【シニア犬(老犬)の食べムラ】我が家の秘密兵器

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックスフンド

病名・症状:食べムラ・食い渋り・食欲不振

発症年齢:15歳

発症の経緯:投薬の失敗・子宮の不具合(痛み)・歯石による食欲不振

治療法:飼い主の工夫

 

 

飼い主を悩ませる「食べムラ」

 

我が家の愛犬クリンは、15歳の時の体の不具合と投薬により、強烈な食欲不振に陥りました。

きっかけは足の痛みでしたが、その時の投薬(超苦い痛み止めと超苦い抗生剤)を食べ物(好物)に隠して与えようとしたことが原因で、食べ物に不信感を持ってしまいました。

飼い主の失敗により、「食べること=苦いものを無理やり口に入れられる」とインプットされてしまったことで、口さえ触らせてくれなくなってしまいました。

ご飯を食べないことは、重篤な病の宣告をされるのとはまた種類が違うのですが、シニアになってご飯を食べない=このまま衰弱してしまう、という風に考えてしまい、めちゃくちゃ精神的に堪えます。

我が家の場合は少しずつ信頼関係を作り直すところから始め、ご飯と薬を完全に分けて与えるようになり、今では食べることへの不信感は払拭できましたが、食べムラだけは残ってしまいました。

クリンが食べるかどうかは、ご飯の時間になってみないとわかりません。以前は起きてすぐにご飯を食べてくれましたが、今はクリンがご飯を食べるまでの時間を想定し、用事がある場合はでかける3時間前には起きないといけなくなりました。

 

飼い主の生活にも大きく影響してしまう食べムラですが、数年付き合ううちにこちらにも知恵がつき、様々な小道具を使って比較的すんなり食べてくれるようになりました。

今回は、我が家で使用している、食い渋る時に使っている小道具とトッピングを紹介させていただきます。

 

 

食欲をそそる「匂い」

 

クリンはおかあさんに丈夫に産んでもらったようで、昨年末の手術の時に歯石ケアをしてもらった時、抜歯は1本だけで済みました。その他の歯はぐらつきもなく問題ないとのことで、今でもドライフードを食べてくれています。(手術の記事はこちら

 

手作りフードがいいという話も聞きますが、うちの場合は食べてくれないということと、栄養バランスを考えるのが大変なので、食べてくれるうちはドライフードを使おうと思っています。ただ噛む力は弱くなっているので、超小粒サイズのドライフードを与えています。

元々ドライだけでは食いつきは悪かったので食べムラ以前からトッピングはしていましたが、今はドライフードだけでは絶対に食べません。なのでトッピングは必須なんです。

 

14歳までは市販の缶詰をフードにかけて、上に薬をおいても食べてくれていたんですが、ここ数ヶ月は市販の缶詰やレトルトパウチなどは全く食べなくなってしまいました。

なので、最近は手作り系(鶏肉・牛肉・豚肉等)のボイルやソテーにしたものをトッピングに使ったり、ジャーキー系のものをトッピングに使用しています。

 

ジャーキーはうまみが凝縮しているようで食いつきはとてもいいです。

最近はふりかけ系も充実していていろんな種類の商品があり、以前は使っていましたが、開封したてはものすごく強い香りでも日数が経つにつれどんどん香りが弱くなり、食いつきも悪くなっていくんですよね。

食欲を刺激するのに一番効果的なのは「匂い」。なので匂いが強くなる方法を色々考えてみました。

 

 

うちで使っているトッピングと秘密兵器①

 

これが今一番ホットなジャーキーです。鴨肉のジャーキーで、鶏肉よりも匂いが強く、開けた瞬間めっちゃ食いついてきました。これは鴨ささみ肉がカットしてあるタイプです。あまりに食いつくのでつい大人買いしてしまいました(笑)

 

 

 

こちらは砂肝ジャーキーです。これは砂肝がそのまま乾かしてあり、かなりハードタイプになります。

 

これらをトッピングに使用していますが、このままだと固いし大きいしでどちらも食べることはできません。大きなものも固いものも、食べようとはしますが、ポロっと落としてしまうんですよね。一度落としてしまうと、食べられなかったことにショックを受けるのか、それから食べてくれなくなってしまうこともあります。これは性格もあると思いますが、クリンにとっては「今までと同じように生活している」ということが大切なことのようなので、「できないこと」を増やさないようにするために、こちらで工夫してできることは先回りしてするようにしています。

 

 

そこで、1つ目の秘密兵器の登場です。

 

ニッパーです。ホムセンなどで100円くらいで売っているものです。ニッパーは固いものを簡単に切れるので、砂肝などはこれで小さくカットして食べさせています。

最初からカットしてあるものを買わないのは、ものが大きい方がカットしてあるものよりも匂いが強いように思うからです。いつも食べる直前にパチパチとカットして、フードの上にふりかけています。

カットすると、切り口は新鮮なので結構匂いが強くなります。なのでこれもかなり有効な方法です。

 

 

我が家の現在最強の秘密兵器

 

ずっとニッパーを使っていましたが、これでもやっぱり食い渋りが出てしまうことがありました。

そこで、匂い立たせるための方法を考えてみたんです。焼く・煮る・あぶる……そう、熱を加えれば匂いは強くなるぞ!という結論に達しました。

 

そして、我が家の最強の秘密兵器ができました。

 

 

それは、おろし金です。

これでジャーキーをすりおろすと、封を開けて多少時間が経っていても、すりおろす際の熱で瞬時に匂い立たせることができるんです。

ちなみに、最初は100均のプラスティックのおろしを使っていましたが、あまりに固いため、とんがっている部分が折れてフードの中に混ざってしまったんです。

すぐに見つけることができたので事なきを得ましたが、間違って食べてしまうと大変なことになるかもしれません。なので、強度のあるステンレスのおろし金を探して購入しました。

これは固い砂肝ジャーキーでも楽々すりおろすことができます。ありがとう、おろし金。

 

おろし金ですると、とても細かいふりかけになります。匂いは強いですが、もう少しジャーキーっぽさを出すことと、ザラっとした食感を混ぜることでドライフードを違和感なく食べてくれるように、ハサミでジャーキーをカットしてフードの上にふりかけるようにしています。フードだけになってしまうと残してしまうこともあるので、食べている途中でトッピングを追加して、フードを残さないように工夫しています。

 

 

【参考】簡単自家製ふりかけを使った食べさせ方

 

 

 

これが実際にすりおろし&カットしたジャーキーです。

うちの場合、最初からフードの上にかけても食べてくれません(涙)

長年の食べムラでどうも癖がついてしまったようで、すんなり食べてくれることはほとんどないため、まずはトッピング選びから。数種類あるトッピングを、ローテ―ションでくるくる回すようにしています。

鴨肉ジャーキーの場合は、まず小さな一口大にカットしたものを食べるか確認し、食べてくれたらふりかけを作ります。

ふりかけだけをまずは食べさせて、食べてる間に別のお皿に出したフードの上にジャーキーをシャカシャカとふりかけ、それをスプーンで少しずつ横から足していきます。

コツは、最初に入れるフードはトッピングたっぷりにすること。これでうやむやになるようで、結構フードをすんなり食べてくれるようになりました。

フードを食べたら、あとは残ったフードを追加していくだけで、普通に完食してくれるようになりました♪

 


 

かかりつけの獣医さんによると、ハイシニアの食べムラや食い渋りは当たり前に起こるそうです。人間も歳をとると食の嗜好が偏ってしまうことがありますが、それと全く同じだそうで、今までおいしいと感じていたものもおいしく感じなくなったり、嗅覚が衰えてくることでより匂いの強いものを好む傾向が出る場合もあるそうです。

誰でもいつかは歳をとります。歳をとるとわがままになってしまうのは人間も犬も同じ。なので、自分が付き合える範囲であれば、食べたいものを食べたい時に食べてもらうのが一番かなぁと考えています。以前は食べないといちいち落ち込んだりしていましたが、3年も付き合ってると耐性がつき、今は1食くらい抜いてもいいか、くらいに思っています。

ただ体重が減っている時やあまり体調が優れないような時などは、体力を維持するためにシリンジで与えるようにしています。シリンジを有効活用することで、わたしの生活もかなり楽になりました。

ちなみに薬もシリンジで与えています。シリンジを使った投薬と給餌方法はまたあらためて紹介させていただきますね。

 

食べムラで困っている方はとても多いようで、よく耳にします。どうか少しでも参考になりますように。

 

 

ライター:福井 惠子

 

 

【犬の心臓病】咳をしたら要注意

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックスフンド

病名・症状:僧帽弁閉鎖不全症

発症年齢:14歳

発症の経緯:咳やくしゃみが頻繁になる

治療法:投薬

 

 

これってただの風邪?

