も繰り返しやすい上に、完治までに時間と根気を要する皮膚疾患です。
Mackも小さな疾患を、完治と言われてからもあちこち作っていましたが、ひば油とアイプクリーム(通販で購入可能)で対応し、大きくなる前に治していました。

それは、Mackが2017年10月に亡くなるまで続いていました。

愛犬も飼い主も長く苦しい戦いを始めないためにも、日頃から毛をかき分けて赤みがないか?ブツブツしてないか?よく見てあげると、スキンシップも出来て一石二鳥ですね。

 

 

ライター:奥村 來未

 

 

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