愛犬を迎えることって?
我が家にはトイプードルの女の子が1頭います。名前はプリンといいます。
家族はわたしと主人の2人暮らし。共にフルタイムで仕事をしています。
プリンは日中留守にする我が家で、ひとりでちゃんとお留守番をしてくれています。
留守が多い我が家でなぜ犬を迎えたのか。もしかしたら、愛犬に長時間お留守番させることを「虐待」と言われる方がいらっしゃるかもしれません。わたし自身、長時間のお留守番をさせていることに最初はとても抵抗がありましたし、罪悪感も感じていました。
でもプリンを迎え入れて本当によかったと心から思いますし、プリンも毎日楽しく過ごしてくれています。
我が家と同じように、お一人暮らしやフルタイムでお仕事をされていて、愛犬を迎え入れることを悩んでいる方、また愛犬に長時間お留守番をさせている方や、お留守番をさせることに罪悪感を感じている方がおられたら、ひとつの参考として我が家の話を聞いていただけたらと思います。
愛犬を迎え入れるまで
わたしは犬が好きで、結婚してからずっと飼いたいと思っていました。
でも我が家は共働きのため、日中は留守にします。長時間留守番させるのに犬を飼うなんて無責任なのではないか…そう思い、ずっと我慢していました。
でも諦めきれず、ペットショップに行っては小さな仔犬を見たり、ネットで仔犬情報を見たりしていました。(当時は保護犬のことをあまり知らなかったため、犬を飼うのはペットショップかブリーダーだと思っていました。)
我が家には子供がいません。
30代後半で大きな病気が見つかり、治療しないと不妊治療ができないといわれて、1年間治療に専念しました。病気が治ってから不妊治療を始め、6年ほど治療を続けましたがうまくいかず、状況的にも年齢的にも妊娠は難しいといわれました。
正直、わたしの心はボロボロになっていました。
周りの人たちの言葉にも敏感になり、「子供は?」という何気ない日常会話の中での一言にさえ傷ついていました。
ちょうどこの頃、主人が遠方に1ヶ月間単身赴任することになりました。年齢的にリミットのない中、辛い治療を何年も続けていたのに、たった1ヶ月のことではありますが、それまでの治療が台無しになってしまうと思ってしまったんです。
出張先から電話をかけてきた主人と話している時、それまで張りつめていた糸が切れ、大泣きしてしまいました。
その時に初めて、主人はわたしの心の状態に気付いてくれました。そして「もう子供は諦めて犬を飼おう。」そう言ってくれました。
運命の出会い
主人が出張から帰ってきてから、さっそく近くのブリーダーをされているペットショップに足を運びました。ちょうど生まれたばかりのトイプードルが5頭いるとのことで、見せていただきました。
その中で、兄弟にもみくちゃにされて踏まれていた1頭の仔犬がいました。胸元に白い模様の入ったその子は、売り物にならないかもしれないということでした。ほかの兄弟たちに踏まれても怒ることなく、ただただじっと耐えている子。
出口のない不妊治療で心がボロボロになっていたわたしは、売り物にならないかもしれないその仔犬がまるで自分のように感じ、この子をうちへ迎えよう、と心に決めました。
11月末に我が家へ迎え入れることになり、それまでに名前を決めておいてくださいといわれました。
ちょうど年末にかかる時期ということもあり、バタバタと忙しい毎日を過ごし名前がなかなか決められずにいた中、我が家のプリンターがつぶれてしまいました。年賀状の印刷をしなければならず、急いで家電ショップに買いに行きましたが、欲しいプリンターは売り切れ。仕方なくお取り寄せで注文したのですが、プリンターの受取日が偶然にもプリンをお迎えに行く日と同日になってしまいました。
そしていよいよプリンを迎えに行く当日になり、主人が「そろそろ取りにいかないと」と言った時、「プリンターを取りにいくの?」というところを「プリンを取りにいくの?」と言い間違えてしまいました。
プリン?プリンター?と大笑いした時に、主人が「もう名前はプリンでいいやん」と言いました。
我が家の愛娘プリンの名前の由来は、スイーツのプリンではなく、プリンターのプリンです(笑)
留守番させることへの罪悪感と葛藤
プリンが我が家の一員になり、それまで鬱々と悩んでいたのがうそのように、毎日大騒ぎであっという間に時間が過ぎていきました。初めて迎えた愛犬に、わたしも主人も夢中になりました。プリンは愛らしくて可愛くて、まるで自分がお腹を痛めて産んだような感覚になるくらい愛おしい存在になりました。
でもここで大きな問題に直面しました。それが「お留守番」です。