 

我が家の次女ニコは、14歳の時に僧帽弁閉鎖不全症と診断されました。

ニコは12歳の時に乳腺腫瘍が見つかり、腫瘍摘出と子宮摘出手術を受けました。それまで大きな病気をすることもなく過ごしていたので、初めて診断された時はとても驚きましたが、手術以降は大きな変化もなく過ごしていました。

ニコが14歳になった時、ちょうどクリンの体調不良の時期でクリンに時間をとられていていた時です。よくニコが咳(おじさんが痰を吐くような咳)をしていることに気付きました。

最初は何か変なものでも食べたのかなと思って気にしていませんでしたが、あまりに頻繁にするので、クリンの通院の時に病院に一緒に連れて行きました。

 

症状を伝え、聴診器とエコー検査と血液検査を受けました。ただの風邪だろうと思っていたわたしは、その病名を告げられて驚きました。

 

 

僧帽弁閉鎖不全症とは

 

僧帽弁閉鎖不全症について、他サイトの記事を引用させていただきます。

 

加齢で起こる弁の閉鎖不全

今回の病名で出てくる僧帽弁とは、左心房と左心室の間にある弁の名前です。心臓内には血液が逆流しないように、各部屋の間と動脈に行く前に大きな弁が四つ存在します。僧帽弁はその一つです。僧帽弁閉鎖不全症は、名前の通り僧帽弁が閉鎖せず、血液が左心室から左心房に逆流してしまう病態です。

僧帽弁閉鎖不全症の原因として最も多いのは加齢による弁の粘液腫様変性で(※1)、簡単に言うと弁同士の噛み合わせが悪くなって弁の役目を果たせず、血液が行ってはいけない方向に流れるということです。

出典元:PETOKOTO 犬の僧帽弁閉鎖不全症の症状やステージ、手術・治療法など認定医が解説


 

歳をとると、体の機能も低下します。内臓の働きも悪くなるため、様々な機能障害や病気を発病してしまうこともあります。

心臓は、心筋(心臓筋)といわれる筋肉で心臓壁の大部分を構成しています。心臓は、心筋が収縮して血液を送り出していますが、年齢と共に動きは悪くなっていきます。

特に高齢の小型犬に多く発症するようで、発症してすぐはほとんど症状がないため、全くわからないこともあるそうです。まさに我が家の場合もそうでした。

咳のような症状が出始めていると、かなり症状が進んだ状態である場合が多いようです。

ニコの場合も、聴診器を当てて聞いただけでかなり大きな雑音だったそうです。

 

 

症状の見逃しは多頭飼いで起こりやすいかも

 

ニコが発症した時、ちょうどクリンの食べムラで悩んでいた時と重なっていました。言い訳になるのですが、この時はクリンの食べムラで半分ノイローゼのようになっている時で、ニコの変化にすぐに気づいてあげることができませんでした。

健康診断は受けていましたが、血液検査で異常がみられなかったので見逃していました。病院ではこちらから申し出ないとエコーやレントゲンまでは撮らないと思います。費用もかさみますし、基本は飼い主の申告で検査をするからです。

うちの場合は、咳をしていることが多くて、なんでこんなに咳をするのだろうと思ってからだったので、もしかしたら数ヶ月は気づいていなかったかもしれません。クリンの方にかなり手がかかっていたこともあり、気がついた時には結構進行していたのだと思います。

我が家は3頭の愛犬がいますが、一番上のクリンは一番高齢でもあるのでどちらかといえば過保護になっています。そして一番下のみのすけは、虐待されていたという過去もあり、ついつい甘やかしてしまいます。

ニコはいわゆる中間子。真ん中でしかも全然手のかからない子なので、どこかで「この子は大丈夫」という考えがあったように思います。12歳で手術した時はめちゃくちゃ焦りましたが、喉元過ぎればなんとやらで、ご飯も毎日しっかり食べてくれるし、出すものもしっかり出してくれていて、一見何も問題ないように見えたのも、見逃した原因のひとつだったと思います。

それとニコはアレルギーも持っていて、埃などでも結構咳をすることは珍しくなかったことも原因のひとつでした。今となってはすべて言い訳ですが。

診断を受けてからは投薬で咳も治まり、進行をゆっくりにはできていると思います。でももっと早く気づいてあげることができたら、もしかしたらもっと軽くで済んだかもしれない、と考えてしまいます。

 

 

早期発見が寿命と医療費を安くするコツ

 

自分の実体験と後悔があるので、咳をしている子を見かけると「病院で検査した方がいいですよ」とつい言いたくなります。ホームセンターなどでワンちゃん連れでお買い物をしている方の会話が漏れ聞こえてきたことがあったのですが、ワンちゃんが咳をしていても、この子よく咳するのよねぇ、なんて話をされていたらもう言いたくて言いたくて仕方なくなります。でもいきなり知らない人から「心臓病かもしれません」なんていわれたら失礼だと思われるかと思ってなかなか行動に移せません…

 

僧帽弁閉鎖不全症は特別な病気ではありません。高齢の小型犬は特に罹りやすい病気であるといわれています。早い子であれば7歳を過ぎた頃から、10歳を超えると罹患率は大幅に増加します。

 

もし愛犬が咳をしていたら、その咳が数日続いているようであれば、一度獣医さんで診察を受けてみてください。

病院によっては毎回聴診器をあてないところもあると思いますが、雑音は聴診器で聞くとすぐにわかるそうです。

早めに治療すれば、進行を抑えることができます。心臓は一度悪くなってしまうと元に戻らない臓器。心疾患は「ガン」に次いで死亡率の高い病気です。

そしてこれはどの病気にも言えることですが、悪化すればそれだけ検査費用も薬代も高くついてしまいます。

心臓の病気は、初期の場合はほとんど症状がないため、特に見逃しやすいと思います。アレルギーなどを持っている子や、喉や胃腸が弱くて結構咳をする子の場合は特に見逃しやすいと思います。

 

おじさんが痰を吐くような咳は、大きなサインのひとつです。もし思い当たることがあれば、早めに病院で検査を受けることをおすすめします。

 

 

ライター:福井 惠子

 

 

【犬のセカンドピニオン】わたしが転院した理由(3)

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックスフンド

病名・症状:胆泥症/子宮蓄膿症

発症年齢:14歳/15歳

発症の経緯:ヒート症状から食欲不振 陰部の腫れ

治療法:投薬治療(2年間)→17歳9ヶ月で手術

 

関連記事:

【セカンドオピニオン】わたしが転院した理由(1)

【セカンドオピニオン】わたしが転院した理由(2)

 

 

驚きの診断内容

【セカンドピニオン】わたしが転院した理由(3)

 

初めて訪れたその病院は、今まで行ったことのないような雰囲気でした。

待合とつながった診察室。間仕切りのない診察台がいくつも並び、複数人のドクターと忙しそうに走り回るたくさんのスタッフの方たち。その中で、ひときわ大きな声で指示を出されていたのが院長先生でした。

初診で見ていただいた先生に、抗生剤投与しても8ヶ月CRPが下がらないこと、心臓の薬を飲んでいること、胆泥症であること、子宮水腫の治療をしていること、胆管肝炎と診断されたこと、わたしは歯が悪いのではないかと思っていること、2年以上食べムラに悩んでいることなどをお伝えし、持参した前の病院の検査結果などをお渡ししました。

まずはきちんと診断した方がいいということで、CT(無麻酔)とレントゲン、血液検査・心電図・血圧・エコーでの検査をすることになりました。

血液採取してCTとレントゲンを撮った後、院長先生が来てくださり、先生から状態の説明をしていただいた後、ちょっと触らせてとクリンの体を触られました。

「この子、子宮に痛みがあるよ。だからご飯食べないんじゃない?」

なんと1分もかからず、食べムラの原因を究明してくださいました。そして検査の結果、子宮はすぐに取った方がいいといわれました。

心電図の結果、不整脈があることがわかりました。そして中度の水頭症であることもわかりました。胆泥症は軽度でこのまま投薬でいいとのこと、そして重度のヘルニアであることがわかりました。

前の病院に行った3日後だったのですが、その時に2週間効く抗生剤を注射してもらっていたため、CRPは高いけどクリンの負担になるから2週間経ってからでないと何もできないといわれました。

痛みがあること、アリジンでの治療が2年続いていることなどから、もしかしたら子宮が癒着しているかもしれないこと、エコーで診た限り少し腫れがあるようなので、これ以上アリジンでの治療は効果が期待できないかもしれないこと、歯の状態がかなり悪いため、炎症は歯の可能性もあること、きちんと治療したいなら手術しかないことなどの説明を受けました。年齢的にももう猶予はないため、決断するなら早い方がいいといわれました。

そして、ものすごく分厚い本を持ってきてくださいました。それは獣医さん用の薬の辞典のようなもので、今まで使っていた薬をひとつひとつ説明してくださいました。

 

 

炎症の原因と術前の準備

【セカンドピニオン】わたしが転院した理由(3)

 

抗生剤には種類があり、どういった炎症に効くか、どの臓器に負担がかかるのか、薬の種類により効果がない炎症があるため、どこで炎症が起こっているかを把握して薬を選ばないと、効果はないのに臓器に負担だけがかかる、ということを教えてもらいました。クリンが受けていた2週間タイプの抗生剤は、歯には効かないタイプの抗生剤とのことで、8ヶ月間も下がらないところをみると、炎症は歯で起こっている可能性が高い、といわれました。

