【愛犬の健康】体の質は食べ物でかわる

愛犬の散歩に行った公園で、太った柴犬を連れた高齢の男性と話す機会がありました。

その男性は愛犬をとても可愛がっているようで、まるまると太った愛犬を優しいまなざしで見つめながら、男性は言いました。

「この子はちくわが大好きで、毎日ちくわを食べさせてるんや」

その柴犬は腎臓が悪く、病院にかかっているそうです。男性は愛犬が喜ぶからと、今でも毎日ちくわを食べさせているとのことでした。

柴犬も男性もとても幸せそうで、わたしは「腎臓に悪いから、ちくわをやめた方がいいですよ」とは言えませんでした。

 

 

体の質を作るのは「食べ物」

 

すべての生物は、細胞でできています。

人間は約60兆個の細胞でできているといわれています。この60兆個の細胞が、命が絶えるまで生まれ変わりを続けます。これが「新陳代謝」です。

細胞が若いと生まれ変わりのスピードが早く、細胞が古くなるとスピードは遅くなります。子供が怪我をしてもあっという間に治るのに、大人になると青あざがなかなか消えないのはまさしくこのことです。

わたしたちの体は、食べるもので大きく変わります。細胞は水分・タンパク質・脂質・炭水化物・ミネラルなどでできています。うち水分は60%以上といわれています。

毎日水を飲みましょうというのは、この水分を入れ替えるためです。流れている川の水はいつもキレイですが、貯水池の水は濁っています。体の中の水分をいつもキレイな状態にするために、毎日水を飲むのです。

水分以外の成分を見てみると、わたしたちが毎日食べている食事に含まれる成分であることがわかります。

食べ物で体を作ることがわかりやすく図で説明してある記事を見つけたので、引用させていただきます。

 

 

ねずみにチーズを与えます。

 

 

原子レベルのミクロ視点で見ると、ねずみもチーズも炭素や窒素などの集合体です。

 

 

ねずみに食べられて、体の一部となったチーズ。

出典:isao’s blog雑学File:24 – 命の定義

 

目に見える形では全く別物ですが、ミクロ視点で見ると同じです。このように食べ物が体の一部になると考えると、できるだけ質の良いものを食べたほうがいいと思えます。

 

 

細胞の質=体の質

 

細胞は200種類以上あります。それぞれ生まれ変わりの周期は違い、一番早いのは胃腸の表面を覆っている上皮細胞で、1~5日で生まれ変わるといわれています。一方、再生しない細胞もあります。心筋や神経細胞です。軽い胃腸炎は1日で治るのに、心臓病は移植などの治療が必要になるのはそのためです。

腎臓や心臓は、一度悪くなるとよくなることはないといいます。再生しない臓器はできるだけ大切にして、長く使えるようにしたいものです。

ではわたしたちの体を作る細胞の質を上げるためにはどうすればいいのでしょうか。

細胞の質を上げるには、細胞を作る栄養素の質を上げることが重要です。口から摂る食べ物で、わたしたちの体は作られていて、食べる物で体の質は変わるということです。これは人間だけに限らず、経口で栄養を摂る生き物すべてにいえることで、もちろん愛犬も同じです。

良質の栄養素は、良い細胞を作り出し、体は元気に健康になる、ということです。

 

 

なにより楽しい毎日を送ること

 

ところが病気は、食べるものにさえ気をつけていれば絶対にならない、というものではありません。細菌や遺伝、ストレスなどが原因でなってしまうこともあります。

とはいえ、加工食品は高塩分のものが多く、人間でも塩分過多になります。体の小さな犬にはもっと負担になります。愛犬の体を守るためにも、たとえ少量でも人間用の加工食品は愛犬には与えない方がいいです。

前述の柴犬は、10歳を超えているとのことでした。毎日おとうさんにちくわをもらうのが楽しみで、おとうさんのことが大好きなのが伝わってきました。

本当はちくわを食べない方が長生きできるかもしれません。すでに腎臓に症状が出ているのであればなおさらです。

でも、もう10年もの間この生活を続けてきて、柴犬もおとうさんもとても幸せそうで、これはこれでありなんだろうなと思いました。

 

もちろん体に不具合のない若くて健康な状態の愛犬には、ちくわは絶対にやめた方がいいです。