犬を迎え入れる前に散々考えていたことではありましたが、プリンを迎えた時は勢いもあったので、実際にうちの子になってからとても悩みました。毎日ネットで調べたり、犬の本を購入して読み漁ったり…
プリンをひとりで長時間留守番させることに、大きな罪悪感を感じていました。
でも仕事を辞めることはできません。犬を飼うということは、お金もかかります。プリンと主人と一緒に楽しく生活をしていくためには、仕事を続けることは必要なことでした。
当時は犬を飼っている友達も周りにいなかったため、相談相手もいませんでした。そんな時、プリンのものを買いに近くのペットショップに行った時に、大きなトイプードルを連れた方がおられ、あまりに大きかったので声をかけて少しお話したんです。その方も夫婦2人暮らしで犬を飼っているとのことで、どのようにお留守番させておられるのかも聞いてみました。
その方は、子供部屋にしようと思っていた部屋があるので、そこをお留守番の部屋としているとのことでした。結構長い時間お留守番をさせているから、「帰宅すると部屋はむちゃくちゃになっているので、帰ったらまずは掃除からなんです」といわれてるのを聞きながら、皆さんいろんな工夫をされているのだと思いました。
「ひとりでゆっくりリラックスして過ごせる場所を自分なりに作ってみよう」
そう思い、自分なりに調べて、プリンが過ごす部屋を決めました。冷暖房完備でできるだけ静かな場所で、ベッドとトイレが設置できる大きめのサークルを購入しました。部屋で自由に過ごせるようにしようかとも思いましたが、犬はサークルなど落ち着ける場所があった方がいいと書いてあったのと、誤飲なども怖かったので、サークルを設置することにしたんです。
わたしが仕事に出る時は、エアコンフル稼働で居心地の良い居住空間を作り、さみしくないようにコングなどいろんなおもちゃを準備し、少しずつひとりの時間をつくるようにしました。
最初は30分、お利口にできていたら褒めて、次に1時間、3時間…と少しずつ少しずつ時間を延ばしていきました。
プリンにわたしの気持ちが通じたのか、静かにお留守番ができるようになりました。
生活のリズムをつくること
このように、少しずつ少しずつ時間をかけてひとりでいることに慣れてもらい、プリンはとてもお利口にお留守番ができるようになりました。サークルの中にいると安心するようで、わたしが仕事で出かけた後はぐっすり眠っているようです。そしてわたしが帰宅すると、とても嬉しそうにしっぽを振って出迎えてくれます。
プリンにお留守番させる日は、必ず1日1回30分以上のお散歩に行くこと。もし天候不良で行けない場合は、たっぷりと愛情をかけて遊んであげること。自分の体調が悪い時でも、これだけはするようにしています。
犬との生活は、いろんなことが起こります。プリンは体が弱く、小さな頃からいろんな病気にかかったりしていますし、毎日悩んだり困ったりすることもあります。
でもそれ以上に、たくさんの幸せとたくさんの愛情をくれる、とても大きな存在です。
お留守番をさせることについては、正直今でも罪悪感を感じることはあります。わたしはとても心配症で、本当はずっと一緒にいてあげたいと思ってるんですよね。でも思っていた以上に医療費がかかるため、今のところは仕事は続けていこうと思っています。
でもプリンが病気などの時はお休みをいただき、一緒に過ごすようにしています。これから先、プリンが歳をとったら仕事をやめようと思っています。
わたしがお留守番について書こうと思ったのは、自分自身が犬を飼うことについてとても悩んだからです。もしかしたらわたしと同じような悩みをお持ちの方もいらっしゃるかもしれないし、お1人暮らしで犬を家族として迎えたい、と悩んでおられる方もいらっしゃるかもしれません。
わたしと同じように、犬を飼うことで毎日の生活が豊かになり、「自分自身が救われる」という方もおられるかもしれません。
もし今、仕事をしていてずっと一緒に過ごせないからと犬を迎えることで悩んでいる方がおられたら…
もちろん理想はずっと一緒に過ごすことだと思いますが、きっとそれぞれの生活スタイルが出来上がってくると思います。案ずるより産むがやすしといいますが、うちもそうでしたが、何とかなるもんですよ。
ただし、ペット禁止のマンションなどの場合は、ペット可に引越してからにしてくださいね。もしばれてしまうと手放すことになりますから。
犬はとても愛情深く、惜しみなくたくさんの愛情をわたしたちにくれます。離れている時間があっても、お休みの日や一緒に過ごせる時間はたっぷり愛情をかけてあげることで、しっかりと絆をつくることができると感じています。