それまで原因のわからなかった炎症の原因に見当がついたことと、食べムラの原因がわかったことで、わたしの決心は固まりました。この先生にクリンの命を預けよう、そう心に決めました。

手術を受けることを伝えると、まずは2週間の薬が切れるのを待つこと、不整脈があるため、寝ている時に不整脈が乱発していると麻酔のリスクが高まるため、24時間心電図で事前に調べておくこと、そしてもしもの時の場合の処置ができるかどうか、血液の流れをよくする薬を投与し、状態を確認しましょうといわれました。

 

心電図の結果、不整脈はあるものの、大きな問題はないということでした。血の検査も問題なし。あとは手術の日を待つばかりとなりました。

「15歳で子宮水腫がわかった時すぐに手術をしておけば、クリンはこんなにしんどい思いをしなかったのかもしれない。」

この時に、選ぶ病院でここまで差があるということを痛感しました。

前の病院も決して悪いところではありませんでした。わたしの友人も何人か紹介しましたが、転院して命を救われた子もいました。もしかしたら、14歳でセカンドオピニオンを受けた時に「手術を受けるのが怖い」という入口だったから、手術をしないという前提になってしまったのかもしれませんし、手術に自信があるからこそ、できるだけリスクを避けてギリギリまで待つという方針になったのかもしれません。

 

まもなく18歳を迎える高齢の子に積極的治療を提案するのはかなりリスクが高いと思います。でもその病院では、15歳16歳で手術する子はたくさんいて、高齢での手術がはそう珍しいことではないとのことでした。クリンの胆泥症がわかった14歳の時、子宮の異常がわかった15歳の時、もしこの病院を知っていたらきっと治療法は違ったと思うと、心の底から後悔しました。

クリンは、最初に病院を訪れてから約3週間後の11月3日に手術を受けることになりました。年齢的にも急変に備え、他に手術が入っていない日でドクター2人体勢で手術をしてくださるとのことでした。

この日から、手術前日までは祈るような気持ちで過ごしていましたが、一方で転院してから食欲も旺盛になり、元気に過ごしているクリンを見て、「きっと大丈夫」そう思えました。

 

 

手術を受けてからの変化

【セカンドピニオン】わたしが転院した理由(3)

 

手術当日、抱っこされて手術室に向かうクリンを祈るような気持ちで送り出し、待つこと1時間。

先生からは「心臓の様子によって、歯の治療はできないかもしれない」と言われていましたが、無事歯石を取り、1本抜歯をしていただくことができました。

摘出した子宮も見せてもらいました。1ヶ所腫れている部分がありそこに痛みがあったのではないかということ、癒着はしていなかったこと、歯の状態は思ったほど悪くなかったけど歯石はかなりひどい状態でおそらく痛みもあったであろうこと、そして年齢的にも術後の急変も考えられる状況であるため、今日は終日病院で様子をみましょうといわれました。

 

クリンは麻酔の影響でぐったりしていましたが、1時間後には自力で起き上がりました。

【セカンドピニオン】わたしが転院した理由(3)

 

長い1日が終わり帰宅すると、足元はおぼつかないながらよたよたと歩いてくれて、クリンの生命力にとても感動しました。傷口が癒着してしまうためできるだけ動くようにといわれてたので、翌日からお散歩再開。傷口が突っ張るのか本調子ではないものの、クリンは走ろうとするくらい元気でした。食欲はなかなか戻りませんでしたが、術後4日目でやっとご飯を完食してくれました。術後初めてご飯を食べた時、「あれ?」という顔をしたんですよね。大きな歯石がべったりついていて、それが歯茎に食い込んで痛みがあったようだといわれていたので、きっといつもの痛みや引っかかりがないことに気付いたのだと思いました。歯石も食べムラの原因であったのだと思いました。

 

病院を変わってから、クリンに良い変化がありました。まずは食べムラ。それまでよりも明らかに食欲が戻りました。特に通院から帰宅した後はなぜか食欲が増していて、帰るなりガツガツと食べてくれることもありました。もしかしたら今の病院で痛みがあることを最初にわかってもらえて安心したのかもしれない。そう思いました。

実はクリンが下痢をしたので昨日も病院に行ったんですが、少し食べムラがあると伝えたところ、体を触ってすぐに❝ヘルニアの痛みが原因だと思うから、ヘルニアの注射と鍼治療をして痛みを取ったら食欲は戻ると思いますよ❞といわれ、治療を受けたところ、昨夜はしっかり食欲が戻りました。

 

犬は話ができませんので、飼い主は愛犬のしぐさや表情から推測するしかありません。前の病院はクリンにとって良い思い出がないのかもしれませんが、同じようなに嫌なことをされても痛い思いをしても、それでも震えたり嫌がったりすることはなくなりました。クリンはわたしに自分なりに伝えていてくれていたのだと思うと、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

 

 

飼い主だからこそできること

【セカンドピニオン】わたしが転院した理由(3)

 

手術を受け、クリンは今まで以上に元気になりました。今でも食べムラは多少ありますが、以前と比べるとかなりご飯を食べるまでの時間は短くなりました。体の悪いところをしっかりとわかってくださっていて、飼い主のわたしにもわかるように伝えてくださるので、本当に安心してお任せすることができます。

 

今の病院に移り、薬によって負担がかかる臓器が違うことや、症状に合わない薬を投与しても効果は全くないということを知りました。誤診で間違った治療を続けていても、症状は全く改善されず、ただ体に負担がかかるだけということも痛感しました。

そして、高齢であっても積極的治療ができるということを知りました。

 

わたしの友人は、愛犬の不具合である病院を訪れ、きちんと検査を受けないままに手術を受けました。そして開腹して何もできないまま閉じたそうです。手術を受ける前にはCTを撮るなど、病変をもっと詳しくみてからというのが一般的ですが、その病院ではエコーだけで手術に踏み切ったそうです。そして「うちでできることはない」と退院させられたそうです。

その病院はとても綺麗で、結構流行っているとのことでした。

 

今回の件で、わたしは知人からの口コミにとても救われました。もし情報がなければ、きっと病院を変わることはなかったと思いますし、今クリンと一緒に過ごせていなかったかもしれません。

 

ネットは情報が溢れています。口コミサイトもありますがほとんどは匿名で、中には自作自演のものもあると聞きます。リアルな情報かどうかも正直わかりません。そしてどの情報をチョイスするのかにより、結果は大きく変わってしまいますが、もちろんそれは自己責任。ネットは手軽ではありますが、発信されている情報がすべて正しいとはいえないんですよね。

だからこそ、愛犬家同士のリアルなつながりは大切だと考えています。

 

もし今、セカンドオピニオンを考えておられる飼い主さんがおられたら。

近所のドッグランに行って他の飼い主さんと動物病院の情報を交換したり、周りに犬を飼っている方がいない場合は、ネットで愛犬ブログをやっておられる飼い主さんを探し、コンタクトを取ってみるといいかもしれません。闘病を経験している飼い主さんは、情報の宝庫です。いろんなことを試されたり工夫されているので、お話を伺うだけでも参考になります。

なにより、愛犬家の皆さんはとても優しくて、とても親身になってくださいます。

 

どうかお一人で悩まないでください。必ず手を差し伸べてくれる優しい飼い主さんがおられますから。

 

 

ライター:福井 惠子

【犬のセカンドオピニオン】わたしが転院した理由(2)

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックスフンド

病名・症状:胆泥症/子宮蓄膿症

発症年齢:14歳/15歳

発症の経緯:ヒート症状から食欲不振 陰部の腫れ

治療法:投薬治療(2年間)→17歳9ヶ月で手術

 

関連記事:【セカンドオピニオン】わたしが転院した理由(1)

 

初めての入院

 

クリンは2015年10月24日に入院しました。点滴の針を刺されて、冷たいステンレスのケージの中に入ったクリンを見ているだけで悲しくて悲しくて、やりきれない思いでいっぱいでした。

当初膵炎の疑いといわれてましたが、血液検査でリパーゼの数値が上がることはなく、おそらく膵臓と胆のうが合流しているあたりが炎暑を起こしているのであろうとのお見立てでした。

その病院は、先生が年中寝泊まりされているとのことで、何かあれば連絡をくださるとのことで安心して預けることができました。入院中はほぼ1日2回病院にご飯を持って通いました。点滴の針は入院して2日後に抜いてもらいましたが、全く食欲がない状態で、先生が強制給餌でフードを食べさせてくれていました。嫌がって暴れるクリンを無理やり押さえて食べさせるため、胸元はウェットフードでガビガビになっていました。

当時の自分には押さえつけて食べさせることはできませんでしたので、食べさせてもらえるだけでありがたいと思っていました。毎日薬を飲んで血液検査をしていましたが、CRPはなかなか下がらず、体重はとうとう3㎏を切り、2㎏台になってしまいました。

