愛犬情報
犬種:トイプードル
状況:育児放棄 環境不良 歯周病 食欲不振
病名・症状:胆泥症 脾臓腫瘍 肝臓炎症 膀胱がん
発症年齢:8歳 11歳 12歳 16歳
モップとの出会い

4歳の時、モップは我が家にやってきました。
娘の知人が飼っていた子で、知人の方が旅行に行くということで我が家でお預かりしたのがモップとの初めての出会いでした。
見た目はまるでぬいぐるみ。真っ白な、2㎏の小さな小さなトイプードル。
見た目のかわいさもですが、初めて会ったにも関わらず、わたしにピタッと寄り添ってきて、小さな子供にも優しく、誰にでも愛想を振りまく…
「なんだこのかわいさは!」と思ったのが第一印象でした。
わたしは知人から「孫が生まれたからあげる」と育児放棄されたポメラニアンを引き取ったことがありました。
その子を引き取った頃は、仕事が忙しく留守にすることが多く、母の家との2拠点で過ごしていて、すっかり母の家の子になっていたこともあり、ワンコを預かることに抵抗がなく、預かりやすい環境でした。
預り犬からうちの子になるまで

それからも元飼い主の方からお願いされ、何度か我が家で預かることがありました。そして預かるうちに、「小さくてかわいい」という第一印象と違うものを徐々に感じてきました。
4歳にしては歯がボロボロ、ユラユラ。
ガリガリに痩せて覇気のない表情。
いつも周りを気にしている。
食の欲もなく、ほんの少し食べるだけ。
人が食べているものも欲しがらない。
とても良い子に一見見えますが、自分の感情を抑えているようにも見えました。
周りを気にするのは不安で安心を求めている子に見られるシグナル。愛情をいっぱい受けている子はたいてい飼い主さんを探したりしますが、そんなそぶりもない。数回しか会っていないわたしにべったりと甘える。
まだ4歳でありながら、歯がボロボロで食に対しての欲がないのもおかしい。本来は食べ盛りで人が食べているものを欲しがる元気いっぱいの頃であるはず。
今のモップの飼育環境が気になり、飼い主さんについて娘に詳しく聞いてみました。
娘に聞いてわかったこと。
若い子が飼っていて、ゲージの中に閉じ込められている時間がとても長いこと。
モップがいる同じ場所で喫煙していること。
自分の気分次第でかわいがったり叱ったりしていること。
飼い主さん自身は「かわいがっている」という自負があったようです。が、表情・行動・状況を見る限り、モップ自身はあまり幸せに過ごせていないのではないかと思うようになりました。
「もしかしてモップはすごく抑圧されているような環境なのでは?」
「もしかしたらうちで過ごす方がモップは安心できるのでは?」
我が家で何度もお預かりするうちに、モップはわたしにとても懐いてくれ、うちで過ごしている時間はとてもリラックスして過ごしてくれるようになっていました。
モップに毎日を楽しく過ごしてほしい、この状態を続けさせてあげたい。
元々ワンコが好きだったこともありますが、小さな命が大切に扱われていないのではないかと感じたことで、わたしはだんだん我慢ができなくなってきました。
そしてわたしは決心しました。なんとしてもモップを幸せにしてあげたい、と。
飼い主さんと話をしましたが、先述した通りご本人はとてもかわいがっていると思っておられます。そこで我が家でお預かりした時のモップの状態や、今の環境はモップにとって負担になっているのではないかということを伝えました。
飼い主さんは、かわいがっているのになぜ手放さないといけないのかといわれました。
わたしは自分の感じていた違和感を伝えました。飼い主の思いでかわいがることと、命を大切にすることは違う、と。正直あまり理解はされていなかったように思いますが、最終的には「はいはい、もうわかりました」という感じではありましたが何とか納得していただくことができ、それからモップは無事うちの子になりました。
我慢する子から自分本来の姿へ

モップはトイプードルの中でもかなり小型。おそらくティーカッププードルに分類されると思います。
後から調べましたが、体の小さな子の方が売れるため、小さな個体を掛け合わせて無理に小さな子を作るそうです。そのため未熟児や生まれた時からリスクを抱えている子も多いことがわかりました。
命をなんだと思っているのかという憤りと怒りがこみあげてきます。
実際モップも体が弱く、様々な病気に罹患しました。
我が家で引き取った時に体中をいろいろとチェックしましたが、とにかく歯の状態が悪い。まだたった4歳であるのにも関わらずボロボロだったため、お口の状態の改善から始めました。
診断の結果、ひどい歯周病でかなり進行しており、多くの歯がグラグラでした。歯石取りとぐらついた歯の抜歯。たった4歳で、かなりの本数の歯を抜くことになりました。
残った歯を守るため、口腔ケアもかなり頑張りました。
食が細くあまりごはんを食べないため、まずはしっかりと栄養を摂ってもらうため体に良いフードをとヒューマングレードのフードを探しました。
洗剤も体に優しいものを。柔軟剤は使わない。とにかくモップにとって心地よい環境を作ることに注力しました。
ゲージに閉じ込められており、ひとりで過ごす時間も長かったようですが、本当はさみしがり屋であることがわかりました。
そのため、モップがひとりぼっちにならないよう常に家族の誰かはうちにいるようにしました。
これに関しては、わたしたち家族が年齢的にも仕事から解放されていたのでできたことではあります。
お散歩で自然に触れさせ、共に楽しい時間を過ごすことでモップからの信頼や愛情が徐々に深まっていると実感しました。
そして、少しずつ少しずつモップの本来持つ性格が見えるようになりました。
自分の気持ちをちゃんと押し通そうとする意志の強さ(わがまま)を見せはじめ、ごはんもよく食べるようになりました。
最初は小さくてかわいい、だったのが、徐々にたくましいかわいらしさとなりました。
食が細くて歯がボロボロで、人の顔色を伺う弱々しくおとなしいモップから、パクパクごはんを食べ、自分のやりたいようにふるまい、自分の意に介さないことにはNoが言える意思の強い子(笑)に成長してくれました。
ライター:suzu