プリンを家族に迎えて、本当によかったです。
ブログ:京都アニマルコミュニケーション桜梅桃李~愛犬プリン~
ライター:HIROMI
昨年の3月に愛犬が亡くなり一周忌を終えました。随分悩み新しいわんちゃんを迎えたいと言う気持ちになりましたが家族の中で私だけがあともう一歩気持ちが進みません。飼いたい気持ちは家族の中で一番強いかもしれませんが、みんながフルで働いているため長時間の留守番をさせることになります。その点が可哀想に思い飼うと決心してみては、またわんちゃんは幸せになれないと気持ちが決まりません。やはり亡くなったワンコに十分愛情を注いできたつもりですが寂しい思いをさせたんだろうなと思ってます。その点がひかかり前に進めません。
今すぐは無理ですが仕事は短くて3年後には時短にしたり、パートになるように考えようと思ってますがわんちゃんにとって3年間の長時間の留守番は長くて寂しいのだろうと思ってます。前に進みたいのに進めません。
アドバイスをいただけたら嬉しいです。
むぎさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
返信が遅くなり、大変申し訳ありませんでした。
昨年に大切な愛犬が旅立たれたとのこと、とても寂しくお辛いですよね。
アドバイスなんておこがましいので、自分の経験と考えをお話させていただきますね。
ワンコを迎える時って、決心というよりはタイミングなのではないかと思います。
わたしの知人の愛犬家の方たちの話になりますが、大切に大切にされていたワンコが旅立った後、すごく寂しくて悲しくて、次の子を迎えるという気持ちになかなかなれなかったけど、ある日突然出会いがあり、新しい子を迎えた方がとても多いです。
気持ちが進まない時は無理に決心するよりも、自分が納得できるまで待ってみるのもひとつだと思います。
きっと無理して前に進もうとしても、むぎさんはとても愛情深くて優しい方だと思うので、何かあった時にご自分を責めてしまったりするのではないでしょうか。
お留守番については、確かにいろんな意見があります。できればずっと傍にいてあげる方が寂しくないし幸せだと思います。
うちは最初にクリンを迎えた時、ひとりで長時間お留守番させていました。
2000年のGWの前日にうちの子になり、そこから約1週間ずっと一緒に過ごしましたが、休み明けからずっとお留守番の生活になりました。
最初は声が枯れるまで鳴いていたようで、帰宅した時にガラガラ声になっているのを見てすごく申し訳ない気持ちになりました。
2週間もすれば声が枯れることはなくなりました。
仕事に行く時に、コングにささみジャーキーを詰めてなかなか取れないように工夫していました。
クリンはコング=お留守番と理解したようで、それからは鳴くこともなくなりましたし、お利口にお留守番してくれるようになりました。
ただずっと罪悪感はあり、新しい子を迎えてふたりっ子になったら寂しくないかも…と考えていましたが、なかなか迎えるまでには至りませんでした。
ある日たまたま買い物に行ったペットショップで、次に迎えたニコと出会いました。
初めて顔を見た時に「この子だ」と思いました。クリンはもう2歳半になっていましたが、顔合わせしたらいい感じだったのでそのまま連れて帰りました。
2009年にみのすけを迎えることになりましたが、2018年にニコ、2019年にクリンを続けて見送りました。
それまで10年間おねえちゃんたちと一緒でひとりになったことがなかったみのすけですが、すぐにひとりでお留守番できるようになりました。
ちなみにお留守番中はずっと寝ているみたいです。家にいる時はべったりですが、出かける時はおやつをあげて「お留守番してね」と伝えると、ちゃんと理解してくれているようです。
フルタイムでお仕事をされている飼い主さんもたくさんいらっしゃると思います。
この記事を書いてくださった方も、ご夫婦でお仕事されていらっしゃいます。
いずれ介護が必要になったらずっとそばにいてあげないといけなくなります。
だからそれまではお仕事を続けて医療費貯金するのもありだと思います。ほんと医療費かかりますもんね(涙)
何よりも一番大切なのは、むぎさんのお気持ちだと思います。
ワンコも縁のある子が来ると思います。出会うタイミングが来た時にどうするか考えてみられるのがいいのではと思います^^
長くなり大変申し訳ありません。
でもむぎさん家に迎えられる子はとても幸せだと思います!