その時に先生から「死の宣告」をされました。

面会に行くと嬉しそうにこっちに来てくれるし、顔を見ていると元気そうだったんですが、これほどまでに食べない子はなかなかいないし、何よりも食欲がないという状態はとても怖い状態だといわれました。

相変わらず食べない日が続いていましたが、入院して1週間が経った頃くらいからようやく炎症数値が下がり始め、エコー検査は問題なし、血液検査も特に悪い数値は出ておらず、CRPが2を切ったら一旦退院しましょうといわれました。

 

ちょうど入院して2週間経った頃、病院のスタッフの方が「退院した方が食べるようになるのでは」と言ってくださり、CRPはまだ少し高めではありましたが、11月4日に一旦退院することになりました。

帰ってきたらびっくりするくらい元気になり、帰宅後はなんと2食もりもり食べてくれました。

とはいえ年齢的には決して楽観できないと思い、食べないと病院に行って点滴をしてもらう日々は続きました。ムラはあるものの、ご飯も食べてくれるようになり、ホッと一安心でした。

 

 

ヒートと陰部の腫れ

退院後は食欲も戻り、16歳の誕生日を元気に迎えることができました。体重も3㎏台になりました。

ところが5月になり、また強い食べムラが出始めました。ここから現在までの約2年近く、ご飯の時間になったら普通に食べに来てくれるということはなくなりました。そして、ヒートではないのに陰部が付いている部分が腫れるという症状が出てきました。(陰部が垂れ下がる感じ)

病院に行って診てもらいましたが、子宮の腫れはなく、点滴と抗生剤の注射をするだけで、なぜ陰部が腫れているかなどの話はありませんでした。その頃から少しずつ不信感が芽生えていましたが、ずっとお世話になっていることもあり、自分の気持ちにフタをするようになりました。

それからも陰部が腫れることはありましたが、時間と共に治まることもあり、それからはヒートのような症状が出たらアリジンを打って、食欲が落ちたら点滴をするという治療が続きました。

アリジンは、最初の時は目に見える効果がありましたが、2回目・3回目と回数を重ねていくごとに効果を感じることはありませんでした。ただ子宮蓄膿症を発症することもなく、なんとなく状態が安定していたので、その治療を維持していました。

そして2017年、17歳の誕生日月にワクチン注射と検診に訪れた時、血液検査でCRPが上がっていることがわかりました。

 

 

理由のわからない炎症

当時、食べムラと陰部の腫れ以外に気になることがひとつありました。それは「歯」です。

ご飯を食べた後などに、クッションなどにマズルをこすりつけるようなしぐさをよく見せていました。実際クリンの歯は歯石だらけで、奥歯の頬側には大きな歯石が固まりとなってべったりついていました。歯のケアをしたかったのですが、投薬の失敗からクリンは一切口周りを触らせてくれなくなっていたので、隙を見て唇をめくって状態を見るくらいしかできませんでした。

もう少し若ければ歯石除去をお願いしたかったのですが、年齢的に難しいと思っていたので、取れそうなところだけ取ってもらえないか病院で頼んだことがあるのですが、なかなかやってもらえませんでした。

 

CRPが上がっている原因は「子宮」だろうとのことで、アリジンと炎症を下げる薬を注射してもらいました。この時点で約3年通っていたのですが、最初の頃に比べて診療が雑になっているように感じていました。

「本当に子宮なのだろうか」と思っていましたが、言い切られてしまうとなかなかそれ以上聞けなくて、2週間効くタイプの抗生剤と点滴を打ってもらっていました。

ここから10月まで、ずっとこの治療が続きました。いつまでも下がらない炎症数値。血液検査をしても特に異常はなく、ただCRPが高いだけ。たまにこちらから子宮と胆のうの状態を見てほしいとお願いしてエコーで確認してもらうことはありましたが、大きな変化もなく、ヒートっぽい症状が出たりきつい食べムラが出たりするとアリジンを打って様子見していました。

 

 

8ヶ月間続く不調

 

8ヶ月にも及ぶ抗生剤投与と点滴。でも炎症数値は改善されず、下がっても1を切ることはなく、食べムラや食い渋りがひどくなることもありました。2月から数えると通院は20回を超えていました。

9月半ばに改めて炎症の原因について、先生に聞いてみました。エコー検査と血液検査を受け、先生の答えは子宮と胆のう炎ではないか、ということでした。そして自宅で皮下注射をする方法を提案されました。

もしかしたら歯が原因ではないかと思っていたので、歯を診てほしいということ、そして歯石もできる範囲でいいので何とかしてもらえないか、とお願いしました。

しかし、歯は診てもらえませんでした。理由は、「噛むから」でした。

実は転院してきてすぐの頃、クリンの歯石を麻酔なしでペンチのような器具で割って取ってくださったことがあったんです。それを見ていたので、簡単に取ってもらえるのでは、と考えていました。

長い治療の中でいろんな「嫌なこと」が積み重なり、クリンにとって病院そのものがストレスになっていたのだと思います。病院に行くととても嫌がるようになってしまっていました。

この時、これ以上クリンを診てもらうのは難しいと感じました。

実はずっと心のどこかで「このままではクリンは治らないかもしれない」と感じてはいました。でもそれまでの経緯や、入院した時にお世話になったから…重篤な状態の場合深夜でも連絡がとれるから…もし手術をすることになったらほかの病院では受けてもらえないかもしれないから…と、転院しない理由を考えていたんです。うちから車で10分かからない距離であったのも大きかったです。

 

この時のセカンドオピニオンは、わたしにとってはとても大きな決断でした。約3年間、ほぼ毎月のように通っていた病院で、クリンの状態を一番わかってくださっている先生だと思っていたので、気持ちの上でもかなり依存していたのだと思います。

でも今できることがあるならなんとかしてやりたい。病気でなく、自然に心臓が止まるその日までは元気に過ごしてほしい。そのためには、クリンの不調の原因を調べてくれる病院を探さなければ。

 

そして、SNSを通じて知り合った犬友さんが通われていたという、隣の市の病院に行ってみることにしました。

 

 

(3)に続く

 

ライター:福井 惠子

 

【犬のセカンドオピニオン】わたしが転院した理由(1)

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックスフンド

病名・症状:胆泥症/子宮蓄膿症

発症年齢:14歳/15歳

発症の経緯:ヒート症状から食欲不振 陰部の腫れ

治療法:投薬治療(2年間)→17歳9ヶ月で手術

 

 

動物病院を選ぶ基準って?

 

我が家の長女クリンは、14歳の時に胆泥症と診断されました。病気を見つけていただいた病院では、手術を強く勧められましたが、その時に違和感を感じ、自らセカンドオピニオンを申し出、違う病院で投薬治療でもいけるといわれ転院しました。

その病院に1年ほど通った時に、今度は子宮の不具合が見つかりました。約2年間、子宮の治療も投薬で行っていましたが症状は改善されず、別の病院で診察を受けたところ、手術をした方がいいといわれ、転院して手術を受けました。

今回は転院の経緯と、飼い主として思ったことを書きたいと思います。

 

 

胆泥症発覚!その時の心境と感じたこと

 

我が家の愛犬クリンは、14歳になるまで病気もなく、動物病院には毎年のワクチン及び狂犬病接種とフィラリア予防のお薬をもらう以外にはほとんどお世話になることがありませんでした。

なので病院を選ぶ基準は、利便性が一番で、自宅から近くて駐車場があって、待合室が広くてそこそこキレイな病院を選んでいました。

13歳を過ぎたあたりから、フィラリア検査で血液を採取してもらった時に健康診断として血液検査を受けるようになりました。2014年の6月に、当時通っていた病院で血液検査を受けたところ、GPT(肝臓に異常がある時に基準とする数値)が高かったので、エコー検査とレントゲンをしてもらい、胆泥症であることがわかりました。

 

※胆泥症とは → 何らかの原因で胆汁が濃縮して変質し泥状になったもの(胆泥)が胆嚢に貯留した状態

 

クリンの胆泥症が発覚する数ヶ月前に、我が家の次女ニコの乳腺腫瘍が見つかりました。腫瘍は3つあり、避妊手術と合わせて手術をすることになりました。初めての手術でどのくらいの費用がかかるのか心配で確認しましたが、実際に請求されたのは最初に聞いていた額の3倍以上の金額でした。

事前に費用は変動すると聞いていましたが、高くてもこのくらい、といわれた額よりも2倍以上の金額だったため非常に驚きましたが、この時は無事手術が終わったことと、良性腫瘍でホッとしていたので、あまり深く考えていませんでした。

 

クリンの胆泥症がわかった時、担当医から「手術しないと助からないかもしれない」と聞き、目の前が真っ暗になりました。しかし、その先生は胆泥症の手術をした経験がないとのことで、院長に相談するといわれました。

 

