【ヘルニア予防】専門家に聞く!愛犬のヘルニア予防のために飼い主がすぐに実践できること(2)

前回の記事では、ドッグケアのプロから、愛犬の足腰を守るためのお話を伺いました。今回の記事では、椎間板ヘルニアになってしまう原因と、愛犬の足腰に負担のない「抱き方」を紹介させていただきます。

 

 

どうして犬は椎間板ヘルニアになってしまうの?

 

獣医師の山路美晴先生にお話を伺いました。

山路 美晴 獣医師

滋賀ペット治療院代表。ペットの足腰ケアやヘルニアなど、鍼灸を主とした治療を行っている。飼い主が愛犬の体に毎日触れることはとても大切とのことで「自宅ケア」を推奨しており、全国各地で飼い主向けの鍼灸セミナーを開催している。

ペット鍼灸セラピー 滋賀ペット治療院

 


わたしの治療院は、ペットの足腰の不具合に悩む飼い主さんから相談を受けることがとても多いです。特に椎間板ヘルニアは、痛みを伴うことの多い疾患で、飼い主さんの悩みも深刻です。

椎間板ヘルニア(以下ヘルニア)は、軟骨の変性により椎間板が椎骨の間から飛び出すことによって脊髄の神経を圧迫し、痛みや麻痺を起こす疾患です。遺伝的に軟骨が変性しやすい犬種(ダックス、ペキニーズ、コーギー、フレンチブルドッグなど)がかかりやすい疾患です。この犬種は、比較的若い時期から発症することもあります。それ以外の犬種でも、加齢により椎間板の弾力性が失われ、発症しやすくなります。また、胴長短足という体型的な要素、肥満により筋肉が弱るなどの要素が加わると、さらに発症のリスクは高まります。

ヘルニアを発症しやすい犬種については、散歩や運動で筋肉をつける、肥満にしない、また体をねじるような抱き方をしないなど、日々の生活習慣を見直すことでもヘルニアのリスクを減らすことができます。犬は散歩が大好きで、運動することは楽しみのひとつです。歳をとっても愛犬が自分の足で歩けることは、長生きの秘訣だと思っています。


 

わたしたちが何気なくやっている普段の行動が、愛犬の足腰に負担をかけていることもあるのかもしれません。

 

 

ドッグケアのプロに聞く!愛犬の足腰を守るコツ

 

引き続き今井先生にお話を伺いました。

老犬訪問介護・犬のリンパマッサージ・リハビリケア やさしい手*リアゾン

老犬介護・犬のリハビリ・しつけ(犬のようちえん)レッツ(東京都江戸川区)

 

犬の姿勢は、足腰を守るためにはもちろんですが、犬の精神を安定させるためにもとても重要です。姿勢を正しくしてあげると、それだけで内面の変化があります。人間でも猫背でいる状態と、背筋をピンとして視線をまっすぐにしている時では、思考も気分も違います。

シニア期になると、足元がおぼつかないことも出てきます。「歩かせるのはかわいそう」といわれる飼い主さんもいらっしゃいますが、シニアになっても、できるだけ本来の姿勢をキープしてあげることはとても大切です。歩行ができなくなってしまった子も、補助しながら立たせてあげるだけで効果的です。たとえ短時間でも、自分の足で立たせて、歩かせてあげてください。

犬は歩くという行為をしなくなると、体を動かすこと自体が減っていきます。それが自信喪失につながることも。自信をなくしてしまうと、元気がなくなり、食欲は減退し、どんどん衰弱することもあります。それほど姿勢は大切であり、正しい姿勢をとるだけで、かなり違ってきます。病気などでたとえ歩けなくなったとしても、毎日立たせてあげたり、装具などを使って歩かせてあげることは、愛犬にとってはとても嬉しいことなのです。

 

 

ドッグケアのプロが勧める「愛犬の足腰を守る」抱き上げ方

 

引き続き今井先生に伺いました。

 

日々の生活の中で、抱き上げる動作があると思います。この「抱く」という行為自体、犬の体に負担のかかる体勢になりやすいので、特に注意が必要です。よく愛犬を抱っこされている飼い主さんを見かけますが、抱っこするということ自体、実はあまりおすすめできません。大事な愛犬の足腰を守るためにも、日々の生活の中では極力抱っこするのは控えるようにし、自分の足で立たせてあげてください。

 

 

抱き上げる時のポイント

愛犬を抱き上げる時・降ろす時には、四肢が地面に対して垂直になる体勢になるようにすると、愛犬の足腰に負担がかかりにくいです。今回は病院の診察時や車に乗せる時などの、愛犬抱き上げ方を紹介させていただきます。

 

①愛犬を地面に立たせて、前肢と後肢の付け根にそれぞれ右腕と左腕をいれます。手の平でなく、腕の面で支えるように手を入れます。

 

②腕の面に愛犬の体を載せながら立ち上がります。この時、内臓を圧迫しないように気をつけます。抱き上げた時の愛犬の体勢は、地面に立っている時とほとんど変わらない状態になります。抱き上げている時は、愛犬の体重は上半身にかける感じに載せてください。胸の部分には肋骨がありますので、内臓に負担がかかりません。

 

③降ろす時は、愛犬が地面にそのまま立てるようにそっと降ろしてください。この時も、お腹を圧迫しないよう気をつけてください。

このように、愛犬が自分の足で立っている時とほとんど同じ体勢で抱き上げると、愛犬の足腰への負担が少なくてすみます。

 

<ご注意ください>

・お腹の部分は、手のひら全体を使って面で支えるようにしてください。特に骨のない部分は力を入れないようにしましょう。

 

 

 

抱っこしたまま手を使いたい場合の抱き方

 

これからご紹介するのは、動物病院で教えてもらった抱き方です。ヘルニアを発症した子を抱きかかえる場合に、この抱き方を推奨しているとのことでした。

この抱き方は、背骨や後肢への負担がなく、犬が地面に立っているような体勢で抱くことができます。腕の上にうまく乗って安定している場合は、もう片方の手を使うこともできます。

 

小型犬の片手での抱き方

この抱き方は、獣医さんからヘルニアを発症した子を抱っこする方法として教えてもらいました。特に胴長の犬種(ダックスフンド等)は腰を痛めやすいため、ヘルニア予防のためにもこの抱き方にされることをおすすめします。

愛犬の後肢から腕を通し、胴体を腕の上に愛犬の胴体を載せます。手のひらで胸の部分を支え、もう片方の手は愛犬の体にそっと沿わせます。腕で体を支えるため、抱き上げた時に愛犬の体は安定しています。

 

※片手で抱く場合は、愛犬が落ちないようご注意ください。極力もう片方の手を愛犬に添えるようにしてください。

 

 

愛犬の足腰を守るために飼い主ができることまとめ

 

極力愛犬には自分の足で歩かせてあげること。これが一番重要です。

 

 

脇の下をすくい上げるような抱き方は、愛犬の体に負担がかかりますので、できるだけ控えましょう。

 

 

抱っこは極力控え、抱っこする場合は腰に負担のない体勢で抱っこするようにしましょう。

 

ほんの少し習慣を変えるだけで、大切な愛犬の機能を守ることができます。愛犬にはいつまでも元気で歩いてほしい!というのは飼い主共通の願いです。少しでも長く身体機能を保つためにも、今日からできることを共に実践しましょう!

 

 

 

 

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