【多頭飼い】我が家が円満に過ごせるコツ

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックスフンド2頭、ビーグル1頭

飼い主の悩み:多頭飼い

年齢:18歳・15歳・8歳(2018年3月現在)

 

 

 

我が家が2頭目を迎えた理由

 

うちにはミニチュアダックスフンドのクリンを筆頭に、3頭の犬がいます。みんなとても仲良しで、寒い時期は犬団子(みんな団子のように固まっていること)になって寝ています。

 

2頭目のニコを迎えたのはクリンが2歳半の頃でした。

当時フルタイムで仕事をしていて長時間お留守番をさせることが多く、クリンが寂しくないよう2頭目を迎えるか考えていた時にニコと出会い、我が家の多頭飼いが始まりました。

最近多頭飼いで悩んでおられる方がとても多くおられる、という話を知人から伺ったので、我が家の多頭飼いについてお話させていただくことにしました。

 

 

【2頭目を迎える前】まずは相性からチェック

 

我が家の次女ニコと出会ったのは、クリンのフードを買いにいったペットショップでした。そこは1階がフードや雑貨、2階が生体を販売していて、いつもなら1階で終わるのですが、その日はたまたま2階まで足を延ばしました。

ちょうどど真ん中にアクリルケースが置いてあり、そこにいたのがニコでした。まだ来たばかりというその子を見た瞬間、なぜか目が離せなくなり、生まれて初めて店員さんに「抱っこさせてください」とお願いしました。

抱いてしまうと、もうダメですよね(笑)

とりあえずクリンとの相性を確認してから、ということですぐに帰宅し、クリンと共にショップに向かいました。

そしてご対面。クリンもニコも、特に何も変わらない感じで、鼻先であいさつをしてからは普通でした。相性はまずまずな感じだったので、その日にニコはうちの子になりました。

ニコがうちに来てすぐは、サークルの中に入れてクリンに観察させました。もちろんクリンは外で自由に動き回れます。そして、外に出したらクリンがさっそく小さなニコの上に乗っかりました。それは、クリンが「自分の方が上だ」とニコに教えてるんですよね。だから静かに見守り、ニコが嫌がるようなら、ニコを怒りました。わたしは絶対にクリンの味方で、クリンがやりたいようにさせていました。

当時わたしはフルタイムで働いていて、平日はふたりでお留守番することになります。なのでニコはサークルに入れたまま、クリンだけフリーにして部屋の中で自由に過ごせるようにしていました。

ところがお留守番初日、帰宅するとニコは高さ1m近くあるサークルから出ていました。びっくりしましたが、クリンもさほど嫌がってなかったのと、ふたりが寄り添って寝ていたので、その日からニコをフリーにするようになりました。

 

3頭目のみのすけを迎えた時も同じです。みのすけはペットショップで売れ残っていた子で、ほとんど衝動的に迎え入れることになりましたが、もしクリンとニコとの相性が合わなかったら見送っていました。迎え入れる前に、自宅からクリンとニコを連れてきて対面させ、お互い特に問題がないようだったので、そのまま一緒に家に帰りました。

クリンもニコも小型犬で雌、みのすけは中型犬の雄だったので、最初は少し心配でしたが、我が家に来た当日からおねえちゃんたちの洗礼を受けていました。

みのすけが我が家に来たのは5ヶ月になる少し前だったので、体はおねえちゃんたちよりも大きかったですが、みのすけはおねえちゃんに逆らうことはありません。それは8年経った今でも変わらないです。

我が家の一員になった当時のみのすけはとてもやんちゃで、我が家も結構破壊されましたが、暴れるみのすけを怒るとクリンが間に入ってわたしを止めるんですよね。クリンなりにみのすけを守っていたのだと思います。順位付けがしっかりできていると、犬同士の関係もとても良好になります。

 

ショップにいる仔犬はとても人懐っこくて、小さい体で一生懸命しっぽを振っている姿を見ると、「きっとこの子は人懐っこいから大丈夫」と思いがちですが、それは対人間であり、犬同士の相性はまた別だと考えています。

犬は家族ですが、決して人間ではありません。

わたしたち人間の社会のルールがあるように、犬の社会にもルールがあります。

これから10数年一緒に暮らすのに、もし相性が合わない子同士だと、喧嘩が絶えなかったり、犬だけでお留守番させることはとても難しくなります。

最初に会った時点で唸ったり吠えたりする場合は、相性が悪いのかもしれません。新しい子を迎え入れる前に、必ず相性を見ておくほうが、あとあと安心であると考えます。

 

 

新しい子を迎える時に気をつけたいこと

 

多頭飼いで失敗している複数の方にお話を伺った際、共通していわれていたことがあります。

 

それは、「新しく来た子に家族の注目が集まる」ということです。

 