そして提案されたのは、

「他の病院から手術のできる先生を呼んであげる」

「今の状態であれば、死んでしまうかもしれない。でも麻酔リスクもあり、年齢を考えると半々の確率で亡くなるかもしれない」

「でも手術しないと助からない」

ということでした。

 

初めての大きな病気ということだけでもショックなのに、いきなり「死」という言葉を突きつけられ、しかも半々の確率で死んでしまうかもしれない「手術」という治療しかできないということで、その場ですぐに決めることができませんでした。目の前のクリンはとても元気で、こんなに元気でピンピンしているのにわざわざリスクを冒す必要があるのか…

ニコの手術のこともありましたし、先生と話をしていても、「クリンの命を助けたい」というより「手術をさせたい」という印象を受けました。麻酔のリスクの話なんて、めちゃくちゃ雑な感じだったんですよね。半々で死んでしまうかもしれないのに。とにかく手術、手術しかないという感じだったので、正直「手術したらお金になるからじゃないのか」と思ってしまいました。

 

 

初めてのセカンドオピニオン~転院まで

 

 

手術以外の治療方法はあるのか、また手術のリスクについて別の先生の意見を聞きたいと思い、以前友人から教えてもらった病院にセカンドオピニオンに行きたい、と申し出ました。申し出るのはものすごく勇気がいりましたが、大切な我が子の命がかかっているためこちらも必死でした。

診断書を書いてもらい、セカンドオピニオンの病院で診察と検査をしてもらいました。その先生のお見立ては、「今とても元気だから、わざわざリスクの高い手術はしないで内科治療で様子を見て、状態が悪化した時に手術は考えればいいのでは」ということでした。

ただ、肝臓に何か影のようなものも見えるから、一度CTを撮った方がいいといわれ、CTの撮れる病院にてサードオピニオンを受けることになりました。

3つめの病院で血液検査とエコー検査してもらった結果、胆泥症はあるけどその他は問題ないので、CTを撮る必要はないといわれました。3つの病院で検査を受け、うち2つの病院から手術しなくても治す方法があるといわれ、とてもホッとしたことを覚えています。

そしてわたしは、迷わずセカンドオピニオンを受けた病院に転院することを決めました。

手術を勧められた病院で、手術を受ける意思はないことと、内科治療をしてくれる病院に転院することを伝えました。するとそこの院長に、びっくりするくらい感じの悪い態度を取られました。確かに転院するというのは病院にとってはいい話ではないですが、それまで長い間通っていたこともあり、とても残念な気持ちになりました。

 

 

胆泥症治療~子宮水腫発覚まで

 

転院してから胆泥症の投薬治療が始まりました。「ウルソ」と「ニチファーゲン」という薬が使われましたが、どちらも肝機能の改善のための薬で、大きな副作用はないとのことでした。14歳当時のクリンは、薬をフ―ドの上に乗せても普通に食べてくれていました。

そのまま投薬治療を続け、胆泥はあるものの初めてエコーで確認した時よりも改善されていってたので、このまま問題なく行けると思っていました。

ところが2015年5月に、突然前足を引きずりだし、その時にもらった痛み止めがきっかけで食べムラが始まりました。

※食べムラについての記事 シニア犬の食べムラ ~食べムラで悩んでいる飼い主さんへ伝えたいこと

 

足を引きずるのは3日ほどで治まりましたが、レントゲンで見る限り関節の状態はよくないといわれていたので、通院は続けていました。食べムラは多少ありましたが、それでも何かは口にしてくれていました。

ところが翌月になり、ヒートのような症状が出始め、クリンが全然食べなくなってしまったんです。それまでの食べムラや食い渋りよりもひどい状態で、匂いすら嗅ぐのを嫌がりました。これはどこかに不具合があるのかもしれないと思い、血液検査とエコー検査をしてもらった結果、子宮内に水が溜まっていることがわかりました。

 

この時クリンは15歳4ヶ月。主治医の先生からは、

「今の年齢と状態を考えると、このまま積極的治療はせずに投薬で逃げましょう。もし命にかかわる重篤な状態になったら、子宮と胆のうを同時に摘出する手術をすればいいから大丈夫です」といわれました。

主治医は有名な大学病院に長年勤務され、数多くの手術の経験がある先生だったので、「大丈夫」という言葉でとても安心し、先生の言う通りにしようと思いました。

子宮水腫の治療は、「アリジン」という注射で水腫が悪くならないようにする方法でした。まだあまりメジャーではないとのことで、ネットで調べても全然出てきませんでしたが、副作用があまりなくて効果は結構出るという話で、試してみることにしました。

1回目の注射の24時間後に2回目の注射を打つとのことで、初回は注射の後に食欲が戻りました。子宮内の炎症はあったようで、CRPが少し高かったので抗生剤を飲んだ方がいいといわれましたが、薬を嫌がることも十分ご存知だったので、2週間効くタイプの抗生剤を注射してもらいました。

 

とにかく一番困っていたのは「投薬」でした。それまではご飯の上に乗せてフードと一緒に薬を食べる方法しかとってなかったので、ご飯を食べないと薬も飲めないことになります。でも体に不具合が出ると薬を処方されます。薬が出ても、飲ませることができないので、八方ふさがりの状態でした。

 

薬を飲ませることがどうしてもできない、と先生に相談したところ、

「薬は必ず飲ませてください」

「好きな食べ物に薬を包んで食べさせてください」

「口を開けて舌の奥に薬を入れて口を閉じさせれば飲み込みます」

「甘いガムシロップに溶かして飲ませてください」

 

そこで好物に隠して食べさせたり、ガムシロップに薬を溶かして舐めさせようとしたり、とにかく言われたことはそのまま実行してみましたが、ものすごく苦い薬だったため、クリンは薬そのものが恐怖になりました。そして口すら触らせてくれなくなり、全く投薬ができなくなってしまいました。

 

 

食べムラと投薬

 

投薬の失敗から強い食べムラや食い渋りが出始め、精神的にかなり参っていたわたしは、すがる思いで主治医の先生に食べムラについて相談しました。

先生からは、食べなかったら病院に来て、といわれてたので、丸1日食べない時は翌日病院で点滴を受けていました。輸液の中に食欲増進作用のある薬(ステロイドの副作用を利用する方法)を少量入れてもらったり、別の薬をもらったりしました。

 

その頃には「好物」はすっかりなくなってしまっている状態で、薬も苦みのあるものは一切ダメ。ウルソとニチファーゲンは無味だったので、匂いの強いトッピングで何とかごまかして食べさせたりしていましたが、薬を飲まない子に薬を飲ませるのって本当に大変なんですよね。病院では「薬を飲ませてください」しかいわれないし、どの方法も失敗しているから、どうしていいかわからない。もはや口すら触らせてくれないクリンを前に、泣いたりわめいたりしていました。

 

当時は精神的にかなり追い詰められた状態で、ご飯を食べなかったら弱ってしまうかもしれない、薬が飲めなかったら状態が悪化するかもしれない、どうしようどうしよう……と焦りと不安で押しつぶされそうでした。(※投薬と食べムラについては別記事にまとめます)

この時の経験が、サイトを始めるきっかけにもなりましたが、本当につらくて苦しくて、思い出しただけでも吐きそうなくらいしんどくなってきます。そのくらい参っていました。

 

不思議なもので、飼い主の精神状態が悪くなると、愛犬の調子も悪くなるんですよね。毎日、今日はご飯を食べるだろうか…ばかり考えていました。多い時では缶詰やジャーキー類、ふりかけや肉や魚など5~6種類くらいの食べ物を用意し、クリンの前に差し出しましたが、あれもこれもいらないといわれて、食べ物を放り投げたこともあります。冷蔵庫の中はクリンが食べなかったウェットフードや調理したものが入ったタッパーでいっぱいになっていました。ドライフードも、おそらく30~40種類試したと思いますが、なかなか食べてくれるものに当たらず、置き場所のないような状態でした。

 

そんなこんなでクリンの食べムラはひどくなり、徐々に体重が減ってきました。子宮水腫が発覚した時は3.6㎏あった体重が、10月半ばには3.3㎏になりました。そして全く食べなくなってしまったため病院に駆け込んだところ、炎症数値が1.2に上がっていました。エコー検査の結果、子宮の腫れはありませんでしたが、膵臓がエコーに写っていました。もしかしたら膵臓に炎症があるかも、とのことでしたが、この日の血液検査では数値としては出ておらず、抗生剤を点滴してもらい様子見といわれました。

翌日は何とか少しは食べたものの、その日の夜は全く食べなくなったため、翌朝に病院に行くとCRPは6.7に跳ね上がっていました。点滴をしてもらいましたが、その日の深夜にぐったりとして動かなくなり、うずくまるような体勢で尿を垂れ流しているような状態になりました。

夜が明けるのを待って朝一で病院に駆け込んだところ、CRPがさらに上がっていて、即入院となりました。

 

 

(2)に続く

 

ライター:福井 惠子

 

 

【ペットロス】だいじょうぶだよ!(絵ブログ)

作:奥村 來未

 


 

 

身体が重いよ…

なんだかご飯も、お水も、欲しくないんだ。
ああ、疲れた…
どうしたの?姉ちゃん、泣いてるの?
だいじょうぶだよ、僕がいるよ

ありがとう?大好き?よく頑張ったね?
そう…?僕えらい…?
そうでしょう。うふふ。
姉ちゃん、僕眠い…姉ちゃんの腕の中、安心するなあ。
ああ、眠い、すごく眠い。
もう僕寝るよ…おやすみ…姉ちゃん…。

姉ちゃん泣いてたなあ。
どうしたんだろう。
姉ちゃんは泣き虫だからなあ、何かあったのかな。
だいじょうぶだよ、僕がついてるから。

……あれ?
僕寝てたんじゃないっけ?
あ、あれ?なんだろうこの感じ?
んん??

