急性膵炎 ~突然愛犬を襲う、大きな痛み~

愛犬情報

犬種:ミニチュアダックス スムース

病名・症状:急性膵炎・嘔吐を繰り返す

発症年齢:17歳5ヶ月

発症の経緯:いつも通りの生活の中突然発症

治療法:ICU入院→点滴・投薬

 

 

自分で自分の内臓を消化しようとする怖い病気

 

ある日突然愛犬が嘔吐を繰り返し、明らかに異常な見た事のない様子を見せる。
あなたが目の前でその様子を見たら、ただただ困惑するばかりでしょう。
私もそうでした。

それは、本当に突然の事でした。
愛犬のMackが、1時間に3度4度と嘔吐を繰り返し、それまで聞いたことのない、悲痛な力無い声で鳴き続けました。
何の前触れもなく、本当に突然の出来事でした。
見た事のないMackの様子に異常を感じた私はすぐに救命救急へ駆け込みました。

救急へついてもなお悲痛な鳴き声は収まりません。
すぐに検査室へ呼ばれ、血液検査とレントゲンを受けました。

結果は「急性膵炎」……それまで聞いたことのない、未知の病名でした。
別名、「お腹の火傷」とも呼ばれるその病は、激しい痛みを伴う恐ろしい病でした。

 

【急性膵炎】きゅうせいすいえん

 

膵臓の中の膵液が様々な理由で過剰に活性化。
自分で自分を消化しようとすることとそれに伴う炎症反応により、激しい腹痛を起こす。
重篤な場合多臓器不全に発展したり、痛みによるショック症状を起こす。
また心臓や血圧に負担がかかり、そのまま心停止することもある。

 

 

Mackの場合

 

脂肪分を多くとりすぎたなどの起因がありますが、Mackの場合、救急の担当医師は「断言はできないが、甲状腺異常が起因だろう」と言われました。
Mackは甲状腺機能低下症により、薬を服用していました。

そして、この時のMackの膵炎はというと、急変してすぐに病院へ駆け込んだことが功を奏し、異常はあるが炎症値は低いとのことで、担当医からは「今はこれしかできることがない」と注射と点滴を受け、一度帰宅しました。

夫からは「まずは無事に帰宅できたことを喜ぼう」と言われましたが、その時の私は「Mackが死んじゃったらどうしよう!私があげたご飯のせいかもしれない!居なくなったらどうしよう!」ということばかり考えてしまい、動転して泣くばかりでした。

 

帰宅してから、しばらく落ち着いていましたが午前3時を過ぎた頃、薬が切れたのでしょう、また悲痛な鳴き声をあげ始めたので、再び救急へ駆け込みました。
その時は痛み止めの注射のみを受け、朝一番にかかりつけ病院へ向かいました。

 

 

跳ね上がる炎症値・・・即入院

 

かかりつけに着くと、救急から話が来ていたので、すぐに血液検査を受けることになり、結果は炎症値がとても悪いとのことで、即入院となりました。

 

入院時血液検査結果

 

 

家へ帰る道中、夫の運転する車の中、私は子供のように泣きじゃくりました。
「Mackが居なくなったらどうしよう」……頭の中は、昨夜調べた膵炎の中の記述”死亡することもある”という一文が頭の中に大きく現れ私の思考を支配していました。
入院当日から最初に面接に行くその日まで、私は何をするにも手がつかずひたすら泣き続けていました。

面会したその時、Mackは力強い目で私を見上げ、力を振り絞り吠えました。
「姉ちゃん僕を連れて帰って。僕治すから!」
そう言っている気がして、私はその日以来泣くのをやめました。

愛犬の頑張りを目の当たりにして、死を恐れて泣くことは、その頑張りを否定してしまうような気持ちになったからです。

その後、約二週間点滴と投薬を受けながら入院。
入院した晩は徐脈になり、先生が「危険な状態」と電話をしようと悩んだほどだったそうですが、なんとか帰宅することができました。

 

退院後血液検査結果

 

膵炎は、想像を絶するほどの腹痛を伴うと言われている病です。
慢性になることもありますから、特に老犬期に入った愛犬には、食事を見直す、人間の食べ物は与えないなど、気を付けてあげてください。

Mackの場合、成分表示をかならず確認するようになりました。
脂肪分表記を必ず確認、5,0%以下のもののみを与え、手作り食の際には笹身・サツマイモ・ジャガイモなど、消化にやさしい低脂肪なものを主に与えていました。

愛犬の食の安全を守ってあげられるのは、飼い主さんだけですからね。