パピーはとても可愛いです。よたよたと走る姿、純真無垢なその姿・しぐさのひとつひとつがとても愛らしく、どうしても新しく来た子に注目が集まってしまうと思います。特に家族に子供さんがいると、子犬の取り合いになる、なんて話も耳にしました。

でも、実はこれが多頭飼いが失敗してしまうこと原因のひとつなんです。

先住犬は、家族が増えたことを喜んでいるとは限りません。むしろ、戸惑ったり怒ったりする子が圧倒的に多いと思います。

 

人間の子供で考えるとわかりやすいと思います。

それまで一人っ子だったのが、突然兄弟ができて家族みんなが赤ちゃんに気をとられてしまうと、きっと面白くないと思います。中にはものわかりの良い子もいると思いますが、もし上の子が「寂しい」と思うようなことがあれば、きっと下の子にはあまり良い感情を持てないと思います。

犬は人間社会に順応するようにしつけをしているため、つい人間と同じように考えてしまいがちですが、動物としての習性がなくなったわけではありません。犬は順位付けをして、家族の中で順位を決めます。自分より上位であるリーダーには決して逆らいませんが、自分より下位だと思ったら、その人のいうことは絶対に聞きません。気に入らないと噛むこともあります。

それは犬が生まれつき持っている習性であり、人と共生するためにリーダーを決めてしつけをする必要があります。

 

話を元に戻すと、新しく来た仔犬にばかり気をとられてしまい、先住犬が自分の方が上だと新しい子に教えることを、いじめていると捉えて先住犬を怒ったりすると、犬社会の中で仔犬を先住犬より優位に立たせてしまいます。

こうなると、仲良くするのはとても難しいことになります。

先住犬が新しい子を受け入れることは難しくなり、新しい子は自分の方が優位に立ったと勘違いし、もしかすると先住犬を制圧しようとするかもしれません。そうなると先住犬に居場所がなくなってしまう場合もあります。

 

男の子同士の場合、たとえ飼い主さんが順位付けをしていても、喧嘩が絶えなくなることもあります。その場合は去勢したり、居場所を分ける等の工夫が必要になるかもしれません。

保護活動をされている知人に話を聞く機会があり、多頭飼いで失敗して持ち込みをされる子も結構いるとのことでした。特に大型犬の場合、喧嘩したら大事になりますし、家の中もぐちゃぐちゃになってしまいます。

その方は、しつけに関して自信があるか、または飼育する場所を分けられる場所のある家でない限り、多頭飼いはやめた方が無難だとお話されていました。もし相性が合わなかったら、険悪な関係が10年以上続いてしまいますので、家族はとても大変になりますもんね。

 

 

我が家で徹底した順位付けの方法

 

犬にも感情があります。それまで家族の中心だったのに、家族の注目が新しい子ばかりになると、楽しいはずはありません。

我が家では、ずっと長女のクリンが最優先です。何をするのも絶対にクリンから。その順番が変わることはありません。

抱っこも、ご飯も、頭をなでるのも、話しかけるのも、お散歩も、おもちゃも、何もかも最初はクリンからにしています。他の子が横取りしようとするとたとえパピーの頃であっても、その子を怒っていました。そしてクリンが飽きてから次の子に遊ばせるようにしていました。すると、他の子たちは「この中ではクリンが一番である」ということを理解し、クリンが食べていても横取りすることはなくなりましたし、クリンを抱っこしていても、怒ったりすることはありません。それは今も変わりません。

 

友人が多頭飼いを始める時に、2頭が仲良く過ごせるコツはないのかと相談されたので、「絶対に先住犬を優先すること」と話しました。友人は家族にもそれを伝え、徹底して先住犬を優先したそうです。それまでひとりっ子だった先住犬はすっかりおねえちゃんになり、妹の面倒を見るしっかり者になったそうです。

 

もし新しい子を家族に迎えられたら、何をするにも必ず先住犬を優先させてください。

名前を呼ぶ順番、ご飯を出す順番、おやつをあげる順番、おもちゃを与える順番、抱っこをする順番、リードをつける順番など、どんな小さなことでも、よほど特別な事情がない限り、必ず先住犬を優先することが犬同士の関係をうまく作れると考えます。

 


 

 

もし多頭飼いがうまくいっていないと悩んでおられる方がおられたら、またワンコ同士の相性が悪いという場合は、思い当たることがないかぜひ考えてみてください。

犬の間で順位付けが確定していたら、関係を修復するのは時間がかかるかもしれません。中型犬以上の大きな子で手に負えない場合は、きちんとしたしつけを再度し直すことになるかもしれません。

犬はとても純粋で、まっすぐな愛情をわたしたち人間に惜しみなくくれる生き物です。たとえ捨てられても、それでも一途に飼い主さんを待っている動物です。

 

どうか最後まで諦めず、愛犬と向き合ってあげてくださいね。

 

 

 

ライター:福井 惠子

 

 

 

 


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