ん?身体が軽いなあ?
お腹も辛くないし、気持ち悪いのも無いぞ?
あれ!僕目が見える!立てる!
なんで?何でだ?!
……………………………

うわぁーい!
なんかすごいぞお!走れるぞお!
どこも痛くない、辛くない!
景色もよく見える!楽しいなあ!
全然疲れないぞ!こんなに早く走れるぞお!
わぁーい!!
……ん?
誰か泣いてる?誰だろう?
あれ?これ、姉ちゃんの声だ!
どうしたの!姉ちゃん!大丈夫?!

ねえ姉ちゃん!何で泣いてるの?!

僕ここにいるよ!ねえ!
だいじょうぶだよ、僕いるって!
ほら見てよ!僕こんなに走れるんだよ?!
目だって見えるよ!ねえ!ねえ!
姉ちゃん!姉ちゃん!
お願いだよ姉ちゃん!笑ってよ!

姉ちゃん…どうして笑ってくれないの?
僕…僕……
うわぁぁん!!

わおおーん!わおおおーーん!
…姉ちゃん…僕の大好きな姉ちゃん…
笑ってくれないよお…
あれ…また…身体が重いよ…辛いよ…
姉ちゃん…姉ちゃん…
僕また、どうしたんだろう…
姉ちゃんが悲しいと、僕も悲しくて…
身体がどんどん重くなっていくよ…
どれくらいこうしていたんだっけ
ずっと身体が重い…僕の声も姉ちゃんに届かない…
だいじょうぶだよって、姉ちゃんにペロペロしてあげたいのに、動けないよお…
………………………?!
あれ?
最初の頃程じゃないけど、身体が軽くなってきた
目も少し見えるぞ?
あっ…
姉ちゃんとパパ兄ちゃんが、僕の写真の前で、僕のお話して笑ってる!
なになに?何のお話?!
あはは!なつかしいね!そうだね!そうだね!
あれ!姉ちゃんが笑うと身体がまた、どんどん軽くなってきたよ!
目もよく見えるようになってきた!
ふふっ、やっぱり僕、姉ちゃんが笑ってるの大好きだなあ!
幸せだなあ!
僕の話をしながら笑ってくれてるこの空気、とっても心地がいいなあ
姉ちゃんに抱っこされてるときみたいに落ち着くな♪
「また生まれ変わって戻っておいで」
ん?姉ちゃん何?戻ってこい?
だいじょうぶだよ!
僕、昔も今も…これからも!ずっと姉ちゃんのそばにいるよ!
あれ?
僕なんか、行かないといけないみたい?
なんだろう?姉ちゃん、ちょっと待ってて!
すぐ戻ってくるね!
だいじょうぶだよ!
僕、ちゃんと戻ってくるから!

わあ!僕こんな高いところまできたんだ!

なんだろう?ここは不思議なニオイがするなあ?
なんだか懐かしいニオイもする気がするなあ?
しっかし綺麗なところだなあ!
なんだか今まで見たことがない景色だあ!
あ!!!
お父さん!お母さん!
そうでしょう、ねえ!
うわあ!嬉しいな!ひさしぶりだね!
二人で何してたの?!
え!僕を待ってたの?!
そっか、僕が最後だったんだ!
え?僕?
あのねえ、姉ちゃんと、毎日楽しく暮らしてたよ!姉ちゃんねえ、すごく泣き虫なの!
だから僕が、いつも「だいじょうぶだよ!」ってしてあげるの!
え?何?どこにいくの?
何?うまれかわり?なにそれえ?
お父さんとお母さんは、また夫婦になれるように神様にお願いしたんだ!
神様はどこにいるの?僕も、姉ちゃんのところにはやく戻らないとなんだ!
戻れるように、お願いしてくる!
お父さん、お母さん、少しだけ待ってて!
おまたせ!
ちゃんと、お願いしてきたよ!
あの光の中に入るの?
じゃあ、お父さんお母さん、一緒に、せーの!っていこう!
せーの!
姉ちゃんっ…
だいじょうぶだよ
僕、ちゃんと、姉ちゃんのところに戻るからね
もう少し待っていてね
おわり

【アンケート】医療費・介護グッズや困っていること ~老犬の闘病・介護、飼い主の声(2)

老犬の闘病・介護に関する飼い主の声についてのアンケート結果 第2弾は、医療費や食費など、実際にかかっている費用のこと、介護や看護で困っていること、欲しいグッズ、ご意見ご感想等を紹介させていただきます。 

 

愛犬の闘病・介護のことあれこれ

毎月かかる費用やほしいグッズ

アンケート

 

3万円以上の費用額の方が、6割以上いるという結果となりました。ちなみに我が家の場合、昨年愛犬クリンが手術をした時は、中古の車が余裕で買える金額でした。年齢が高くなればなるほど、どうしても医療費がかかってしまいますし、保険などに入っていないと、かなり家計を圧迫します。

また、介護や看護について困っている・かなり困っていると答えた方は26%でした。これはおおよそ3人に1人の方が困っているという状況です。アンケートでは、困っていると答えた方に、実際どのようなことでお困りなのかを聞いてみました。

 

介護や看護で欲しいグッズ

実際に愛犬の介護や看護をされている飼い主さんが欲しいと思うグッズについて聞いてみました。

アンケート

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今欲しい!と思うグッズは、困っていることに関連するもの、という結果です。つまり、排泄、室内での行動、食事、外出などで困っているということがわかりました。

確かに自分のことを振り返ってみると、元気な時にはおもちゃや洋服などのコーナーを見ることが多かったのが、シニアになるとおもちゃコーナーはほとんど見ることがなくなりました。

以前は洋服は可愛いかどうかが選ぶ基準でしたが、今では保温性が高いものなど、デザインではなく健康のために必要だと思うものを探すようになりましたし、なおかつ着脱しやすいデザインのものを選ぶようになりました。

 

 

愛犬の介護で困っていること<生の声>

 

飼い主さんからいただいた、生の声を掲載します。

 

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              ※複数回答有 順不同

 

困っていることを具体的にお聞きすると、老化による症状を何とかしてあげたいけれど、なかなか思うようにいかないことが多く、飼い主さん自身の負担だけが増えていることがわかります。

視力の低下、室内での過ごし方、外出・投薬・食事・排泄など悩みは様々ですが、歳を重ねていくにつれ体の機能は衰えていきますので、どこかに何らかの不具合は出てきます。それでも、家族など複数人での介護ならまだ気も紛れますが、たった1人での介護となると、心身ともに参ってしまいます。

介護に時間をとられることが多く、日々の生活リズム自体が変わってしまうことも。我が家の場合は、3年前から始まった食べムラ・食い渋りで、食べ始めるまでに時間がかかるようになってしまったため、出かける際は、3時間前には起床するようになりました。

 

 

どれだけ手がかかっても、今までより愛おしい存在

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過去に愛犬の介護経験があれば、様々なことを予測出来て、割とスムーズにいくと思いますが、初めての介護の場合は戸惑うことばかりです。

若く元気な頃の愛犬からは想像もできない「悩み」が増えていきます。シニアと言われる7歳前後を境に、少しずつ少しずつ体は衰え始め、ある時ふと「あれ?うちの子、そういえば走らなくなったな」「ご飯食べるのが遅くなったな」など、愛犬の変化に気づきます。わたしたち人間も、何もないところで躓いたり、ご飯を食べている時にむせたりするのは老化現象のひとつ。それと全く同じことが愛犬にも起こります。

愛犬が歳をとり、できないことが増えてくると、そう遠くない未来に訪れるであろう命の期限を、目の前につきつけられたような気持ちになることもあります。 だからこそ、老いた愛犬に関する悩みや困りごとはとても重くのしかかり、解決策が見つからないととても苦しくなってしまうのだと思います。

愛犬を失うかもしれないという不安も相まって、どんどん深みにはまってしまうこともあります。そんな時、同じような悩みを持つ飼い主さんが身近にいると、それだけでとても救われたような気持ちになります。どんなことを試したか、どこのフードがよかったかなど、今まで知らなかった情報を得ることで、「希望」を持つことができるのです。

