【犬の心臓病】咳をしたら要注意

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックスフンド

病名・症状:僧帽弁閉鎖不全症

発症年齢:14歳

発症の経緯:咳やくしゃみが頻繁になる

治療法:投薬

 

 

これってただの風邪?

 

我が家の次女ニコは、14歳の時に僧帽弁閉鎖不全症と診断されました。

ニコは12歳の時に乳腺腫瘍が見つかり、腫瘍摘出と子宮摘出手術を受けました。それまで大きな病気をすることもなく過ごしていたので、初めて診断された時はとても驚きましたが、手術以降は大きな変化もなく過ごしていました。

ニコが14歳になった時、ちょうどクリンの体調不良の時期でクリンに時間をとられていていた時です。よくニコが咳(おじさんが痰を吐くような咳)をしていることに気付きました。

最初は何か変なものでも食べたのかなと思って気にしていませんでしたが、あまりに頻繁にするので、クリンの通院の時に病院に一緒に連れて行きました。

 

症状を伝え、聴診器とエコー検査と血液検査を受けました。ただの風邪だろうと思っていたわたしは、その病名を告げられて驚きました。

 

 

僧帽弁閉鎖不全症とは

 

僧帽弁閉鎖不全症について、他サイトの記事を引用させていただきます。

 

加齢で起こる弁の閉鎖不全

今回の病名で出てくる僧帽弁とは、左心房と左心室の間にある弁の名前です。心臓内には血液が逆流しないように、各部屋の間と動脈に行く前に大きな弁が四つ存在します。僧帽弁はその一つです。僧帽弁閉鎖不全症は、名前の通り僧帽弁が閉鎖せず、血液が左心室から左心房に逆流してしまう病態です。

僧帽弁閉鎖不全症の原因として最も多いのは加齢による弁の粘液腫様変性で(※1)、簡単に言うと弁同士の噛み合わせが悪くなって弁の役目を果たせず、血液が行ってはいけない方向に流れるということです。

出典元:PETOKOTO 犬の僧帽弁閉鎖不全症の症状やステージ、手術・治療法など認定医が解説


 

歳をとると、体の機能も低下します。内臓の働きも悪くなるため、様々な機能障害や病気を発病してしまうこともあります。

心臓は、心筋(心臓筋)といわれる筋肉で心臓壁の大部分を構成しています。心臓は、心筋が収縮して血液を送り出していますが、年齢と共に動きは悪くなっていきます。

特に高齢の小型犬に多く発症するようで、発症してすぐはほとんど症状がないため、全くわからないこともあるそうです。まさに我が家の場合もそうでした。

咳のような症状が出始めていると、かなり症状が進んだ状態である場合が多いようです。

ニコの場合も、聴診器を当てて聞いただけでかなり大きな雑音だったそうです。

 

 

症状の見逃しは多頭飼いで起こりやすいかも

 

ニコが発症した時、ちょうどクリンの食べムラで悩んでいた時と重なっていました。言い訳になるのですが、この時はクリンの食べムラで半分ノイローゼのようになっている時で、ニコの変化にすぐに気づいてあげることができませんでした。

健康診断は受けていましたが、血液検査で異常がみられなかったので見逃していました。病院ではこちらから申し出ないとエコーやレントゲンまでは撮らないと思います。費用もかさみますし、基本は飼い主の申告で検査をするからです。

うちの場合は、咳をしていることが多くて、なんでこんなに咳をするのだろうと思ってからだったので、もしかしたら数ヶ月は気づいていなかったかもしれません。クリンの方にかなり手がかかっていたこともあり、気がついた時には結構進行していたのだと思います。

我が家は3頭の愛犬がいますが、一番上のクリンは一番高齢でもあるのでどちらかといえば過保護になっています。そして一番下のみのすけは、虐待されていたという過去もあり、ついつい甘やかしてしまいます。

ニコはいわゆる中間子。真ん中でしかも全然手のかからない子なので、どこかで「この子は大丈夫」という考えがあったように思います。12歳で手術した時はめちゃくちゃ焦りましたが、喉元過ぎればなんとやらで、ご飯も毎日しっかり食べてくれるし、出すものもしっかり出してくれていて、一見何も問題ないように見えたのも、見逃した原因のひとつだったと思います。

それとニコはアレルギーも持っていて、埃などでも結構咳をすることは珍しくなかったことも原因のひとつでした。今となってはすべて言い訳ですが。

診断を受けてからは投薬で咳も治まり、進行をゆっくりにはできていると思います。でももっと早く気づいてあげることができたら、もしかしたらもっと軽くで済んだかもしれない、と考えてしまいます。

 

 

早期発見が寿命と医療費を安くするコツ

 

自分の実体験と後悔があるので、咳をしている子を見かけると「病院で検査した方がいいですよ」とつい言いたくなります。ホームセンターなどでワンちゃん連れでお買い物をしている方の会話が漏れ聞こえてきたことがあったのですが、ワンちゃんが咳をしていても、この子よく咳するのよねぇ、なんて話をされていたらもう言いたくて言いたくて仕方なくなります。でもいきなり知らない人から「心臓病かもしれません」なんていわれたら失礼だと思われるかと思ってなかなか行動に移せません…

 

僧帽弁閉鎖不全症は特別な病気ではありません。高齢の小型犬は特に罹りやすい病気であるといわれています。早い子であれば7歳を過ぎた頃から、10歳を超えると罹患率は大幅に増加します。

 

もし愛犬が咳をしていたら、その咳が数日続いているようであれば、一度獣医さんで診察を受けてみてください。

病院によっては毎回聴診器をあてないところもあると思いますが、雑音は聴診器で聞くとすぐにわかるそうです。

早めに治療すれば、進行を抑えることができます。心臓は一度悪くなってしまうと元に戻らない臓器。心疾患は「ガン」に次いで死亡率の高い病気です。

そしてこれはどの病気にも言えることですが、悪化すればそれだけ検査費用も薬代も高くついてしまいます。

心臓の病気は、初期の場合はほとんど症状がないため、特に見逃しやすいと思います。アレルギーなどを持っている子や、喉や胃腸が弱くて結構咳をする子の場合は特に見逃しやすいと思います。

 

おじさんが痰を吐くような咳は、大きなサインのひとつです。もし思い当たることがあれば、早めに病院で検査を受けることをおすすめします。

 

 

ライター:福井 惠子