いつの日か素敵な出会いがありますように。
どうしても犬を飼いたくてあきらめられません。
しかし、共働きで、犬に費やす時間がもてないため、毎日ブログなど見ては癒されています。癒されると同時に「飼いたい」という気持ちも高まっています。
タカコ様
コメントありがとうございます。
きっとコメントを書いていただくまでに、いろいろと悩んでおられたのではないでしょうか。勇気を出して書いていただいたのだと思います。
お悩みにつきまして、安易にお話することができないと思い、ワンワンラボチームメンバー全員で話し合いました。
わたしたちも最初は何の経験もない中でワンコを迎えました。そして、ワンコを迎えてよかったと心から思っています。でも一方で、後悔していることも多々あります。
わたしも最初はフルタイムで働いていたため、ずっとひとりでお留守番をさせていました。出かける時にコングにジャーキーを詰めてひとりになる寂しさを紛らわせるように工夫したりしながら、少しずつお留守番することに慣れてもらいました。結構長時間のお留守番になっていたため、クリンが2歳半の時にニコを迎えました。2頭になってからは安心してお留守番できたようでした。
現在共働きとのこと、命を迎えるにはお金がかかるため、お2人で働いておられるなら安心だと思います。
ワンコはわたしたちよりも早いスピードで歳をとります。
若い頃は元気でいることが当たり前で、大切にしていれば病気なんかしないと思っていました。でも歳を重ねると、人間と同じで体のあちこちに不具合が出てきます。
わたしもライターの奥村さんも山浦さんもですが、高齢になり持病が出始めてからは、ほぼ傍についていました。わたしは傍についているため、仕事の時間帯を夜に変えました。
お仕事をしながらお世話をされている方もおられますし、それはそれぞれの価値観だと思います。
でも介護が始まると、出かけることもままなりません。医療費もかかります。持病があるとひと月10万円くらい、トータルで200万円くらいはかかります。
これでもわたしたちは少ない方で、癌などに罹患すると、手術や抗ガン治療に非常に高額の医療費がかかります。保険に入っていなければ、100%負担になります。
もしタカコさんがどうしても諦めらないと思われるなら、今から15年後、介護が始まった時のことを考えられるといいのでは、と思います。
そして、責任を持って最期まで命を全うさせる覚悟ができたら、家族の一員として迎えられたらいいのでは、と思います。
犬を迎えるということは、今から20年先まで命を預かる覚悟があるか、ということなんだと思います。
その覚悟を持って迎えると、ワンコはとてつもない幸せをくれます。
わたしたちにとって、ワンコは我が子であり、とても大切なことを教えてくれる先生のような存在でもあります。
タカコさんはワンコを迎えることをこれだけ真剣に考えておられるくらい優しい方なので、きっと素敵な毎日になると思います^^
押し付けになっていたら申し訳ありません。
わたしたちにとって、犬はそのくらい大切な存在で、自分の命をあげてもいいと思っています。
もしタカコさんに相談する方がおられないということであれば、わたしたちでよければいつでもお話を伺いますので、気軽にご連絡くださいね。
タカコさんとご家族にとって、最高の結論が出せますことを願っております。
福井 惠子