老犬の体の衰えは、今よりも格段に良くなるということはあまり考えられません。次第に衰えていくことの方が多いです。しかし介護は、今よりも楽になれる方法があるかもしれません。経験者の話を聞くというのもそのひとつです。情報を知るということで、心身ともに楽になれることがたくさんあると思っています。

これからも、たくさんの方の生の声を集め、ワンワンラボで共有していこうと考えています。

 

あなたはひとりではありません。あなたと同じように悩んでいる飼い主さんは、きっとどこかにいるはずです。だから、どうか、ひとりで悩まないでください。仲間がいるだけで、心が元気になりますから。

 

【アンケート】持病と食事 ~老犬の闘病・介護、飼い主の声(1)

SNSで愛犬のことを発信されている方はたくさんおられます。中でも愛犬の闘病や介護をされている方のブログでは、愛犬の病気、症状、治療法や薬のことなど、詳しく書かれている方もたくさんおられます。介護も同じで、手作りで介護グッズを作っておられる方や、症状に合わせて様々な工夫をされていることを書かれておられます。

 

同じような悩みをお持ちの方のブログを読むと、「わたしだけじゃないんだ」と思え、心がとても軽くなりました。わたしは愛犬の「食べムラ」に悩んでいましたが、原因は自分であると自覚していたので、余計に救われたんだと思います。

SNSを通じて仲良くなった方に老犬介護や闘病についての話を伺ううちに、どんなことで悩んでおられるのか、具体的にもっと話を伺いたいと思いました。そこで、匿名でアンケートにご協力をいただきました。今日はアンケートの結果を参考資料としてまとめたものを紹介させていただきます。

 

 

【愛犬の闘病・介護】回答者情報

 

アンケートにお答えいただいたのは30名でした。

アンケート回答属性

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女性の方が約9割で、年代は40~50代が最も多く、約80%という結果でした。ブログをされている方は女性の方が多いのと、愛犬の世話を女性がされている方が多いということも考えられます。

 

愛犬年齢~フードの種類

次に愛犬の年齢と、食べることについて伺いました。

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8割近くがシニア犬の飼い主であることがわかりました。これはシニアになるほど、健康に強い関心を持たれているのだと思います。

また毎日の食事については、ドライフードは100%の結果、次いでトッピングとサプリメントがほぼ同数でした。老犬になると、健康状態が気になる方が増えてくるため、サプリメントという回答が多いと考えられます。また、若い頃よりも食いつきが悪くなってくるため、トッピングを使用される方が多いと考えられます。

 

 

【愛犬の闘病・介護】愛犬の持病について

 

続いて持病や既往歴などについても聞いてみました。

愛犬の持病・アレルギーについて

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持病・既往症(その1)

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持病・既往症(その2)

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腎臓病、ヘルニア、シニアに多い心臓病などのよく聞く病気よりもその他が突出して多い結果となりました。

既往歴を伺ったところ、免疫系の病気や脳疾患、花粉症、腸炎や膵炎、気管支炎など、ほとんど人間と変わらない病名が並んでいました。これは、獣医学が発達し、病名がわかるようになり、治療法が解明されているといえます。

 

 

愛犬の健康のために気をつけていること

 

続いて、愛犬の健康のために気をつけていることを聞いてみました。

愛犬の健康のために気を付けていること①

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愛犬の健康のために気を付けていること②

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飼い主さんの愛犬に対する思いがとても伝わる結果となりました。毎日の生活の中で、愛犬の健康チェックを欠かさず行うことで、病気の早期発見にもつながりますよね。

また、変化があるとすぐに病院に連れて行くという答えもありました。わたしたちは日々の生活の中で「病気を予防すること」はできますが、「病気を治療すること」はできません。飼い主であるわたしたちにできることとして、毎日の生活の中でいかに病気にならないように気をつけるか、を考え、気をつけておられる飼い主さんが多いのだと改めて思いました。

 

アンケートはまだ続きます。次回は医療費についてと、介護で実際に困っていることなどを紹介したいと思います。

【犬の手作りおやつレシピ】ワンコの手作りおやつ ~レバーケーキの作り方

簡単!安全!食いつき最高♪

 

飼い主の失敗(薬を食べ物に仕込んだこと)から始まった、我が家の愛犬クリンの食べムラで悩んでいた時、ブロ友さんから「ドッグトレーナーさんが考案された、薬を飲ますのに最適な手作りおやつがあるよ!」と教えてもらったのがレバーケーキでした。

ネットで調べると、いろんな方が紹介されていて、しかも口をそろえて「食いつき抜群!」と書いてありました。

実際に作ってみましたが、めちゃくちゃ簡単で、ものすごく食いつきが良くて、レバーケーキを焼いていると我が家の3姉弟はキッチンでうろうろするくらいでした。

 

今回はレバーケーキのレシピをご紹介させていただきます。

 

 

準備するもの

 

 

鶏レバー    400g

小麦粉     200g

卵       1個

にんにく    ほんの少し(香りづけ用)

※グルテンフリーがよければ小麦粉の代わりに米粉でもOK

※鶏レバーの代わりに豚レバーでもOK

※この分量で薄めのホットケーキ4~5枚くらいです

 

フードプロセッサー・大きめのボウルもご準備ください。

 

 

作り方

 

①鶏レバーと卵、にんにくをフードプロセッサーにいれてよく混ぜ合わせます

※レバーが滑らかになるまでしっかり混ぜ合わせた方が、火が通りやすいです。

 

②①をボウルに移し、小麦粉を入れてよく混ぜます

※水気があまりないので生地は固めです。混ぜるのに結構力がいります。

 

③フライパンにクッキングシート(またはクッキングホイル)を敷き、油をひかずに薄めに生地を流し入れます

※生地が厚くなると、めちゃくちゃ火が通りにくいです。

※クッキングシートを敷かないと焦げつきやすくなります。

 

④蓋をして弱火で7~8分焼き、ひっくり返し、同じくらいの時間焼きます

※竹串や菜箸などを刺し、生地がつかなければ火が通っています。

 

⑤レバーケーキの完成!

 

薄めに焼き、細切りにすると食べやすくておススメです!

 

 

保存方法と注意事項

 

レバーは傷みやすく、長期保存に向きません。非常に食いつきはいいですが、時間が経つと匂いも風味も落ちてしまうので、少量ずつ作ることをお勧めします。もし余ってしまったら、1~2週間くらいなら冷凍でも大丈夫だとは思いますが、食べムラのある子の場合は香りがなくなると食いつきは悪くなってしまうのでご注意ください。

 

冷凍した場合は、レンジでチンすると香りが強くなりますが、水分が飛んでしまうので時間は短めがいいと思います。

 

我が家の場合は、レバー200g・小麦粉100gで作っていました。その分量で卵1個使うとかなり生地は柔らかくなりますが、さほど問題はなかったです。

 

にんにくは風味付けのために使用します。香りが強いと食いつきは良くなりますが、犬ににんにくはNGといわれているので、気になる方はにんにくを入れずに作ってください。

 

ものすごく匂いがきついため、作った後は部屋中にレバーの香りが広がります。そして焼いている間、犬がめっちゃ興奮します笑

換気はしっかりとすることをお勧めします。

 

洋服に飛んでしまうと非常に取れにくいため、汚れてもいい服で作ってくださいね。

 

 

薬を仕込むのにも、食べムラのある子のおやつにも!

 

このレバーケーキは有名なドッグトレーナーさん(お名前失念しました)が、「愛犬にストレスなく薬を飲ませる」ために考案されたそうです。ご飯大好きな子だと、フードの上に薬を置いて食べさせても問題ありませんが、我が家のように投薬に失敗してしまうとあとで大変困ることになります(涙)

生地が柔らかく、匂いも強いため、薬を隠しやすくばれにくく、お薬嫌いの子でも与えやすいように思います。また食べムラがある子の場合は、市販のおやつを与えるよりも安心して食べさせられます。

 

手作りフードは分量が非常に難しいですが、我が家の場合はレバーケーキの生地に青汁の粉末を適量入れて、野菜やミネラル補給できるようにし、フードの代わりに与えていたこともあります。

犬は野菜を消化しにくいといいますが、野菜に含まれるビタミン・ミネラルは犬の健康には不可欠の栄養素なので、うちの場合は結構青汁を使うことが多いです。余談ですがクリンにシリンジで薬を与える時、少量の青汁を混ぜていますが、今のところ特に問題もなく調子はいいようです。

 

「レバーケーキ」で検索するとたくさんのレシピが出てきます。アレルギーや好き嫌いのあるワンコもいると思いますが、基本の作り方さえわかればアレンジもしやすいレシピなので、うちの子にあったレバーケーキをぜひ作ってあげてみてくださいね(^^♪

 

 

ライター:福井 惠子

 

 

【チェックリスト】そのしぐさ、大丈夫? ~10のチェック項目でわかる、犬の老化のサイン~

いつまでも元気でいてほしい大切な愛犬。

愛犬もわたしたちと同じように歳を取ります。残念ながら、人間よりも愛犬の方が歳をとるスピードが早く、小型犬の場合は人間の約4倍のスピードで歳をとるといわれています。

毎日一緒に過ごしていると見過ごしてしまいがちですが、ある時ふと「ついこの間までできていたこと」が「できなくなってしまう」ということがあります。

 

まずは下のチェックリストで、日頃の愛犬の様子をチェックしてみましょう。

 

 

【チェックリスト】愛犬のできることは?

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▢ ご飯は1分くらいで完食する

▢ 固いガムやおやつなどを喜んで食べる

▢ 飼い主さんがいる間はほとんど起きている

▢ 飼い主さんが動くと、寝ていても必ず起きる

▢ ぼーっとしている時間はほとんどない

▢ 運動した後でも足がもつれたりすることはほとんどない

▢ お散歩は10分以上止まることなく歩く(走る)

▢ ソファーやテーブルの上に平気で飛び乗る(飛び下りる)

▢ 足を崩さずにお座りの姿勢がとれる

▢ 自分の体高くらいの段差でも躊躇することなく歩く

 


 

実はこれ、1~10歳頃までは、病気やケガなどがなければ、どの項目も問題なくチェックできる質問なんです。この10項目の中で1つでもチェックがつかない場合は、少しずつ老化が始まっているかも、ということなんです。

老化は一気に進むものではありません。日々少しずつ少しずつ衰えていきます。それまで当たり前にできていたことができなくなった時、飼い主さんは愛犬の老化を実感することが多いのではないかと思います。わたし自身はまさにそうでした。

では、各項目について解説させていただきます。

 

 

チェックリストを確認してみよう

 

▢ ご飯は1分くらいで完食する

犬はほとんど丸飲みでご飯を食べます。なのでご飯を食べるのにさほど時間はかからないのです。噛まずに飲み込めるというのは若い証拠で、年齢を重ねるにつれ、少しずつ飲み込む力が弱まります。一気に飲み込めなくなるため、食べるのに時間がかかってしまうのです。

 

▢ 固いガムなどを喜んで食べる

犬には虫歯はないそうですが、歯周病にはなります。固いガムを食べることができるのは、顎の力が強いことと、歯がしっかりしているから。噛む力は年々弱まってきますので、顎に力がなくなったり、歯に不具合が生じると、ガムを噛む時間が長くなったり、食べられなくなったりします。

 

▢ 飼い主さんがいる間はほとんど起きている

犬は飼い主さんが大好きです。大好きな飼い主さんと一緒の時間は至福の時。飼い主さんの一挙手一投足が気になり、飼い主さんの行くところを目で追ったり、後追いしたり。でも歳をとると、少しずつ睡眠時間が長くなってきます。飼い主さんがいるにもかかわらず、寝ている時間が長い場合は、それだけ睡眠時間が長くなった=老化が始まったといえます。

 

▢ 飼い主さんが動くと、寝ていても必ず起きる

犬は浅く眠ることが多く、ほとんど熟睡しないといわれています。飼い主さんが動くと気配を感じ、パッと顔を上げて飼い主さんを見たりしますが、これも若い証拠です。年齢と共に、眠りが深くなるのか、ぐっすりと寝ていることが多くなり、飼い主が動いても眠ったまま起きなくなることが多くなります。

 

▢ ぼーっとしている時間はほとんどない

飼い主さんと一緒に過ごしている時は、犬は飼い主さんのことで頭がいっぱいです。飼い主さんのことをまるで見張ってるかのようにじっと見つめていたり、飼い主さんにおもちゃで遊んでほしいとねだったり、落ち着きなく動いたりしていることが多いですが、耳が衰えてきて聞こえにくくなったりすると、今まで反応していたことに反応しなくなったり、ぼーっと宙を見つめたりする行動が出てきます。

 

▢ 運動した後でも足がもつれたりすることはほとんどない

犬は運動能力がとても高い動物です。ドッグランにいって散々運動した後も、平気な顔でお散歩に行くことができます。ところが足腰が弱くなってくると、足(特に後足)がもつれたり、しりもちをついたりすることも。後足がもつれたりするのはヘルニアの可能性もありますので、注意深く観察してあげた方がいいでしょう。

 

▢ お散歩は10分以上止まることなく歩く(走る)

犬は散歩が大好き。排泄や他の犬の匂いを嗅いだりする時間以外はほとんど動いています。ところがシニアになると、散歩の途中で急に立ち止まったり、歩くスピードが遅くなったりすることが出てきます。続けて長い時間歩くことができなくなったのは、足腰が衰えてきたサインといえます。

 

▢ ソファーやテーブルの上に跳び乗る

ソファーが大好きな犬は多いと思います。少し背が高くてふかふかのソファーは、家族みんなを見渡せるし寝心地はいいし、最高の場所ですよね。またいたずら好きな犬はテーブルの上に飛び乗ったりすることもあります。しかし足腰が弱ってくると、それまで平気で飛び乗ったり下りたりという行動がしづらくなってきます。最初は1回で飛び乗れていたのに、乗るまでに数回かかるようになったり、飛び降りた時に踏ん張る力が弱まり、前につんのめるようになったりします。

 

▢ 足を崩さずにお座りの姿勢がとれる

たまに横座りのくせがある犬もいますが、背筋をまっすぐにした体勢でお座りができるのは、背筋がしっかりしている証拠。足を崩してしまうのは、筋力の低下も原因のひとつ。今まで背筋をまっすぐにしてお座りできていた子が横座りするようになったら、筋力の低下が疑われます。

 

▢ 自分の体高くらいの段差でも躊躇することなく歩く

若い時は平気でひょいと飛べていた段差でも、歳と共に飛び越えるのが一苦労になり、自分の体高の半分くらいの段差でも躊躇するようになります。犬は後肢から衰えが始まります。段差を飛び越えるために後肢を踏ん張る体勢を取りますが、年齢と共に踏ん張れなくなり、足が上がらなくなってすり足のような歩き方になっていきます。更に老化が進むと、前足も上がりづらくなってきます。

 

 

少しでも長く身体機能を保つために

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この10項目は一般的に言われていることでもありますが、すべて自分自身が経験したことでもあります。

うちの愛犬は、13歳で散歩の途中急に立ち止まるようになり、14歳で持病持ちになり、15歳でソファーに飛び乗れなくなり、16歳で足がもつれるようになり、17歳でしりもちをつくようになりました。

18歳になり、視力も衰えてきたようで、壁などに激突してしまうことがあります。

以前は、寝ていてもわたしが動くとすぐに起き上がっていたので、「この子はわたしといると安心できないのだろうか」なんて思ったこともありましたが、今は先にわたしが起きても、熟睡していて起きる気配もありません。

 

犬は人の4倍ほど早く歳をとるため、わたしたちの時間の感覚よりもずっと早く犬の時間は過ぎています。老化を止めることはできませんが、少し気をつけて見てあげることで、身体機能を長く保つこともできます。

 

足腰が衰えてきたら、段差などに気をつける、フローリングなど滑りやすい床は滑りにくいようカーペットを敷く、ソファーは階段やスロープをつける。

我が家の場合は、若い頃よりもマメにお散歩に行くようになりました。多い時だと1日4回ほど、10~20分くらいですが、筋肉維持のためにも毎日続けています。雨が降った日はバランスディスクに乗せて、インナーマッスルを鍛えるようにしています。

足がふらついても自分の足で歩いてもらい、極力抱っこはしません。それと筋肉が固くならないようにマッサージをするようにしています。頭~首~背中にかけてと太もものあたりを上から下へ血やリンパを流すような感じでやっています。

 

ご飯が食べにくいようであれば、ご飯を食べやすくするため台の上に載せたり、小粒サイズにしてあげたり、お湯でふやかして柔らかくしてから与えてあげると食べやすくなります。また歯に不具合がないか、お口の中をチェックして、もし歯石などがついていたら、歯磨きをしたり、獣医さんに相談するのもひとつです。

我が家の場合は、ニッパーでフードをカットしたり、フードボウルを10㎝ほどの台の上に載せて食べさせています。手作りのトッピングをする場合は、自分で噛んで食べられるくらいの大きさにカットしています。

 

身体機能を長く保つには、日頃のケアが一番効果的だと思っています。

ケアといっても、自分でもできる簡単なことでいいんですよね。ちなみにマッサージはテレビを見ながらしています。テレビに夢中になると、たまに「ワン!」と怒られますがあまり気にしてません笑

 

大切な愛犬には、少しでも長く、元気で健康に過ごしてほしいもの。老化のサインに気付いたら、それは生活習慣を見直してあげるタイミングなのかもしれません。

 

犬の様子は日々変わります。愛犬の老化はあっという間にやってきて、昨日まで当たり前にしていたことが、今日はできなくなっているということもあります。

 

犬は誇り高いため、できないと思った瞬間に諦めてしまい、そのままどんどんできなくなっていくということも考えられます。

 

愛犬の変化に気付いてあげられるのは飼い主さんだけです。できるだけ長く身体機能を保てるよう、共に頑張りましょう。